語源シリーズ、今回は「昨日」「今日」「明日」です。欲張って英語もやっちゃいますが、まずは日本語から。
●「昨日」の語源 (
語源由来辞典より)
昨日は、ある時点より近い過去という漠然とした意味で昔は用いられていたそうで、正確な語源もわかっていません。
ただ、きのうの旧かなは「きのふ」であることから、きのうの「う」は、どの説でも「ひ(日)」の転じたものとしているようです。これは他に説明がなかったので想像になりますが、「同じハ行で変化したよ」ってことでしょうね。
では、様々な説をざっと並べます。
・「さきのひ(先日)」説
「さ」の略で「きのひ」となり、「きのう」となった。
・「すきのひ(過日)」説
上記と同じと考えれば、「す」の略で「きのひ」となり、「きのう」となった(?)。引用元では最初に記述があった。
・キ行は過去を表す言葉に通じるからという説
「きそ」「こぞ」など、過去を表す言葉の多くが「き」や「こ」で始まることから、それらの音に通じるとする説。
・「きすのひ(昨日日)」説
「きしひ(来日)」の略転「きす」が「き」にあたり、「きすのひ(昨日日)」の略転を語源とする説。
最後、キスの日みたいですね。ちなみに日本初のキスシーン登場映画の封切り日なので、5月23日がキスの日なんだとか。
●「今日」の語源 (
語源由来辞典より)
最初は「けふ」で、今日の旧かな。これが「きょう」に。
「け」というのは「今朝(けさ)」と同じ「け」で、「こ(此)」の意味。
「ふ」は「ひ(日)」の意味で、これは「昨日」と同じパターン。
つまり、「けふ」なら「このひ(此日)」という意味。
●「明日」の語源 (
語源由来辞典より)
古語を習ったときに朝を「あした」と言うのが不思議でしたが、何とそれが語源。
ですが、最初は「あけしだ(明時)」からスタート。「夜が明ける」などの「明け(あけ)」に、奈良時代の東国方言で「時」を意味する「しだ」がついたもの。
これが転じて「あした=朝」となり、鎌倉末期頃から「何かあった日の翌朝」の意味、平安末期、現在と同じ「明日」に。
ちなみに「あす」にも「あさ(朝)」の転という説があるようです。(もしくは、「あかす(明かす)」の略ですが、こちらが優勢なのか最初の記述)
●「yesterday」の語源 (
吾輩はメモである。より)
「yesterday」の「yester-」という部分は古い英語で「すぐ前の」という意味だったようです。「すぐ前の日=昨日」という味気ないほど、わかりやすい意味です。
ちなみに「辞書を見る限りでは文語として、yestermorning(昨朝)、yesternight(昨晩)yesteryear(昨年)などの単語が出ていますね」とのこと。
●「tomorrow」の語源 (
吾輩はメモである。より)
引用元は「なんでtomorrow にはdayがないの?」という学生の質問に、大学の専任講師の方が回答したものなのですが、確かに不思議です。
「tomorrow」は、「朝」を表す「morgen」という古英語の単語に「to」がくっついてできたものだそうで、ここでの「to」は「~に向かって」の意味でしょうから、「朝に向かって」→「明日」という形で「tomorrow」ができあがったとのこと。
図らずしも日本と同じ朝が絡みます。おもしろいですね。
でも、「to + night」は「今晩」なのです。まあ、日付が変わらないので、致し方ないのかも。
それと私は英語とドイツ語が近いというのがいまいちピンと来ていなかったのですが、「Morgen」はまさに現在のドイツ語の朝と同じです。
「おはよう」は「グーテンモルゲン Guten Morgen」ですし、「Good」も同語源臭いなと思ったら、「Guten」は変化形で普通は「gut グート」。よく似ています。
●「today」の語源
なぜかこれだけなかなか良いのが見つからなくて、後回し。
WeblioのWiktionary英語版を見る羽目になりましたが、当たり前すぎるからかも。古風な表記だと「to-day」だそうで、そのまんま「to」と「day」みたいです。
うーん、これもさっきと同じ感じで「昼に向かって」でしょうかね?お昼はどっちにしても同じ日に変わりないですし。
最後は私の怪しい想像になりましたが、こんな感じでした。
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