2020/01/26:
●目標達成と無関係…意志の力・精神論はないと科学的に証明済み?
●あなたの意志はあたなが選んだものではないという衝撃の事実
●科学が「意志の力」の存在を否定する…という証拠は本当にあるのか?
●目標達成と無関係…意志の力・精神論はないと科学的に証明済み?
2020/01/26:ある目標を達成できなかったとき、最大原因としてよく挙げられるのは「意志力の不足」だといいます。ただ、アメリカの組織心理学者ベンジャミン・ハーディさんは、「意志の強さは目標達成と無関係」だと話していたそうです。精神論も目標達成と関係がないとも考えられるかもしれません。
また、依存症の専門家アーノルド・M・ウォシュトン博士は、「依存症患者には意志力が必要だと考える人が多いが、それは真実にはほど遠い」と述べているとのこと。依存症の克服と意志は無関係であるようです。これは、薬物依存に関わる医師も以前言っていたのを聞いたことがあります。
さらに、記事では、肥満も意志の問題ではないとされていました。世界的な肥満の問題は、「遺伝」「性格」「意志の弱さ」「悪習慣」などの説明がつけられているが、これらは全部間違い。すべて、個人を取り巻く「環境」や「状況」といった外的要素が引き起こしていると、今回は説明されています。
(「新年の目標」が大体達成されない科学的根拠 科学が「意志の力」の存在を否定するわけ 東洋経済オンライン / 2020年1月7日 10時0分 ベンジャミン・ハーディ:組織心理学者、著作家、起業家より)
https://news.infoseek.co.jp/article/toyokeizai_20200107_321252/
●あなたの意志はあたなが選んだものではないという衝撃の事実
そもそも人間には、「自分の人生は自分でコントロールしている」と感じたい本能が備わっているとされるそうです。「人間は自分の人生を自分でコントロールしている」ではありませんよ。「したいと思っている」というだけだというのです。<私たちは「自分のパーソナリティーは、自分が選んだもの」と思い込む>とも書かれていましたが、これもまた「しかし、それは事実ではない」という意味でした。
人の思考や行動の土台となる世界観や信念、価値観は、その人の内側から湧いてくるものではなく、「外からやってきた」ものだといいます。これがおそらく先程書かれていた「外的要素」なのでしょう。人の内的環境は、「暮らしている文化的背景」によって形成されるとも書かれていました。
人間には高い順応性があると知られており、たとえ異常な状況でも慣れてしまうとのこと。最近の心理学の調査では、テレビで下品な内容、暴力などに頻繁に触れていると、多くの人はそうしたものに耐性ができる、つまり、「慣れて」しまうそうです。
●科学が「意志の力」の存在を否定する…という証拠は本当にあるのか?
私は精神論・根性論の強調は悪癖であり、何でもかんでも意志のせいにするのは問題だと思っています。そのために、<科学が「意志の力」の存在を否定するわけ>とタイトルになっていたこの記事に興味を惹かれて読んでみました。
ただ、読んでみると、いまいち納得できない内容ですね。意志の力を過大評価するのは問題なのですけど、こんな風に全否定までできる…というのは、ちょっと信じられないところがあります。「意志の力」の存在を否定するには、多くの物事において、意志の強い・弱いがほとんど関係していないことを証明する必要があるでしょう。しかし、そういう内容とは思えませんでした。
記事では実験の話が出ているものの、数が少なくて具体的な内容があまり書かれていない上に、「意志の力」の存在を明確に否定するようなピンポイントな実験内容ではありません。もっと良い研究の存在がわかれば追記しますけど、とりあえず、かなり期待はずれな記事でした。
なお、ベンジャミン・ハーディさんは、
FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略
という書籍を出しているとのこと。前述の通り、精神論頼りは問題ですので、それよりは外部環境を利用して自分を変えていく…といった緩やかな方向性なら支持できるんですけど…。
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