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今は縁起物のフクロウも、昔は不吉な鳥だった


 カラスとフクロウ、不吉な鳥はどっち?のところでは「カラス、フクロウに関する伝承は日本に限らず、世界においても良いもの・悪いものの両方が見えていておもしろいです」と書きましたが、今日はフクロウに限った話です。


 Wikipediaでフクロウについて詳しいのは、フクロウの項目ではなく、フクロウ目の方です。

 このページでは、日本でのフクロウ感を以下のように書いていました。

日本ではフクロウは死の象徴とされ、フクロウを見かけることは不吉なこととされていた。現在では、「不苦労」、「福郎」のゴロ合わせから福を呼ぶものとも言われている。


 具体的な伝承としては、次のようなものがあります。


●たたりもっけ(個別のWikipediaより)

 青森県北津軽郡や西津軽郡では、人が惨たらしい手口で殺された後、加害者に対する怨みによって、加害者の住む家が祟りに遭うことをたたりもっけというそうです。祟られた家では怪火や怪音などが頻発し、家人が病気になったり、ときには一家全滅に追いやられ、さらにその後の何代もにわたって祟りが及ぶという恐ろしいものです。

 民俗学者・内田邦彦は、たたりもっけに「祟り蛙」の漢字表記を当て、「蛙」を嬰児の意味とし、この地方では嬰児を「もけ」ということや、かつて貧しさからの堕胎や子殺しの風習が盛んであったことから、たたりもっけを死んだ嬰児の祟りとしているようで、岩手県でも嬰児とたたりもっけの絡む話があるようです。


 また、青森県北津軽郡の嘉瀬村(現・五所川原市)では、死んだ嬰児の死霊をたたりもっけと呼び、こうした魂はフクロウに宿ることもあるといわれました。そのため、フクロウのホーホーという声は死んだ嬰児の泣き声であるとも言われます。

 ここでたたりもっけとフクロウが繋がるわけですが、嬰児の霊の内でも祟りのないものは座敷童子と見なされ、祟りのあるものをたたりもっけと呼んだとする見方もあり、このたたりもっけはやはり良くないものであったように思えます。

 ただ、一方で、子供を亡くした家はフクロウを大事にしたという説もあるようで、単に災いを避けるためとも取れるものの、良い話にできる説だと思います。


●しまこぶんざ

 同じく東北の岩手県和賀郡東和町北成島(現・花巻市)ではフクロウを「しまこぶんざ」といい、子供が夜更かししていると「しまこぶんざ来んど」(フクロウが来て連れて行かれる、の意)といっておどす風習があったと言います。

 これはストレートに悪い意味ですね。悪い子に対して言って聞かせるこういった定型文は、普通は妖怪とかお化けの類です。


 しかし、日本でも例外的に良いものがあります。


●コタンコロカムイ

 アイヌの人々は、シマフクロウを守護神コタンコロカムイとして、エゾフクロウ(フクロウの北海道産亜種)を猟運の神として崇めているそうです。

 アイヌ民族の見方であり、大和民族ではないのですが、昔の日本でも良い例があったということです。


 次に世界の例を見てみます。


●ホピ族(北アメリカの先住民)

 ホピ族にとって、フクロウは不潔で不気味な生き物であるようです。

 2003年には、アメリカの教育委員会が多文化への対応のために児童の教科書のフィクションの項目を再調査し、フクロウについてのこれらの物語や問題を新しい教科書やカリキュラムから取り除かなければならないとの結論付けました。


●古代エジプト

 古代エジプトではヒエログリフの「m」の文字をフクロウを表すものとしたが、しばしばこのヒエログリフを復活と攻撃のために足の折れたいけにえのフクロウとして記述したそうです。

 ヒエログリフは神聖文字とも呼ばれる正式な文字で良い印象なのかな?と思いますが、足を折ったいけにえですから単純にそうとも言えない気もします。


●ギリシャ神話

 「カラスやミヤマガラスのほうが知能は高いが、フクロウは古代ギリシャでは女神アテナの従者であり、『森の賢者』と称されるなど知恵の象徴とされている」とありました。

 おもしろいことにここでもカラスが出てきて、比較されています。


●ヨーロッパ

 「ヨーロッパではしばしば学問の神、英知の象徴とされる」とだけ、ありました。

 これだけ見るとヨーロッパでは悪い印象がなく、良い印象だけあるように思え、今の日本はヨーロッパの影響を受けたのかな?と思ってしまいます。

 しかし、カラスとフクロウ、不吉な鳥はどっち?で書いたように実際には「a bird of ill omen」(不吉の鳥)の例として、フクロウが挙げられています。


●リリス(Wikipediaより)

 ヨーロッパの話を読んでいて、以前吸血鬼は血を吸うとは限らないで書いたリリスを思い出しました。

 リリスは本来はメソポタミアにおける夜の妖怪で、「夜の魔女」とも言われ、男児を害すると信じられていましたが、後に様々な地域に広がりました。

 Wikipediaには「リリスとフクロウとの関連がいつごろに遡るのかについてはわからないが、おそらくこの鳥が吸血性の夜の精霊だとみなされたことによるものだろう」と書かれています。

 また、"欽定訳聖書におけるコノハズク (screech owl) という訳には前例がない。これは、34章11節の「フクロウ」 (yanšup) および「大きなフクロウ」 (qippoz) とともに、翻訳するのが難しいヘブライ語の単語を、その部分の雰囲気に似合ったそれらしい動物を選ぶことによって意訳しようとしたのではないかと思われる"ともあり、訳する段階でフクロウになったのかもしれません。

 いずれにしろ、リリスは悪いイメージの強いものです。


 といった感じで、世界でも良い印象・悪い印象の両方がありました。

 大抵の動物が両方のイメージを持つのでしょうが、ギャップが大きくておもしろいなぁと思います。

(カラスは、神話・伝承におけるカラス、最初の話はカラスとフクロウ、不吉な鳥はどっち?です)


 関連
  ■旧約聖書のノアの箱舟
  ■吸血鬼は血を吸うとは限らない
  ■その他の神話・伝承・不思議な話などについて書いた記事
  ■山姫(屋久島の民話)
  ■吉祥天、黒闇天姉妹の家族

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