親が子供のことを兄弟や友達と比較して叱ると、脳が傷ついてしまうという話。ここからの連想で、名前を呼び間違えるのも傷つくよねと思って検索したら、呼び間違えをしてしまう現象についての研究が見つかりましたので、いっしょに紹介しています。
ひどい!と思われそうですが、犬の名前との呼び間違えることも多いとのこと。ただ、猫の例は1件も見つからなかったといったおもしろい報告もされています。(2017/11/06)
●子供を兄弟・友達と比較で脳が傷つく
2017/11/06:"風呂上がりに裸でウロついてない? 子どもの脳を変形させる「虐待」かも"(J-CAST ニュース - 11月05日 08時00分)は、2017年10月28日放送【世界一受けたい授業】(日本テレビ系)についての記事。特集されていた「マルトリートメント」というのは、「マル(mal)」=「悪い」、「トリートメント(treatment)」=「扱い」で「不適切な養育」)といった意味です。
http://ecnavi.jp/mainichi_news/article/aa9cc7ee6cf6801fe56adbb668dea4fa/
元記事のタイトルになっていたのは、「風呂上がりに裸でウロウロする」ことを子どもが本気で嫌がっている場合は、立派な「性的マルトリートメント」だと指摘。「視覚野」が変形し、記憶力、認識能力が低下するとしていました。
このマルトリートメントの例として、私が以前から気になっていた子供を兄弟・友達と比較するというものもありました。"他の人と比べながら叱ると、子どものプライドを傷付け、喜びや快楽を感じる「線条体」が働かなくなり、将来アルコール依存や薬物中毒におちいる危険性が高まる"と説明されていました。
「線条体」というのは、大脳基底核の主要な構成要素のひとつ。最もよく知られているのは喜びや快楽との関係ではなく、運動機能への関与であり、意思決定などその他の神経過程にも関わると考えらていると、
線条体 - Wikipediaでは説明されています。
また、以前から書いているように、そもそも「叱る」という方法があまり有効ではないことが研究でわかっています。なので、ここは比較そのものも良くないという、拡大形のような感じで覚えておくと良いかもしれません。
●子供などの名前を呼び間違えるパターンに関する研究
また、私は上記からの連想で、子供などの名前を呼び間違えることも思い出しました。親戚に孫の名前を間違えるおばあちゃんがいて、すごい気になっていたんですよ。子どもたちは傷つくと思うんですよね。
この名前の呼び間違えで、実際に脳が傷つくという研究は、探したものの見つかりませんでした。ただ、検索していると呼び間違えはよくあることのようで、子供や孫の他、親しい友達の名前、部下の名前、さらには犬の名前と間違えるという例まで出てきました。ペットの名前で呼ばれるってのは、めちゃくちゃきつい気がします。
それから、研究としては、この呼び間違えが起こるパターンについてのものならありました。検索していた例では、老人だけでなく、若い人も結構間違っているというものが出ていました。この研究でも、原因は必ずしも脳の老化にあるわけではないとされています。
●犬の名前との呼び間違えは多いが猫の例は1件も見つからず
米デューク大学で心理学と神経科学を専門にするデビッド・ルービン教授率いる研究チームは、5回にわたるアンケートを実施し、1700名を超える対象者の「名前の呼び間違え」に関する回答を調査しました。
その結果、家族の名前をほかの家族の名前で呼ぶことはもちろん、家族を飼い犬の名前で呼ぶケースも多いことがわかったとのこと。犬の例はかなりあるんですね。ただ、おもしろいことに、同じペットでも犬に限定され、猫やその他の動物の名前と混同するケースはなかったといいます。
名前の呼び間違えは、たとえば「家族」や「友人」など、その人の中で同じカテゴリーに属する人間のあいだで起こるとのこと。まるで関係のない名前がランダムに飛び出してくるわけではないのだそうです。なので、犬の場合は、猫と違って家族とみなされているケースが多いということでしょう。
猫好きには残念な説明ですが、自身は猫を飼っている愛猫家だという研究者のひとりは、「猫よりも犬のほうが名前を呼ばれた時に反応するため、日頃からその名前を口にする回数が多く、家族のカテゴリーに入りやすいともいえるでしょう」という猫好きをフォローするような説明をしていました。
(
なぜ親しい人の名前を間違って呼んでしまうのか?(米研究) 2016年5月25日 カラパイアより)
●名前の呼び間違えが起きるパターンが存在する
他にも呼び間違えの傾向は見られます。
・身体的な類似はほとんど関係ないし、性別も関係ない。
・「マイケル(Michael)」と「ミッチェル(Mitchell)」のように最初と最後の音が似ている名前、「ジョン(John)」と「ボブ(Bob)」のように同じ母音を持つ名前は間違えやすい。
「なぜ親しい人の名前を間違って呼んでしまうのか?」というタイトルにも関わらず、ズバッとした説明がなくて戸惑いました。
ただ、上記のような特徴が見られるため、「相手との関係性が似ている場合や名前の特徴が似ている場合に間違える」というのが、たぶん「なぜ?」に対する想定された答えなのだと思われます。
あと、「脳の老化にあるわけではない」理由についても記事では説明されておらず、いろいろと消化不良。うーん…って感じですが、とりあえず、脳に深刻な異常があるわけではないらしい、と覚えておきます。
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