大した話じゃないのですが、ポストツイッターと話題のマストドンがブームになっているので、それに乗っかってみたかったという話。「今頃マストドン始めたの?アメリカじゃ13年前からやっているのに」という話じゃなくて、約4000万年前から1万1000年前まで生存していたゾウやマンモスに似た動物であるマストドンの方の話です。(2017/4/27)
2017/4/27:
●アメリカでは13万年前からマストドンを使用していたことが判明
●マストドンの名前の由来は動物のマストドンで良いの?
2019/05/04:
●ステゴマストドンが少ないのはマンモスとの競争に負けたため?
●アメリカでは13万年前からマストドンを使用していたことが判明
2017/4/27:ネイチャーに発表された研究論文によると、1992年に米カリフォルニア州サンディエゴで発掘されたマストドンの歯や骨に、間違いなく人の手で加工された痕跡があったそうです。石づちやたたき台も見つかったこともあり、原始人類がこのマストドンを食していたことに疑いの余地がないとしています。
この発見は何がすごいのか?と言うと、アメリカ大陸での人類の活動についての通説が覆ることなんだそうです。問題のマストドンの骨の年代を最新技術で測定したところ、13万年前だとわかりました。その時期に原始人類がアメリカ大陸にいたことを示しています。
しかし、これまで人類が米大陸に移動したと考えられていたのは、1万5000年前でした。一気に10万年以上の前に遡ったわけです。確かに画期的な発見だとわかります。
ただし、"これが私たちと同じ現生人類だった可能性は、ほぼ問題なく除外できる"とありました。ややこしい書き方ですが、我々の直接的な先祖ではなく、近縁種ってことみたいですね。ホモ・サピエンスは、約8万~10万年前までアフリカ外に広まらなかったとされているそうです。
(
人類の米大陸到達は「13万年前」定説大幅にさかのぼる:時事ドットコム〔AFP=時事〕(2017/04/27-12:05)より)
●マストドンの名前の由来は動物のマストドンで良いの?
ところで、ポストツイッターと言われるマストドンの方ですが、上記の動物のマストドンが由来なんでしょうか? 偶然同じとなることはあまりなさそうな名前であるものの、一応検索。
すると、
マストドン (ミニブログ) - Wikipediaに、 GitHub で公開されている FaQ は「私は同名のプログレッシブバンドのファンで、そこからマストドンという動物に興味を持つようになった。この動物とマストドンという名前は大変クールであると考えた」としていました。
そう言えば、マストドンが話題になったときに検索したら、確かにそのバンドのWikipediaも検索結果に出ていました。
マストドン (バンド) - Wikipediaというページです。読んでみると、アメリカ合衆国のヘヴィメタルバンドだと説明がありました。
このバンドのセカンド・アルバムは、『レヴァイアサン』というタイトル。「レヴァイアサン」というのは、おそらく旧約聖書に登場する海中の怪物のことでしょう。日本語では、「リヴァイアサン」と呼ばれることが多いですが、表記は結構いろいろあります。
動物の方の
マストドン - Wikipediaによると、マストドンの別名もまた「リヴァイアサン」であり、ここから取ってきたのではないかと想像します。
一方、大元である動物のマストドン(Mastodon)の由来ですが、ギリシャ語μαστός 「胸」と ὀδούς「歯」という意味だと説明されていました。当初見つかった化石が胸と歯だったのでしょうか? 特徴が見えてこないネーミングでしたね。
●ステゴマストドンが少ないのはマンモスとの競争に負けたため?
2019/05/04:ポストツイッターのマストドンブームは去った感じでそっちの話も気になるのですけど、このページとはテーマ的に合わないのでやめておきます。代わりに絶滅したゾウの一種であるマストドンの話を追記。
当時9歳だったジュード・スパークスさんは、両親と兄弟3人でオーガン山脈を散策しているとき、地面から突き出している何かにつまづきました。弟はそれを「はただの巨大な腐ったウシだ」と言いましたが、実際には、「ステゴマストドン」でした。
「ステゴマストドン」の化石はありふれたものではなく、実は希少なもの。古生物学を専門とするスペンサー・ルーカスさんよれば、北米大陸の西側では、マンモスなどの化石は比較的多く見つかっている一方で、なぜかステゴマストドンの化石はあまり発見されていません。
ルーカスさんは、ステゴマストドンは近縁種であるマンモスに敗れ去ったためだと考えています。どちらも草を食べて生きていたため、資源を奪い合っていた可能性があるそうです。
一方で、ニューメキシコ州立大学の教授ピーター・ウーデさんは、気候変動だったという説を唱えています。今のラスクルーセスは砂漠ですが、「彼らが生きていた時代の気候は、より湿度が高く低温」だったと指摘していました。
(
9歳少年が絶滅ゾウを発見、100万年前の化石 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト 2017.07.21より)
ただ、マンモスもよく知られているように、寒冷化に適応した種とされています。マンモスやステゴマストドンが温暖化によって絶滅したという説明はできるでしょうが、ステゴマストドンがマンモスよりも少ない理由としてはちょっと変だと感じました。
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