2012/1/13:
記憶喪失は本当にあるのか?現実ではありえない?医師による説明
頭部外傷などによって起きる「一過性健忘」という病気
自分の住所や名前はわからない「乖離性障害」
「もう一度、同じように頭を打ったら戻った」は?
「逆向性健忘」がドラマの記憶喪失として有力?
そもそも「乖離性障害」ではなく「解離性障害」
「解離性障害」はストレスの強い自らの情報を思い出せない
●記憶喪失は本当にあるのか?現実ではありえない?医師による説明
2012/1/13:2006年5月7日と古いものですが、今検索するとまだあった
「ここはどこ? 私は誰?」ってホントに起こるの?(Excite Bit コネタ)という記事を昔読みました。
手垢がつきすぎて触れると古い汚れがボロボロと落ちてきそうなほど使われているのに、なぜか未だに健在なネタである、"「ここはどこ? 私は誰?」みたいな「記憶喪失」っぷりなんて、実際起こりうるものなのか"というのがこの記事のテーマでした。
記事は「ある医師に聞いてみると」と、今読み返してみると何となく頼りないのですけど、一応解説してくれています。
「精神的ショックや、脳のどこか一部が欠落する病気、脳炎などの後遺症で一時的な記憶をなくす記憶障害はありえます。ただし、崖から落ちたなどのショックで意識を消失し、そのあたりの記憶をなくすことはあっても、名前まで覚えていないような状況はあまりないですね」
●頭部外傷などによって起きる「一過性健忘」という病気
最近の出来事や新しい情報が突然なくなる「一過性健忘」という病気はあります。この一過性健忘は10万人に5~10人にみられるもので、その原因はわかっていないが、今のところ脳の血液の流れが悪いとか、頭部外傷による症状と考えられているそうです。
しかし、この症状は1日程度などが普通で、やはり「ここはどこ? 私は誰?」にはならないといいます。
もうみんな忘れているでしょうが、ピアノマンも狂言でしたしね。
●自分の住所や名前はわからない「乖離性障害」
じゃあ、あんなの全部嘘っぱちなの?と言うと、「ドラマなどでみる『記憶喪失』は、健忘症より、むしろこちらにイメージが近いかもしれないですね」と言っている病気がありました。
それは、自分の住所や名前はわからないのに、新しい情報は覚えられる「選択性記憶欠損」というもの。「乖離性障害」といって、お金の問題や厄介なことなど、忘れたい過去の一部だけがわからなくなるものだそうです。
ただ、「イメージが近いかもしれないですね」としているだけで曖昧なもの。この記事を読むと、やはり創作なのかなと感じてしまいました。
●「もう一度、同じように頭を打ったら戻った」は?
なお、記事ではついでに、"では、ドラマやマンガの「記憶喪失」の定番パターン「もう一度、同じように頭を打ったら戻った」は起こりうるのか"ということも聞いています。さすがにそりゃないだろうということで、こちらはズバリと否定。
「これはありえないでしょうね。どこかにスイッチが入るわけでもないし、たまたま戻ったように見えても、本人が意識していないなかで、『戻ったフリ』をしているのかも」
記事では、"私たちがイメージする「ここはどこ? 私は誰?」は、事実とはやはりかけ離れたもののようです"と締めていました。
●「逆向性健忘」がドラマの記憶喪失として有力?
上記の記事を読み直した後、
健忘 - Wikipedia(こちらは健忘の項目)も見てみました。すると、「逆向性健忘」では、なんと以下のように書いていました。
"受傷・発症より昔の記憶が抜け落ちた状態。記憶を呼び出す想起の障害つまりある地点から遡っての記憶が引き出せない状態のこと。
よくドラマなどで使われる「ここはどこ?私は誰?」はこの逆向性健忘と解釈できる"
あった、あったよ、Wikipediaでは、健忘で解釈されてしまいました。
●そもそも「乖離性障害」ではなく「解離性障害」
「じゃあ、エキサイトで解説のあった乖離性障害は?」と、Wikipediaを探すとノーヒット。「そんなバカな?」と思いましたが、グーグルさんに聞くと「次の検索結果を表示しています: 解離性障害」とのこと。
そう、それだ!間違ってるんじゃん、エキサイト。私もこの字面の方が見覚えがありますわ。全然さっきは気づかなかったけど。
で、解離性障害のWikipediaには、いわゆるドラマの記憶喪失に絡ませた話はありません。Wikipediaではどうも結びつけていないようです。念のためにWikipedia内で検索もしましたが、おそらく真面目なと言うか医療的な項目で「記憶喪失」を扱ったのは「健忘」だけだと思われます。
●「解離性障害」はストレスの強い自らの情報を思い出せない
ただし、
解離性障害のWikipediaには、以下のように書かれていました。
"単なる「物忘れ」では説明できないほど、ストレスの強い自らの個人情報を広い範囲にわたって想起できない状態。本人にとっては、この状態が苦痛で、社会的機能に障害を起こしている。空間移動しているような気分になる"
これは典型的な「記憶喪失」と同じ状況と言えそうです。でも、非常にたいへんな状況で、これを軽々しく扱って良いんだろうか?と思ってしまいます。一応物語においても登場人物が悩むことがありますけどね。
私は先のエキサイトの記事を読んで以来、物語的記憶喪失は何となくあり得ないことのような気がしていたのですが、今回読み直し、調べ直してみるとどうやら違う感じ。「ここはどこ? 私は誰?」みたいな「記憶喪失」は現実にもやはりあり得ると言って良さそうでした。
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