2011/11/20:
●ベンチャー三銃士は澤田秀雄氏・孫正義氏・南部靖之氏
●18年連続赤字だったハウステンボスを1年で黒字化の澤田秀雄氏
●「マーケットが小さい」「遠い」「古い」と三拍子揃っていた
●敷地の多くを無料エリアにしてしまうという無謀な挑戦…結果は?
●花の仕入れだけで1億円!労働生産性の向上などでも経費を削減
●季節によって狙う客層をはっきり変えて赤字10億円が黒字2億円に!
●ハウステンボス単独で無理なら他社に協力してもらえば良い
●ベンチャー企業と大企業の差は「スピード」
●スピード重視で失敗してもいいからまずチャレンジ
2020/01/27:
●カリスマ澤田秀雄社長の後に凡人坂口克彦社長、組織経営が強み
●ベンチャー三銃士は澤田秀雄氏・孫正義氏・南部靖之氏
2011/11/20:澤田秀雄さんの記事を一つ読んだので、何かもう一言くらいと思って検索かけると、以下のような記述が見つかりました。
"沢田秀雄社長。旅行大手エイチ・アイ・エス創業者で、ソフトバンクの孫正義氏らと並んで「ベンチャー三銃士」と称される人物だ"
(
一見バラバラのようだが、確かな戦略は一つ一つ実を結びつつある 2011年11月11日 02:08 (西日本新聞 デスク日記))
「ベンチャー三銃士」なんて初めて聞きましたよ。名前出ていないあと一人は誰?と思ったら、人材派遣会社株式会社パソナの創業者南部靖之さんだそうです。
●18年連続赤字だったハウステンボスを1年で黒字化の澤田秀雄氏
本当にちょっと書いただけですけど、情報を追加できたので、私の読んだ記事の話へ。
ハウステンボス“超速”黒字化のワケ 澤田秀雄(ハウステンボス社長、エイチ・アイ・エス会長)Voice 10月31日(月)12時41分配信)というものです。
こちらでは、澤田秀雄さんについて、以下のように紹介していました。
"1992(平成4)年の開業以来、18年連続赤字だった長崎のテーマパーク「ハウステンボス」が、社長交代からわずか1年で黒字化した。新社長は日本最大の旅行会社エイチ・アイ・エスの創業者で現会長の澤田秀雄氏だ"
●「マーケットが小さい」「遠い」「古い」と三拍子揃っていた
社長交代からわずか1年で黒字化したものの、澤田さんは「ハウステンボス」の経営引き受けについて、「最初は本当にやめようと思いました」と話してしました。"だって、「マーケットが小さい」「遠い」「古い」と、むずかしい条件が三拍子揃っていましたから"としていました。そもそも18年連続赤字だったものですからね。
澤田社長「よくディズニーリゾートさんと比べられますが、あちらと比べると商圏は20分の1です。1回はお客さんを呼ぶことができでも、リピーターにしていくのはむずかしい。
それから遠い。ディズニーさんは東京駅から15分か20分で行けます。かたやこちらは長崎空港から1時間、福岡からなら1時間半もかかります。
おまけに古い。開園から10年近くたって、これから修理案件がたくさん出てくるけれど、お金はない。
悪い条件ばかりでしたけど、いろいろな方と交渉する中で、なんとかやれそうだということが見えてきたので、お引き受けすることにしたのです」
●敷地の多くを無料エリアにしてしまうという無謀な挑戦…結果は?
具体的な施策の話が非常におもしろかったです。特に最初に挙げられていた「フリーゾーン」の発想には驚かされました。
澤田社長「経費の削減では、まず1つめは「フリーゾーン」をつくりました。実はハウステンボスというのは、東京ディズニーランドの25倍以上の面積があるのです」
ディズニーランドよりずっと広いというのは、一見大きな魅力のように見えます。ところが、これが良いことか?と言うと、必ずしもそうとは言えませんでした。「広いということは経費がかかるということ」のためです。
澤田社長「そこで、お金のかかる面積を小さくしようという発想をして、3分の1をフリーゾーン、つまりタダのエリアにしたのです。タダなら、極端にいえば店があろうがなかろうが、にぎわっていようがいまいが、お客様のご不満は生じません。そうやってフリーゾーン部分の人件費や光熱費をある程度下げて、その分を有料ゾーンに振り向けました。つまり、「薄く広く」だったのを「濃く狭く」にして効率を上げたのです。これによって当初経費は大きく下がり、さらに有料ゾーンに“にぎわい感”が出て一石二鳥の効果がありました。
もちろん、永遠にフリーゾーンにしておくと決めているわけではないですよ。とにかく当初の経費を下げなければ、ということから考えた作戦です。今やフリーゾーンもにぎわってきていますから、今後作戦を変える可能性はあります」
●花の仕入れだけで1億円!労働生産性の向上などでも経費を削減
「経費の削減」に関しては、さらに2つの施策を行っています。
澤田社長「2つめは、仕入れの見直しです。ハウステンボスは花の美しさが売りなのですが、その花も仕入れを全部見直しました。これによって花の仕入れ値が1億円ほど下がったのです。その他、すべての点で経費の見直しを細かく行いました」
澤田社長「3つめには、スタッフに「1.2倍、速く動く」ことを求めました。これまで1時間かかっていた仕事は、45分とか50分でやる。1時間で10枚の書類を処理していたなら、12枚処理できるように努力する。場内や事務所内を移動するスピードを2割上げる」
●季節によって狙う客層をはっきり変えて赤字10億円が黒字2億円に!
さらに、経費の削減だけではなく、売上の増加もはかっています。こちらは何か大きく成功したものがあったというよりは、いろいろやって全体として成功といった感じに見えました。
澤田社長「去年の4月に経営を引き継ぎましたから、まず最初の集客期は5月のゴールデンウィークになります。とにかく時間がないので、いろいろなことをやりました。先ほどお話ししたフリーゾーン開設のほか、入場料の値下げ、ミュージカルや体験型宝探しなどのイベント、佐世保グルメストリートなどの特色あるフードゾーン、マーチングバンドフェスタやパレードなどの企画によって、入場者数が前年比2割増になりました」
他業種でも参考になりそうな考え方を学べそうなものは、この後のところです。
澤田社長「あと、季節ごとに来てくださるお客様の層が異なります。そこで、季節に合わせたイベントを行うことで顧客の明確化を図りました。たとえば、夏休みは子ども連れの家族や若者が多いので、人気漫画「ONE PIECE」を主題にした「ONE PIECEメモリアルログ in ハウステンボス」を開催したり、人気アイドルグループとのコラボ・イベント「AKB48 DAY」を開いたり、フジテレビさんと組んで"明るいお化け屋敷ゾーン"「スリラー・ファンタジー・ミュージアム」をつくったりしました。
一方、秋には人が少なくなるので、熟年マーケットをねらって「ガーデニングワールドカップ2010ナガサキ」を開きました。ねらいどおりシニア層がたくさん来てくださいました。
冬には花も咲かず、さらにお客様が減るということだったので、東洋一を誇る700万球のイルミネーションで「光の王国」をつくったところ、大盛況になり、クリスマス期間の入場者数は前年比6割増になりました。秋冬期間の10月から3月まででみますと、前年同期比で入場者数は29パーセント、売上は24 パーセント、それぞれ増加し、営業利益も10億円以上の赤字から、2億円以上の黒字へと大幅に良化させることができました」
●ハウステンボス単独で無理なら他社に協力してもらえば良い
ただし、イベントを増やすと経費も増えますので、その工夫も必要です。
澤田社長「その点は、先ほど言ったようにさまざまな工夫の積み重ねで抑えるように努力しました。それと、他社さんとの"共同事業"というスキームもつくりました。ディズニーさんは1つのアトラクションにものすごいお金をかけられる。うちもそうできればいいのですが、残念ながらお金がない。そこでフジテレビさんとの共同事業で「スリラー・ファンタジー・ミュージアム」を開設したほか、シャープさんとは「5D MIRACLE TOUR」というアトラクションをつくりあげました共同事業ですから、オープン後もお互いが努力してさらに内容がよくなっていくという効果も生まれました。
他社との協力という形ではもう一つ工夫がありました。
澤田社長「ハウステンボス内へのベンチャー企業の誘致というのも新しい試みです。フリーゾーンで展開している「イングリッシュスクウェア」には、われわれも少し出資していますが、基本はアイディアを出してくださったジャイロスコープという東京の会社が運営しています。経費をかけずにお客を増やす仕組みの1つです。 」
●ベンチャー企業と大企業の差は「スピード」
インタビューアーは、さまざまなことを矢継ぎ早に、猛スピードで取り組んできたとして、"経営では「速さ」をいつも重視されますか"と聞いています。18年連続赤字だったハウステンボスをたった1年で黒字化…ですので出てきた質問でしょうが、これは非常に良い質問。大企業とベンチャー企業の重要な差に「スピード」があるためです。
澤田社長「もちろんです。遅いより速いはうがいい。だって、速くやれば、それがよかったのか、間違っていたのかが早く分かるじゃないですか。一歩、速く取り掛かる。間違っていたら一歩、速く立ち直る。
経営は速度です。速く情報収集して、速く修正したところは生き残りますが、情報収集も遅く、修正にも時間がかかっていたら、競争に負けてしまいます。今は変化の激しいときですから、変化に対応するには速さが鉄則です」
●スピード重視で失敗してもいいからまずチャレンジ
また、スピードが大事と思ってもなかなか実際にはできないことについて、失敗しても良いということもおっしゃっていました。成功企業の特徴であり、こちらも大事な話になります。
澤田社長「行動力です。とにかく行動する。ダメだったらすぐに戻ればいいんです。逆に遅かったら、戻るにも時間がかかる。そして戻るに戻れなくなる。
人間ですから、誰でも失敗をするし問題もあります。慎重にやったほうが失敗の確率は減るかもしれませんが、多少失敗しても速く一歩を踏み出していれば、速く引き返せるし、うまくいけばさらに前に速く進めます。だから、スピード感というのは行動力だと思うんです。(中略)
私もしょっちゅう失敗していますから。この1年間にもだいぶ間違いをしたと思いますし、今、この夏だって私の作戦はちょっと間違えてます(笑)。それでもいいんです。来年の資料にしますから。今年間違えたことは、来年は絶対にしません。とりあえずやってみて、ダメなら修正する。それでいいんです」
駄目ならそれでいいというのは、いかにもベンチャーらしいですし、私も好み。Googleなんかも失敗しているサービスというのが、実は数え切れないほどありますよね。
そう言いつつも私は頭で考えてばかりで体が動かない方で、行動力というのは大事だなぁと思います。
●カリスマ澤田秀雄社長の後に凡人坂口克彦社長、組織経営が強み
2020/01/27:澤田秀雄さんは2019年にハウステンボス社長を退任しています。引き継いだのはみずからを「凡人」と称する坂口克彦さん。「私は凡人なので、これまでの(澤田秀雄さんのような)カリスマ経営者のまねはできません」としているそうです。
「澤田さんは天才。すごく天才的な経営の勘で、お客様に当たるものはこれだということをばんばんやるが、それは自分にはできない。現場の人やお客様に知恵があるので、それを聞いて、戦略的に仕上げていく」(坂口克彦社長)
ただ、当然能力を期待されての就任。前の会社でトップダウンから組織経営へと移行を図り、業績を伸ばしたマネージメント能力が期待されているようです。もともとは大手日用品メーカーにいて、5年前、そこで幹部として人事などに携わってきた経験を見込まれ、「エイチ・アイ・エス」の方に入社してきた方だったとのこと。良さそうな感じですね。
現在は社員やスタッフとの面談をしており、最終的には全員と面談する予定。コミュニケーションを重視するとともに、アイデアを利用。また、澤田前社長の肝いりで始まったホラーエリアを廃止して別の施設をオープンする予定など、新しいものも試すとのことでした。
(ビジネス特集 「凡人」はどう導く? カリスマなきあとのハウステンボス | NHKニュース 2020年1月23日 19時24分 より)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200123/k10012256151000.html?utm_int=detail_contents_tokushu_003
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