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世界一の日本企業 ヤマシンフィルタ,大阪ソーダ,メック,エルム,アクアパス,クリスタルシステム,旭ダイヤモンド工業など


 日本の世界一の会社として、西工業、東北電子産業、大阪ソーダ(ダイソー)、エルム、アクアパス、クリスタルシステム、旭ダイヤモンド工業を紹介していました。また、ヤマシンフィルタやメックという世界一企業の話も付け加えています。

2020/03/24:
●名だたる世界メーカーが訪れる兵庫県尼崎市のメック
2017/03/31:
●建設機械用の油圧フィルタで世界首位のヤマシンフィルタ
2011/10/21:
●液晶画面に使われる「偏光板」の最大手企業・西工業
●「極微弱発光計測装置」世界シェアほぼ100%の東北電子産業
●100円ショップではないダイソーが世界シェアほぼ100%なのは…
●DVD自動修復装置を独自開発したエルムも世界一の日本企業
●アクアパス(今泉鉄工所)は、水洗浄機に専念したことで成功
●「単結晶製造装置」で世界シェア7割のクリスタルシステム
●特殊工具で大ヒットを飛ばした旭ダイヤモンド工業
●技術があるからシェアを取れると思ったら大間違い?


●名だたる世界メーカーが訪れる兵庫県尼崎市のメック

2020/03/24:別の世界一企業を発見したので最初に追記。電子基板製造用薬品を手掛けるメックは、高機能化が進むスマートフォンなどの製造に欠かせないパッケージ基板向け銅表面処理剤で世界トップシェアを誇るそうです。いわゆるグローバル・ニッチ・トップ(GNT)です。

 一般的には知られていない会社ですし、規模もそう大きくありませんね。上場している時点でなかなかのものと言えるかもしれませんが、株式時価総額が300億円程度という典型的な「小型株」と説明されていました。

 ただ、会社のある兵庫県尼崎市には、米インテルや韓国サムスン電子といった名だたる世界メーカーが訪れるとのことです。メックが得意な銅表面処理剤は電子基板の銅と絶縁樹脂を密着させるために使うもの。メックの場合は何がすごいのか?というと、銅表面を薄く溶かす独自技術に強みを持つとのことでした。
( 地味スゴ銘柄の輝き 隠れた世界一、長期投資の友  2020/1/29 4:30 日本経済新聞 電子版 より)


●建設機械用の油圧フィルタで世界首位のヤマシンフィルタ

2017/03/31:ヤマシンフィルタは、建設機械用の油圧フィルタで世界首位です。この油圧フィルタというのは、パワーショベルやダンプトラックに代表される建機において、シリンダーなどの油圧機器を保護する目的で搭載されています。

 記事は、世界のすべての主要建機メーカーに製品を納入する「とてつもない」日本企業 Business Journal / 2017年3月14日 6時0分(文=和島英樹/ラジオNIKKEI 記者)というタイトルでしたが、すべてに納入できている理由はヤマシンフィルタが独立系だからこそ、といった書き方でした。米キャタピラー、日本のコマツ、日立建機、中国では三一重機、国営の徐工なといった主要メーカーすべてがお得意様です。

 なぜヤマシンフィルタがこのような評価の高いフィルタを作れるかについては、1956年の創業以来、一貫してフィルタの開発に取り組んできたことで技術的な優位性を維持していから、という説明。フィルタ「一筋」なんですかね?

 なお、懸念材料としては、日本の右派も共感しているトランプ大統領。輸入がダメだと言われて、アメリカ国内でつくる必要に迫られる可能性があり、そのせいか「キャタピラーから、米国にあるフィルタメーカーを買収しないか」(同社幹部)とも打診されているそうです。買収されると、「世界一の日本企業」というくくりに入れられるか微妙になってきますね。


●液晶画面に使われる「偏光板」の最大手企業・西工業

2011/10/21:液晶画面に必ず使われるという「偏光板」をつくる装置の最大手。全世界で生産される偏光板の5割が同社の装置を用いているとのことですから、シェアも半分くらいなんでしょうか?西貞造社長は「この分野でライバル会社はいない」と言っています。

 群馬県桐生市は奈良時代から日本有数の織物産地として知られており、西工業も染色機械を製造していたようです。しかし、1997年に台湾企業から「原理は染色機械と同じだから」と、製造装置開発の話が舞い込んできて、偏光板の世界へ。

 偏光板製造装置の肝は、いかに樹脂フィルムにシワやムラが入らないように伸ばせるかにあり、西工業はフィルムを搬送するための専用のカーボンロールやベアリングを自社で手がけて、高シェアを維持しているそうです。
(世界一の秘密 ニッポンの知られざるオンリーワン企業 2011/10/12 日経新聞より)


●「極微弱発光計測装置」世界シェアほぼ100%の東北電子産業

 こちらはその名の通り、東北は仙台市の会社。物質が劣化する際の発光現象(ルミネッセンス)をとらえる「極微弱発光計測装置」を作っていますが、驚くことに世界シェアほぼ100%。独占です。

 地球上の物質は空気に触れることで少しずつ酸化し劣化するのですが、東北電子産業の装置はその過程で出るわずかな発光を計測し、劣化の速度や特徴を分析できるそうです。

 光をつかまえる「光電子増倍管」をメーカーから仕入れ独自に微調整、計測の妨げになる自然界の電子の動きを零下20度で抑え込むなど、約20の関連技術の特許などがポイントのよう。

 ビールメーカーなど食品メーカーなどで需要が広がり、最近は素材メーカーの利用も多くなってきたとのこと。


●100円ショップではないダイソーが世界シェアほぼ100%なのは…

 ダイソーと言うと100円ショップかと思いますが、もちろんそうではなくて中堅の化学会社。ここもまた世界シェアほぼ100%の製品を持っており、それは高機能樹脂のジアリルフタレート(DAP)というもの。

 「食品などの紙容器にはたいてい使われているはずですよ」という通り、日常生活で目に触れない日はまずない日本発の素材とのこと。

 DAP樹脂は菓子箱や牛乳パックなど食品の紙包装などで、印刷の鮮明度を高めるために添加剤として使われますが、印刷するとすぐ乾く点や、食品のおいしさをダイレクトに伝える高い鮮明度が食品メーカーの信頼を勝ち得たようです。

 カセイソーダが主力のダイソーは得意の塩素化技術を武器に、様々な高機能素材を生み出し、このDAP樹脂の合成法も60年代に編み出しました。

 シェア独占の理由は様々な分子量のDAP樹脂を作り分けることができることで、他社は太刀打ちできず、一社、一社と脱落し、既に80年代にはダイソー1社に。この製品を供給できるのは世界で同社1社のため、円高でも競争力低下の恐れが少ないというわけ…すごすぎです。

 なお、その後、100円ショップでないダイソー、社名を大阪ソーダに 理由が予想外などで書いたように、社名を大阪ソーダに変えています。(関連:大阪ソーダがすごそーだ! DAPやエピクロマーでシェア世界一)


●DVD自動修復装置を独自開発したエルムも世界一の日本企業

 DVD自動修復装置という聞いたことのない機械を独自開発したエルムは、人口4万人足らずの鹿児島南さつま市の会社。ユーザーはDVDレンタル会社や米国の州立図書館などで、自動装置ではシェア9割以上。

 表面に傷がついたディスクは研磨して修復するのを、エルムは完全に自動化。1枚ずつだったのを1度に50枚以上できるようにしました。

 1980年にエルムを設立した宮原隆和社長は「下請けをせず、世界で勝負する」会社を目指し、農業関連の自動化機械や半導体関連の検査装置など、独自商品にこだわります。

 鹿児島は第2次産業の割合が低く、他県に比べ高い技術力のある中小企業が比較的少ないというハンディがありましたが、それで逆に電気工学、機械、ソフトウエアといった技術を独力でバランス良く高めることにつながったとのことです。

 調光が難しい発光ダイオード(LED)で、微妙な調光が可能な業務用照明も開発。


●アクアパス(今泉鉄工所)は、水洗浄機に専念したことで成功

 部品のほこりや汚れを落とす洗浄機は約1500億円市場といわれるが、有機溶剤を使う化学洗浄機が9割以上を占めるそうです。その中で焼き物のまち、佐賀県有田町のアクアパスは、溶剤や排水処理が不要でランニングコストも安い水を使う洗浄機に専念しました。

 お陰で、水洗浄機の電子基板向けでは、8割を占めることに。極めて限られた市場とは言うものの、そこでは事実上のオンリーワン。設備投資の落ち込みで減収減益の見込みだそうですが、今泉浩一社長は「環境負荷の小さい水洗浄は今後も伸びる」と見ているようです。

 化学洗浄では「洗浄液メーカーだけがもうかって機械会社はもうからない」ということで水にこだわったとのことですが、ノウハウゼロからのスタートだったそうです。


●「単結晶製造装置」で世界シェア7割のクリスタルシステム

 クリスタルシステムは山梨県北杜市のベンチャー企業で、超電導向けなどの新材料を製造する「単結晶製造装置」で世界シェア7割。

 自然界の物質の大半は結晶の方向がばらばらな多結晶ですが、物質の性質が際立つため、先端研究ではどこをとっても方向がそろっている単結晶を扱うのが普通。この単結晶をイメージ通りに製造する技術が売り物だそうです。

 材料の粉を混ぜ合わせて作った「原料棒」に、高温で照射しても溶けずに単結晶を製造する特許技術が決め手とのこと。(単結晶と言うと、シリコンがおなじみですが、単結晶シリコンはるつぼに入れて作るはずですので、特殊な作り方かと思います)

 進藤勇社長は独立行政法人、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)の前身である無機材質研究所の主任研究員で、材料研究では知られた存在だったそうですが起業したとのこと。


●特殊工具で大ヒットを飛ばした旭ダイヤモンド工業

 07年に旭ダイヤモンド工業が発売したエコメップは、特殊工具で「20年に一度の大ヒット」と言われれいるようです。

 直径1ミリ以下の細いピアノ線にダイヤモンドの小さな粒がびっしり付いていて、太陽電池材料のシリコンの塊を押しつけて切断するのに使われます。エコメップは桁違いの切れ味で、従来と比べて切削にかかる時間は半分以下。

 製造に関しては、ダイヤを金属に付着させる「電着」という一般的な手法であるものの、他社ではそれを直径1ミリ以下のワイヤに均一に固定させることは困難なようです。この技術の外部漏洩を防ぐため、千葉県にある工場には、役員であっても許可がなければ立ち入りを許さないとのこと。(調べると、東証一部上場。本社は東京都千代田区で、設立は東京都品川区。千葉県旭市かと思ったら全然関係ないみたいです)


●技術があるからシェアを取れると思ったら大間違い?

 以上。昔、三鷹光器 技術の重要性でも書きましたけど、「技術がある」ってのは大切です。これから日本でやっていくには、むしろそうじゃないとどんどん難しくなっていくでしょうね。

 …と最初の投稿時に書いていたものの、2017年3月31日に読み直していて、うーんと思いました。日本の製造企業の失敗トレンドは、「技術はあるけど売れない」というもの。むしろ技術にこだわってドツボにはまることが多い感じです。

 今回出てきている製品はみな身近なものではないので、そこらへんがポイントでしょうか? 一般的なよく売れる製品となると、参入企業が多く競争が激しくなり、技術が発展し尽くして差異がなくなります。

 技術的な差がなくなれば、当然、技術以外の勝負となるわけですが、日本はそれがめちゃくちゃ下手なために衰退するといった感じなのかもしれません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■100円ショップでないダイソー、社名を大阪ソーダに 理由が予想外
  ■大阪ソーダがすごそーだ! DAPやエピクロマーでシェア世界一
  ■三鷹光器 技術の重要性

【その他関連投稿】
  ■三鷹光器 中村義一会長3 ~「いいもの」を作るには~
  ■エーワン精密 不況時こそ値下げしない
  ■三鷹光器 中村義一会長1 ~ユニークな入社試験~
  ■三鷹光器 中村義一会長4 ~「専門家」ではいけない~
  ■その他の企業などについて書いた記事

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