宝くじ関連の話をまとめ。<宝くじは最も損な公営ギャンブル それなのになぜ買うのか不思議>、<宝くじを買う理由 「夢を買うから」は意外に妥当な説明か?>などをまとめています。
2022/10/18まとめ:
●宝くじを買う理由 「夢を買うから」は意外に妥当な説明か? 【NEW】
●宝くじは最も損な公営ギャンブル それなのになぜ買うのか不思議
2009/5/30:「宝くじを買う人は、なぜ買うのだろう?」と、前々から不思議だったんですよ。そう思っていたところに、ちょうど
人はなぜ宝くじを買い続けるのか 最も割の合わないギャンブルなのに人気の謎より(2009年05月24日 MONEYzine)という記事がありました。
記事では最初に、「宝くじは公営ギャンブル(引用者注:狭義の公営ギャンブルの場合、宝くじは除きます)の中でも還元率が低くテラ銭の高い、割の合わないギャンブルだ。それにもかかわらず人はなぜ行列に並んでまで宝くじを買うのか」と書いています。
ただ、そもそも「宝くじをギャンブルだと思っていない」「還元率が低いとは知らない」「還元率のことを考えたことがない」といった人も多いのではないかと思われます。
とりあえず、還元率はギャンブルの種類によって異なり、競輪や競馬などは75%、宝くじは約45~50%。胴元が得る部分を俗に「テラ銭」というが、還元率が高く、このテラ銭の低いギャンブルほど良心的といえるので、宝くじは非常にテラ銭の高い、割の合わないギャンブルだということになってしまいます。
ちなみに、未成年の参加を禁止している競馬などに比べ、宝くじの購入には年齢制限はありません。
●なぜ人は宝くじを買うのか?人が宝くじを買う理由「夢を買う」
では、「当たる確率が低いとわかっていても、宝くじを買う人があとをたたないのはなぜ」でしょう? 記事では、<人は還元率などの数字を客観的に考えるよりも、夢を追うのが好きなのかもしれない。事実、宝くじでは当選者の数が少なく当たる確率が低くても、1等の金額が大きければ大きいほど人気を呼ぶのだ>と予想していました。
しかし、元記事のコメント欄では、「意味のない記事」などと非難轟轟。コメントでは先程書いた「還元率まで考えて買っていないのではないか」が出ていましたし、「競馬等のように予想することなく買えるのが人気なのでは」という意見も出ていました。これらも当たっているように思えます。
このように非難轟々だったわけですが、一方で、記事の「1等の金額が大きければ大きいほど人気を呼ぶ」というのも当たっているのでは?と思いました。私はサッカーのtoto BIGの発売を聞いたときには到底成功すると思えなかったのに、これがすごく売れたの驚いたんですよ。
このtoto BIGに関して言えば、先程の条件の「予想することなく買える(通常のtotoは予想が必要です)」、「1等の金額が大きい(キャリーオーバー時6億円)」を満たしています。なるほどなぁと思いました。
私は還元率などが、すぐ気になる性質です。予想して当てるのならともかく、宝くじのような形式では「買わない」という選択が計算上最も良くなるため、なかなか気持ちを理解できませんでした。
ちなみに週1回ロトを買っている友人がいたのでどうして買うのか尋ねたところ、「一番はやっぱり当ててみたい。あと、週1回結果を見る楽しみがある」との説明。そういえば、「夢を買っている」と言う人もいますよね。こういう買うこと自体が楽しみというのもありそうです。
とりあえず、ある程度理由がわかった感じで、今日は勉強になりました。
(その後、
宝くじ1億円以上当たった人も未換金多数で関連するデータを少し紹介しています)
●宝くじを買う理由 「夢を買うから」は意外に妥当な説明か?
2014/11/25:人はなぜ宝くじを買うのか?というテーマでは、初期にも<なぜ人は宝くじを買うのか? ~宝くじを買う理由~>(別投稿をまとめたために同じページになった前半の投稿)というのを書いていますが、今回は別のものを。私は宝くじの話をよくやっているものの、
宝くじは貧乏人が自主的に払う税金・貧乏税 日本では本当に財源になどを書いているように、宝くじを買うことをすすめているわけではありません。
ですので、「宝くじを買っている人は、本当は宝くじを買っているのではない。夢を買っているのだ」みたいな理由の説明は、「また、そんな言い訳して…」という冷めた気持ちも正直ちょっとあります。ただ、意外にそういう「夢を買うから」的な説明は妥当なのかな?と感じたのが、
なぜ宝くじは人を引きつけてやまないのか? - GIGAZINE(2014年09月26日 20時00分36秒)という記事でした。
記事では、レベッカ・ポウル・ハーグラブさんと言う方が、宝くじを買う人の目的は「資本を増加させるためではない」と指摘しています。投資であれば、他にいくらでもマシな投資があるので、投資目的ではないという説明ですね。では、どういう理由か?というと、エンターテインメントの1つとして購入し楽しんでいるというのが答えです。
そして、「宝くじを購入した人は『1億円当たったら何を買おう?』などと当選番号の発表日まで考えながら楽しむことに料金を支払っているんです」とご自身の経験から言っています。"購入後に「なぜ宝くじを買ったのか?」自問した結果、当選金の使い道に夢をはせていた自分に気がついた"ため、上記のような宝くじを買う理由の説明を思いつきました。
ただ、気をつけなくちゃいけないのがこの人の職業。敢えて後で紹介しましたが、宝くじ販売に関わる企業Tennessee Education State Lottery Corporationの代表取締役さんなんです。そりゃ、宝くじを買う人を擁護しますわ。テキサス大学のダニエル・レヴァイン心理学科教授もこういった売り手のやり方について、以下のように指摘しています。
「当選した人が豪遊している場面を映す宝くじのコマーシャルは、視聴者に『もし当たったらどうしよう?』と考えさせる効果があります。視聴者自身が体験しているかのような感覚を与えることで、脳の一部を刺激し、購買意欲が増すというわけです」
ここまでは想像がつきやすい話でしたが、レスブリッジ大学のロバート・ウィリアムズ健康科学科教授の指摘はちょっと予想外でした。"ナンバーズやロト6といった数字選択式の宝くじは、番号が数個違うだけのニアミスが頻発"するため、"購入者の脳に「おしかった!後1個ずれていたら当選していた」というポジティブなイメージを植え付け、脳が「当選金をつかみかけていた」と錯覚"させるのだそうです。
海外ではこの数字選択式の宝くじというのが、主流のイメージがあります。実はうまいところを突いていたんですね。ただし、これは逆に言うと、そういうニアミス型の宝くじが主役ではない日本の宝くじを、なぜ日本人は買い続けているのか?という話にもなりかねないんですけど…。
さて、再び「夢を買う」的な話に戻って、カーネギーメロン大学のモスタファ・レーベシュタインさんの話。この方は「貧乏な人が宝くじを購入するのが不合理だとは思いません。経済的に苦しい中で希望をお金で買うことは、意味のある行動だと思います」と言っています。
この方のもう一つの発言は、実は私が宝くじを買うことを正当化(?)するものとして、最も理解できると考えていたものでした。この場合はやはり「投資」のような性質があるかもしれません。
「貧困に苦しみ社会に対して不満を持っている人が貧困を脱出して億万長者になる可能性はとても低い。そういう人たちにとって、宝くじは人生を大逆転する可能性を上げる1つの方法であり、低すぎる当選確率は問題にならないのです」
貧しい人が大金を手に入れる方法というのは、宝くじ以外にほとんどないとうのが現実。宝くじが控除率が高く期待度の低いわりの合わない出費であること、宝くじ販売者による搾取であることを理解していても、宝くじを買う方が「合理的」と言えなくもありません。
前述のように、私としては宝くじを買ってほしくはないんですけどね。すすめたくないんですが、一定の説得力があるので紹介せざるを得ません。ただ、一つ指摘しておきたいのは、
宝くじ高額当選者3000人のその後……10年後の彼らの生活は?や
幸運をつかんで不幸になった宝くじ当選者たち 破産やトラブルも招くなどで書いてきた宝くじ当選者らの「悲劇」です。
こういう言い方をしてしまうとなかなかきついものがあるのですが、普段お金を持っていない人が大金を手にしてもろくな事にならないケースが多いのです。自分は違う、うまく使う…と思うかもしれません。しかし、不幸になる人がいるのが事実ですし、堅実な使い方ができる人はそもそもあまり宝くじを買わない気がします。
【本文中でリンクした投稿】
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宝くじ高額当選者3000人のその後……10年後の彼らの生活は? ■
幸運をつかんで不幸になった宝くじ当選者たち 破産やトラブルも招く ■
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宝くじ当選者など、大金を手にしても幸せになれず身を滅ぼす人たち ■
42億円の宝くじに当たった人 次々と寄付 ■
報奨金と宝くじに当たった人の悲劇 ■
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人生・生活についての投稿まとめ
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