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売上が高い評判のパン屋でも利益出ず 廃棄が多く労働生産性も低いためか?


 もともとは、「値引きした方がむしろ利益が増える」というコンビニの話でした。これに<売上が高い評判のパン屋でも利益出ず 廃棄が多く労働生産性も低いためか?>などの話を加えて、こちらがメインに。さらに、<社長失踪で突如「全店閉店」人気のパン屋が倒産?実際には…>などの話を追加しています。

2021/12/14追記:
●社長失踪で突如「全店閉店」人気のパン屋が倒産?実際には…
●「手間暇をかける」は利益が出ずにブラック企業になりやすい
●「優良企業に見えたのに違った」の答えは意外に単純だった…
2021/12/29追記:
●人手不足を訴えても無視…やっぱり普通にブラック企業だった? 【NEW】


●値引きした方がむしろ利益が増える 理由は廃棄費用が大きいため

2017/03/27:最近は全然買っていないのですけど、お惣菜の値引き商品には長い間お世話になっていました。でも、ああいう値引きってお店にとってはどうなのだろう、とも思っていたんですよね。売れ残るよりはマシだというのはわかるものの、私みたいに値引きを待っている客とかいると、値引き前の商品の売れ行きにも影響あるかもしれません。

 ところが、朝日新聞のコンビニ店主「見切り販売」の動き 販売期限前に値引きによると、逆にむしろコンビニでは、値引きすると利益が増えるかもしれないのだそうです。理由は廃棄費用がかさんでいるためです。値引きして売った方がマシなほど、実は廃棄費用がでかいってことみたいですね。

 記事では、まず、売れ残りによる廃棄を減らすため、販売期限前に弁当などを値下げして売る「見切り販売」を導入するコンビニエンスストア加盟店が各地で出始めたという話。公正取引委員会によるセブン―イレブン・ジャパンへの調査が判明した2017年2月以降、見切りを始めた複数のオーナーが「廃棄が半分に減って利益が増えた」と話しているそうです。

 例えば、ある西日本のセブンオーナーは、弁当や総菜などの見切り販売を始めました。本部指導員からは「全店に広がったらセブンはつぶれる」と言われます。たあ、1カ月間に出る廃棄の量は半分以上も減少。値下げをするため、売り上げは5%減(前年同月比)でしたたが、店が負担する廃棄代が減ったため利益は逆に3割以上増えていました。プラスです。

 前年から度々、本部側に見切り販売を提案していた東日本のオーナーも3月から開始。これまで「契約解除になりますよ」と高圧的だった本部指導員の態度が、ややおとなしくなったためです。裁判のおかげで、セブンイレブンのブラックさがややマシになりました。こちらのお店は利益の話がなかったものの、やはり廃棄の量は約半分になっています。

 複数のオーナーによると、1カ月間に出る廃棄は1日の売上高が目安だとそうです。少なく見積もって売り上げ40万円の店なら、1カ月で40万円分の廃棄が出ている計算となります。これが半減されるとなると、20万円の廃棄費用が減少するということに。なるほど、利益が改善する可能性というのは確かに大きそうでした。


●値引きで儲かるのは、コンビニ特有の事情が大きい

 コンビニと他のスーパーなどとでは、客層や目的が違うのでいっしょにならないのかもしれませんが、値引きは効果あるんですね。…と思ってもう少し調べていたら、これはかなりコンビニ特有の問題が絡む模様。先の記事では公正取引委員会の話を載せていたものだったのですが、コンビニ本部が値引きを許さないのもそのせいみたいです。

 【時事とコピペ】の【コピペ】コンビニ ロイヤルティ計算・ロスチャージ問題によると、本部に支払うロイヤルティは利益に比例しているのですが、ここで言う「利益」というのは売れ残りの仕入れ値を除いた利益だとのこと。コンビニ本部の都合だけ考えると、値引き販売されるとロイヤルティが減るので、不当に圧力をかけてこれを禁止しているということみたいです。

 この計算については、コンビニのロイヤリティの計算式 廃棄せずに値引きして売った場合の計算例でやってみました。また、値引き制限の件は、セブンイレブン、弁当値引き妨害で敗訴 ブラックなやり方に問題でやったように、後にコンビニ本部側が敗訴しています。やっぱり悪いことだったんですね。


●売上が高い評判のパン屋でも利益出ず 廃棄が多く労働生産性も低いためか?

2017/03/27:いろいろな要素が入った話なのですが、「捨てないパン屋」ということで、コンビニ弁当廃棄の話に追加しました。元記事は、「捨てないパン屋」の挑戦 休みも増え売り上げもキープ:朝日新聞デジタル(藤田さつき 北郷美由紀 2017年3月22日12時53分)というタイトルのものです。

 ここで出ていた広島市の「ドリアン」というパン屋さん。実は売れない不人気のお店ではありません。それどころか、評判の人気店になったのです。ところが、人気であるにも関わらず、コストがかさみ利益は出ていない…という状態だったといいます。

 このかさんでいるという、コストの内訳は書かれていませんでしたが、コンビニと同様に、廃棄費用も結構あったのかもしれません。記事によると、閉店後、売れ残ったパンを毎日のように捨てており、25リットルの袋が満杯になることもあった、と記載がありました。この廃棄費用の話がコンビニの話に追加した理由です。

 ただ、ひょっとしたらこっちの方が大きいのかも?というのが、日本全体の問題である長時間労働と労働生産性の低さです。「ドリアン」を経営する田村陽至さんは、先行きが不安になり、一度店を休業した上に、ヨーロッパのパン屋で修業をしたんですよ。この本場のパン屋は日本から見ると考えられないものでした。

 その修行したお店の一つであるウィーンの名店「グラッガー」では、なんと職人たちが働くのは午前中だけ。しかも、日本では常識の生地を2回発酵させる工程もなく、手抜きに見えました。ところがです。この手抜きパンが比較にならないほどおいしかったそうな。「1日15時間以上働いてきた自分は一体何なんだろう」と打ちのめされたそうです。


●営業日が週3日の午後のみでも、働きっぱなしのときと売上は変わらず

 この「グラッガー」の方針は、「材料は入手できる最高のものを使う」というもの。ただ、帰国後はそれ以外にも工夫しています。いいな!と思ったのが、まず売るパンを、カンパーニュなど2種類にしぼったこと。理由は書かれていませんでしたが、私が持ち出した労働生産性の観点からすれば、作るものを絞り込むのは良いことです。また、iiPhoneが売れる理由?実は選択肢が多い方が売れず1つの方が良いのように、自信のある商品を食べてもらえるという意味でも、プラスになるかもしれません。

 「材料は入手できる最高のもの」の関係では、その代わりにチーズなどの具材をなくしています。これによって、2週間ほど日持ちもするようにという利点もできました。この効果についてもまた説明がなかったんですが、廃棄の減少に繋がったと思われます。単純に販売期間が増えるだけでなく、売れ行きを見てパンを焼く個数を調整できるためです。

 ただ、余ったパンを地元の野菜移動販売やハム店に託す、といったこともしていますので、2週間日持ちするパンでもその日で売り切っているかもしれません。このように売り場を増やすことも立派な工夫なのですが、なぜかネガティブな反応があった部分でした。普通に参考になる話ですよ、これも…。

 これが委託販売でしたら違うのですが、安く買い取りしてもらっているのであれば、コンビニやスーパーでやっている値引き販売の類型だとも考えられます。これらの工夫でおととしから廃棄は1個も出ていないそうです。お見事! 全然悪く言われるような話ではないでしょう。

 さらに、前述の労働生産性の問題も改善していることが、記事からわかります。店は週3日の午後だけで、パンを焼くのは朝4時から11時だけ。労働時間をぐっと減らしています。それだけでなく、代金の箱を置いただけの無人販売まで導入して、妻以外のスタッフを雇わなくて済むようになりました。実は人件費ってすごいでかいんですよね。

 他に受注生産の定期購入サービスも始めたそうですけど、おもしろいのが営業時間を減らしても、売上は休業前と変わらないということ。働きっぱなしのときと同じなのです。しかし、人件費などは確実に減っていますから、ほとんどなかった利益は、おそらく現在だとしっかり出ていることでしょう。

 最初のコンビニの場合も、売り上げは5%減で、店が負担する廃棄代が減ったため利益は逆に3割以上増えていました。廃棄費用などのコスト削減は枝葉末節にこだわって失敗することもありますが、大胆にカットできれば劇的な改善になります。売上だけ見て考えてちゃいけませんよ…という話でした。


●社長失踪で突如「全店閉店」人気のパン屋が倒産?実際には…

2021/12/14追記:社長失踪で突如「全店閉店」人気パン屋倒産の顛末 | 東洋経済オンライン (2021/12/11 6:30)という記事があったので読んでみたのですが、タイトルとイメージが違う話。順調なのに社長失踪で突然倒産したのではなく、うまくいかない中、社長失踪というダメ押しで倒産という話でした。

 サブタイトルは、<神奈川地盤「ベルベ」積極出店の裏で自転車操業>ですので、こちらの方が実態とあったもの。作者は、内藤 修 : 帝国データバンク横浜支店情報部長ですが、普通タイトルをつけるのは編集部ですから編集部の責任でしょう。ただ、「人気のパン屋が儲からない」というもともと書いていた話とはピタリの内容です。

<パンの製造小売業界で過去最大の倒産となったベーカリーチェーン・ベルベ。「パン工房ベルベ」「ブーランジェリーベルベ」の名称で大手町やお台場など首都圏に28店舗を構え、近年も積極的に出店攻勢をかけていた同社だが、11月9日に突然の全店舗閉店と倒産を発表した。
 突然の閉店を惜しむ同社のファンの声も聞かれる一方、同社の従業員への給与未払いや取引先への代金未払い、銀行への借金の未返済などがあり、利害関係者への早急な説明が求められている。しかし、同社の社長の所在は現在わからなくなっており、問題解決には時間を要する見込みだ>


●「手間暇をかける」は利益が出ずにブラック企業になりやすい

 「パン工房ベルベ」などのベルベというのは、私は全然知らなかったお店。ただ、人気商品「ふみおおじさんのこんがりラスク」などの焼き菓子を販売し、なかでも「スイートポテト」は人気だったとのことです。パン屋さんは全国チェーン店が少なく寡占が進んでいないこともあり、人気店でも地元にないとわからないのかもしれませんね。

 ベルベは2021年9月18日にオープンした静岡・裾野店でも、パンを買い求める人々が列をなし、駐車場も満杯の盛況ぶり。コロナ禍の影響が出た2020年6月期の年売上高も過去最高となる約25億6000万円(会社公表値)を計上。消費者、取引先、金融機関などからは直前まで、コロナ禍をものともせず積極的に拡大基調を続ける「優良企業」と見られていました。

 毎年のように新規出店というのは、悪く出ることもあります。ただ、一定額の月商を下回る店舗は順次閉店していたというのは良い方針だと感じました。賃料、面積でより条件の良いテナントへの移転を進めるなど、積極的なスクラップアンドビルドを繰り返し、安定した収益を確保してきました。むしろ悪くないやり方に見えますね。

 一方、創業以来、「手作り製法にこだわり妥協しない」をモットーに、「1店舗・1工房」の体制で手間暇をかけたパンを特徴としていたというのは気になるところ。これでは利益率が低くなるでしょう。最初に紹介したようなパン屋のように、なんらかの工夫をしないと、売上があっても利益が出づらくなる…と考えられます。

 また、手間暇かける企業では、ブラック企業にもなりがち。ただ、創業者でもあるベルベ社長は地元商工会議所の常議員を務めるなどして事業基盤を固め、従業員教育にも長年力を入れていたということで、この記述だけ見るとブラック企業かどうかは不明。一方で、逆にちゃんとした待遇にした場合の方が儲からないとも言えますね。


●「優良企業に見えたのに違った」の答えは意外に単純だった…

 で、良さそうに見えて実態は…という話を。2021年10月下旬に借入金の返済遅延、複数の取引先に対する支払遅延が判明。社長は10月末、東京の弁護士事務所を訪問しています。この時点では破産ではなく、営業継続を前提とする民事再生を検討していたということで、実際の業績はやはりめちゃくちゃ悪かった模様。さらに、社長が姿をくらまして一気にゲームオーバーとなりました。

 こうした話が判明したのは後になって。11月5日に筆者が取材した段階では、取引先からスポンサー支援の紹介案件がベルベの元に複数持ち込まれるなど、存続の道は残されていたかのように見えていて、実態は知られていなかった模様。また、従業員も直前まで倒産の事実を知らない状態。これはホワイト企業かどうか怪しい逸話です。

 さらに「約52億円の負債」を抱えている事実が判明したのは、閉店した11月8日から1週間後の15日という遅さ。全然優良企業ではありませんでした。決算書に計上されていない借金を抱えており、弁護士は「関係先ごとに複数の決算書を提出していた」と指摘。要するに不正をやっていたということでしょうね。

 店舗のスクラップアンドビルドを繰り返すなかで債務が増加した可能性が高く、「身の丈を超えた出店戦略」が災いしたと記事では分析。ただし、「金額が大きすぎる。借入金の使途について今後詳しい調査が必要だろう」(取引先)との声もあり、不正流用など他に問題があった可能性も考えられるかもしれません。


●人手不足を訴えても無視…やっぱり普通にブラック企業だった?

2021/12/29追記:前回書いたベルベの件で引用した東洋経済オンラインは「不正」などの言葉は使っていなかったのですが、<ベーカリー「ベルベ」 社長と連絡難で破産手続きが難航、粉飾決算の可能性も>(東京商工リサーチ / 2021年11月18日 12時5分)では、ガッツリ「粉飾決算の可能性も」と書いていました。わかりやすいですね。

 ただ、本文だと「粉飾」とは書かれておらず、タイトルでのみの登場。本文は、<負債総額は約40億円だが、不確定の債務もあり、さらに膨らむ可能性がある>、<債権者に送付された受任通知には、「負債総額約52億円」と記載があるものの、関係者によると10億円余りの負債が不確定で、現時点で把握できている負債総額は約40億円だという>などといった書き方です。

 あと、ここでは、<リーズナブルな価格が定評を受け>と書かれていたのが気になりました。安い=ブラックではないのですが、前回書いたブラック企業要素と重なりやすい要素のひとつのためです。で、ベルベで働いた経験のある人の口コミを見てみたら、やはりブラック企業的なところが見られました。

 閉店後は当然悪い口コミばかりになるので、閉店前の口コミだけ紹介。ベルベの評判・口コミ一覧(全48件)【就活会議】では、例えば、「人手が足りないことを連絡しても、返事が返ってこず」「飲食店はどこもそうだと思いますが、休日は少ないです」といった声が出ていたんですよね。

 また、「ただでさえ人手不足なのに、本部は年に2店舗くらいのペースで新店舗を展開しています」との声も。スクラップアンドビルドは悪くない手法と前回書きましたが、店舗を増やしすぎると人手不足で人材が手薄になります。一方、「異動は3日前とかに言われるのが当たり前」との声があり、たとえ拡大一辺倒ではなかったとしてもやり方はかなり乱暴だったのかもしれません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■iiPhoneが売れる理由?実は選択肢が多い方が売れず1つの方が良い
  ■コンビニのロイヤリティの計算式 廃棄せずに値引きして売った場合の計算例
  ■セブンイレブン、弁当値引き妨害で敗訴 ブラックなやり方に問題

【その他関連投稿】
  ■日本のもったいない文化はすごい!は嘘 世界有数の食料廃棄国というのが現実
  ■消費期限と賞味期限の定義 品質保持期限など法律における表示ルール
  ■食品テロ(バイオテロ)とフードディフェンス(食品防御) 対策・自衛は可能なのか?
  ■殺鼠剤入りアイスランド産カラフトシシャモのベトナム企業は台湾系
  ■中国期限切れ鶏肉、映像はやらせ? 告発はカネと解雇の報復のためかも
  ■食べ物・飲み物・嗜好品についての投稿まとめ

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