モチベーション関連の話をまとめ。<上がらない労働者のモチベーションを上げる方法 しかも簡単!>、<小さな成功でもモチベーションアップ!大事なのは積み重ね>、<簡単にやる気を引き出せるのに…親も上司も逆にやる気を削ぐだけ>などをまとめました。
2022/10/06まとめ:
●両親がケンカばかりしている家庭の子…まずこの時点で問題がある 【NEW】
●褒められなかった子が現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは? 【NEW】
●「勉強頑張りなさい」も「子供のためを思って説教」もダメな理由 【NEW】
●簡単にやる気を引き出せるのに…親も上司も逆にやる気を削ぐだけ 【NEW】
『 犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉 』(犯罪心理学者・出口保行)


●上がらない労働者のモチベーションを上げる方法 しかも簡単!
2020/03/21:いろいろなところにバラバラに書いていた、モチベーションに関する話をひとつまとめるとこを作っておこう!ということで専門のところを用意しました。まず、以前「上がらない労働者のモチベーションを上げる方法 しかも簡単で安上がり」のタイトルで掲載していた話から紹介します。
これは、作業者自身がモチベーションを上げたい…という話ではなく、経営者側が作業者のモチベーションを上げたいという話ですね。この話とは違う作業者自身が上げる…という話も、今後いっしょにまとめていく予定ではあります。
問題:工場でミスが多い(アメリカの事例)
うまくいかなかった解決策:生産性コンサルタントの起用。
うまくいった解決策:働いている人の呼び方を「Worker(労働者)」から「Craftsman(職人)」へ変えた。
→ 働いている人が誇りを持って仕事ができるようになり、ミスが減った。
(
問題を違った角度から捉えてみるとシンプルな解決策が浮かんでくる : 2chコピペ保存道場より)
●小さな成功でもモチベーションアップ!大事なのは積み重ね
あと、もう一つ、
「褒めて伸ばす」の絶大な威力 青少年犯罪が半減した警察署の試みで紹介していた話をここに。これも作業者自身がやるという話ではないのですけど、小さな成功の積み重ねがモチベーションアップのポイントである…ということで、作業者にとってもヒントにはなりそうです。
もともと書いていた投稿のタイトルにあった「青少年犯罪が半減した警察署の試み」というのは、よい行いをしている若者に映画館などで使える善行切符をばらまく…といったもの。これにより青少年の再犯率は60%から8%へと低下し、犯罪の数は全体で40%減少、青少年による犯罪は半減という劇的な効果をもたらしました。
上記の話では直接モチベーションという言葉は出ていないものの、同じような良いこと探しでモチベーションアップという論文があったんですよ。企業のマネジャーは従業員に比較的小さな成功の積み重ね(進捗)を経験させることで、満足度とモチベーションを著しく高めることができるとされている、という論文があるんだそうです。
1.ミーティングの冒頭で5分間、「前回のミーティング以降、うまくいっていることは何だろう」とメンバーに話し合ってもらう。
2.毎日2分間、よいことをしている人を見つけるために時間をとる。
3.オンラインの掲示板をつくり、従業員やパートナー企業、そして顧客までもが、日々感謝する対象を共有できるようにする。
(
「スタンフォード監獄実験」の逆は実行できるか | グレッグ・マキューン/HBRブログ|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(2014年05月14日)より)
●両親がケンカばかりしている家庭の子…まずこの時点で問題がある
2022/10/06まとめ:個別事例をベースにした話は科学的根拠とはならないので注意が必要なのですが、<母親に「頑張りなさい」と言われ続けて育った男性が、現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは>(22/10/6(木) 6:12配信 文春オンライン)で出てきた話は、過去に紹介してきた様々な指摘と一致する内容でしたのであちこちに転載しています。
これは1万人の犯罪者を心理分析してきた犯罪心理学者・出口保行さんの著書
『 犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉 』から抜粋した宣伝記事だったようです。この「1万人の犯罪者を心理分析してきた犯罪心理学者」などといった宣伝文句も ニセ科学的なものでも使われるものなので、一般的には注意が必要ですけどね。
で、記事で出ていた事例の話。これは、ケンカばかりしていた両親が離婚した「ナオト」の事例です。父は営業成績が上がらず給与が低かったので、母親がしょっちゅうなじっていたそうです。「お父さんみたいになっちゃダメだからね」と繰り返し言われたともいいます。まず、この時点で問題ですね。両親が喧嘩する様子を子供に見せるというのはよくないと言われています。
<(引用者注:両親の離婚)以来、ナオトは落ち込むことが多くなった。もともと勉強も遊びも集中することがあまりない。(中略)「そんなんじゃお父さんみたいになるよ。あんなふうになったらおしまいよ」そう言って母親は「勉強頑張りなさい」と繰り返すのだった>
https://news.yahoo.co.jp/articles/2bd5b3114a744b7e44c64e9b1459de1ab814f813
●褒められなかった子が現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは?
しかし、小学6年生の担任はいい先生で、「ちょっとずつでいいんだよ」と努力を認めてくれます。努力が結果に結びつくとは限らないというのが現実の残酷さですが、このときは結果も出ました。どうしても2しかとれなかった国語が3になったのです。ところが、母親は、「3で喜んじゃいけない」「小学生のうちに国語ができるようになっておかないと中学で苦しむよ」とこの結果を褒めなかったのです。
<内心はほっとしているのだが、もっと頑張ってほしいという気持ちで厳しくあたるのだった。ナオトは心底がっかりした。頑張っても評価してもらえないんだと思い、それ以来コツコツ努力することをやめてしまった。
その後、高校はなんとか卒業したものの、何に対しても前向きな気持ちが起きない。先生に言われるままに機械メーカーに就職したが、3か月で離職。家にひきこもってゲームをする毎日だ。
母親は「だから勉強しろと言ってきたのに」「どうしようもないクズになった」などと叱責ばかりする>
記事は、<母親に「頑張りなさい」と言われ続けて育った男性が、現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは>というタイトルでした。この手を染めてしまったモノとは「大麻」。ナオトは似たような状況の中学時代のゲーム仲間と再会して、「外国じゃ普通だし、副作用もないし。他はともかく、大麻は大丈夫」とハマってしまったそうです。
話がそれますが、これは当然大麻にハマるのは良くないこと…という理解のもとで使われています。「そりゃそうだろ」と思うかもしれませんが、たぶん大麻推進派の方はこれを読んでお怒りでしょう。彼らはまさに「外国じゃ普通だし、副作用もないし。他はともかく、大麻は大丈夫」という主張。むしろ大麻を解禁し、本当に危険な薬物に手を出させないようにすることで、日本は良くなるといいます。
●「勉強頑張りなさい」も「子供のためを思って説教」もダメな理由
大麻の話はいいとして、犯罪心理学者・出口保行さんの解説です。「頑張って」は、一般的に応援の意味で使われる言葉ではあるものの、実際には「応援してもらっている」とは感じないどころか、否定的な言葉としてとらえられたことを指摘。父親に対する悪口とセットであったことも災いしたといいます。
<そもそもなぜ被害感や疎外感が強くなったかといえば、親子間における日ごろのコミュニケーションに問題があるわけです。ナオトの場合、父親のことはさておいても、「あなたのことを大事に思っている」ということが伝われば、また違った受け止め方をしたでしょう>
非行少年の親でも、別に暴言を吐いたこともないし、いい言葉をたくさん言っていると思っている人はいるとのこと。実際、自分はいい親だと思っている人も多いのでしょう。ただし、大事なのは親の思いではなく、子がどう受け止めているかが大事だとの指摘。「子供のためだから」という親の言い分を認めてはいけないんでしょうね。
<たとえば親が子どもに対して説教をしているとき。話していることは非の打ちどころのない正論かもしれません。丁寧な言葉を使っているかもしれません。しかし、親からすれば「いいことを言った」と思っていても、子どもからすると「何もわかってない」と思うことはよくあるわけです。
少年鑑別所での面会の様子などを見ていると、それが如実(にょじつ)にわかります。「親はいいことを言っているが、子どもはまったく信用していないな」と思います。
そういう親は「頑張れって応援してきたのに、うちの子は全然こたえようとしなかった」と言います。子どもは応援だと受け止められなかったのです。同じ言葉でも、受け止め方は同じではありません。180度違うことだってあるのです。そこに気づかなければなりません>
●簡単にやる気を引き出せるのに…親も上司も逆にやる気を削ぐだけ
上記はビジネスの上司先輩でもあるあるだな~と思いました。すると、その次にさらに「ビジネスと同じ」という話が出てきてびっくり。<意欲=やる気は自分の内側から出てくるもので、他者が植えつけることはできません。ただ、意欲を促すことはできます。心理学ではこれを「動機づけ」といいます>という指摘でした。
<小学校の担任の先生は、ナオトの努力を褒めて勉強への意欲を促進することができていました。ところが、母親は褒めるどころか逆のことをしました。内心はほっとしているのに、「これくらいで満足するな」「もっと頑張れ」とたきつけるのです。これではせっかく芽生えたやる気もそがれてしまうというもの>
もともとやる気がないわけではなく、行動しても結果が出ないことを何度も経験するうちに、やる気を失い行動しない状態を「学習性無力感」と言うとのこと。心理学者マーティン・セリグマンが1967年に提唱した概念で、これは実験的な裏付けがあるものです。こういう研究の話があるのは良い書籍ですね。以下のような実験の話が載っていました。
<犬を2つのグループに分け、どちらも電気ショックが流れる部屋に入れました。Aグループは、スイッチを押せば電気ショックを止めることができます。Bグループは何をしても止めることができません。
これを経験したあとに、両グループを低い壁で囲まれた部屋に入れました。この部屋にはやはり電気ショックが流れるのですが、壁を飛び越えればそれを避けることができます。Aグループの犬は壁を飛び越えて電気ショックから逃れることができました。しかし、Bグループの犬は、壁を飛び越えれば逃げられるにもかかわらず、そのまま電気ショックの部屋にい続けました。
つまり、自分が何をしても電気ショックを止められないと学習した犬は、逃げられる環境になっても行動しなかったわけです。「何をしてもムダだ」とあきらめてしまったのです>
学習性無力感は自由な環境でこそ起こるといいます。結果が出ないことを繰り返したせいであきらめてしまうのです。学習性無力感に陥らないためには、いわゆるプロセスを褒めること。結果がどうであれ「やってみよう」と思ったこと、そして少しでも行動に移したことを褒めるのです。これはよく言われています。
<本人は頑張っているつもりだけれど、やる気がないように見えることもあります。(中略)そういう子に対して「やる気出せ」「頑張れ」と言っても逆効果です。「うるせぇ!」と、反抗し努力をやめてしまうでしょう。(中略)
「別に何もやる気ない。努力なんかしたってムダだし」と冷めた態度の非行少年に対しても、ちょっとした行動を見つけてプロセスを褒めるうちにバーッと喋(しゃべ)るようになるということがよくあります。
(中略)少年鑑別所にいる、ひねくれ度MAXのような非行少年でさえ素直に戻るのですから。やる気がなさそうだったり反抗的だったりするからといって、親やまわりの大人がすぐにあきらめるようではいけません>
『 犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉 』(犯罪心理学者・出口保行)


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