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仮想通貨ブームでブレイクのICOで詐欺 詐欺が起きやすい理由とは?


 仮想通貨ブームでブレイクのICOは、簡単かつ低コストで資金調達できるという、資金調達側にとっては夢のようなしくみ。審査や監視などがほとんどなくて楽なのです。ただ、この資金調達側のメリットは、そのまま出資者側のデメリットになります。詐欺をやってください!と言わんばかりのしくみです。実際、詐欺や詐欺まがいの事件が起きているようでした。

2018/01/25:
●仮想通貨ブームでブレイクのICO(アイシーオー)とはなにか?
●ICOはメリットだらけというのは本当 ※ただし発行者にとって
●出資者側はデメリットだらか…ICOで詐欺が起きやすい理由とは?
●実際にはもう既に詐欺や詐欺まがいの事件が起きているICO
●日本の仮想通貨・ICOはほとんど詐欺?断言している人も
2018/08/22:
●仮想通貨・ICOは詐欺と考えて良い?フェイスブックが広告禁止
●禁止の理由は、信頼できるICOや仮想通貨がほとんどないため
●善良なブロックチェーン企業も歓迎…反対してるのは詐欺師だけ?


●仮想通貨ブームでブレイクのICO(アイシーオー)とはなにか?

2018/01/25:「ICO」というのは、「イニシャル・コイン・オファリング」の頭文字を略したもの。「イコ」ではなく「アイシーオー」と読むようです。また、「ICO」の意味としては、仮想通貨の新規公開による資金調達を行うものとだけ覚えておけば良さそうです。

 もう少し細かく言うと、仮想通貨の引き換えに「トークン」というものを出資者に渡すのもポイント。その企業が提供するサービスの中で使うことができたり、商品の先行予約などの特典がついた「トークン」と呼ぶデジタル権利証を発行、その対価として仮想通貨を払い込んでもらうことで資金を集めるという仕組みだそうです。

 ただ、別にトークンを知らなくても、さっきの「仮想通貨の新規公開による資金調達を行う」だけで大体の雰囲気がつかめるでしょう。
(ベンチャーの希望か新手の詐欺か、ICOの未来:日経ビジネスオンライン 浅松 和海 2017年11月30日より)


●ICOはメリットだらけというのは本当 ※ただし発行者にとって

 企業などがこのICOをやるメリットはたくさんがあります。現在、広い投資家層から企業が資金を調達する手段には、主に株式発行と債券発行の2つが既にあります。しかし、ICOはこのどちらとも違っていて、なおかつ簡単なのです。

 例えば、仮想通貨は株式とは異なるので、株主が企業に対して経営に関与できるような議決権も分配金を受け取る権利もありません。また、一部の返済条件付きのものを除き、発行企業は集めた資金を返済する義務もありません。なので、債券とも違います。

 しかも、手続きはいたってシンプル。ホワイトペーパー(目論見書)という説明書をウェブにアップするなどの手続きだけで、株式のIPOのように会計士や証券会社との煩雑なやりとりに加え、取引所の申請待ちで3〜4年かかる、などという長いプロセスは必要ありません。迅速かつ安価に資金調達できるのです。
(急増のICOは「買い」なのか、検証すべき点は? | 東洋経済オンライン 大槻 奈那 : マネックス証券 執行役員 2018年01月24日より)


●出資者側はデメリットだらか…ICOで詐欺が起きやすい理由とは?

 ただし、上記はすべて発行者側のメリットですよね。出資者側のメリットではありません。そして、メリットであった証券会社による厳しい監査が必要ないというのは、本来なら出資者側には大きなデメリットであるはずです。

 これは食べ物で言えば、「安全性の検査や品質管理を省きました」と公言しているという話。そこらへんを節約すれば、そりゃ作り手は安く簡単に食べ物を作れるのでたいへん楽です。

 ただ、それが消費者にとって良いものか?というのは全く別の話。安全性や品質が不明の食べ物を喜んで買うなんてことは普通はあり得ないでしょう。でも、ICOではそれが起きているんですね。

 ということで、このようなしくみのICOで詐欺が起きるというのは当然すぎる話。安全性チェックや監視がないんですからね。おまけに先程出てきたように、集めた資金を返済する義務もないとのことでした。「詐欺に使うな」という方が無理な話でしょう。

 日経ビジネスオンラインでは、ベンチャーキャピタルからの調達やIPOではプロジェクトの実現性に対する外部からの厳しい視線があるが、ICOではそれがない、とも指摘されていました。これはどうも詐欺や詐欺まがいでなくとも、成功確率が下がるということを言いたいみたいですね。簡単にお金が儲かってしまったら、それ以上頑張るモチベーションがないみたいなことも書かれていました。


●実際にはもう既に詐欺や詐欺まがいの事件が起きているICO

 日経ビジネスオンラインによると、既に詐欺が起きているようです。米国では10月上旬に米証券取引委員会(SEC)があるICO案件を詐欺として告発しています。容疑者は不動産やダイヤモンドを担保としたトークンを発行するとしていたんですが、実際にはそのような裏付けもなければトークンも存在しなかったというのです。

 また、ブルームバーグによると、詐欺確定できはないものの、ねずみ講や詐欺との批判を受けている事件も起きています。

 95%も値下がりしていた仮想通貨BCC(ビットコネクト)を発行するビットコネクトは、仮想通貨取引所と貸し付け業務を閉鎖すると発表していました。にもかかわらず、別の新規仮想通貨公開(ICO)による資金調達を計画しているというのです。

 これについて、BCC保有者はツイッターやレディットなどのソーシャルメディア上で詐欺だと批判。新たな投資家から資金を集めることで前の投資家に支払うねずみ講だとの指摘もあるとのことでした。
(ビットコネクト、閉鎖にもかかわらずICO計画-ねずみ講との批判 - Bloomberg Olga Kharif 2018年1月18日 17:52 JST より)

 それから、 ハーバービジネスオンラインでは、"現段階で事件が顕在化した例は少ないが、ネット上では「ノアコイン」や、「パワーコイン」など、数多の被害の声が出ている"とされていました。
(専門家が警鐘「仮想通貨ICOはほとんど詐欺」 | ハーバービジネスオンライン 2018年01月07日より)


●日本の仮想通貨・ICOはほとんど詐欺?断言している人も

 断定しすぎな感じがあるのですけど、ハーバービジネスオンラインでは、日本の仮想通貨・ICOはほとんど詐欺という話まで出ていました。ITジャーナリストの三上洋さんが、以下のようにおっしゃっています。

「あくまで私の感覚ですが、日本語情報でパンフレットを作っているコインは99%詐欺。それから、セミナーをやっている会社は100%詐欺と断言できる。なぜなら、セミナーをやる必要がまったくないからです。仕組み的に、ネット上の技術だけで済んでしまう。ネット上に文章公開、集金ですべてが事足りるのです」

 確かに、東南アジアの政府と連携していると称したり、有名人を呼んで豪華にセミナーをしたりといった怪しいことをやっています。過去の事件からしても、有名人が広告塔というのは詐欺と考えた方が安全。私が知っている怪しい会社も、東南アジア政府の利用とセットでやっています。
(関連:詐欺企業に加担した演歌歌手・芸能人 細川たかし,千昌夫,藤あや子,美川憲一など)

 これを含めて、仮想通貨詐欺の可能性が高い勧誘の仕方を、記事では以下のように列記していました。ICOには良いところがある!と言いたい人はいらっしゃるでしょうが、現状詐欺に使いやすすぎますからね…。

《仮想通貨詐欺の可能性が高い勧誘文句や方法》
・「政府公認」
「金融庁が推奨している」と謳って勧誘するケース。金融庁が特定の通貨取引を推奨することはない
・「値上がり保証」
 仕組みは株やFXと同じ。無責任な説明は証券取引法違反に値する
・「代理店」やセミナーでの購入を勧めてくる
 ビットコインは直接購入が可能なため、代理店などは不要。セミナーも、なくても十分事足りる
・「独占販売」
 仮想通貨は全世界同時に発売しており、「まだ市場に出ていない」、「ここただけで販売」というのはありえない


●仮想通貨・ICOは詐欺と考えて良い?フェイスブックが広告禁止

2018/08/22:米フェイスブックは2018年1月30日、仮想通貨や同通貨を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)に関する広告を全世界で禁止すると発表していました。子会社のインスタグラムを通じた広告も禁止するそうです。

 理由は、これら広告が詐欺的行為を助長しかねないと判断したため。同日の発表文では「誤解を与えたり虚偽を含んだりする金融商品の広告は受け入れない」とし、具体的に「(短期の相場の上げ幅を予測する)バイナリーオプション、ICO、仮想通貨」をあげました。これら商品にかかわる広告は「多くが現時点で誠実に運営されていない」と理由を説明しています。

 広告の例文では、「退職金で(仮想通貨の)ビットコインを買おう」「リスクが無く、世界の誰にでも瞬時に支払いができる仮想通貨についてもっと知りたい人はここをクリック」といったものがありました。
(フェイスブック、仮想通貨の広告を全面禁止へ ICOも対象、全世界で  :日本経済新聞 2018/1/31 6:13より)


●禁止の理由は、信頼できるICOや仮想通貨がほとんどないため

 日経新聞の記事では、今回の措置を受けグーグルやツイッターが追随する可能性があることを指摘しています。実際、WIRED.jpによると、グーグルも18年3月、仮想通貨関連の広告を禁止すると発表。スナップチャット、ツイッター、メールチンプも同様の対策を発表した他、オンライン掲示板のRedditは、すでに16年から仮想通貨関連の広告を禁止しているといいます。
(「仮想通貨の広告禁止」をブロックチェーン企業が歓迎するのはなぜか|WIRED.jp 2018.04.13 FRI 07:00より)

 WIRED.jpでは、"ICOや仮想通貨関連の投資計画のほとんどは、きちんと管理されていない"ことを指摘。ここで重要なのは「ほとんどは」ということ。つまり、信頼できるICOや仮想通貨はほぼないということ。禁止されて当然でしょう。

 ICOについては、前半で書いているように、よりによっていちばん大事な信頼性をはかる部分を省略してしまっているため、詐欺をやってくださいと言わんばかりのしくみになっています。

 記事では、すでに詐欺師たちが、無防備な投資家から金をだまし取ろうとたびたび利用してきたことにも言及。例えば米証券取引委員会(SEC)は4月2日、セレブたちに支持されてきたブロックチェーンのスタートアップ、セントラ・テック(Centra Tech)の創業者らが、不正なICOを行ったとして告発。のちに創業者2人はそれぞれ刑事告訴され、逮捕されています。


●善良なブロックチェーン企業も歓迎…反対してるのは詐欺師だけ?

 このように記事の前半では、まともなICOや仮想通貨がほぼ存在しないことを認めていたのに、後半は反論も出てきていました。イタリアの経済学者のパオロ・タスカさんは、詐欺師はあらゆる産業に存在しており、仮想通貨業界にとりたてて多いわけではないと主張。ICO詐欺が最もひどい時期はすでに過ぎており、新たなセーフティーツールも使われ始めているとも言っていました。

 とはいえ、業界から悪人を締め出すのに役立っているとして、広告禁止策を歓迎するブロックチェーンのスタートアップもあるそうです。シンガポールでブロックチェーンを活用した求人プラットフォーム「Job.com」の共同オーナーを務めるアラン・スチュワートさんは、「心配しているのは善意のない人たちだけでしょう」と広告禁止を批判する人たちにチクリ。

 ブロックチェーンを利用したアプリケーションにインフラを提供する、BlockCypherの最高経営責任者(CEO)を務めるキャサリン・ニコルソンさんも「現時点では、広告禁止は良い施策だと思います。特にICOでは詐欺が多すぎます」と賛同。他にも賛同意見が見られました。


【本文中でリンクした投稿】
  ■詐欺企業に加担した演歌歌手・芸能人 細川たかし,千昌夫,藤あや子,美川憲一など

【関連投稿】
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