"あなたの寄付が発展途上国の人を殺しているという「不都合な真実」"というすごいタイトルになってしまいましたが、要するにあるものを寄付をすることによって、そのあるものを売ることで生活していた人の仕事をダメにするという話。実際、そういった事例が多数あり、これでもか!とそういう実例を紹介しまくる映画があるということでした。
なお、この投稿はものすごい昔に書いていた下書きがベースなので、今はやっていないクイズもあります。寄付と関係しそうな宗教の教えについてです。
【クイズ】「人に見せるために人前で善行をしないように気をつけなさい」という記載があるのは、以下のうちどの教典でしょう?
(1)旧約聖書(ヘブライ語聖書)
(2)新約聖書(ギリシア語聖書)
(3)コーラン(クルアーン)
●あなたの寄付が発展途上国の人を殺しているという「不都合な真実」
寄付関係では、過去に
人道援助のNGO団体の商売・寄付ビジネス 四肢切断の経済的合理性という強烈な話をやっています。
『ポバディー・インク ~あなたの寄付の不都合な真実』という映画は、それとはまた違う意味で強烈な内容を含むものだったようです。
あなたの善意が誰かを傷つける「寄付の不都合な真実」|社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭|ダイヤモンド・オンライン(竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表] 2016年8月9日)
ハイチには、太陽光電源を活用した街灯を作る会社がある。ハイチには十分な太陽の光があり、これを利用すれば電力問題が解決できると仲間2人で始め、苦労してようやく事業が成長。60名以上の従業員を雇うまでになった。その従業員の多くはスラム出身者だ。
そんな時に地震が起きた。町は電力供給がストップし、彼らにとっては大きなビジネスチャンスになる、はずだった。ところが、先進国から支援にやってきたNGOが無料で太陽光パネルや街灯を配り始めた。無料の商品に勝てるはずがない。彼らは倒産の危機に瀕してしまった。震災前、彼らにはひと月で50本の受注があった。震災後は、半年でたった5本に減ったという。
人の善意が途上国の産業をダメにする場合もある。アメリカに「トムズ・シューズ」という靴のメーカーがある。このトムズの靴を1足買うと、途上国の子どもたちにも靴が1足、プレゼントされるという仕組みで大人気となり、急成長している。CSVというか、ソーシャルビジネスの素晴らしい事例ということで、マスメディアで紹介されることも多い。しかし、トムズが靴をプレゼントしている途上国にも靴の職人がいるし、靴のメーカーもある。そんなところで、トムズが大量の靴を無料で配ったらどうなるか。現地の弱小靴メーカーは倒産である。
トムズの靴を買う人たちは、善意で買う人も多い。しかし、その善意が現地の靴職人の職を奪っていることも事実なのだ。『ポバディー・インク ~あなたの寄付の不都合な真実』には、このような事例が数多く紹介されていて、支援の難しさを考えさせられる。
●日本の熊本地震でも同種の問題
この種の問題は発展途上国に限った話ではないと、作者の竹井善昭さんは考えているようです。当時あった熊本地震の支援でもそういったことは考えられるとのこと。
竹井さんが僕がプロデュースする女性支援NGOの「ガールパワー」では、女性に特化した支援活動を行っています。熊本地震においては、震災直後から、被災地では女性が必要とする物資が不足することがわかっていたので、ブラトップ、拭き取りシート(フェイス用、ボディ用に加え、デリケートゾーン用も)、アンダーウェア、ハンドクリーム、UVクリーム等を避難所や地元・熊本の女性支援団体などに提供してきました。
これらの支援物資は、基本的には福岡、そして熊本のショップで購入していました。ただ、その一方で、さまざまな企業や個人から多くの支援物資の提供をいただいたので、それらも配布しています。
しかし、熊本市内には普通に営業しているドラッグストアやスーパーも数多いわけで、この活動はそのようなお店の商売の邪魔をしている…というわけです。
●ゴミ拾いも誰かの職を奪う可能性
新しいものが登場することで、従来の仕事を奪うということはよくあります。例えば、自動車の登場で人力車の人たちの仕事を奪ったのではないか?と検索してみると、やはりそういった危機感があり、規制が作られたところもあったようです。
ただ、こういったものと寄付の場合はだいぶ違う印象です。仕事同士の競争であれば、奪う方も生活がかかっていますし、職を生み出していますからね。
あと、思い出したのが、
海外で称賛の日本サポーターのゴミ拾い マナー違反と考える人もという話。これは日本人がゴミ拾いすることで、ゴミ掃除の人の職を奪うおそれがあるという視点の紹介でした。
ところが、この視点について「どうでもいい話」と切って捨てている人もいました。これはその国の人々の生活なんてどうでもいいと言っているのと同じことです。
ゴミ拾いが褒められたのは間違いなく日本人ですが、こうやって海外の人の生死をどうでもいいと言う人も日本人。当たり前といえば当たり前なのですが、褒められるべき日本人と褒められない日本人がいるってことですね。
褒められない発言をしちゃう人は、どっちかと言うと個人や団体の功績を日本民族の功績として捉えがちな人であり、こういった人たちは日本人への称賛がほしいだけで、海外の人のことは見下している感じがあります。
例えば、親日国と普段言っている国の人であっても、日本に対して都合が悪いことがあると途端に激しく叩きます。彼らが親日国に価値を感じているのは、日本を賞賛する道具としてのものかもしれません。
●寄付も上から目線になるおそれ
こういった人たちは寄付を嫌いそうなのですが、寄付好きな欧米で信者が多いキリスト教の考え方にも、私は支援される人に対する見下したものを感じます。
ところが、意外なことにキリスト教では、寄付などに対してネガティブな教えがあるそうです。
【クイズ】「人に見せるために人前で善行をしないように気をつけなさい」という記載があるのは、以下のうちどの教典でしょう?
(1)旧約聖書(ヘブライ語聖書)
(2)新約聖書(ギリシア語聖書)
(3)コーラン(クルアーン)
【答え】(2)新約聖書(ギリシア語聖書) (関連:
寄付は偽善者のすること?「人の前で善行をしないように注意しなさい」というキリスト教・聖書の言葉)
私は「寄付よりも自分の普段の仕事で社会貢献を」という考え方なので、寄付に関しては悪い話をたくさん紹介しちゃっているんですが、実際いろいろと考えるべきところがあると思われます。
【本文中でリンクした投稿】
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人道援助のNGO団体の商売・寄付ビジネス 四肢切断の経済的合理性 ■
海外で称賛の日本サポーターのゴミ拾い マナー違反と考える人も ■
寄付は偽善者のすること?「人の前で善行をしないように注意しなさい」というキリスト教・聖書の言葉【その他関連投稿】
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