ドン・キホーテのニュースに合わせて、かねてからやろうと思っていたドン・キホーテはダイシン百貨店やそうご電器をわざと潰したのでは?という話を。また、今回見つけたものとして、長崎屋での悪い噂や、オリジン買収合戦で違法寸前の大儲けといった話などもいっしょにやっています。
冒頭に追記
2022/03/04追記:
●あのドン・キホーテがまさか!ウクライナ避難民受け入れの美談 【NEW】
●あのドン・キホーテがまさか!ウクライナ避難民受け入れの美談
2022/03/04追記:見事に悪い話しか伝わってこないドン・キホーテで珍しく「いい話」があったので、正直驚いてしまいました。ロシアのウクライナ侵攻によって大量に出ている難民に関して、<パンパシフィックHD、ウクライナ避難民100世帯受け入れへ>(ロイター / 2022年3月3日 10時44分)などの記事が出ています。
記事によると、「ドン・キホーテ」などを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、人道支援の一環として、ウクライナ避難民100世帯を受け入れると発表。政府の認定を受けた避難民世帯を受け入れ、さらに経済的支援、生活面のサポート、就業機会の提供などにも取り組む方針だといいます。
私はタイトルを見た時点では、海外での支援なのかな?と思ったのですが、この書き方だと日本国内の支援を想定している感じ。以下のような逸話があるなど、日本はそもそも難民を受け入れない国として有名なため、国内だとは思いませんでした。さすがに今回は日本も受け入れるとは思うものの、下手したら100世帯いない可能性はありそうです。
ついでに日本の難民嫌いで思い出した話をひとつ。これもロシアが絡むところなのですが、シリアの難民問題があったときに、外国人記者が安倍首相(当時)に「難民の一部を日本に受け入れることは考えていないか?」と質問していました。これに対し、安倍首相は難民受け入れは人道問題ではなく、国内の人口増加策だと考えているような回答をしていたのです。
「人口問題として申し上げれば、我々は移民を受け入れる前に、女性の活躍であり、高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手があるということでもあります。同時に、この難民の問題においては、日本は日本としての責任を果たしていきたいと考えております。それはまさに難民を生み出す土壌そのものを変えていくために、日本としては貢献をしていきたいと考えております」
(
安倍首相「難民受け入れは?」と問われ「女性の活躍、高齢者の活躍が先」 The Huffington Post | 執筆者: 吉野太一郎 投稿日: 2015年09月30日 19時44分 JST 更新: 2015年09月30日 19時44分 JSTより)
●ドン・キホーテに買収されたユニークな百貨店「ダイシン百貨店」
2017/10/19:2014年に、東京・大森のダイシン百貨店というユニークなデパートの話を、
「商品がありません」は禁句 ダイシン百貨店は住民を100%顧客にで書きました。ただ、古い記事を読んで後から書いたため、投稿した当時は既にドン・キホーテによる買収がされた後だったようです。
私の読んだ2011年の記事は、拡大路線で失敗して「転換した」ということは書かれていたものの、利益の話は出ておらず成功かどうかは不明でした。記事当時やその後はかなり苦しかったようで、後から読んだ
ダイシン百貨店 - Wikipediaにはそういった記述があります。
まず、2011年の記事以前の話としては、老朽化が進行し耐震性確保も問題視されていたことから、2010年2月から駐車場の敷地部分を有効活用する形で北半分を建て替え、2011年2月にプレオープン後、南半分を建て替えて2012年8月にグランドオープンしたといった説明。ただ、うまく行かなかったようです。
<建て替えの時期に規模縮小を余儀なくされたが、その際近隣に相次いで開店したスーパー(オオゼキ・まいばすけっと等)に押される形で2012年1月期には売上高が51億円と大幅に減少した。
2012年に新館がグランドオープンし、売上げ減少には一定の歯止めがかかったものの、社会的弱者に優しい店舗作り・品揃えを加速させたことでむしろ、半径500m以内、シェア100%主義というスローガンとの乖離が生じて若年層の客離れを招く結果となり大幅な回復には至らず、新建屋の建築費用や金利負担などがそのままのしかかる形で2016年1月期には8000万円の赤字を計上するなど慢性的な赤字体質からの脱却は困難な情勢となっていた。
このため社長の西山敷は2014年に経営権をドン・キホーテグループ系列の投資ファンド日本アセットマーケティングに売却。新経営陣は営業時間を他のドン・キホーテ店舗と同一にするなど徐々に店舗運営ノウハウをドン・キホーテのものに移行したうえで、2016年にはドンキホーテホールディングスがダイシン百貨店の経営権を直接獲得。5月8日には「ダイシン百貨店」の屋号としての営業を終了・閉店した>
●ダイシン百貨店は閉店しないはずだった
上記のようにもともと苦しかったようですから、そのままであっても倒産したかもしれません。また、一方からの主張であり、ドン・キホーテ側の主張も聞く必要もあるのですが、ダイシン百貨店側からすると「裏切られた」という思いがあるようなのです。
拡大路線の立て直しでダイシン百貨店入りし、ドン・キホーテへの売却まで社長をしていた西山敷さんによると、体調を崩したこともあり今後の経営に関して弱気になっていた時期、65歳を超えていたのに後継者も育っていなかったとして、M&A(合併・買収)を模索しました。
大手に資本参加してもらい財務基盤を強化して、ダイシン百貨店をこれまで通りのコンセプトで継続、発展できればと考えたのだそうです。「これまで通りのコンセプトで継続」ですから、飽くまでダイシン百貨店はダイシン百貨店のままというもの。そして、当初はイオンへの売却を前提に取引銀行と資産査定も始めていました。
(
下町百貨店、閉店は想定外:日経ビジネスDigital 日経ビジネス2016年6月20日号より)
●ドン・キホーテはダイシン百貨店をわざと潰した?
しかし、別の取引銀行から「ウチに任せてほしい」と言われて紹介されたのが、ドンキホーテホールディングスでした。銀行の力関係もあり、ドンキホーテに売却する話はどんどん進み、手続き上、ドンキホーテが直接買収せず、投資ファンドがいったん買収するということで合意しました。そして、このドン・キホーテが、ダイシン百貨店を残さなかったのです。
売却してすぐではなかったのですが、ドンキホーテは「ダイシン百貨店を閉店、『MEGAドン・キホーテ』にリニューアルする」と発表。「ダシイン百貨店の業績が悪化したので、投資ファンドから申し出があり、ドンキホーテが買収して再生する」などと新聞で報じられました。
この記事を目にしたとき、西山敷前社長は「話が違う、やられたな」と思ったそうです。ひょっとしたら、もともと、ダイシン百貨店を残すつもりはなく「ドン・キホーテ」へのリニューアルを前提にファンドを介したのだろうとも思ったそうです。
なぜそう思ったのかというと、西山さんの退任後、売り上げを伸ばすような手も打たず、むしろ業績を悪化させるような動きも散見されたためだ、とされていました。
●ドン・キホーテはそうご電器もわざと潰していた?
前述の通り、これは一方的な見方。西山前社長は、「仮にそれが真実だとしても、結局はそれを見抜けなかった私の能力不足が招いたことです。今となっては仕方のないことだとは思っています」ともしていました。
ところが、この記事を読んだ後、ドン・キホーテが別のお店に対しても似たようなことをしていたという話を読んだため、あり得ることではないか?と思ってしまいました。
「検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分」とされているページなので注意が必要ですが、
そうご電器 - Wikipediaにこんな話があったのです。(そうご電器の場合は、ドン・キホーテが主体ではなく、ビデオレンタルのゲオが経営再建)
2002年(平成14年)2月12日に民事再生手続きを申請し、経営破綻した[1]。
経営破綻直前の2001年(平成13年)10月には、同じく経営状態が悪化していた第一家庭電器と共に、ドン・キホーテと業務提携を結んだが、ドン・キホーテからは具体的な支援策が提示されることは無かった。(中略)
そうご電器破綻後、YES札幌本店(札幌市中央区)、YES手稲店(札幌市手稲区)、YES平岡店(札幌市清田区)といった店舗建物のキーテナントはドン・キホーテに取って代わった。
●長崎屋でも悪い噂 ドン・キホーテが乗っ取り?
他の話はないかと今探したものの、それはなし。長崎屋関係の悪い話があったのですが、こちらは毛色が異なりますし、ヤフー知恵袋のものでさらに信頼性は低くなっています。
ドンキホーテと長崎屋について - よくわからないので質問させていただきます。長... - Yahoo!知恵袋
長崎屋の店員 パートもずいぶん嫌がらせされて辞めるように仕向けられました
おばさんや年配者にやさしい長崎屋はもう期待できなくなるでしょう 警備員も掃除のおばちゃんもくびにされました
乗っ取られるなとは思ってたし、他にも理由があって辞めて良かったです
子会社になったせいで、辛い思いをした人達がいることも事実です
知ってる元上司達も、降格やらで辞めたり、出向なんて名目で今もドンキで働かされてたり
●儲かるなら何でもする!オリジン買収合戦で大儲け
また、乗っ取り関係だと敵対的買収に失敗したという例が見つかりました。これもまた毛色が違う話なのですが、問題手法だから規制しようと話が進んでいる真っ最中に、これから違法となる行為をやって儲けたという、別な意味でドン・キホーテの悪さがわかる話になっていました。違法となる寸前に駆け込みで問題手法をやってのけたのです。
ドン・キホーテ 、連続放火にオリジン買収など流通界の異端児…創業者が8年ぶりに社長復帰 | ビジネスジャーナル(2013.05.16)
05年8月、オリジン東秀で経営陣と創業者遺族の間で内紛が勃発した。ドンキの安田社長(当時)が創業者遺族からオリジンの株式23.62%を取得、オリジン弁当を組み込んだ次世代コンビニエンスストアの事業化を提案した。しかし、オリジンの経営陣が、この提案に消極的だったため、ドンキは06年1月15日、オリジンに対するTOB(株式公開買い付け)を発表した。
敵対的TOBに、オリジンの取締役会と従業員は反対を表明。ホワイトナイト(白馬の騎士)として名乗りを上げたのが小売業大手のイオングループだった。イオンは1月31日から1株3100円で友好的TOBを実施。イオンが提示したTOB価格がドンキより1株300円高かったことから、2月9日、ドン・キホーテのTOBは不成立に終わった。
ところが、これにて一件落着とはいかなかった。ドンキが奇襲をかけたのだ。市場でオリジン株を追加取得して47.82%まで買い増した。この株式取得をめぐっては、証券市場から、灰色手法とのブーイングが浴びせられた。
イオンによるTOB期間中に、ドンキがTOBに頼らずにオリジン株式を買い占めた手法に対してはルール違反との批判が相次いだが、安田氏は「TOBに関する規制は立法過程にあり、現行のルールは守っている」と、こうした批判を突っぱねた。金融庁はTOBのルールをクリーンにするために、TOB期間中に買収される予定の企業の株式の3分の1超を保有する別の会社が、被買収企業の株式を買い進めることを禁止し、TOBに応じるよう義務付けた法案を国会に提出する準備を進めていたからだ。法案が成立すれば、ドンキのやり方は“違法”ということになっていたわけだ。
(中略、引用者注:後に)保有株をイオンに売却して、ドンキは子会社の分と合わせて約57億円の売却益を得た。オリジン株式を3.6%保有する安田氏個人は、20億円で売却し、5億円の利益を手にした。
ドン・キホーテはたまに安い商品があるんですけど、ダークなところがあり、褒められるような会社ではありませんね。
●ユニーのスーパー・アピタ・ピアゴ、ドン・キホーテに転換
上記で、一度下書きを終えていましたが、書きたかった話を一つすっかり忘れていました。もともと書き始めたきっかけは、"スーパーの「アピタ」「ピアゴ」をドンキへ転換 「5年後が勝負」"(J-CAST ニュース | ライフ・美容 | 2017年10月17日 )という記事を見たことだったんでした。これを忘れちゃいけませんね。
https://pex.jp/point_news/f77fe8fe996bb2f7257a312f1285f73b
記事によると、ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とドンキホーテホールディングス(HD)は、2017年8月24日に、業務提携の合意書を締結。そして、子会社のユニーの株式の40%をドンキホーテHDに譲渡し、「アピタ」「ピアゴ」のドンキホーテへの転換を発表しました。
「アピタ」「ピアゴ」の店舗数は200店舗(2017年10月16日現在)。5年後の2022年には全店舗の半分にあたる100店舗をドンキホーテに転換する予定です。ドンキホーテが持つノウハウを小売り事業に活かし、顧客層を若年層まで広げることが目的だといいます。
ユニーの広報担当者は、「最初はドンキホーテの色が強く出た店舗づくりになるが、その後は状況をみて調整していく」と話していました。ここの場合は最初からドン・キホーテにして良いというやり方なので、ダイシン百貨店やそうご電器とは違う感じになりそうです。
●ドン・キホーテがのユニー・ファミリーマートHD傘下に!
2018/10/12:ひとつ上の話の続報的な話。ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)が、傘下の総合スーパー、ユニーの全株を、資本・業務提携しているディスカウント大手のドンキホーテHDに売却する方向で調整しているというニュースが入ってきました。もともとユニーの株式の40%を譲渡していたのを、さらに進んだ形にして、完全に手放すようです。
(
ユニー全株をドンキに売却へ ユニー・ファミマHD:朝日新聞デジタル 2018年10月10日18時01分より)
この時点では正式発表はなかったのですけど、翌日記者会見。ドンキの大原孝治社長は買収する総合スーパー「ユニー」の全店舗の半数に当たる100店程度を5年で「MEGA(メガ)ドン・キホーテUNY」に業態転換すると表明しました。ただ、従来から似たようなことを言っていましたので、特に驚きはない話でもあります。
(
ユニー100店をドンキに スーパー生き残り難しく | 共同通信 - This kiji is 2018/10/11 20:12より)
それより驚いたのが、ユニー・ファミリーマートホールディングスがディスカウント大手ドンキホーテホールディングスを傘下に収めると発表したこと。なんとユニー・ファミマはドンキに対して11月上旬からTOBを実施し、最大20.17%の株式を取得してグループ企業にするんだそうな。これはちょっと予想していなかった展開です。
●悪のドン・キホーテ、今度は前社長にインサイダー取引疑惑
2020/10/30:また、ドン・キホーテの素行の悪さが見えるニュースがありました。小売業ではセブンイレブンがブラック企業さが目立ち、一時はワンマン経営者による不可解な人事の問題も出ています。ただ、悪さの方向性がやや異なり、ドン・キホーテみたいな「悪事をはたらく」という感じの小売業企業は珍しいですね。
で、今回はどういう話か?と言うと、前回のユニー買収に絡む
ドンキ前社長、株購入不正に推奨か ユニーTOB公表前 2020/10/29 15:34 (2020/10/29 17:29更新) 日本経済新聞 電子版 というニュースです。
金融商品取引法は、株価に影響を及ぼす重要事実やTOBの実施を知りながら第三者に利益を得させる目的で未公表の情報を伝達したり、株取引を勧めたりする行為を禁じています。ズルができるためです。記事ではその名前を出していませんが、いわゆる「インサイダー取引」的なものですね。
ドンキ社長(当時)がこれをやったのではないか?というのが今回の疑惑。ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とドンキホーテHDとの間で実施されたTOB(株式公開買い付け)などを巡り、ドンキHDの当時の社長が知人に自社株の購入を不正に推奨していた疑いのあるとのことです。
知人らは実際に購入し、公表前後の売買で多額の利益を得たとみています。証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反容疑で関係先を強制調査し、検察当局への告発の可否を検討しているようです。なお、旧ドンキHDのパン・パシフィック・インターナショナルHDは、「前社長個人の疑惑」と擁護していませんでした。
肝心の前社長本人ですが、もちろん否定。知人とは確かに会食していたものの、会食の時点でTOBの計画は決まっていなかったと主張しています。ただし、「知人に『うちの株は割安だと思うよ』という趣旨のことを言ったかもしれない」とはおっしゃっていました。うーん、この発言は違法ではないのかもしれませんけど、これ自体が良くないですね。
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