貧乏神が突然気になりだしました。
まずはググった内容をパラパラと。
役割:取りついた人間やその家族を貧困にする神。
容姿:薄汚れた老人。痩せこけた体で顔色は青ざめ、手に渋団扇を持って悲しそうな表情。
好きなもの:怠け者(働き者に取りつく話もあるが)。味噌。押入れ。(ここまで
貧乏神 - Wikipediaより)
ここらへんが基本ですが、「取りついた家の人に親切にされると福の神に変わる」(
貧乏神 - Wikipediaより)という話もあるようです。Wikipediaでは井原西鶴『
日本永代蔵
』の例を出していますが、日本昔話の”
びんぼうがみとふくのかみ
”でも最後に福の神に変わります。また、「貧乏神に憑かれると貧乏になるにせよ、その他の災害には遭わなくなる」(
神魔精妖名辞典より)というのもあり、逆に望んで取りついていて貰うという話もあります。
容姿については、「住み着くと家のものの福を吸い取るように貧乏神の体は次第に大きくなる」(
神魔精妖名辞典より)というのもありましたが、一般的ではないかもしれません。「住んでいる者から富を奪い、そのために働いても金が増えない」というのは共通して見られる話なので、そういったイメージかもしれません。
さらに異説として、貧乏神を仏教の黒闇天(こくあんてん)と同一視するものがあるようです。この場合、福の神=吉祥天(きっしょうてん)=姉で貧乏神=黒闇天=妹で女性の姿です。姉は豪華な服で、気品があって美しいのに対し、妹はみすぼらしくて、容姿も性格も悪く、正反対だとされます。
でも、実は「姉妹は表裏一体の存在で一方だけを招き入れることはできない」という話です(
福の神と貧乏神など)。これも先程の福の神の話と同様に「黒闇天の護符を丁重に祀れば福の神に変わる」という信仰があったようです。(
よくわかる! 神社神宮 (雑学3分間ビジュアル図解シリーズ)より)
”
節分の日に福の神と貧乏神を考える!”によると、「貧乏」それ自体を神格化した「貧乏神」が登場してきたのは、中世末期から近世初期だそうです。
”貧乏の神様”というのは考えてみると不思議なものです。海外で信仰が多い一神教と違い、日本は八百万の神がいるとは言え、こんなネガティヴなものを神にしてしまうというのは、かなり世界的にも稀なんじゃないかと思います。祟り神や疫病神もならまだしも貧乏神では、神の恐ろしさもいま一つといったところです。
室町時代末期から江戸時代初頭に作られた「梅津長者」の物語では、貧乏神は「福の神が来る」と言って逃げて行く悪役のような存在です。しかし、その貧乏神も後には、祀られて福の神に変わったり、代わりに災害を逃れる力を持ったり、福の神と表裏一体のものとされたりと、ユニークな捉え方をされるようになります。
これらの捉え方は、貧乏神(=貧乏)との付き合い方、心構えを示したものかもしれません。折しも世間は不景気の真っ只中、貧乏神の存在感が増してきています。貧乏ともうまく付き合っていきたいですね。
と言う感じで、うまくまとったような気がするし、何だか書いていて恥ずかしい気もするので、今日はここで終わりにします。(福の神については
福の神とは1 ~七福神の由来~、黒闇天については
吉祥天、黒闇天姉妹の家族もどうぞ)
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