自動的に神社の氏子になるみたいな制度があって、それがベースで強制加入のトラブルになっているところが結構あるようです。ただ、この制度がそもそもそんなに長い歴史があるものではなく、明治時代に政府によって捏造された「伝統」。明治時代ってこういう捏造伝統が多いです。(2018/01/23)
●氏子強制加入・会費徴収トラブル続出
2018/01/23:ちょっと前に氏神氏子の制度についての間違った内容の漫画が広く拡散され、多くの人が「勉強になった」など、ポジティブな感想を持っていました。デマを広げてしまったようです。
このデマの指摘には、別にいいじゃん!という反発がまた大きくなっていたのですけど、この氏神氏子の制度はトラブルがあるみたいですね。ヤフー知恵袋情報ですが、多量に出てくるため、おそらく本当に問題が起きているのだと思われます。また、この困っている人への回答のヤバさからも、問題があることが推測できました。
例えば、
氏子って強制的加入なのか? 私の住んでいる地域では、神社の祭典費を常会費として、一括で徴収されます。というページでは、相談が載っています。
ベストアンサーは常識的なもので、「信仰についての強制加入はありえません」「憲法で信仰の自由を保障されています」「神社が祭典費として請求してきても、貴方に支払う義務は全くありません」などと書かれていました。そりゃそうだろうというものです。
ところが、そりゃそうだろうと思わず、むしろそんなはずがないって人もいるんですよ。ベストアンサーの方は、同時に「戦後教育で憲法を学んで来ている方がいる中に、まだ一部に理解していない人がいるの現状みたいですね」と書いています。このあと紹介するように、アンサーでも「当然支払いに応じるべき」というものが複数あったのです!
●歴史と伝統を理由に意味不明ルールを押し付ける人々
最も質問者に批判的だったのは、「貴方みたいな人増えてるようですね。気持ちはわかりますがね」という書き出しで始まる方。強制加入に戸惑う人を、非常識な困りものとして扱っています。この方は、以下のようなめちゃくちゃな「論理」をふりかざしていました。
「小さい頃神社やお寺のお祭や露店とか行ったりしたこと無いですか?
ああいうのの経費は氏子会費から出ています。信仰をお持ちであれば、人が楽しむことに少し手伝いができると大きな心で受け入れてはいかがでしょうか?」
この方は、他にもすごいことを書いていました。「因みにその土地に住んでいるだけで、氏子にはなります。日本の土地は神様のものです」とのこと。「日本の土地は神様のもの」って書いちゃうのは、相当ですよ。
また、この人は以下のように歴史や伝統を強調していました。
日本の古き良き伝統 年功序列と自治会(町内会)で移住者を村八分でもそうだったように、歴史伝統意識と理不尽なルールの強制は、不可分なところがあります。
「まーそんなに熱くならないで。。。憲法民法ができる前から神社が存在していて、集落の守り神として村人が一人残らず神社の神様を大切にしていた時代が長くあるわけです」
「ながーーーい習慣があるんです」
●「嫌なら引っ越せ」「そこに住むには氏子になることが条件」など
この人は他に「本当に嫌だったら、きっぱり断るか、裁判おこすか、引っ越しするかしかないですよね?」とも書いていました。強制加入そのものがおかしいのでは?という質問なので、回答になっていませんけど、「きっぱり断れ」はまだわかります。
でも、理不尽なルールを押し付けられているのに「裁判おこせ」はハードルが高すぎますし、「嫌なら引っ越せ」ってのは横暴極まりません。ある意味新興宗教の勧誘よりひどいですよ。
ただ、これは
日本の古き良き伝統 年功序列と自治会(町内会)で移住者を村八分の話でもそうだったように、本心からのもので全然悪気はないのでしょう。余計性質悪いのですが…。
「嫌なら引っ越せ」的なものは他の回答者でもあり、「地域によっては、氏子になることを条件にその地に住んでいるところもありますよ」としている人がいました。完全に違法行為です。
また、「嫌なら改宗するなどして、氏子を抜ければいいのではないでしょうか」と書いている人も。これもそもそも強制加入がおかしいのでは?という話なので、質問内容を読み違えているのですけど、質問者がおかしいと考えていることは伝わってきます。
●神社の都合で自治会を利用して信者集め
また、別のヤフー知恵袋では、リンクしていた
日本の古き良き伝統 年功序列と自治会(町内会)で移住者を村八分などでやっている自治会・町内会の話題と絡んできて驚きました。
神社の氏子を強制されて困っていますというページでは、以下のような質問がありました。どうも自治会を利用して、神社が信者集めしているようです。ひょっとしたらお金もここから出ているかもしれませんね。
「神社の氏子を強制されて困っています
住んでいる地域のほとんどが氏子らしく自治会からも言われています
基本的に自治会と神社は別だと思うのですが
どうしたらよいでしょうか」
こちらのベストアンサーは、「氏子はその土地に住んでいる人全員が望むか否かに関わらず氏子」ではあるものの、「これは神社側の都合であり、それを維持する為に協力するかどうかは別問題」としていました。
一般人からすると「そりゃそうだろう」ということなのですけど、その常識が全く通用しない人たちがいるというのが問題です。
●氏神氏子の制度がそもそもの明治政府の捏造で伝統ではない
最初の質問への回答では歴史伝統をふりかざして正当化するものがあったわけですけど、実はこの自動的に氏子になるという制度は長い歴史を持っていません。明治政府の都合で作られた捏造制度が発端です。
出典が不十分なものですが、
氏子調 - Wikipediaによると、氏子調(うじこしらべ)または氏子改(うじこあらため)は、1871年(明治4年)から1873年にかけて明治政府が行った日本の政策。これは、国民に対して在郷の神社(郷社)の氏子となることを義務付ける宗教政策でした。強制かつ自動的にってものですね。
この制度は、キリスト教禁止(邪宗門厳禁)や神道復興の側面も持っていたそうです。神道復興という目的からすると、寺や仏像をぶち壊す廃仏毀釈運動にも影響を与えたかもしれません。
廃仏毀釈が激しかった鹿児島県 イスラム過激派の如く仏像を破壊でやっているように、日本人もテロ組織みたいなことを昔やっていたんですよ。
この制度は実際には、わずか2年あまりで廃止されています。ところが、一村一社での氏神-氏子意識を定着させるなど、後の神社神道への礎となりました。前半のトラブル話でわかるように、捏造制度の影響がが今に至るまで残ってしまっているのです。
●2年あまりで廃止されたのは野蛮な制度のため?
「神社神道への礎となった」について補足。
朝日新聞掲載「キーワード」の解説によると、神社神道と対応するものとして、幕末以降に展開した「教派神道」や日常のなかで習俗として営まれる「民俗神道」などがあるそうです。
神社神道の方は、神社を中心とした神道で、信仰の対象は日本固有の神や神霊など。現在、宗教法人の神社は約8万あり、神社本庁がほとんどを包括しています。
(関連:
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あと、わずか2年あまりで廃止された理由は、Wikipediaでは説明がありませんでした。ちらっと読むと、外国からの批判があったためという説明が見られます。既に出てきたように、「キリスト教禁止」というものがあり、キリスト教国からすれば受け入れられないでしょう。また、信教の自由を侵害するという野蛮で中世的な制度でした。
でも、その野蛮なやり方を正当化しようとしている人が、現在においても結構いるというのは頭が痛い問題です。
【本文中でリンクした投稿】
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日本の古き良き伝統 年功序列と自治会(町内会)で移住者を村八分 ■
廃仏毀釈が激しかった鹿児島県 イスラム過激派の如く仏像を破壊 ■
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