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最強の戦士なのに最悪の指揮官、マネージャー・管理職の役割に誤解


2011/7/30:
●「最強の戦士」なのに「最悪の指揮官」、なかなか出世できず
●ひとり仕事やプロジェクトの一部分をやるスペシャリストに
●マネージャー・管理職の役割に誤解…出世させてはいけない人がいる
●新人にすら何も教えない…超放任型上司は実質的に超介入型上司でもある
●反省して今度は何から何までする指示するタイプに変身…部下の反応は?



●「最強の戦士」なのに「最悪の指揮官」、なかなか出世できず

2011/7/30:任せて失敗、指示して失敗、どうすれば?( 山本 真司 2011年7月26日 日経ビジネスオンライン)を読んでいて、同じ日経ビジネスオンラインの記事を元に書いたマネージャー・管理職の役割1 早い出世課長ほどマネジメント下手を思い出しました。

 作者の 山本 真司さんはコンサルタント業に転職した当初、寝食を忘れて猛勉強し、平のコンサルタントからマネジャーへ最速昇進もささやかれていたそうです。

 ところが、結果は最速どころではありませんでした。同期で一番最後、平のコンサルタントとしての規定年数ギリギリ、首の皮一枚で業界を去らなくて済んだというタイミングで、やっとマネジャーに昇進することになりました。コンサルタント業って昇進しないと追いだされちゃうんですかね。

 マネージャー・管理職の役割1 早い出世課長ほどマネジメント下手では、普通に成績が良かった人が管理職になって失敗した…という話でした。なので、今回の話とは違いますね。

 しかし、この作者に対する先輩パートナーの評は「史上最強の戦士」であり、同時に「史上最悪の指揮官」であるというもので、優秀な平社員が優秀な管理職になるわけではないという例としてはピッタリでしょう。


●ひとり仕事やプロジェクトの一部分をやるスペシャリストに

 作者は自分1人で企画を作るのは得意。プロジェクトのごく一部を任せてもらって、ガンガン良い企画を作ることはできたそうです。ただ、これはマネージャーになったときに求められている能力とは違います。

 山本さんは他人のマネジメントができず、後輩や同僚のテコが効かないゆえに、自分の仕事の範囲は、広がらなかったといいます。「いつまでたっても自分にアサイン(引用者注:割り当て)された企画部品の製造業者から脱皮できなかった」「永遠の担当者」というわけです。

 私は全員が管理職を目指すというシステムはおかしいと思っており、優秀な担当者であればそのスペシャリストになればいいじゃない…と思っています。実際、付き合いのあった外資系の企業なんかは、役職を全然つけずほとんど平社員でしたから、管理職を少なくすること自体は机上の空論じゃなくて可能なはずです。


●マネージャー・管理職の役割に誤解…出世させてはいけない人がいる

 ただ、コンサルタントはどうもそういうものじゃないようで、優秀な「戦士」としてもどこがで限界が来るとされていました。さっき追い出されそうになっていた。と言ってましたものね。企画を得意としていた作者ですが、その企画の「凄み」は年齢とともに徐々にかすんできたといいます。

 理由はいろいろとあったとのこと。例えば、基本的にひとりで仕事をするというのは負担が大きいというのがひとつ。燃え尽き寸前で働き尽くしており、常に疲れ続けているという無理な状況だったとのことです。また、周りといっしょに仕事ができない人だったため孤立しており、精神的にもきつかったというのもあるとのことでした。

 これを改善して、晴れてマネージャーに昇進…ではなく、作者はどうもそんな状態のままなんとかマネージャーになったという形だとのこと。でも、これ出世させる方も悪いですね。平社員と管理職では役割が異なるのですから、昇進させてはいけません。マネージャーの役割についての誤解が広がっている感じです。


●新人にすら何も教えない…超放任型上司は実質的に超介入型上司でもある

 とりあえず、他の人の力を引き出せないマネージャーだったために、やはり全くうまく行きませんでした。極端から極端に走ったマネジメントで二度失敗したといいます。

 最初の失敗は、「ウルトラ放し飼い」マネジャー。かつての部下は、新人だったにも関わらず、テーマだけ与えられて放置状態。前の日の真夜中に、ダメ出して全部書き直してなんとかするものの、結局、何の指導もなかったといいます。

 自分が上司の介入を嫌ったため、皆そうだと思い込んだようです。私も後輩を見ていて、随分タイプが違うなぁと思いますし、マネージャーの役割2 ~できる人のやり方を、できない人にやらせても無駄~で書いたように、当然その人によって最良の方法は異なってくるでしょう。

 読み直していて思いましたが、これは超放任型と言いつつも、実際には超介入型という側面がありますね。最後の最後には部下の仕事をすべて否定した上で、自分の理想通りなものを一から作っています。後に書いた部下に仕事を任せるべき…と言われるが、その任せ方がわからないを思わせます。(ここだけ2019/12/09追記)


●反省して今度は何から何までする指示するタイプに変身…部下の反応は?

 「会社では総スカン状態。私と働くのを喜ぶ部下はほとんどいなかった」ため、作者は方向転換。今度は、「究極の1人プロジェクト」方式に変わります。これはなんと表現して良いかわかりませんが、超介入型を通り越したさらに過激な状態になっています。

 部下は、自分の手足だという感覚で、企画の全体像、企画の構造、必要作業に至るまでのすべてを自分で背負い、部下には、特定の作業をお願いするというスタイルです。

 実はこれ、不評ではありませんでした。「メチャクチャな山本さんのプロジェクトに配属されて怖かったけれども、今回は、凄く良いマネジメントだった」と、最初は部下にも好評。部下は何も考えなくて良いので、気楽なのです。

 しかし、これも当然駄目だと、読んでいるみなさんもわかるでしょう。それは先程の優秀な「戦士」としての限界とほぼ同じ理由で、まず、ひとりの仕事ではもともと限界があったということ。また、当然、部下が成長しないという大問題があります。

 じゃあ、どうしたの?という話は、35歳からの「脱・頑張(がんば)り」仕事術 (PHPビジネス新書)に載っているとのこと。そう来たか! ただ、失敗例としてはわかりやすいですし、後に書いた部下に仕事を任せるべき…と言われるが、その任せ方がわからないも参考になると思います。


【本文中でリンクした投稿】
  ■マネージャー・管理職の役割1 早い出世課長ほどマネジメント下手
  ■部下に仕事を任せるべき…と言われるが、その任せ方がわからない

【関連投稿】
  ■上司は偉いという勘違い ボスタイプは理想的なリーダーではない
  ■マネージャー・管理職の役割2 できる人のできない人指導が無駄な理由
  ■マネージャーの役割5 ~異説リーダー論~
  ■ビジネス・仕事・就活・経済についての投稿まとめ

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