がん免疫療法すごいぞ!という話がありました。実際、この分野はどんどん発展していきそうな感じではあります。ただ、この流れに乗って、免疫療法なら絶対効果があるといった誤解が出てきそうなのが怖いところ。まだ発展途上の分野であり、科学的根拠が十分でないものの方がむしろ多いそうですから、注意が必要でしょう。
2023/08/28:
見直しながら再投稿中
●世界的な学会で「がん免疫療法」が浸透…嘘ではないが注意
2017/09/25:世界第2位の規模のがん治療に関する学術集会「ヨーロッパ臨床腫瘍学会」において、がん免疫療法の確実な浸透が見られたという記事がありました。嘘を書いているわけではないものの、知識がないと誤解されそうなものです。
この学会の話を紹介した記事は、
世界的な学会で「がん免疫療法」が確実に浸透〜ヨーロッパ臨床腫瘍学会(ESMO2017)|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS(角田卓也)というものでした。
がん免疫療法は、効果が明らかな「免疫チェックポイント阻害薬」(抗 PD-L1 抗体:薬剤名オプジーボ、キイトルーダなど)が登場し、治療方法は飛躍的に進歩していると紹介していました。このうち、オプジーボは、うちでも
小野薬品工業、日本だけ高いオプジーボで荒稼ぎ 英国の5倍の薬価で書いています。
●まだまだがん免疫療法には十分な科学的根拠がないものが多い
ただし、学会での発表が増えたこと=科学的根拠が十分にあるという意味ではないことに注意が必要。研究結果はそもそも異なることも多いのですから、発表されたもので確定ということでもありません。むしろいろいろ発表されている分野というのは発展途上とも考えられ、完全に手法が確立されたものはあまり発表がないのではないか?とすら思います。
名前が悪いがんの標準治療と先進医療 標準が有効で先進は実験台でやったように、十分に科学的根拠があるものは、「標準治療」に取り込まれているはず。そうでなければ、現在目下研究中であり、効果があると言うにはまだ早いと考えられます。「がん免疫療法」についても「標準治療」への採用具合を見た方が良さそうです。
ということで、検索して出てきたのが、
免疫療法 もっと詳しく知りたい方へ:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]というもの。ここでは、「効果が明らかな免疫療法は限られています」としていました。そして、「これまでの研究では、残念ながらほとんどの免疫療法(広義)では有効性(治療効果)が認められていません」とも書いています。
免疫チェックポイント阻害剤などの一部の薬では、臨床での研究で効果が明らかにされているものの、ほとんどの免疫療法は研究開発中だとしていました。「免疫療法」の名に騙されてしまうおそれがあるので、注意が必要でしょう。先にその治療法が「標準治療」となっているかどうか確認を行うべきかもしれません。
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