猫を撫でていると、ペロペロとやたら熱心に手やら腕やらをなめてくることがあります。
犬がなめるのは良いことなんでしょうけど、猫がなめるのはどういう意味があるのでしょう?ひょっとして、嫌がられているんでは?と心配になったので、調べてみました。
……が、各所バラバラのことを書いていて、よくわかりませんでした。まあ、とりあえず、一つ一つ見ていきます。
まず、心配になるような比較的良くない情報から。
甘えている時の行動
* 頭をゴチンとぶつけてくる
猫が甘えてきています。しっぽをぴんと立てて頭をすり寄せてきます。手なんかをなめる猫もいますが、どちらにしても自分のにおいを付けるマーキングの意味もあるようです。
猫 しつけより
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「甘えている時の行動」の中での言及ですから悪くないようにも思えますが、「マーキングの意味」というのが気になりました。
実は以前、体をくっつけてスリスリするのは、嫌な臭いを自分の匂いで上書きするためといった話を読んだことがあったのです。このスリスリもよくやられるのですが、もしかして臭い?
他の人が全然されないのに、私だけめちゃくちゃなめられるということもあり、この線はありそうな気がします。
これは良いも悪いもなく、単に名残りという説。
ブラッシングをしたり体をなでてやると、幸せそうな顔をしますが、 しばらくすると必ず、手や足などをなめ返してきます。
寝てていいのにと思いますが、 一生懸命なめてくれるので睡眠の邪魔を したのかと思ってしまうほどです。
これは、猫は仲間同士や 親猫が仔猫をなめるという 行動を人間相手にしているようです。
仲間同士であることの確認であり、 なめ合ってニオイを共有し信頼を 深める行為だといわれています。
猫との快適生活より |
パターンとしてはまさにこのパターン。体を撫でまくっているときに、なめてきます。(まあ、手を出すときは十中八九撫でるときなので、他のパターンがわかりませんけど)
これだと良い表現のようで安心です。
と、まあ、いろいろだったのですけど、一番信頼できそうな書き方をしていたのは、発言者を明記していた
猫のおきてというメルマガです。
マイケル・W・フォックスさんは、「人の手の味がおいしい」からなめているのではないとして、以下のように言っているそうです。
「ほかのネコとどのように社会的に関わりあっているかを見れば、この行動の意味を知るのはむずかしいことではない。彼らは互いに塩をなめとっているわけではなく、愛情と思いやりを示しあっているのである」
これの一つ前の内容といっしょ。わーい、私愛されてます!
それから、デズモンド・モリスさんも、猫同士がなめあうことについて
「その主要な機能は互いにきれいにしあうことよりもむしろ、二頭のあいだの親しい関係を強めることにある」
と言っているそうです。
↓出典が書かれていませんので不明ですが、お名前で検索して出てきた本
ふたりはこの他に、次のようにも言っています。
「人間は感情によって体内の化学物質に変化を及ぼす。ペットは、人間の体から発する臭いによって、人格とはいわないまでも、精神状態を察知することができるし、実際にそうしているのだと私は思っている」(マイケル・W・フォックス)
「人間の性格や精神状態がわたしたたちのつくり出す体内の化学物質、ひいては体から発する臭いに表れるし、影響も及ぼす」(マイケル・W・フォックス)
「あなたがさわった毛皮をなめることによって、ネコは文字どおりあなたを『味わい』、あなたの汗腺からの信号を読みとることができる。私たちは自分の手のにおいを嗅ぐことができないが、ネコにはできるのだ」(デズモンド・モリス)
より人間から情報を得ようとする手段の一つということですね。犬の場合にも、同様の意味があるかもしれません。
これはトンデモな説のようにも聞こえるでしょうが、養老孟司さんも
養老孟司の旅する脳
という本で次のような内容のことを書いていたので、そういう学説があるんじゃないかと思います。(内容を要約したもので、そのまま引用ではありません)
人は嫌う相手に対して、「不愉快だ、あっちに行け」というサインのにおいを身体から出している。このため、動物を嫌う人は嫌われる。しかし、人の場合は鼻の中のこれを嗅ぎとる器官が退化していて、わからない。 |
動物嫌いの人が動物にも嫌われるのには、ちゃんと理由があるんですね。
とりあえず、私は愛し愛されているのだと信じつつ、これからも猫をなでなでしたいと思います。
おまけで猫動画
↓ジョリジョリ音がしていて思い出しましたが、犬と違い猫って舌ザラザラですから、なめられ心地も違います。引っかかって、ちょっと痛いです。
↓こんな感じですが、この方も痛いと。紙やすりみたいな舌ですものね。特に撫でなくてもなめるようです。
↓再び猫VS猫。けっこう激しいです。
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