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テスラキラー・ファラディの末路 フィスカーも失敗、ポルシェなども不人気


2016/5/9:
●中国ベンチャーLeTVの関連会社であるLeSEEとファラデーフューチャー
●アップルカー「プロジェクト・タイタン」とファラデーが関係と憶測
●日米欧や中韓などの既存の自動車産業界にないLeSEEの魅力
2020/02/25:
●テスラキラーと言われたファラディ・フューチャーの末路…
●過去のテスラキラーのフィスカーも失敗、ポルシェなども不人気
2022/04/14追記:
●日本のホンダ超え!顧客重視で新興EVメーカー「NIO」が大成功 【NEW】
●「中国版テスラ」NIO(上海蔚来汽車)は早くも黒字化を達成する? 【NEW】


●中国ベンチャーLeTVの関連会社であるLeSEEとファラデーフューチャー

2016/5/9:中国製の自動運転車が北京ショーに、黒幕はアップル!?|エコカー大戦争!|ダイヤモンド・オンライン( 桃田健史 [ジャーナリスト] 2016年5月6日) は、聞き慣れない社名がいろいろと出てきてややこしい記事。まず、「LeSEE」社というのは、中国でテレビなどの大型モニター開発や、動画配信事業を手掛けるベンチャー企業「LeTV」の関連会社だそうです。

 このLeSEEの北京モーターショー(一般公開2016年4月29日~5月4日)の報道陣向け公開日に出たメンバーを見て、作者の桃田健史さんは驚きました。別の場所でやっていた別のベンチャー企業での発表メンバーがそっくりそのまま出てきたため。ファラデーフューチャーとLeSEEとの関係については、まったく触れなかったものの、以下のようにメンバーがそっくりそのまま同じだったんだそうです。

<壇上にズラリと並んだのは、今年1月にラスベガスで開催された世界最大級のIT・家電見本市「CES2016」で、世界初登場した謎のEVベンチャー「ファラデーフューチャー」の幹部たち。テスラ「モデルS」の元開発総責任者、上海GM(ゼネラルモーターズ)の元役員などの面々だ>


●アップルカー「プロジェクト・タイタン」とファラデーが関係と憶測

 実は、ラスベガスの「CES2016」の時点で、LeTVをビジネスパートナーだとしていましたので、当時からある程度関係があったことは説明されていました。しかし、ファラデーフューチャーの開発総責任者、ニック・サンプソンさんに直接話を聞いたところ、「LeSEEとは技術的に連携していく。この自動運転車でも我々がEV技術を担当する」と答えただけで逃げられてしまいました。詳細は不明です。

 そもそもこのファラデーフューチャー自体も謎の会社なわけですが、なかなか資金力が豊富な模様でこれがさらに謎を呼んでいます。資金力が豊富なら、普通は有名大企業であるためです。そして、このお金の出どころがアップルではないか?とも言われていたんですよ。ここでやっと有名会社の名前が登場です。

<豊富な資金の“出所”について、アメリカの一部メディアでは、アップル社という見方がある。ファラデーフューチャーは、アップルが極秘裏に開発を進めているEV開発計画「プロジェクト・タイタン」の黒子ではないかというのだ。
  実際、CES2016の会見現場では、こんなことがあった。BMWのEV「i3」の元デザイナ-で、現在はファラデーフューチャーのチーフデザイナーを務める人物に、筆者は「アップルとの関係は?」とズバリ聞いた。それに対して、その場にいた事業開発部門の幹部の了解を得た上で「(アップル本社がある)クパチーノ市に我々がしょっちゅう通っていることは確かだ」とウインクしてみせた。
 さらに、アメリカの一部メディアは、LeTVの関連企業がiPhone用のリチウムイオン二次電池を供給しているのではと見ており、LeTVとアップルが共同で、ファラデーフューチャーに対して投資している可能性も考えられる>


●日米欧や中韓などの既存の自動車産業界にないLeSEEの魅力

 中国の自動車関係の話で言うと、以前、テックルールズの凄い中国製スーパーカー、日本人7割が失敗と予想を書いています。このときに私が気に食わなかったのだが、テックルールズに中国政府の影響力が見えたことです。ただ、今回の記事ではそういった話はなく、アップルの投資があることからも中国政府系企業ではなさげな感じでした。

 それから、肝心のLeSEEの会見について、作者の桃田健史さんは「事業戦略がとても良くまとまっている」と評価していました。

<それは、EV、自動運転、ライドシェア、eコマース、V2H(クルマと住居との電力共有化)など、IoT(モノのインターネット化)の視点に立って、既存の自動車ビジネスとは一線を画した包括的なビジネスを一気に仕掛けるというものだ。
 こうした視点が、日本、欧米、韓国、さらには中国地場を含めた既存の自動車産業界では欠如している>

 アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ ミレニアル世代の新しい価値観でやったように、日本だけでなく、アメリカでも若者の車離れが進んでいるそうです。一方、中国の場合は車の普及とITによる「クルマがない便利な生活」(ライドシェアやUberを駆使)への関心向上が一気に起きているという妙なことになっているといいます。

 はっきりとは書いていませんが、おそらくアップルやLeSEEが目指すのは後者、従来型ではないITを用いた自動車ビジネスの方なのでしょう。作者は、"もしかすると<LeSEEは自動車産業界の新たなるゲームチェンジャーになるかもしれない>とまで書いていました。


●テスラキラーと言われたファラディ・フューチャーの末路…

2020/02/25:その後すっかり名前を聞かなかった…と思ったら、なんかうまくいってなかったみたいですね。「テスラ・キラー」「中国からの刺客」と騒がれ一時大きな話題となった、カリフォルニア州のEVベンチャー、「ファラディ・フューチャー」は、工場建設や新車リリースの予定は遅延の連続の末、大量リストラとなったとする記事が出ていることに今頃気づきました。

 その記事は、「テスラ・キラー」EVベンチャーが失速した真因 | 東洋経済オンライン(土方 細秩子 : ジャーナリスト 2018/11/07 5:50)というタイトル。こちらによると、ファラディ・フューチャーが注目されたのは中国マネーの存在だけではなかった…と書いていました。逆に言うと、資金の出どころは中国ってことで決着していたんですかね。

 2016年1月にラスベガスのCES(コンシューマー・エレクトリック・ショー)で大々的な記者会見を開き、北ラスベガスでの総額10億ドル(1120億円)の工場建設だけでなく、コンセプトカーの発表をしたのがポイント。創業から1年ほどですでにコンセプトカーを作り上げ、工場建設からプロトタイプの生産までを視野に入れる、というスピード感が人々を驚かせたとのこと。しかし、前述の通り、そのスピードによる自動車生産は全く実現しなかったわけです。

 なお、この没落は中国マネーのつまずきというのがスタート地点であった模様。急速に成長したLeEco社は経営を多角化しすぎて経営難に。ジアCEOは、ローンの不払いなどにより中国の裁判所から1億8200万ドル(203億円)に上る個人資産の凍結措置を受けるほどに凋落。さらに、FF91の最初の完成モデルがお披露目イベントで試験走行した後に、数時間で車から出火し生産中止となったとされていました。 


●過去のテスラキラーのフィスカーも失敗、ポルシェなども不人気

 記事によると、テスラキラーと言われた企業は過去にもあったそうですが、やはりイマイチな形になっています。。最初に話題になったのはフィスカー・オートモーティブ社。「カルマ」という10万ドル(1120万円)を超えるEVスーパーカーを提げてテスラとほぼ同時期にデビューし、大型の政府融資も実現。

 しかし、経営難に陥り、2014年中国自動車部品メーカーの万向集団に売却されました。創業者であるエンリケ・フィスカー氏はその後新たにフィスカー社を立ち上げ、今度は「Eモーション」というスポーツカーで<捲土重来を図っている>とされていました。つまり、再起を図っているのですけど、イマイチ聞いたことがないためにおそらく今もテスラキラーにはなっていないのでしょう。

 また、三井物産も出資…トヨタも?ルーシッドモーターズとテスラの違いで書いたルーシッド社もテスラキラーのような扱いで書かれていましたが、その評価の話はなし。一方、ポルシェ、アストンマーティン、メルセデス・ベンツ、ボルボの高級EVについては、「テスラほどの人気には至っていない」と一刀両断されていました。なんだかんだ言ってもテスラはすごいようです。


●日本のホンダ超え!顧客重視で新興EVメーカー「NIO」が大成功

2022/04/14追記:「テスラキラー」ではないのでちょっと違うのですが、中国で「中国版テスラ」と呼ばれる企業があるみたいですね。ただ、この「中国版テスラ」と呼ばれる企業は以前別の投稿で紹介していましたので、先にそちらの話をこちらのページにも掲載しておきます。

 2021年4月30日のNHK記事によると、中国では「プレミアムブランド」を掲げて急成長を遂げている創業間もない新興EVメーカー「NIO」が成功。小規模メーカーとされていたのですが、時価総額に関して言えば、ホンダ(約5兆9000億円)、日産自動車(約2兆3000億円)を上回る世界有数のメーカーだといいます。

 特徴は、徹底した顧客重視で、EV普及のハードルとされる充電時間の長さを解消するバッテリー交換式を採用。最短3分でバッテリーを交換する施設の他、従業員が車を取りに来てバッテリーの交換やメンテナンスを行ってくれるサービスもあります。年間19万円余りからのオプションサービスなのですが、これで人気に。中国はお金持ちも多いんでしょうね。

<車とバッテリーを切り離し、バッテリーをリースにするもので、購入者は月額で約1万6000円を支払えば、何度でも充電済みのバッテリーに交換できる。いわば“サブスクリプション方式”を導入したのだ。
 そして、リースにすることで車体の販売価格からバッテリー分の価格110万円余りを割り引きする>

 充電時間の長さがEVのデメリットだというのは誤解だと言う人もいるものの、とりあえず、このやり方により成功。誤解だとしてもニーズがあれば対応することで成功しますからね。中国で今、普及が進む「バッテリー交換式」のEVをいち早く導入したことで知られるそうで、中国では他の企業もやっているようです。

 この方式には予想外なメリットも。1つの施設で1日最大330台のバッテリーを交換できるため、会社にとっては充電ステーションを整備して運用するよりも効率的だとのこと。さらに、使用を繰り返して性能が落ちたバッテリーは、小型の電動バイク用のバッテリーや、蓄電池として再利用しているそうです。

 ただし、当時は収益が壊滅的。販売台数は前の年から倍増したのですが、それでも中国のEV市場でのシェアはまだ5%弱にとどまり、去年の決算も880億円余りの最終赤字となっていました。赤字続きでバカにされていたアマゾンのように、将来を見据えて成功する企業もあるのですがNIOはどうなるでしょうか…。


●「中国版テスラ」NIO(上海蔚来汽車)は早くも黒字化を達成する?

 …以上が以前書いた話だったのですが、今回の記事は、固体電池をいち早く搭載 「中国版テスラ」のNIO、24年黒字化へ:日経ビジネス電子版(2022.4.12 湯 進 みずほ銀行ビジネスソリューション部 というもの。黒字化するというのです。(なお、記事によっては「NIO」は「ニオ」「ニーオ」「蔚来汽車」などとも言われています)

<中国の新興EV(電気自動車)メーカー、上海蔚来汽車(NIO)が2022年3月28日、フラッグシップと位置づけるEVセダン「ET7」の納車を開始した。米テスラのような高級路線を進むNIOは、最新の技術を搭載する高級車を次々に投入(略)>
<ET7は(中略)高級モデルで、価格は43万6000~51万3000元(約850万~1000万円)。(中略)驚くべきは150kWhモデルが「固体電池」を搭載することだ。
 日本ではあまりなじみのないNIOは「中国のテスラ」とも言われる新興メーカーだ。自動車情報サイト「易車」の創業者である李斌氏(現在はNIOの最高経営責任者=CEO)が14年に上海でNEXT EVを設立。17年にNIOに社名変更し、18年には米ニューヨーク証券取引所(NYSE)で上場した>

 有料部分は読んでいないのですが、「黒字化へ」という書き方なので、実際に黒字化できるかどうかは別の話でしょう。検索して出てきたNIOの21年、赤字8割拡大=R&D増額で - NNA ASIA・中国・自動車・二輪車(2022/03/28)という記事を見ると、難しそうな気がするんですけど…。

<電気自動車(EV)メーカーの上海蔚来汽車(上海市、NIO)が25日発表した2021年12月期本決算は、純損益が105億7,230万元(約2,015億5,400万円)の赤字だった。研究開発(R&D)費などの営業コストがかさみ、赤字額は前年から8割以上膨らんだ>


【本文中でリンクした投稿】
  ■アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ ミレニアル世代の新しい価値観
  ■テックルールズの凄い中国製スーパーカー、日本人7割が失敗と予想
  ■三井物産も出資…トヨタも?ルーシッドモーターズとテスラの違い

【関連投稿】
  ■日本史上最高の売上達成のトヨタ豊田章男社長「ボーナス減らそう!」
  ■倒産危機を誤魔化すのに必死のテスラ…勝者となるのはトヨタ?
  ■商品・サービス・技術についての投稿まとめ

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