2012/1/12:
●売上目標・ノルマがなく社員を管理しない成功会社は結構ある
●広島市のメガネ店メガネ21はA-Zスーパーセンターに似てる
●岐阜県の未来工業も売り上げ目標なし・ノルマなしで人事部もなし
●3社のやり方は真似できそうなのに、経営者はなかなか決断できない
●売上目標・ノルマがなく社員を管理しない成功会社は結構ある
2012/1/12:今まで何度も書いてきて、これ以上目新しい話はなさそうなA-Zスーパーセンター。
「元気な会社」に共通するマネジメントのイノベーション 社員を管理しないA-Zスーパーセンター、メガネ21、未来工業(登録要 2011/10/19 7:00 日経新聞 横塚裕志)という記事を見つけて読んでみたものの、やはり既に書いた内容が多かったです。
記事も短いものでしたが、筆者の東京海上日動システムズ社長の横塚裕志さんは、元気な会社に「経営哲学あるいは業績や人事などの管理方法が、今までの常識とは180度違う」という共通点を見出しており、他社といっしょの紹介。こういう見方はおもしろいものでした。
まずは、マキオの運営する「A-Zスーパーセンター」の特徴。A-Zスーパーセンターは特徴が多いのですけど、今回の場合は、目標がなく、社員の管理もしないといったところがピックアップされています。
・売り上げの目標は立てない。
・部門別の収益管理はしない。
・売れ筋商品の分析はしない。
・社員教育もしない。
・商品の仕入れは本部一括ではなく、各店で実際に商品を販売する各部門の担当者がそれぞれ行う。
●広島市のメガネ店メガネ21はA-Zスーパーセンターに似てる
次は「メガネ21(トゥーワン)」という広島市のメガネ店。創業者である平本清さんの経営哲学も、先のマキオと似たところがあるとされていました。
・管理職がいない。
・売り上げの目標がない。
・人事部がない。
・社内のありとあらゆる情報をイントラネットで公開していて、社員は誰でもそれらを参照できる。
・代表者の給与にいたっては、Webサイトで社外にも公開している。
・決裁もない。物品購入や出店計画など、通常の会社であれば決裁が必要な事案については、実施したい人がイントラネットにその事案を書き込み、反対意見が出なければそれで実施OKとなる。
・社員一人ひとりが自律的に仕事をしており、管理がない。
・「会社に利益を残さず、値下げで還元」というポリシーの下、価格競争力を武器に成長を続けている。
●岐阜県の未来工業も売り上げ目標なし・ノルマなしで人事部もなし
最後は岐阜県の郊外、安八郡輪之内町にある電気設備資材の生産・販売会社「未来工業」。「常に考える」というのが「未来工業イズム」だそうで、社員の多くが、「新しい発想で新しいことをやろう」との気構えを持つ企業文化につながっており、利益率は県内トップクラス。特徴としては、以下のあたりが出ていました。
・売り上げ目標なし。
・ノルマなし。
・予算なし。
・購買部なし。(購買部が資材を購入するよりも、製造を担当する部門がそれぞれ必要な資材を直接購買するほうが速いし正しいと考えているため)
・経理部も人事部もなし。
・残業なしで休日の数は日本最多級。(社員に残業させると人件費が高くつくので、残業するほどの注文は受けないから)
・給与は年功序列で定年は70歳。(社員のモチベーションを第一に考えて。「人間が人間の成果を評価することなどできないし、結局、高い評価をもらえない人が不満を持つことになる。そのため、年功序列にしている」)
・上司などによる命令は禁止。
・黒塗り車もない。
・報告・連絡・相談といった、いわゆる「ホウレンソウ」を禁止。
●3社のやり方は真似できそうなのに、経営者はなかなか決断できない
筆者はA-Zスーパーセンターで社員教育を受けていないという従業員の働きぶりを、実際に目にして驚いたといいます。社員教育がないから接客態度が悪いかというと逆。お客様が欲しいという商品を、店中を走り回り、商品がなければ、すぐに発注。従業員一人ひとりがお客様の立場で、お客様のために自由に活動していたといいます。
この「自由に」というのもポイント。前述の通り、管理されていないがために自由さが出ていると、筆者は見ているみたいですね。従業員が会社に管理されているといった雰囲気は一切なかったということでした。
また、3社をまとめてのコメントもあります。3社は「計画を立てて、その計画と現実との差をつかむ」という従来型の「管理」を超えた、新しい経営を実践しており、マネジメントの仕組みをイノベーションしていると言えるのではないかとのことでした。
この3社の経営に共通するポイントは二つ。一つは、やはり経営者が売り上げの目標を立てることをやめているということ。これが「お客様のための会社」というビジョンが説得力を持ち、社員を元気にしているとしていました。本当に顧客第一でやっているというのも3社の特徴なんでしょうね。
もう一つは、当然管理しないということなのですけど、「経営者が中堅から若い社員にいたるまで、すべての社員の人間性を尊重している」という表現の仕方。役職などによって差をつけることなく、すべての社員を同等に扱い、その結果が、命令や管理は不要であり、成果主義による人事制度も採用しないということだとしていました。
これら二つは、経営者にとってはなかなかできない決断であるともありました。出てきた例の半分くらいは私もなくせば良いと思っていたことなのですが、もう半分はなくす気になれないものであり、やはりなかなかできないんでしょうね。真似するのは意外に難しいかもしれません。
しかし、このないない尽くしの常識はずれの手法で、3社とも利益を上げているのも事実。おもしろいものだなぁと思います。
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