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任天堂法務部最強伝説は嘘?実は敗訴や実質負けの和解あり、Wiiリモコンやマリカー商標問題


 任天堂法務部最強伝説について。実際、任天堂が最終的に勝っているケースが多く、「最強」と言ってしまってもかまわないかもしれません。ただ、任天堂が負けたり、負けたと言って良い状態になったりといったケースは存在していました。この実質負けのケースし、任天堂が勝利したケースなど、いろいろな話をまとめています。

 その後、<法務部最強伝説の任天堂を一般人が無謀にも提訴、パワハラと雇用拒否で>、<ニンテンドースイッチで任天堂の主張が裁判所に却下され仕方なく和解…>、<任天堂がを権利を侵害したのにバンダイが神対応「0円でいいよ」>などを追記しました。

2023/05/19追記:
●任天堂がを権利を侵害したのにバンダイが神対応「0円でいいよ」 【NEW】


●訴訟や裁判などで負け知らず!ネットで有名な任天堂法務部最強伝説

2018/01/22:任天堂法務部最強伝説というのがあって、任天堂が関わった訴訟や裁判などでは任天堂側がことごとく勝訴してるから「任天堂法務部は最強」という伝説がゲームファンの間でまことしやかに語られています。

 ニコニコ大百科では、ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由でやったユリ・ゲラー裁判以外にも、いくつか紹介がありました。最初の3DS裸眼立体視特許の件は、事実なら任天堂がゲスですけどね。(以下、ニコニコ大百科の記述は改変して短くしています)

<3DS裸眼立体視特許裁判>
 元ソニー社員が「ニンテンドー3DSに搭載されている裸眼立体視の仕組みは私が取得した特許を侵害している」と訴えを起こした事例。
 訴えを起こした男性は2003年に任天堂本社を訪れ裸眼立体視の仕組みをプレゼンした所、何の連絡もなしにニンテンドー3DSにその仕組みが使われたとして賠償金を請求。
 一審では敗れたものの、特許侵害は無かったという二審が確定して、任天堂側が逆転勝訴している。

<ニンテンドーDS用マジコン裁判>
 ゲームソフトのデータをコピーするマジコンにまつわる裁判。任天堂は2008年にもマジコン業者へ訴えを起こしており、その際にマジコンの違法化が国内で初めて認められた。このとき国内でのマジコン製造も禁止されている。
 近年ではDS用ソフトを開発したメーカー33社と共にマジコン業者へ輸入販売差し止めを請求する裁判を起こした。最終的に、最高裁判所が2016年1月に棄却、つまりマジコン業者側が敗北しマジコン輸入販売行為の差止及び総額9562万5千円の損害賠償金が確定している。


●訴えられて当然!ドンキーコングはキングコングのパクリ?

 また、ニコニコ大百科ではドンキーコングの裁判でも勝利していることが書かれていましたが、こちらは補足があるので単独で。

<「ドンキーコングはキングコングのパクリ」裁判>
 「ドンキーコングはキングコングのパクリ」とアメリカのユニバーサル社から訴えられた事件。
 法務部の調査によりユニバーサル社がキングコングの映画のリメイク権を取得していなかった事が発覚し、任天堂はユニバーサル社を名誉棄損罪で逆提訴。ユニバーサル社は敗訴し、任天堂に160万ドルの賠償金を支払った。
 なお、その際の弁護士の一人に「ジョン・カービィ」という名前の凄腕の弁護士がいた。逆にユニバーサルがライセンスしていた「キング・コング」のゲームはドンキーコングのパクリであるという事を裁判所に認めさせている。

 ネットでは「完全な言いがかり」「ユニバーサルざまぁ」といった感じでしたが、ドンキーコング - Wikipediaを見ると、名前的には本当にパクリ的な要素があったようです。言いがかりではなく、実際、パクリだと思われて仕方ない感じですね。

 というのも、「コング(kong)」は『キングコング』の作中における造語であり、本来の英語にこのような単語は存在しなかったため。英語圏の人から見ると、『キングコング』からパクったとしか考えられません。どうも当時の日本では『キングコング』の影響で、「大型のゴリラ」を指す単語として誤解され広まっていたようです。


●ファイアーエムブレムのティアリングサーガ裁判は和解でも実質勝利

 もう一つ載っていたティアリングサーガについても補足があるので単独で。

<ティアリングサーガ裁判>
 エンターブレインから発売されたゲーム「ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記」が任天堂のゲーム「ファイアーエムブレム」シリーズと酷似したゲームであると著作権法及び不正競争防止法違反だとして、エンターブレイン及び開発元のティルナローグを相手に訴えを起こした事例。任天堂はインテリジェントシステムズと共に提訴した。
 結果としては任天堂の訴えは認められなかったものの、裁判ではエンターブレイン側に対して弁護士費用などを含めた売上金額の一部支払いが命じられ、エンターブレイン側もそれに応じた事で事実上の和解が成立した。

 ティアリングサーガの方のニコニコ大百科によると、一審では任天堂側の訴えは棄却。しかし、二審ではエンターブレイン側に対し「ゲームは白だけど、まぎらわしい売り方するな」ということで、売上の3%に弁護士費用を加えた約7,600万円を任天堂側に支払うよう命じる判決。最高裁への上告が棄却されたことで、この二審が確定しています。

 「まぎらわしい売り方」というのは、ティアリングサーガがファイアーエムブレムの続編であるかのように思われていたためです。これには理由があります。

 ティアリングサーガは、ファイアーエムブレムの生みの親であり、元インテリジェントシステムズ所属であった加賀昭三さんが開発に大きく関わっている作品。似ているのはそのせいでしたし、エンターブレイン側も「ファイアーエムブレムの加賀氏」など、かなり強調していたんだそうです。

 このニコニコ大百科では、「裁判問題や、加賀氏の存在を知らない人から見れば、このゲームはほぼFEのパクリゲーとも言える。だが上記にある通り、既に両者は和解しているのでこの手の話題を関連動画で出すのは控えよう」と書かれていました。


●全戦全勝ではない…実は敗訴や実質負けの和解あり、Wiiリモコン問題など

 ニコニコ大百科では、「任天堂法務部最強伝説」について、"しかし全戦全勝というわけではなく、敗訴・若しくは限りなく敗訴に近い和解に至った事例もある"という書き方をしていました。では、任天堂が負けているものは?と言うと、Wiiリモコン問題があります。任天堂が勝利しているものもあるのですけど、実質的に負けが確定したものがあるんです。

 Wii - Wikipediaでは、以下の話だけ載っていました。しっかりとしたソースが無いので今回は紹介しないものの、他に二つほど負けているWii関連の裁判があるかもしれません。

2014年5月15日 - Wiiモーションプラス、Wii、Wii U、Wii miniがフィリップス社の特許2件を侵害しているとして、フィリップス社がアメリカで訴訟を提起。
2014年6月20日 - イギリスで提起されていたフィリップス社の特許侵害訴訟で、イギリス高等法院が任天堂による特許侵害を認める判決を下す。
2014年12月2日 - フィリップス社が任天堂に対し提起していた訴訟について、特許に関するクロスライセンスで合意した旨が発表された。

 「クロスライセンス」というのは、両社が持つ特許を互いに使えるというもの。おそらくフィリップス側は、特許侵害での賠償や使用停止を要求しない代わりに、任天堂の特許を使うことで利益を得るということだと思われます。

 日経新聞によると、フィリップスは任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」などに使われている体の動きを感知する技術などが自社の特許を侵害していると主張。英高等法院は2014年6月、フィリップスが侵害を訴えた3つの特許のうち2件で任天堂側の侵害を認めていました。
(フィリップス、任天堂と和解 特許侵害巡る訴訟  :日本経済新聞 2014/12/3付より)


●この内容でまさか!?マリカー商標問題でも任天堂法務部が敗れる

 もう一つ、もっと最近だとマリカー商標問題があります。任天堂の人気ゲーム「マリオカート」の略称「マリカー」を公道カートのレンタルサービスを手がける「株式会社マリカー」が商標登録しました。これについて、任天堂が特許庁に異議申し立てをしていたが、特許庁は異議を認めず、この会社の商標登録を維持する決定をしたのです。

 特許庁によると「マリカーという略称は広く認知されているとは認められない」というのが理由。ただ、法的措置を検討中だと報じられており、これはまだ勝敗がついていないと考えられるかもしれません。任天堂は今回の異議申し立てとは別に、今年2月、不正競争防止法違反や、著作権法違反で同社を訴えたことを発表しています。

 この件は任天堂が気の毒だと思うのですが、岩永利彦弁護士によると「妥当」とのこと。「マリオカート」ではなく「マリカー」という名前が有名だと任天堂が証明する必要があったものの、それが不十分だったという説明でした。これだとパクったもの勝ちになっちゃいますから、どうにかならんものかと思います。
(「マリカー」商標登録、任天堂の異議却下…特許庁の決定は妥当だった? - 弁護士ドットコム 2017年03月11日 09時49分より)


●まさかの敗戦だったマリカー訴訟、再チャレンジで任天堂完全勝訴!

2021/03/24:任天堂は悪いことしているのに勝っちゃうことがあり、それは褒められません。任天堂法務部最強!と讃えるところではなく、悪徳企業だと非難すべきところでしょう。でも、よりによって任天堂が悪くないマリカー問題で負けちゃったのは、いかんだろう!と思っていました。世の中のためにも勝つべきところでした。ただ、別の方向性によって完全勝訴。当初のやり方は、任天堂の戦略ミスだったんですかね。

 マリカー訴訟、任天堂勝訴 5000万円賠償命令確定: 日本経済新聞(2020年12月25日)によると、今回は「マリカー」という商標ではなく、任天堂のゲームキャラクター「マリオ」の衣装と公道用カートを客に貸し出し、走行している映像を宣伝に利用したことを問題視。不正競争防止法に違反するとして、レンタル会社側に対し5千万円の損害賠償などを求めていました。

 最高裁第1小法廷(木沢克之裁判長)はレンタル会社の上告を受理しない決定をし、任天堂の請求通りである5千万円の支払いを命じ、営業や広告に「マリカー」を使うことも禁じた二審知財高裁判決が確定。その知財高裁判決では「マリオカートの高い顧客誘引力を不当に利用する意図で不正競争行為をしており、レンタル会社の売り上げに貢献した度合いは相当に大きい」と指摘していました。


●法務部最強伝説の任天堂を一般人が無謀にも提訴、パワハラと雇用拒否で

2020/09/05:一般人相手、パワハラ問題ということで、全然おもしろいネタじゃなくて深刻な話なのですが、<直接雇用拒否で任天堂を提訴へ|NHK 関西のニュース>(2020/09/03)というニュースが出ています。「任天堂」の派遣社員だった20代と30代の保健師の女性2人が訴えを起こすという話です。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200903/2000034494.html

 代理人の弁護士によると、2人はおととし、最長6か月間働いたあと、派遣先の企業が合意すれば正社員などとして直接雇用される「紹介予定派遣」という法律上の制度で採用され、社員の健康指導などを担当していました。ただ、半年間働いたあと、産業医との協力関係を築けなかったとして、任天堂から直接雇用を拒否されます。

 2人は業務連絡の行き違いをきっかけに、産業医から無視されるなどのパワハラを受けていたと主張。直接雇用の拒否は不当だとして、会社側に対し、地位の確認などを求める予定です。また、任天堂は採用前に2人と2度、面接していたとされています。このため、代理人の冨田真平 弁護士は、「実質的な採用活動を行っており、産業医との関係性のみを理由に、直接雇用を拒否することは許されない」と話していました。


●ニンテンドースイッチで任天堂の主張が裁判所に却下され仕方なく和解…

2021/03/24:フランスでは変わった法律があり、アップルの陰謀?古いiPhoneのパフォーマンスを落としていた理由で書いたように、アップルが古いiPhoneの性能をわざと落としているとして裁判になったことがあります。これのニンテンドースイッチ版の問題が2020年に報道されていました。

 ニンテンドースイッチに「計画的陳腐化」、仏消費者団体が訴訟へ :AFPBB News(2020年9月23日 14:34)によると、任天堂が、商品寿命を計画的に短くする「計画的陳腐化」を行っているとして、フランスの消費者団体UFCク・ショワジールが訴えたそうです。以前、コントローラーを触っていないのに勝手に動く「ジョイコンドリフト」という動作が5000人以上のユーザーから報告されているとして非難しており、この問題みたいですね。

<任天堂フランス法人は今年1月、欠陥のあるコントローラーは保証期間を過ぎていても無償で修理すると申し出ている。しかし、UFCク・ショワジールは22日、根本的な問題が解決しておらず、「現在もわれわれの元に苦情が舞い込んでいる」と述べた。さらに「問題は過去3年間にわたっており、任天堂はただ修理するだけでなく、問題の解決に取り組まなければならない」と批判した>

 これより前にNintendo SwitchのJoy-Conドリフト訴訟、棄却を求める任天堂の主張が却下される。裁判所は和解を勧告 | ばるらぼ!というのが出ており、任天堂の「棄却」という主張はアメリカの裁判所で却下された模様。AFPBBでは、同団体は同じ欠陥をめぐって米国でも集団訴訟を起こして、こちらは2019年3月に和解とあったので、アメリカでは主張が認められず仕方なく和解したということみたいですね。実質的に任天堂が負けた例とみなして良さそうでした。


●任天堂がを権利を侵害したのにバンダイが神対応「0円でいいよ」

2023/05/19追記:全然知らなかったんですが、任天堂がバンダイの権利を侵害してしまったことがあるとのこと。任天堂が完全に悪かったので、山内社長が金額の入っていない小切手をバンダイに送ります。たぶんバンダイが要求する金額をそのまま支払います…って意味ですね。任天堂最強法務部なら難癖つけて踏み倒しそうなものですが、やけに素直です。

 ところが、この完全降伏の任天堂に対して、バンダイ側が神対応。なんと「0円」と返して送り返したとのこと。つまり、無料で許したんですね。「商売は人と人の信頼関係で成り立っている」として、バンダイでは今でも哲学として残っているとのこと。「いい話」としての紹介であり、実際、2ちゃんねるまとめサイトなど、ネット上では感動した!と話題になったそうです。

 ということで、「いい話」なのですけど、任天堂の負けた例としてここに追加。たまたまバンダイが神対応しただけでそうでなければ完全に負けでした。ただ、そもそも胡散臭い話であり、デマではないかという見方もあるみたいですね。任天堂とバンダイの感動する小切手0円のオハナシなんだけど… | KNN KandaNewsNetwork 4knn.tvでは、各社に質問しています。

 そこから偽造されている可能性もありますが、新聞の切り抜き画像は存在。新聞社は当時のバンダイナムコゲームス副社長に取材しており、新聞社が一から捏造していたわけではなさげ。ポイントはこの当時のバンダイナムコゲームス副社長なのですけど、メールで質問しても回答が来なかった感じでした。結局、謎のままです。

 こういうはっきりしない状態なのにも関わらず、「デマ」と断定している人がいるのは、バンダイ、任天堂広報ともに「事実の確認はできませんでした」としているため。疑い出すと各社に質問したこと自体が本当なのか?という話にもなってくるのですけど、とりあえず、事実かどうか疑わしい…とは言えそうです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
  ■アップルの陰謀?古いiPhoneのパフォーマンスを落としていた理由

【関連投稿】
  ■任天堂のコロプラ提訴でホリエモン激怒 銭ゲバ・特許ゴロなどと批判
  ■ゲーム脳は大嘘 ゲームをする子ほど成績が良く社会性も高い
  ■ゲームやインターネットで悪影響説に科学的根拠は?願望ではないのか
  ■
ポケモン都市伝説のデマ拡散?ユンゲラー裁判の任天堂法務部最強エピソードが事実とは思えない嘘臭さ
  ■ゲームの売上本数ランキング マリオは任天堂のトップですらない
  ■米でも低評価の任天堂マリオラン、価格の高さより無料詐欺が問題では?
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