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秦吉弥大阪大准教授らの熊本地震データに捏造改ざんの疑い 後藤浩之京大准教授、吉見雅行主任研究員らの研究


 熊本地震のデータという関心を集めそうなところでの、研究不正疑惑。とりあえず、データがおかしかったことは間違いないみたいですね。なお、ニュースでは研究チームに参加して、今回問題を報告した後藤浩之京大准教授の名前だけ報じられていましたが、筆頭著者は大阪大の秦吉弥准教授のようです。(2017/10/02)

2017/12/03:
●大阪大が本調査へ 疑惑のデータは「考えられない揺れ」と報じられたものだった
2018/01/19:
●渦中の准教授の退職が判明
●大阪大が不祥事連発、でも問題は事後対応
2019/01/28:
●准教授、東日本大震災や熊本地震での別の地点でも不正か?
2019/03/16:
●22論文に疑惑、東日本大震災など5論文不正認定も准教授死亡で調査打ち切り


●大阪大准教授らの熊本地震データに捏造改ざんの疑い

2017/10/02:昨年4月16日の熊本地震は、本震と思われていた地震(前震)の後に、それより大きい本当の「本震」が来たというのが衝撃的でした。大阪大や京都大のチームはこの熊本地震の前震発生後の15日に設置した臨時の地震計を基に、益城町役場南で計測震度6.9という他の地点と比べて特に大きい揺れを記録したと発表していました。

 ところが、この益城町で観測したと主張していた特に強い揺れのデータに不自然な点があり、チームがデータの公開を中止しました。関連する論文の撤回も検討。また、捏造や改ざんの疑いがあるため、文部科学省も事実関係を調べているといいます。
(熊本地震でデータ捏造か 阪大などチーム、文科省が調査 - 共同通信 47NEWS 2017/10/2 12:04より)

 TBSによると、益城町で観測したとするデータは、別の場所で、別の研究機関が観測したデータを改ざんしたものではないかという疑いがもたれているようです。

 この論文の主筆者は大阪大学の准教授であり、筆頭著者ではないのですが、チームに参加していた京都大学の後藤准教授のもとに、先月末、「データに不自然な点がある」などとする匿名の告発があったのが問題判明のきっかけ。改めて精査したところ、問題を確認したという経緯だそうです。
(熊本地震で論文データ“改ざん”か、文科省が事実関係を調査 TBS NEWSより)

 さらに、日刊スポーツによると、後藤准教授がサイトに掲載された説明では、昨年12月にも別の人から同様の指摘があったが、精査していなかったということでした。

 また、文科省地震・防災研究課によると、チームのデータによって国の地震に関する報告書や政策が影響を受けた事実は確認されていないそうです。
(熊本地震でデータ捏造か 阪大などチーム、公開中止 - 社会 : 日刊スポーツ(共同) [2017年10月2日13時0分]より)


●筆頭著者である大阪大准教授は秦吉弥氏 後藤浩之京大准教授、吉見雅行主任研究員らと共同

 公開が中止されたサイトというのは、どうやら2016年熊本地震 益城町臨時観測点 本震記録ダウンロードサイトのようです。こちらには、「秦吉弥は益城町に設置した臨時の地震観測点において4/16の本震記録を取得しました(Hata et al., 2016)」とあり、秦吉弥さんが筆頭著者だとわかります。

 また、同じページには以下のような記載もあり、今回精査したという後藤浩之・京大准教授のお名前も確認できました。

"July 7, 2016
Yoshiya HATA, Hiroyuki GOTO, and Masayuki YOSHIMI / 秦吉弥,後藤浩之,吉見雅行"

 もう一人お名前が見える吉見雅行さんというのは、国立研究開発法人・産業技術総合研究所の主任研究員のようです。吉見さんもお詫びの文書を出していました。 → 2016年熊本地震の益城町臨時観測点における本震記録について


●秦吉弥・大阪大准教授の経歴

 とりあえず、経歴は秦吉弥・大阪大准教授についてだけ。4月に昇進したばかりで、研究発表時点では助教だったようです。

<学歴>
広島大学 工学研究科 社会環境システム専攻 修了 博士(工学) 2008年09月

<職歴>
日本工営株式会社 中央研究所 研究員 2004年04月 ~ 2009年03月
日本工営株式会社 中央研究所 主任研究員 2009年04月 ~ 2013年01月
大阪大学 大学院工学研究科 助教 2013年02月 ~ 2017年03月
大阪大学 大学院工学研究科 准教授 2017年04月 ~ 継続中
(研究者詳細 - 秦 吉弥より)

 まだ詳細がわからず、今のところは特に特異な研究不正問題には見えないのですが、熊本地震という関心の高い問題であり、ひょっとしたら結構報道されるかもしれません。続報などあれば、追記するか、新しい投稿で追加しようと思っています。


●大阪大が本調査へ 疑惑のデータは「考えられない揺れ」と報じられたものだった

2017/12/03追記:その後特に大きな話題になっていませんでしたが、10月2日から予備調査をした結果、本調査を始める見通しだと報じられました。
(熊本地震の観測データに不自然な点 大阪大が本調査へ:朝日新聞デジタル 2017年11月30日19時10分より)

 これだけとあまりに短いので、関連する話を追加。不正が疑われている益城町の揺れなのですが、"これまででは考えられないような強い揺れが生じていたとして、揺れを増幅させる「表層地盤」のメカニズムが広く報じられていた"そうです。すでに記事は削除済みであるものの、NHKによる「熊本地震が浮き彫りにした「表層地盤」というリスク | NスペPlus」などでも報じられていたといいます。
(熊本地震論文の地震計データに改ざんの疑い | スラド サイエンス by hylom 2017年10月05日 17時11分より)

 歴史に残るような新しい発見と思いきや、捏造だったのかもしれない…という話のようです。こういうことちょくちょくありますね。


●渦中の准教授の退職が判明

2018/01/19追記:記事タイトルだけでもう伝わる内容なのですが、大阪大准教授が捏造疑惑で退職か 熊本地震データ問題:社会:中日新聞(CHUNICHI Web)(2018年1月18日 20時30分 共同)というニュースがあました。

 退職していたことは、大阪大学関係者への取材でわかりました。大学のホームページの研究者総覧からは既に削除済みです。阪大は退職時期や理由を一切明らかにしていないのですけど、普通に考えるとこの捏造疑惑のせいでしょうね。

 このニュースに関して、「また大阪大の不祥事」といった反応があったので検索。不祥事の一つは、大阪大が昨年2月に実施した入試の物理科目で、出題と採点にミスがあり、誤って30人を不合格にしていた問題のことみたいです。しかも、物理の1問は正答が複数あったのに、阪大は一つだけを正答としていました。この答えに連動して作成された次の問題は、問いそのものが成立していなかったといいます。
(大阪大入試ミス 傷口広げた不誠実な対応 - 西日本新聞 2018/01/16付 西日本新聞朝刊より)


●大阪大が不祥事連発、でも問題は事後対応

 ただ、研究不正についても書いているように、こうしたミスが起きてしまうことはあり、本当に大事なのはその後の対応です。熊本地震の件は本調査へと無事進んでおり、今のところ大学側の対応で悪いところはありません。一方で、出題ミス対応は問題を感じました。

 というのも、予備校講師などが昨年の6月と8月に阪大にミスを指摘していたにもかかわらず、阪大が問題の調査に乗り出したのは、3回目の指摘を受けた昨年末だったことです。阪大は問題作成チームの「自信があだになった」などと釈明していますが、それがダメなところ。

 研究不正問題では、大物研究者に忖度するケースがあり、非常に問題があります。不正そのものよりその後の対応というのは、しつこく言っていきたいです。

 …と書いてから思い出しました。大阪大では、大阪大が性器を触る・風呂に入るセクハラを隠蔽?教授は軽い処分の見込みという忖度と思われる例があったんでした。やっぱダメダメですね。


●准教授、東日本大震災や熊本地震での別の地点でも不正か?

2019/01/28:研究不正が多数報告されるときには大きく2タイプあり、個人が不正を繰り返しているパターンと、研究室ぐるみや上司が圧力をかけるなど組織的に不正が繰り返されるパターンがあります。この研究不正は前者だったかもしれません。別の地震研究においても不正の疑いが報告されました。

 新たに不正の疑いが強いとされるのは東日本大震災での藤沼ダム(福島県須賀川市)や、熊本地震での阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村)の揺れの記録。観測できなかった大地震の揺れを、その後の余震の記録から推定する内容だといいます。

 なお、この記事では、"2016年の熊本地震で、現地で観測したとしていた震度7の記録を捏造と指摘された後に退職した元大阪大准教授"という紹介の仕方。この書き方だと熊本地震では震度7がなかったという風に読めるのですけど、そういう理解で良いんですかね?
(元准教授、東日本大震災も不正か 熊本地震で捏造指摘 - 共同通信 | This Kiji 2019/1/26 19:29より)

 気になったのでウィキペディアを読んでみると、「4月16日の震度7本震の地震波データに問題があることが発表され」ているので、「この問題が解決するまで本震の地震波や被害原因分析に関する科学的情報には留意が必要である」といった書き方。

 ただ、震度7を観測する地震はその前の4月14日夜にも起きていますので、震度7が最低でも一度はあった、という理解で良さそうでした。


●22論文に疑惑、東日本大震災など5論文不正認定も准教授死亡で調査打ち切り

2019/03/16:阪大によると、元准教授が関わった計44本の論文について、不正を疑う指摘がありました。今回、不正を認定したのは5本。当初問題になった熊本地震の論文の他、同じ熊本地震の別の論文や東日本大震災に関する別の4本の論文で、ほかの研究機関の観測データを転用するなどの手法がみられ、捏造や改ざんを認定しています。京大と産総研の研究者は、捏造への関与がなかったこともわかりました。

 ただ、不正が濃厚だった論文は22本だったようです。「5本以外に、17本の論文で不正が強く疑われたが、元准教授はすでに亡くなっており、確認できなかった」という記載がありました。
(熊本地震データの論文、不正認定 阪大元准教授が捏造:朝日新聞デジタル 2019年3月16日01時28分より)

 17論文の判断が曖昧になったことは、二つの意味で問題があります。一つは、亡くなって調査打ち切りとなると、死によって罪を逃れられると思わせてしまい、死ぬ動機を増やしてしまうこと。今後の不正においても、死者を増やしてしまうおそれがあります。死ぬ動機を増やす方向性の言論は、過去の不正事件においても、マスコミやネットで見られました。

 また、事実関係が不明のままになることそのものに、大きな弊害があるということ。不正かもしれない研究を引用するなどで、今後の研究に差し障りがあります。企業不正なんかで考えればわかると思いますが、重要人物が亡くなったからといって調査をやめることはありません。犯罪事件の場合も、被疑者死亡で書類送検されます。これは調査結果をきちんと示すというのが理由のひとつであり、場合によっては調査内容が被疑者以外にも関わってくるため重要です。研究不正においても、できる限り調査しないと問題が大きくなります。

 なお、前回の追記でも気にした熊本地震の地震の規模に関しては、熊本地震を受けて安全対策に関する報告書をまとめた国土交通省の担当者が「修正は必要だが、結論に変更はなく影響は限定的だ」とコメントしていました。やはり全体的な熊本地震の規模についての理解はそう変わらないみたいです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■大阪大が性器を触る・風呂に入るセクハラを隠蔽?教授は軽い処分の見込み

【関連投稿】
  ■広島大学の東幸仁教授が業績水増し 告発の准教授がなぜか退職する事態に
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  ■研究不正疑惑についての投稿まとめ

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