沖縄県は物価が安い！は誤解 全国一所得が低いのに物価の高さは日本一

(当初は、"事実上のインフレターゲットは、実は日本でも既に導入済み？"(2012/1/10)という話を書いていました。が、その後本物のインフレターゲットが導入されてしまって、古い話になったので削除。結局、本物を導入してもうまくいかずといった感じでしたけどね。…で、こちらは一応物価繋がりということで、沖縄県の物価に関する話で再利用しています)

　沖縄県は賃金が低い都道府県として知られています。しかし、多くの商品は本州などで作られていますので、物価としてはむしろ高いのではないかと思って検索すると、実際高いようです。低賃金で高い物価って辛いですね。


●他県からの輸送がたいへんすぎる沖縄県

　沖縄県の物価の話が気になったのは、セブンイレブンがない県が多かった理由はドミナント戦略 残っていた四国・青森・鳥取・沖縄も進出でやっと全都道府県制覇を書いたときです。

　セブンイレブンによると、今まで進出していなかった沖縄県にも進出を決定。「沖縄県民の好みに合わせた商品を開発するため、弁当・総菜の専用工場も建設する」と説明していました。

　ただ、そもそもセブンイレブンは他の地域においても、地元に製造施設を作るというやり方をしていました。特に沖縄県の場合は、他県から輸送ではかなりコストがかかるので、現実的ではないでしょう。「沖縄県民の好みに合わせた」は、単なる宣伝文句だと思われます。

　で、そのときに思ったのが、この輸送コストってあらゆる商品において言えるよね？ということ。一方で、沖縄県は所得が低い地域としても知られており、ここらへんどうなっているのだろう？と不思議に思ったのです。


●全国一所得が低いのに物価の高さは日本一

　そこで検索してみたところ、ズバリ東京23区より高い那覇市の食料物価指数　全国県庁所在地で１位　最も賃金安い沖縄でなぜ？ | 沖縄タイムス＋プラス(2017年4月12日 16:12　学芸部・高崎園子)という記事が出てきました。やっぱり高いみたいですね！

　記事によると、那覇市の２０１５年の食料の消費者物価地域差指数・都市別指数は、全国平均を１００としたときの指数は１０３・９となりました。これは東京都区部より高いというか、そもそも日本一になってしまったそうです。この日本一は連続ではなく初めてのことみたいですけど、いずれにせよ物価が高いというのが事実です。

　この記事では、もう一つ私が気にしていた所得の話も網羅。県内事業所の平均給与は全国の８割の水準で、全国一最低賃金額が低いとのこと。こちらで日本一はもちろん東京都。なので、同じ「物価が高い」でも、東京都と沖縄県では、全く置かれている環境が異なることもよくわかります。


●沖縄県は物価が安い！は誤解

　沖縄県の物価について検索していると、沖縄県は物価が安いわけではないと釘を刺すページも多くヒットしました。特に移住を考えている人に向けてのものが目立ちます。

　例えば、沖縄移住生活：勘違いしていませんか？（1ページ目）というサイト。こちらは、「はっきり言って、食材費は決して安くないです！」と「断言」。

　一方で、"よく、東京の友達に「…でも沖縄、物価は安いでしょ？」といわれます"とあるので、この誤解は広くあるんでしょうね。私もなんとなく物価が安いイメージを持っていましたし、深く考えないと気づかないところです。

　ただ、すべてにおいて高いというわけではなく、ものによると書いているサイトもありました。上記のサイトでも、「食材に限って話をしますが、安くないです。むしろ全体的には高いです」という説明。

　さらに、私が言ったように輸送コストが大きな問題。"産地が沖縄のものではない場合、単純に本土からの燃料費が乗ってきますので、特に野菜が高い！！絶対に東京の八百屋で買ったほうが安かった"としていました。

　このように低賃金で食費が高くなるということは、いわゆるエンゲル係数が非常に高いということになりそうです。


【本文中でリンクした投稿】
　　■セブンイレブンがない県が多かった理由はドミナント戦略 残っていた四国・青森・鳥取・沖縄も進出でやっと全都道府県制覇

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