このように入りやすいトイレ、利用するのに抵抗感がないトイレには、お店や施設に利用客を呼びこむ力がある。 たとえばコンビニエンスストア。その昔、街のコンビニはトイレだけ貸すことに消極的なお店が多く、借りることができたとしても場所はバックヤードの奥の奥。店員にトイレを借りたい旨を伝えるのにも、勇気が必要だった。 コンビニチェーンの中で、いち早く“トイレの地位向上”に取り組んだのはローソンだ。「トイレだけでもお気軽にどうぞ」と呼びかけ、用を足すだけの来店客を喜んで受け入れた。筆者自身、運転中にもよおしたとき、何軒かのコンビニをスルーして、あえてローソンを選んだ経験がある。 こうした取り組みによって何が起きたか。快くトイレを貸してくれた“お礼”にと、用を足した後にちょっとした買い物をしていく人が増えたのだ。缶コーヒー1本、飴玉1つでも、総額にすれば決して小さくない金額が動く。 排泄行為が生理現象である以上、トイレは街行く人を呼びこむ優れた集客ツールだと言えないだろうか。どこでもよおすかわからないということは、いつ必要になるかわからないということ。潜在顧客とお店・施設をブリッジするのに、トイレを用いた集客マーケティングが期待される日が近いかも? |
日本人のきれい好き、清潔好きは異常と思えるほど。やり過ぎと思えることもありますが、この性向は日本人のDNAです。平安時代の遣唐使たちが見た唐の国(中国)の生活は不潔そのもので、驚いて声も出なかったそうです。 運河には汚物が浮いているけれど、そこで米をとぎ、その水で湯を沸かす。唐では当たり前の光景が、日本人にとってはあり得ないものだったのです。 ここまでひどくはなくても、世界では似たような光景が今でもあるでしょう。それに嫌悪を示す日本人のきれい好きは、世界でもユニークな性質なのです。 |
この典型のような例を具現化しているのが、トイレ・マーケティングです。皆さんの周りでもそうだと思いますが、女性のトイレへのこだわりは男性の想像をはるかに超えています。トイレが汚いと、きれいなトイレがある場所まで我慢をするのですから。そういう現代女性のトイレ感があるからでしょうか、メーカーもデパートも飲食店もトイレにはとてつもなく気を使っています。 (中略) エジプトの知り合いが話をしていましたが、カメラ、マンガ、カラオケと世界中で人気の日本モノの中でも、トイレはダントツとのこと。来日するたびにトイレに入るのが楽しみだそうです。お気に入りは、勝手に便器のふたが開くシステム。「日本人は天才だ」が彼の口癖。私たちも、もっと自信を持った方がいいですね。 |
特筆すべきは、平塚駅の駅ビル「ラスカ」。もともと平塚ラスカは、トイレを中心に駅ビルをリニューアルするという画期的な発想で建てられたそうです。駅を降りてトイレを探すという行動パターンをうまく利用できると集客につながると考えたわけです。 フロアごとに設置されたトイレは、それぞれユニークなコンセプト。豪華客船内のような汎用トイレ「マリン倶楽部」、キッズランドのような子連れファミリー向けトイレ「ちっちぱあく」など。 また、買い物上位客だけが入れる「マーメイドルーム」。化粧品やドライヤーなどが置かれていますが、利用回数にも限度が。まさに、女性羨望のVIPトイレです。 |
湘南ステーションビル 長島菜恵さん 「トイレを売りとしているのでトイレガイドを作っている」 「各階の設備や雰囲気などを載せている」 トイレ目的の来店者の割合 06年度80%→10年度50% 「おそらくトイレ目的の方が今は買い物もしている結果だと思う」 子ども用トイレが設置されたフロアもあります そのトイレを目指して来る子供も 母親 「他にもトイレはあるけど”ここのトイレがいい”とわざわざ来る」 2010年度の来店客 ↑50%(2005年度比) |
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