Appendix

広告

Entries

廃棄物発電と浸透圧発電 ~再生可能エネルギー全量買取法では除外~


 日経ビジネスオンラインのマイナーな発電に関する記事で、興味を持ったのが2つあります。どちらも気になった記事で紹介したものの再掲載ですが、廃棄物発電と浸透圧発電です。

 私がより興味を示したのは廃棄物発電の方でしたが、締めに持っていきたいので浸透圧発電から行きます。


 記事は、原発6基分の潜在力「浸透圧発電」とは(要登録 日経ビジネスオンライン)ですが、私が浸透圧の利用方法で知っていたのは、海水の淡水化です。

 逆浸透膜という膜があり、海水に圧力をかけて水分子だけを移動して淡水化します。タイトルを見てこの逆利用(と言うか、正確には普通の浸透圧の原理)をやるんだなぁと思いました。

"水は通すが塩分は通さない「半透膜」で淡水と塩水を仕切ると、濃度の高い塩水側に淡水が移動する。浸透圧とは、この時に発生する水圧のことだ。そして、この水圧を使って水流を発生させ、タービンを回すことで発電しようというのが、浸透圧発電である"

 ただし、

"仮に、日本中の海水と淡水が混ざり合う場所すべてにこの発電装置を設置したとすれば、原子力発電所5、6基分の電力量に相当する500万~600万キロワットをまかなえる"

ですから、おそらく1設備での発電量は微々たるものだと思われます。


 読んでいくと最初に書いた淡水化との絡みで、

"海水から淡水を作る際に発生する濃縮海水の塩分濃度は、通常の海水の約2倍もある。それをそのまま海に流してしまうと、生態系を破壊する。そのため、現在は、下水処理施設で下水を処理してできた淡水と混ぜ、海水と同じ濃度にしたうえで海に放出している"

というのを今はわざわざしているようです。

 だったら、

"濃縮海水と淡水を単に混ぜるだけではもったいない。この間を半透膜で仕切り、浸透圧を発生させれば、電気が取り出せる"

 というわけのようで、理にかなっています。これは"現在、日本にある大型海水淡水化施設は福岡市と沖縄県の2カ所のみ"のようです。


"この浸透圧発電システム、発電できるのは、濃縮海水と淡水との間だけに限らない。発電量は半減するものの、濃縮海水と海水との間や、海水と淡水との間でも発電が可能"

"その点で、周囲を海に囲まれ、海水と淡水が混ざり合う場所が全国至るところにある日本は、浸透圧発電に適した条件を備えていると言えるだろう"

 コストは?というのが、私は疑問でした。電気を作り出すというよりは使った電気の回収という形になりますが、淡水化設備とのセットが一番現実的で、中東などでも需要がありそうだと思いました。

 読み進めるとコストの話は出ていて、

"発電コストは、濃縮海水と淡水との間では、1キロワットアワー14円、海水と淡水との間では1キロワットアワー18円程度になるとのことだ。

「これは、太陽光発電よりも約40円安く、風力発電と同程度の金額だ」"

 過去の記事を見ると、

"経産省のエネルギー白書2010年版に出ている各電源の発電コストは、原子力がキロワット当たり5~6円で、火力7~8円、水力8~13円"

ですから、自然エネルギーとしては良いほうじゃないでしょうか?

 また、最初に今の主流の使い方を書きましたが、その淡水化用の逆浸透膜を利用しているようで、効率が悪くなっています。しかし、これは逆に言うと改善の余地が大きいということで、さらにコストも下げられるかもしれません。


 それから、海外の話も出ており、

"実は、海外でも浸透圧発電システムの研究開発が進み始めている。特に、日本の1歩先を行っているのが、北海油田の枯渇に強い危機感を抱いているノルウェーだ"

"最近では、米国やシンガポール、韓国、中国など"

 とありました。

 読み直すの面倒で記憶で今書きますけど、確か日本の膜作りのレベルは高いはずなので、日本もチャンスがあると思います。自然エネルギー関係は頑張ってほしいです。


 さて、書きたかった廃棄物発電の話は、原発5基分の電力が燃料費タダで手に入る 廃棄物発電の潜在力と再生可能エネルギー全量買取法の弱点(日経ビジネスオンライン 要登録)から。

"現時点で最も発電単価の高い太陽光発電が優遇される一方で、最も安価な廃棄物発電はFiTの対象から除外された"(再生可能エネルギー全量買取法=FiT法)

"発電しなくても焼却炉は必要なため、イニシャルコストは熱交換器や発電機などの追加設備だけですむ。燃料は無料であり、逆に処理費をもらえる場合もあり、ランニングコストがほとんどかからない。

 それにもかかわらず廃棄物発電がFiTから除外された表向きの理由は、迷惑施設である焼却炉が乱立することを避けたいからということだが、環境省も経済産業省も廃棄物発電や廃棄物燃料化をサーマルリサイクル(熱源再利用)として推奨してきた "

 私はもともとすぐ泣くんですけど、もったいなすぎて涙が出そうになりました。これじゃあ、熱ガンガン捨てているだけじゃないですか?

 サーマルリサイクルは後の方の手段で、それ以上のリサイクルができればもちろん良いのですけど、本気で化石燃料や原子力の割合減らしたいんでしょうか?全く報道されていませんし、ネットでも見かけません。


 既設だけで"原発5基分の電力が燃料費"の可能性があるとのことでこれまた1個1個は大した量ではないでしょう。しかし、設備を全部一から作る必要がなく、今現在捨てているエネルギーです。

 これは浸透圧発電で「淡水化設備とのセットが一番現実的」と書いたのと同じ考え方であり、そちらと同様みすみす捨てているだけというのは無駄です。


"エネットは、電源の大半を企業の自家発電の余剰電力の購入によっており、余剰電力を電力会社よりも高く買い、電力会社の電気料金よりも安く売ることで競争力を保っている。したがって企業の自家発電装置に余力があるだけではなく、それが系統に接続されていないと、電力の供給量を増やせない。企業の自家発電能力の総量は6000万キロワット以上(原発60基分以上)あり、すべてを活用できれば脱原発をすぐにも実現できる"

 ここはよくわかんなかったんですが、余力はたっぷりあるとのこと。もしこれが非常用であれば、他と同じような考え方はできません。

 平時は利用できたとしても、非常時には結局本来の役割で使うので、よそに電力供給とは行きません。


 この後は気になっていたところで出なければ書こうと思っていた発送電分離に関する話が出てきたんですけど、テーマ的に違ってくるので分けました。

 こちらは太陽光発電の話、また再生可能エネルギー全量買取法の話と絡んで書きたいと思いますが、本当今回の話で頭に来たのは廃棄物発電を無視したことです。

 設備乱立を避けたいのなら、既存設備だけに限る、上限・制限を設けるなどでも対応できたはずです。まあ、そうなると「全量」じゃなくなるので……ということかもしれませんが、本当に廃棄物発電のことを別に考えてくれているのかは不明です。

 再生可能エネルギー全量買取法はエネルギーのことを本気で考えているというよりは、太陽光発電のような金になるもののためだけに作られた法案だったのではないか?という疑いを持ってしまいました。

 続編
  ■再生可能エネルギーの全量買取制度 価格設定の課題

 関連
  ■送電分離できていないことによる問題点1 ~新規参入事業者への妨害~
  ■送電分離できていないことによる問題点2 ~安定供給を目指さない場合がある~
  ■送電分離のデメリット
  ■送電分離のメリット
  ■送電分離などはもっと議論されなくてはいけない
  ■なぜ原発の損害賠償が国民負担になるのか
  ■発送電分離をする理由
  ■本当に電力は地域独占が望ましいのか?
  ■その他の政治(全般)について書いた記事

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由