2011/12/29:
●部下に仕事を任せるべき…と言われるが、その任せ方がわからない
●全部を部下に任せろ!という意味ではない 部下が任せるのは一つだけ
●一番ダメなことをやって部下を潰して「部下が育たない」と愚痴
●「報・連・相を部下に求める」は、部下を育てるのにも役立つ?
●「取り調べ尋問」みたいな面談は最悪…上司は提案もしない方が良い
●「上司が聞きたいこと」と「部下が話したいこと」の最適な割合は?
●部下に仕事を任せるべき…と言われるが、その任せ方がわからない
2011/12/29:今回ベースになるのは、日経ビジネスオンラインの小倉広さんの連記事の一つ、載
部下の独り立ちに「DOはご法度」という話。もう一つ別の記事も紹介するのですけど、そちらも同じ方。たぶん
任せる技術―わかっているようでわかっていないチームリーダーのきほん
という本に剣連する連載だと思われます。
この記事の中で本当は最後にあった話なのですが、有名な格言を用いて作者は以下のように書いています。
<「魚を捕ってあげれば、子供を1日食べさせることができる。しかし、魚の捕り方を教えてあげれば、子供は一生食べて行くことができる」 上司のやるべきことを教えてくれる示唆に富んだ言葉である。部下に魚の捕り方を教えるには、まずは仕事を「任せる」ことだ>
では、うまく部下に仕事を任せるにはどうすれば良いのか?というのが、この連載です。
●全部を部下に任せろ!という意味ではない 部下が任せるのは一つだけ
部下に仕事を任せるのが難しいとわかるのは、これを説く作者の小倉広さんも失敗しているということです。
作者は当時、部下に仕事を任せようと思っていました。思ってはいたのですけど、部下に任せ切るのが怖くなって、つい介入してしまいました。この介入により、部下は主体性を失うことに。これはもちろん悪いことです。しかも、それだけでなく、お客さんと部下との間の関係性にも悪影響を及ぼしてしまいました。
仕事の進め方の基本サイクルには、PDCAと呼ばれるものがあります。PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(検証)、ACTION(改善&仕組化)という4つのステップです。部下を育てる仕事の任せ方においては、このPDCAをもとに、上司が手伝う部分、手伝ってはいけない部分を分けるとわかりやすいとしていました。
というのも、上司の介入が必ずしも全部悪いというわけではないのです。PDCAのうち、DO(実行)を上司が仕切ってしまうのが問題になります。そうではなく、PCA、すなわち、計画、検証、改善&仕組化に注力しておき、うまくいく状況を作り出しておいて、部下に任せれば良いとの説明です。
●一番ダメなことをやって部下を潰して「部下が育たない」と愚痴
ところが、小倉さんがそうであったように、多くの上司はこれと全く逆の一番悪いことをします。計画、検証、改善&仕組化という最も大事なところを一切やらずに、ダメな状況を自分で作り出しておいて、最後のDO(実行)のところだけ関わってなんとかしようとして、部下を潰すわけですね。
なぜかと言うと、それは単純に「楽だから」。事前のシミュレーションや事後の反省会などはたいへんです。しかし、最後に部下に任せずに自分がお客さんのところまでついていって対処すれば、他のことは必要なくなります。多くの会社は、できる部下を上司にするという間違ったことをしていますので、おそらく多くの上司はここで部下の役割をやるのは得意でしょう。自分でやってしまった方が早いんですね。
ただ、これでは当然部下が育つはずもありません。そして、自分で部下を潰しているくせに、「部下が一向に育たない」「いつまでもオレを頼りにして困るよ」などと愚痴をこぼすとのこと。小倉さんもかつてはそうだったそうです。これは、できる部下ができる上司になるとは限らないといったことも思わせます。
●「報・連・相を部下に求める」は、部下を育てるのにも役立つ?
もう一つ読んだ記事は
部下を「取り調べ」していませんか 信頼関係がなければ「任せる」ことはできない(日経ビジネスオンライン、 小倉 広 2011年12月2日)。これは連載最終回でした。大体ずっと読んでいる連載のなのですが、ここまで書いていいの?ってくらいきれいに、冒頭でこれまでのまとめをやっています。
前半と重ならない部分としては、よく言われる「報・連・相を部下に求める」というのはダメであること。部下は報連相をしたがらないし、連絡が来ないことにしびれを切らしてこちらからせっつけば、やはり主体性を失って部下が育たなくなります。
なので、催促なしで定期的に報・連・相が来るように、面談などを定例化することが必要とされていました。仕組み化しろということですね。というか、「報・連・相を部下に求める」というのは、管理職の仕事の放棄だと思いますけどね。本来、管理は管理職がすべき仕事です。
●「取り調べ尋問」みたいな面談は最悪…上司は提案もしない方が良い
ただし、定期的に面談すればうまくいくというわけではなし。それだけで解決したら、みんな簡単に良い上司になれますよね。実際にはそう簡単ではありません。
例えば、一番やってはいけないスタイルが、小倉さんの呼ぶところの「取り調べ尋問」というもの。あたかも部下が犯人で、上司が取り調べをする刑事のように「きちんとやったのか、やっていないのか」「いつまでにやるんだ」「なぜやらない」と“取り調べ”をしてしまうのは、最低な面談のスタイルだといいます。
そうならないための作者の工夫。よく使う方法は、「フィードバックの5段階」というもの。事実、主観、評価、提案、命令の5段階です。
部下が会社に来たときに、ズボンの後ろからシャツがはみ出ていた場合、最も軽い第1段階では、「シャツが出ているよ!」と「事実」だけをフィードバックします。第2段階で言うと、「シャツが出ているよ! 見ていておかしいよ」というものだそうです。
逆に最後の5段階目では、「シャツが出ているぞ! 今すぐにしまえ!」と、やり方を提案した上で命令まで行います。これでは当然部下の主体性が奪われて育たないということに。一般的には第1段階と第2段階にとどめておくほうがいいと言われていて、「事実」に関するフィードバックと「主観」に関するフィードバックだけにすべきとのこと。
ただ、多くの場合、主観をも評価、提案、命令と部下は受け取ってしまう気がします。これは作者が他の部分で強調している信頼関係とともに、数をこなして趣旨を理解してもらうことでしょうね。
●「上司が聞きたいこと」と「部下が話したいこと」の最適な割合は?
他に参考になりそうなのが、現在小倉さんの会社で、実際に各部門の役員とやっている面談の話。堅苦しい会社の会議室を離れて近くのカフェでお茶を飲みながら気軽に話すそうです。ティータイムと呼ばれる面談で、そもそも呼び方からして「面談」と感じさせないものになっていますね。
もちろん面談をやっている場所だけが、変わっているという話ではありません。作者のが役員に話しかけるのはたったの1回、ワン・クエスチョンだけ。「さあ、そろそろ始めようか。今日は、僕にどんなことを聞きたいのかな。僕が助言できることは何だろう」というものです。部下に丸投げみたいな質問ですね。
かつての面談の内容は「上司が聞きたいこと」を話していたそうですけど、これだと「部下が話したいこと」100%になります。こうなると、当然、部下の方がしゃべっていることが多く、7割程度が部下の時間。しかし、小倉さんのかつてのやり方は全く逆。面談において95%、自分がしゃべっていたそうです。
このティータイムだけですべてがうまくいくわけではないし、これでチェックができるの?と思うかもしれませんが、部下の主体性を奪わずに、必要となる助言やチェックができるようになるとされていました。一つの針路として、参考になるかもしれません。
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