結婚圧力関連の話をまとめ。<除夜の鐘聞き母「今年もウェディングベルは鳴らへんかったな~」>、<「結婚しろ」は親の価値観押し付けで嫌がらせで「婚ハラ」!>、<「親の圧力による結婚」が「誘拐婚」の成功率上昇に貢献>などをまとめています。
2023/08/12:
一部見直し
●除夜の鐘聞き母「今年もウェディングベルは鳴らへんかったな~」
2018/01/11:学校での体罰が許されるのか?といった話をしていますが、実際にはすでに法律で禁じられており、現状では明らかにアウトです。しかし、家庭内での体罰はよほどの虐待でもない限り、違法となりません。
(関連:
学校体罰は違法行為、明治以来日本は法律で禁止 擁護者は法改正を訴えよう)
同じような感じで、家庭や親戚・知人の間では法的には問題になりませんが、「結婚しないの?」などと聞くのは本当はセクハラ行為なんですよ。職場では問題になるような、本来なら良くない行為なのです。
(関連:
同性間セクハラの具体例「初体験は?」「風俗行け」「結婚は?」など)
また、不安を煽って稼ぐというのも良くないもので、健康関係や保険関係でよく使われます。
トランプにフェイスブック社員が協力、毎日6万の個人広告を作成していたでは、政治広告でも同様の手法で票を稼いだという話もしました。
…といった感じでいろいろな意味で良くないとは思うものの、うまい広告だと思ってしまったのが、婚活サービスの「今年もウェディングベルは鳴らへんかったな~」と母が言っているもの。たぶん除夜の鐘聞いて言っているということなのでしょう。
この婚活サービスは普段の広告もうまいと思っていました。同じキャラが、「結婚のめんどうも見たろか?」「おかんに任せときー」といったセリフを言っています。良いところを突いているというか、嫌なところを突いているというか、うまく心をえぐるセリフを選んできます。
また、このお母さんキャラが良いんですよね。「お母さん」というよりは「おばはん」といった感じ。ちびまる子ちゃんのお母さんみたいな、パーマのおばちゃんキャラだというのが、また効果的だと感じます。
●親から結婚圧力を受けている人多数、うんざりもよくあること
前述の通り、セクハラであり、差別であるわけなのですが、こうした結婚圧力は、実際よくあること。「結婚は?」「付き合っている人はいるの?」としつこく親から詮索されて年末の帰省するのがうんざりだし、イライラするという女性の相談を載せている記事がありました。
この記事は、
アラサー女性の8割が経験アリ!? 親からの「結婚のプレッシャー」にイライラするのが“健全”なワケ|ウーマンエキサイト(2016年12月20日 19:45)というタイトルだったのですが、実施にはズバッと「健全」とする理由は書かれていません。婚活コンサルタントの菊乃さんという方が、「私は親が言うことに反発を覚えるのはいたって自然だと思いますよ」と言っているだけ。ちょっとタイトルと合っていません。
ただ、「健全」というか、一般的だとは言えるでしょうね。Facebook連動マッチングアプリ「Omiai」を利用しているユーザー男女1900人を対象にした「親から受けるプレッシャーに関するアンケート調査」(2016年7月)では、親の圧力というのがよくあることだとわかります。
<異性との交際に対して親からのプレッシャーを感じたことはありますか?>
ある(全体)……62.9%
20~24歳女性……53.1%
25~29歳女性……78.1%
ない(全体)……37.1%
20~24歳女性……46.9%
25~29歳女性……21.9%
そして、これにうんざりしている人がかなりいるということもわかります。「心配してくれてありがたいな」と思っている方の割合はわずか1割程度でした。
<交際状況を気にされることについてどう感じますか?>
うんざり……33.9%
申し訳ない……42.1%
ありがたい……13.8%
何とも思わない……10.3%
●「結婚しろ」は親の価値観押し付けで嫌がらせで「婚ハラ」!
最後のアンケートは「うんざり」より「申し訳ない」の方が多いのですが、そもそも差別なわけですからね。価値観の押し付けです。価値観の押し付けに関しては、
親から「早く結婚しなさい!」の“婚ハラ”に悩んだときの対処法 | 女子SPA!(2015.09.05 TEXT/ビン・カーン)という記事もありました。
この記事では、「婚ハラ」という言葉を使っていましたが、検索したところあまり浸透していない言葉のようです。それはともかく、記事では、『恋愛氷河期』という本を書いた勝部元気さんが以下のように言っています。
「現代では、離婚の増加もあり、恋愛市場の競争で必ずしも結婚がゴールではなくなっています。結婚を前提としない付き合いをアラサー・アラフォーでするようになりました。つまり、結婚自体が現代人と合わなくなってきているのです。にもかかわらず、結婚のシステムが昔と変わらないまま、現代の私たちに『結婚しろ』『子供を産め』『いつまで仕事をしているんだ』などと、親世代や社会は煽ってきます。それこそ親世代の頃は、お見合いや上司などの斡旋もあり、スムーズに結婚できる仕組みはありました。しかし、現代のように自由恋愛のスタイルが深く浸透して、なんの保障もしてくれないのに『結婚、結婚』と言葉だけで煽ったところで、なんの解決にもならないと思うのです」
上記は、どうもタイトルにもなっていた「“婚ハラ”に悩んだときの対処法」にあたる部分でもあり、「これまでお話したように、現代社会がいかに結婚と合っていないかということを理解してもらうことが大切です」としていました。ただ、あまりわかりやすい説明だとは思いませんでしたけど…。
●結婚が目的になっている結婚は、結婚相手を道具扱いしている
また、勝部元気さんは、「相手を手段にした結婚」、つまり、結婚が目的でその道具として相手を使うことは、“不純”だともおっしゃっていました。
「結婚とは本心でするもの。にもかかわらず、『独りは寂しいから』『将来、老後が心配だから』『周りに結婚する人が減って焦っているから』『親を安心させたいから』などと、一見当たり前の動機ですが、これらは結婚相手に対する純粋な愛情ではありません。私からすれば“不純”な動機だと思います」
こちらはまあそうだろうと思えるのですが、「だから、女性も男性も結婚相手を探すとき、自分の利益になるかどうかを値踏みしてしまう」「不純な動機で結婚に向かってしまうから、浮気、離婚が多くなってしまうのです」らへんはデータなどの根拠が必要で、断定しすぎでした。
●「親の圧力による結婚」が「誘拐婚」の成功率上昇に貢献
最後に、結婚を増やす強烈なシステムの話を紹介。キルギスには「誘拐婚」というものがあります。法的には禁止で犯罪なのですけど近年むしろ増えたものだそうです。この「誘拐婚」は、仲間を連れた若い男が嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理やり結婚させるといったもの。しかし、誘拐された女性の8割が結婚を受け入れるといいます。日本もやるべきでだと思うでしょうか?
(関連:
キルギスの誘拐婚 誘拐された女性の8割が結婚を受け入れる理由)
ただ、彼女らが幸せか?というと、当然ながらそうではありません。断れば女性はその後結婚できなくなることが多いので、渋々受けて入れている人が多いのです。結婚するのが幸せとは限らないという極端な例になっています。
誘拐婚で結婚した女性の一人は、「キルギスの女性にとって、いったん男性の家に入った後に、そこから出るのは恥ずかしいこと」と言っていました。キルギスのようなイスラム教徒の多い国って、離婚率が低くなおかつ結婚率が高い国が結構あるんですよ。おそらく結婚して離婚しない以外の選択肢を取ることが難しいのでしょう。
これは離婚が必ずしも不幸だとは限らないということでもあります。離婚しなくても幸せの方がもちろん良いのですが、不幸なのに離婚できないってのはもっと不幸ですからね。
また、彼女は 「結婚を拒否して実家に帰ると、両親に恥をかかせてしまうので、あきらめて結婚を受け入れました」とも言っていました。極端な形になったものですが、「親の圧力による結婚」のような親の価値観の押し付けが、キルギスの女性の選択肢を狭めていることがわかると思います。
【本文中でリンクした投稿】
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キルギスの誘拐婚 誘拐された女性の8割が結婚を受け入れる理由 ■
同性間セクハラの具体例「初体験は?」「風俗行け」「結婚は?」など ■
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