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佐藤憲昭教授はノーベル賞候補?超伝導になる準結晶を発見


 超伝導関連の話をまとめ。<佐藤憲昭教授はノーベル賞候補?超伝導になる準結晶を発見>などをまとめています。


●佐藤憲昭教授はノーベル賞候補?超伝導になる準結晶を発見

2023/11/22:「準結晶中での超伝導状態の発見」がノーベル賞間違いなし!と言われていた記事があったので検索。たぶん世界初、超伝導になる準結晶を発見 名古屋大学など - 大学ジャーナルオンライン(2018年2月25日)で書かれている件でしょうね。

<名古屋大学の佐藤憲昭教授らのグループは、豊田工業大学、東北大学、豊田理化学研究所との共同研究により、超伝導になる準結晶を世界に先駆けて発見した。
 固体は3種類に分類される。結晶は原子が規則正しく整列し、ガラスは「アモルファス」と呼ばれ、原子配列はランダムだ。「準結晶」の原子配列は一見乱雑だが、実際はある規則に従っている。このうち準結晶だけが超伝導を示すものが見つかっていなかった>

 超伝導になるためには、電子の間に引力が働いてペアーが形成される必要。このため、準結晶中の電子はペアーを作れないのではないかと考えられていたそうです。なので、超伝導になる準結晶が見つかってなくて不思議なかったんでしょうが、定説を覆して見つけてしまったといいます。

<アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)の3元素を組み合わせ、高速急冷法により準結晶を合成。この試料を、希釈冷凍機を用いて0.04ケルビン以下の超低温にまで冷却し、種々の物理量を計測した。その結果、電気抵抗が0.05ケルビン(-273.1℃)付近で急激にゼロとなって磁化が減少し、さらに比熱が急激に増大した。このような超電導状態を示す特徴により、準結晶試料が0.05ケルビンという超低温で超伝導になることが明らかとなった。>
<今回の発見は、準結晶中の電子にも引力が働くことを明らかにしたという点で、重要な意味を持っている。>


●定説を覆す発見をして物理学賞とされる細野秀雄氏

2023/11/22まとめ:「超伝導になる準結晶を発見」については、もう少し書いておきたいのですけど、短いので以下は別の投稿で書いていた「超伝導」絡みの話を転載。「超伝導」絡みでは、細野秀雄さんが長らくノーベル賞候補だと言われ続けています。こちらもやはり定説を覆す発見です。

 中国新聞記事では、物理学賞の細野秀雄さんについて、<鉄を主な成分とする化合物が、冷却すると電気抵抗がゼロになる超電導になることを発見。鉄は超電導になりにくいという常識を覆した>と説明。 これはWikipediaで見ると、「鉄系超伝導物質」の項目にあたるでしょうか?

<鉄系超伝導物質(てつけいちょうでんどうぶっしつ)は、鉄を含み超伝導現象を示す化合物。銅酸化物以外では、二ホウ化マグネシウムなどを抑え、2008年現在最も超伝導転移温度(Tc)の高い高温超伝導物質である。研究が活発化した2008年の1年間でTcが2倍以上に急上昇したことから、さらなる研究の発展が期待されている>

 意義
<水銀などとは異なり、鉄自体はいくら冷却しても超伝導を示さない。また、「鉄は磁性の象徴であるので、その化合物が超伝導を示すはずがない」という考えが以前は一般的であったが、鉄系超伝導物質の発見によりこれらの常識が覆され、新たな超伝導物質の可能性が広がった。>

 こういう定説を覆す発見は、いつの時代のものでも気持ちいですね。スカッとします。こちらのWikipediaには細野さんのお名前も載っていました。

研究の推移
<従来、磁性元素における電子スピン間の強い相互作用はクーパー対の形成を阻害すると考えられてきた。このため、典型的な磁性元素である鉄を含む物質は超伝導の研究において非主流の存在であった。
 一方、東京工業大学の細野秀雄らは磁性半導体を探索する研究の一環として、LaTMPnO(TMは+2価の遷移金属イオン、PnはP(リン)またはAs(ヒ素))で表される組成の物質を系統的に合成し、低温における電気抵抗をルーチンワークで測定していた。遷移金属にはMn(マンガン)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Zn(亜鉛)、Feなどが用いられた。これらの物質の中で、LaFePOやLaNiPO、LaNiAsOが超伝導性を示すことが2006年から2007年にかけて発見されたが、超伝導転移温度(Tc)が6K(約マイナス267℃)と低いことから、それほど大きな注目は集めていなかった。>


●予想外な超伝導体の発見、そもそも超伝導体の研究はしてなかった!

 電子を巧みに操り、物質の潜在能力を引き出す ― 細野秀雄(上) | 研究ストーリー | 研究 | 東京工業大学によると、細野秀雄教授が2008年に「鉄系超伝導体の発見」を報告した最初の論文は、年間の引用件数が世界一に。引用はその後も続いており、2014年5月時点で5000回以上引用されているそうです。

 こちらでは、発見の経緯に関する話もありました。他のノーベル賞もしくはノーベル賞クラスの研究でもよくあるように、偶発的な要素のある発見だったみたいですね。「この大きな成果は、長年にわたる超伝導研究から生まれたのでしょうか?」という質問に「それが、違うんです」とした上で、以下のように答えていました。

「1986年の銅酸化物系超伝導体の発見をきっかけに、超伝導研究を始めた人が僕の周りにもずいぶんいました。しかし、僕は手を付けませんでした。(中略)
 ところが2007年に、長年研究してきたセメント物質(C12A7、次回で紹介)が、狙ったとおりに超伝導体になることがわかりました。超伝導体になる温度は予想に反して低かったのですが、この研究をきっかけに、超伝導研究をやってみようという気になりました。でも、鉄系超伝導体は、こうして遅ればせながら始めた超伝導研究の中で発見したものではないんです。こういうところが、研究は面白いですよね。
 実は、超伝導研究とは別に、「半導体に磁石の性質をもたせる」研究をしていたんです。(中略)鉄系超伝導体はこの流れの中で、見い出すことができたんです。
 半導体に磁性をもたせる研究では、鉄のような大きな磁気モーメントをもつ遷移金属の層状化合物を対象に選びました。その中の1つとして鉄を主成分とするオキシニクタイド化合物(LaOFeAs)を調べました。しかし、この物質では、狙った性質が得られなかった。もちろん、超伝導体でもありませんでした。そこで、LaOFeAsの中の酸素イオンをフッ素イオンで置き換えるという手法を使って、電気的な性質を変えてみることにしたんです。原子価の違う大きさの類似したイオンを置換することでキャリアをドープするというのは、半導体の研究では一般的な手法です。そうしたら、超伝導体になった。これが、2008年の鉄系超伝導体の発見です」

 日本政府は有望な研究にお金を集中投入する戦略をとってきたのですが、結果、もたらされたのは、日本の科学力の劇的な低下。古い研究ではノーベル賞候補が多いものの、最近は明らかに日本の重要論文が減っています。政府の政策はむしろ逆効果だったように見えるんですよね。この理由の一つとして、予想しやすいところではなく、予想しづらいところに画期的な発見が多いということがあるのではないかと思われます。


●細野秀雄栄誉教授「娘が生まれて材料への意識が大きく変わった」

 ノーベル賞、mRNAワクチンに注目 自然科学分野は4日から発表:朝日新聞デジタル(2021年10月2日)では、タイトルの通り、「m(メッセンジャー)RNAワクチン」関連を有力とする記事。ファイザーと共同開発した独ビオンテック社の上級副社長カタリン・カリコさんなどが候補。2021年にノーベル賞の登竜門ラスカー賞を受賞しています。

 医学生理学賞以外の話もあり、ノーベル賞物理学賞では、またしても東京工業大の細野秀雄栄誉教授の名前が挙がっていました。電気抵抗がゼロになる超伝導を、鉄を含む物質で初めて実現したことで注目されており、スマホなどに使われる透明な酸化物半導体の研究も高く評価。スマホ関連というのは、現代の生活に役立っていると実感しやすい分野です。

 ところで、前回追記で書いた「そもそも超伝導体の研究はしてなかった」に関連して、分野転向の話が、電子を巧みに操り、物質の潜在能力を引き出す — 細野秀雄(下) | 研究ストーリー | 研究 | 東京工業大学でありました。「ご自分を材料科学者と呼んでいるそうですね。聞き慣れませんが」という質問に対して以下のように回答。娘の誕生もひとつの転機となったといった話もされています。

「僕は、もともと化学が専門です。でも、固体物質の研究をしていると化学も物理も関係してくるから、分ける必要を感じなくなって「科学」というようになりました。
 僕自身は、もともと材料をやろうという強い意志はありませんでした。名古屋工業大学の助手に採用して頂き、阿部良弘教授(現名誉教授)の下で働くようになって、新しい材料を開発するとこんなに世の中に大きな影響を与えられるものかと感じる出来事があった。これをきっかけに、材料は凄いと思うようになり、自分の進む道に選びました。
 さらに、材料への意識が大きく変わったのは、娘が生まれた時です。材料の世界では、新しい材料を「次世代材料」というでしょう。それって、自分には当面は関係ないってことですよね。でも娘が生まれた時、これが“次世代”なんだと実感した。それで、材料研究は世の中の役に立つ、生きるために必要な研究(Essential for Life)だと、材料に関わっていることを誇りに思うようになりました。それで、僕は、自分を材料科学者ということにしているんです」


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