母親の心音で赤ちゃんは安心する?の続きで、そこで紹介したのと同じ日経の名を冠しますが、日経サイエンス1998年4月号の見出しなどが
サイトで見ることができます。
この中で今回の話に関係するのは、
母親の心音で赤ちゃんは安心するか 川上清文/高井清子/清水幸子/矢内原巧
というものです。
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別ページに本文の紹介もあります。
学界で常識化している知識が,一般の人までなかなか浸透しない例は,別に珍しくはないだろう。関係者の努力不足と言ってしまえばそれまでだが,私たちの場合は,もどかしさを通り越して,危機感さえ覚える。なぜなら,私たちの研究対象は,誰にとっても身近で大切な存在であるはずの「赤ちゃん」だからだ。
多くの人が,母親の心臓の音や胎内音に,赤ちゃんを落ちつかせる効果があると信じている。確かに,それは間違いとはいえない。しかし,それが,赤ちゃんと母親の結びつきの強さから来ると単純に考えることはできない。赤ちゃんを泣き止ませるには,もっと効果的な音があるからだ。ホワイトノイズである。
ホワイトノイズは,テレビの放送終了後に流れるザーという音に近い。雑音としか聞こえないこの人工音に,なぜ赤ちゃんを泣き止ませる効果があるのか。これを理解するには2つの考えを捨てなければならない。1つは,生まれたての赤ちゃんはまったくの無力で何もわかっていないという考え。もう1つは,赤ちゃんは母親との関係だけで生きているかのような“母親神話”である。 |
なぜホワイトノイズが良いのかここを読むだけではわかりませんが、
心音を聞かせると,赤ちゃんは確かに泣き止みます。でも,泣き止ませるだけならば,人工音のホワイトノイズの方が効果があります。耳慣れない音に関心が向いて,泣くのを忘れてしまうようなのです。 |
との記述が、実はさっきの目次ページの方にありました。
このホワイトノイズというのは
Wikipediaの説明では、
ホワイトノイズ (White noise)、あるいは白色雑音(はくしょくざつおん)とは、不規則に上下に振動する波のこと。通常音声のホワイトノイズを指すことが多い。フーリエ変換を行い、パワースペクトルとすると、全ての周波数で同じ強度となる。「ホワイト」とは、全ての周波数を含んだ光が白色であることからその表現を借りたものである。ちなみに、ピンクノイズもホワイトノイズ同様、周波数成分が右肩下がりの光がピンク色であることからきたものである。 簡単に言うと、「ザー」という音に聞こえる雑音がピンク・ノイズで、「シャー」と聞こえる音がホワイト・ノイズである。 |
となっています。
ここで出てきたピンクノイズの方が、ホワイトノイズよりも安心するという話もウェブ上にはあり、結構まちまちです。ホワイトノイズはテレビ放送終了後のザーという音と説明されることがありますが、このWikipediaを読むとそれはピンクノイズの方の可能性もありそうです。
また、実際に赤ちゃんに試してみた方のブログをお読みすると、「ホワイトノイズはそうでもなかった。うちはシーと耳元でささやいたり、掃除機のルンバの音が効く」などといった内容が書かれていておもしろいです。個人差があるんでしょうね。(ルンバは自動掃除機というおもしろい掃除機です)