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口コミサイトのやらせ投稿 ヤフー知恵袋と食べログで対応が真逆


2012/1/5:
●ヤフー知恵袋のやらせは本当にあったと!提案書が流出
●やらせではなくきちんとサービスを受けた者の体験談だと反論
●ヤフー知恵袋ではずさんな口コミも放置状態で蔓延中
●口コミサイトのやらせ投稿 ヤフー知恵袋と食べログで対応が真逆


●ヤフー知恵袋のやらせは本当にあったと!提案書が流出

2012/1/5:まあ、あるだろうなぁと思っていたクチコミ投稿サイトのやらせを指摘した記事として、ヤフー知恵袋で“やらせ”代行業 匿名クチコミの信憑性に暗い影(要登録 小林 直樹 2011年10月24日 日経ビジネスオンライン)があります。

 これが噂レベルではなく、かなり確かな証拠つきで判明したのは、ヤフー知恵袋で企業・店舗の宣伝書き込みを代理で請け負うことを提案する営業資料が流出したため。提案主は、インターネット決済代行のほか、SEO(検索エンジン最適化)やサイト制作などWeb集客サービスを手がけるJ-Paymentというところでした。

 同社が作成したパワーポイント10ページからなる「提案書」のサービス概要には、以下のように記されていました。

知恵袋で、お客様の商材を薦められるような質問を探す
→ユーザー目線の投稿を専任のライターが投稿
→本文にさりげなくURLやキーワードを入れる
→知恵袋からたくさんのユーザーに訪問され、認知度・問い合わせ数・成約数アップ

 提案書では、以下のような工夫をしていることもアピールしていました。ヤフーの監視の目をかいくぐって、やらせの宣伝書き込みをバレないように請け負います、という話です。

「知恵袋では宣伝目的(商用)の投稿はNGで削除される可能性があるため、1個のアカウントでいつも同じ商品を宣伝しないようにアカウントを分散する」
「同じIPからの投稿もヤフーから商用目的と目を付けられる恐れがあるのでIPも分散」と、欺く方法を、ご丁寧にアピール


●やらせではなくきちんとサービスを受けた者の体験談だと反論

 流出しちゃってますので、言い訳のしようがない気がします。ただ、業者は否定しています。資料流出元のJ-Payment清久健也社長に、やらせ宣伝投稿ビジネスについて尋ねたところ、「やらせではない。きちんとサービスを受けた者が体験談を書いている」と主張していました。

 これは上記の資料が偽物だという主張ではないので、資料が本物だとは半ば認めた感じですかね。認めた上で、上記の資料はやらせ書き込みサービスの宣伝ではなく、きちんとサービスを受けた者の体験談書き込みサービスだ…といった反論のようです。ただ、日経ビジネスオンラインは、さらに以下のようにツッコんでいました。

<そこで、「体験者なら、なぜ第三者目線で書く必要があるのか。主観で書けばよいではないか。アカウントをたくさん作成する必要もない。あと『(宣伝回答を書き込むにふさわしい)質問がない場合は作成する』というのも“やらせ”ではないか」と、資料にある記述を基に問いただすと、「資料が手元にないので分からない」と言葉を濁した>

 記事では、企業や店舗の当事者が書き込むのではなく、宣伝書き込み代行をビジネスとする事業者が実在すること、そして、その工作の実態が表面化したのは、恐らくこれが初めてではないかとしていました。

 J-Paymentは、この“ビジネス提案書”を、郵送のダイレクトメールや電子メールで見込み客に送っていました。実際、「J-Paymentから、やらせ請け負いサービスの資料が送られてきた」とブログで暴露した美容外科医もいたそうです。

 広範囲にバラまけば流出する可能性があることに思い至らない姿は、原発再稼動に賛成意見を送るようにメールで促した九州電力の「やらせメール事件」と通底するものがあるとも書かれていました。


●ヤフー知恵袋ではずさんな口コミも放置状態で蔓延中

 さらにこの闇は深く、以下では上記のケース以外の問題も指摘されています。知恵袋を見ていると、特定の美容整形クリニックや審美歯科、飲食店などを日を変えてしきりに回答し宣伝しているアカウント(ID)に出くわします。これらのアカウントの過去の回答を見ると、さらに疑いが濃くなるような状況です。

 記事の作者は、これらの医院・店舗に接触し、知恵袋で不自然な“絶賛クチコミ”が急増していることを尋ねると、複数の医院・店舗が「ビジョナルという会社に依頼した」と教えてくれたそうです。意外に教えてくれるんですね。悪いことだと知らなかったのかもしれません。

 ただ、簡単にわかってしまったように、ビジョナルが手がけた可能性のある約20店のクチコミは、いずれも文体が似通っていて、体験して書いているような内容には見えず、そのクチコミからアクションを起こさせるのは難しそうなものがほとんど。IDの管理も杜撰でした。間抜けな例で依頼者のデメリットが大きそうですが、問題であることには変わりありません。というか、こんなわかりやすいのに対策していないヤフーも間抜けですね。

 ヤフーがおかしいのでは?というのは、記事も指摘していました。相変わらずヤフーの企業姿勢はおかしいです。

<不可解なのは「規約違反」と明言しながら、何も手を打たないヤフーの対応だ。J-Paymentの資料が流出した直後の10月3日、ヤフー広報にJ- Paymentへの対応を聞いたところ、「現在、調査・検討中」との回答。その2週間後に、再度同じ質問をしたところ、ヤフー広報は「回答できない」とした>


●口コミサイトのやらせ投稿 ヤフー知恵袋と食べログで対応が真逆

 これだけだと興味ないかなぁと投稿していなかった記事なのですが、今回「食べログ」にやらせ投稿 カカクコムが法的措置も 39業者特定 飲食店ランキング上げる狙い(日経新聞 2012/1/4 23:56)という新たなニュースが入りましたので、セットにしてみました。記事名を見てわかるとおり、運営するカカクコムはYahoo!と違って訴えることを検討しています。

 価格比較サイト大手、カカクコムが運営する人気グルメサイト「食べログ」で、金銭を受け取って飲食店に好意的な口コミを投稿するなどし、ランキングを上げようとする「やらせ業者」が水面下で活動していることが判明。カカクコムは昨年末時点で39業者をすでに特定。評価システムの改良など対策を強化する一方、悪質な業者に対しては法的措置も検討しているそうです。

 カカクコムは独自の評価システムを導入して不自然な投稿を排除したり、担当者による口コミの内容確認なども進めたりしていますけど、「やらせ投稿を完全になくすのは難しい状況」(同社)だとしていました。法的措置検討の前から、カカクコムの場合はいろいろ工夫していたんですね。

 食べログはクチコミ投稿サイトであると同時に、レビューサイトでもあります。ヤフー知恵袋がしなくていいと言うのじゃありませんけど、レビューサイトの場合、信頼性を落とすことは価値の低下に繋がりますので、こういった対策に積極的なのでしょう。

 しかし、こうした対策もイタチごっこになってしまう…などの結果も当然予想できるわけで、残念ながらある程度やらせ投稿が含まれることは承知しておいた方が良いかもしれません。

(関連して、ヤフー知恵袋、食ベログのやらせ投稿問題 ~なぜか消極的なヤフー~というのも書いています)


【本文中でリンクした投稿】
  ■ヤフー知恵袋、食ベログのやらせ投稿問題 ~なぜか消極的なヤフー~

【関連投稿】
  ■アマゾンレビュー星一つで情報開示請求 片山晃(五月), 小松原周の書籍で
  ■Yelp(イェルプ)の広告出稿を断ると、評価の低いレビューが目立つように?
  ■Yelpがお店の評価を人質に金銭を要求するのは問題ない 裁判で決定
  ■カカクコムのAll For Meのブラジャー、セミオーダーなのに高くない
  ■隠れ家バー隠れておらず食べログに敗訴 HPでは住所や写真公開
  ■ネット・コンピュータ・ハイテクについての投稿まとめ

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