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退職者・産休・育休でのしわ寄せで迷惑…はブラック企業の手口


 「誰かの退職や産休・育休によって会社が回らなくなるのは、労働者側ではなく雇用者側の責任」という話を、いろいろな観点から見ていくという話。そもそもどんな会社でも怪我や病気の人が出る可能性があるわけで、それに対応するようにしていないというのは経営者側に問題がある、迷惑がかかるからと思わせて辞めづらくすることはブラック企業の手口である、などの指摘を紹介しています。


●退職で崩壊する会社…そもそも病気の社員が出たらどうするの?

2017/11/07:退職者が出ると倒産しそうな企業のことが話題になったきっかけは、以下に始まる一連のツイートです。「人手不足で潰れるのは経営側の自己責任」というツイートに賛同の声多数 - ViRATES [バイレーツ](2017/11/6)では、これを「誰かの退職によって会社が回らなくなるのは、労働者ではなく雇用側の責任」とシンプルにまとめていました。


 ただ、この考え方には批判も出ており、理解し難しいという人もいるでしょう。なので、先にわかりやすい指摘を。同じツイートをまとめたページのはてなブックマークでは、「辞めないまでも、人間なら風邪で欠勤とかあるだろうに…」(filinion)という指摘がありました。

 そもそも従業員が全員無事な状態でないと回らない会社というのは、考え方として間違っているとこれでわかります。現実的ではない架空の世界ですね。怪我や病気などのようなトラブルはどの会社の従業員でもあり得るわけで、それに対応できる状態を整えておかないと会社として成立しないのです。

 ただ、現実として、病気になった社員への嫌がらせというのも普通に報告されており、現在は「フル稼働できなくなった途端に誰しもが厄介者扱い」というのがデフォの社会になっています。ブラック企業ではなく、ブラック社会みたいな感じですね。冷静に考えると、かなりヤバイです。


●欠員対策は普通に会社側の責任…モノには優しいのに人には厳しい!

 最初のツイートの反応では、以下のようなものがありました。「モノ」に対しては常識的にやっていることなのに、「人」に対してはやらず、不当に酷使することで乗り切っている…という話。これも比較的わかりやすいんじゃないでしょうか。現代社会で人間はモノ以下の存在だとわかりますね。


 ブラックバイト!セブンイレブンが風邪で休んだバイトに罰金1万円では、風邪で休んだアルバイトの女子高生(16)に、代わりを探さなかったことを理由としてバイトから罰金を取って問題となりました。この例では、ほとんど経営者側の擁護はありませんでした。バイトだったからというのもあるでしょう。

 しかし、本当はアルバイトでなくて正社員であっても、平社員が病気で休むときに代わりの社員を用意する義務はありません。それは管理職の仕事であり、経営者側の仕事なのです。これは上記のような「ものづくりでは当たり前にやっているのに…」を頭においておくとわかりやすくなりますね。


●実を言うと、日本の法律では有給休暇の取得を会社側はほぼ拒めない

 従業員バッシング、雇用側への擁護が出るというのは、たぶん現状が経営者側に都合のいい状態になっており、それが「常識」だと勘違いするためでしょう。本当は現状が間違った状態なのに、それが蔓延しているがために、正常な状態の方を「異常」だと錯覚してしまっているのです。

 例えば、有給休暇の取得に関する誤解についてもそうです。私も法律ではそうなっていたの!と驚いたのですが、有給休暇に理由は必要ない むしろ理由がいるのは取得を拒む会社側)でやったように、有給休暇の取得に理由は必要なく、なおかつ会社側は有給休暇取得を拒否できないといいます。

 特別な理由がある場合は拒否できるのですが、単に「休まれると人がいなくて困るから」くらいではダメだというのが、さらに驚き。会社側が、代替勤務者の確保や勤務割を変更するなどの努力を十分に行っていると認められないと、社員の有給休暇の取得を妨げることはできないとのこと。日本の法律ではなく、どこか別の国の法律じゃないの?とびっくりする内容でした。なぜ日本は今こうなっているんでしょうね?


●辞めたら迷惑がかかると思わせるのはブラック企業の典型的な手口

 はてなブックマークの人気コメントでは、<だからと言って「自分がいなくなると仕事が回らない」と労働者は過度な貢献をする必要ないからね>(timmytimmy)というものもありました。これは責任感がある人ほど思いがちなこと。結構仕事ができる人も、そう考えてしまうことが多いと思われます。

 この関係でわかりやすいというのが、辞めたら迷惑がかかると思わせるというのは、ブラック企業の手口の一つだということ。本来必要のないことに対する「責任感」を持たせることで酷使し、ときには死んでしまうまで働かせているのです。これを許しちゃいけませんよ。

 確か自分の会社がブラック企業だと自負するブラック企業社長も言っていたような気がします。この問題を中心に書いた話はどこだか忘れちゃったんですが、ブラック企業の社員にも生活があるから倒産させてはいけない?など、うちでは何度か触れている話。ブラック企業の典型的な手口です。


●退職者・産休などでのしわ寄せ、悪いのは経営者や管理職である理由

 以上のように、本来責任を全然果たしていないのは、マネージャー側、経営者側です。従業員側はそもそもやらなくて良いことを要求されているんですね。これは、自己責任論の蔓延が日本のブラック企業問題を悪化させている? 自己責任論を唱える人ほど責任を放棄しているでもやった話です。

 また、既に有給休暇の例を出しているように、これは退職だけの話ではありません。例えば、育休・産休なんかはモロにそういったもの。この前、確か「産休の人が出たことで仕事がたいへんになるのはマネージャーのせい」といった内容に対し、はてなブックマークで「何でもかんでもマネジメントのせいにするな!」と批判するコメントが一番人気になっていたのですが、人の管理というのはもろに管理職がやるべきこと。じゃあ、あなたは何を管理しているの?という話になっちゃいます。

 管理職の仕事全般の誤解については、マネージャーの役割8 権威で部下を統率する管理職…という誤解 部下に指図する前にまずは「人格」を見せよというのもうちではやっています。この投稿で出てきた論文では、管理職は「部下を統制しなければならない」と誤解していると指摘すると同時に、管理職は「チームのために経営陣と戦わなくてはいけない」としていました。これは、かなりハードな要求だとは思いましたけどね。

 日本ではさらに名ばかり管理職の問題もあります。このケースでは、管理職の責任とするのはかわいそうです。ただ、その場合にも責任は管理職から経営者側に移るだけで、決して一般従業員の問題にはならないということだけは確実。ここらへんは誤解が広まっています。ブラックバイトは甘え?読売新聞が過保護化で店長にしわ寄せという記事を書くもそういう誤解が見られた話でした。

↓以下は趣旨の近いツイート。


●退職者が出ると倒産しそうな企業はその時点でブラック企業では?

 はてなブックマークはコメントがマシだと思っていたので、「何でもかんでもマネジメントのせいにするな!」というコメントが人気していたというのは驚きました。ただ、そこらへんがもともと全然ダメなニコニコニュースでは、今回の件ですら「大企業様ばっかりじゃねーんだからそんな理屈通じるかよ」という批判が出ちゃってました。

 ただ、前述のように、これは現状が、違法状態もしくはかなり悪い状態になっているゆえの誤解でしょう。厳しい言い方になりますが、退職者が出ると倒産しそうな企業はブラック労働を前提として成り立っており、本来であれば倒産というか、成立していないはずの会社なのです。以下は、この内容に近い、はてなブックマークの人気コメントでした。

mujisoshina 辞めたせいで営業できなくなったのではなく、むしろとっくに破綻している状態だったのに、その人が働いていたおかげでなんとか営業できていたと考えるべきなのだろう。
ryun_ryun “バイトが一人欠けただけで営業困難って、経営者の労務管理の無能オブ無能の一点なわけだけれど。本来、当たり前すぎて話にもならん事が、この国では全然理解されてない。” これに尽きる。


●本来潰れていなくちゃいけない会社がブラック労働で延命

 そもそもおかしなビジネスモデルを前提として会社が成立しているのは変だよね?というのは、もうちょっと極端な例で考えてみるとわかりやすいでしょう。例えば、サービス残業。サービス残業は立派な違法行為であり、そもそもこれが前提となっている会社はおかしいのですが、現実にはまだまだ存在しています。違法なことをしないと成り立たない企業は、本来潰れている会社なのです。

 サービス残業だと日本ではまだ「常識」とする人もいるのでしょうから、もっと極端に窃盗や詐欺が前提となっている会社で考えてみてください。こうなると、会社側を擁護する人は皆無でしょう。違法もしくはそれに近い状況を前提とする会社は、基本的にダメなのです。

 なお、ブラック企業を延命させてしまうことは、長期的に見ると、日本にとって不幸なことになると思われます。まず、当然、ブラック企業で働く人は不幸。ときには死んでしまうほどですからね。ただ、社会にとっても不幸なんですよ。ブラック企業を保護することで、ブラック企業が減らないですし、本来伸びるべき会社が伸びづらくなると考えられるためです。


●今の社会は、人を大事にしない経営が「常識」になっている

 あと、はてなブックマークの人気コメントでは、<おかしいなぁ「代わりはいくらでもいる」って言ってたのになぁ>(retire2k )というものもりました。問題の根底には、人を大事にしていないってのが、あるんでしょうね。学歴や資格のいらない仕事を安く買い叩きすぎたせい。最低時給1500円にすれば働きたいって人もでてくる(kinnosabakan)というものもありました。

 ところで、今回のはてなブックマークの人気コメントで最も多かったのは、最初のツイートにあった「フルタイムパート」というワードに対するツッコミでした。<そもそも「フルタイムパート」っておかしくね?>という話です。

sand_land この国でパートという言葉は就業形態ではなく身分を表している。
nekoluna フルタイムなのにパートとは
kyo_ju "フルタイムパート"という形容矛盾な存在…(いや実際いるけど。ほぼパートの待遇でフルタイムまたはそれ以上働く形態。サービス業に限らず事務職とかでも。)

 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説によると、パートタイマーというのは、「1日のうちの特定時間だけ,あるいは反復的に特定日だけ就労する常傭の労働者」のこと。最初のツイートであった「フルタイムパート」は、矛盾している可能性が高そうですね。

 ただ、これは言い間違いじゃなくて、人件費削減のために人を大事にせずに使っている、という象徴的なものかもしれません。人材をなるべく安価に酷使するために、「パートタイマー」ということにして人件費などの負担を最小限にした上で、時間は目一杯長く使っていた…ということなんじゃないかと想像しました。


【本文中でリンクした投稿】
  ■自己責任論の蔓延が日本のブラック企業問題を悪化させている? 自己責任論を唱える人ほど責任を放棄している
  ■有給休暇に理由は必要ない むしろ理由がいるのは取得を拒む会社側
  ■ブラックバイトは甘え?読売新聞が過保護化で店長にしわ寄せという記事を書く
  ■ブラックバイト!セブンイレブンが風邪で休んだバイトに罰金1万円
  ■マネージャーの役割8 権威で部下を統率する管理職…という誤解 部下に指図する前にまずは「人格」を見せよ
  ■ブラック企業の社員にも生活があるから倒産させてはいけない?

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