●名古屋大と福建農林大・笠原竜四郎教授ら、砂糖イネ開発に成功
2020/11/02:
「砂糖イネ」開発に成功 広範囲での生産可能に―名大など:時事ドットコム(2020年10月27日19時10分)によると、中国・福建農林大と名古屋大の研究チームは、受精できないようにしたイネの変異体が、通常の米粒の代わりにショ糖を含む液体を生成することを発見し、「砂糖イネ」と命名したそうです。
従来、植物の種子が育つには、花粉に含まれる精細胞が卵細胞に受精することが必須と考えられてきました。しかし、福建農林大の笠原竜四郎教授らの研究チームは2016年、精細胞を運ぶ「花粉管内容物」と呼ばれる液体にその役割があり、受精しなくても種子が肥大することをシロイヌナズナの遺伝子変異体で発見しています。
さらに、笠原教授らは、同じ働きの遺伝子をイネでも発見。ノーベル賞受賞でも話題になった、ゲノム編集技術で変異体を作成し、受精なしで種子が肥大するかどうかを調べます。すると、通常は「米粒」となる白色固体のデンプンではなく、ショ糖を約20%含む液体で満たされることがわかりました。一方、米粒の方はできないそうです。
この研究がなぜ画期的か?と言うと、砂糖の主成分であるショ糖はサトウキビやテンサイから作られるものの栽培可能地域が狭く、イネは幅広い地域での栽培が可能で、成果は製糖やバイオエタノールの生産拡大に向け期待できるため。笠原教授は「トウモロコシやコムギなど他のイネ科植物にも同じ遺伝子がある。これらの作物を改変できれば、亜寒帯から熱帯までの広い地域で、高効率、高純度の砂糖生産が可能になるのではないか」と話していました。
●植物がまっすぐ育つための因子を発見―基生研、福建農林大など
国をまたいだ共同研究というのは、最近は全く珍しくありません。ただ、中国と日本の大学が共同で…というのは、それほど多くなく、珍しいと思いました。記事タイトルでは、「名大など」とあったので最初にパッと読んだときには見逃して誤解していましたが、中心となった笠原竜四郎さんが中国・福建農林大の教授のようです。
この福建農林大はなんとなく名前を聞いたことがあった気がしました。でも、検索してみるとと、情報が少なく、私の勘違いかもしれません。とりあえず、別の共同研究のニュースはヒットしました。こちらも福建農林大の教授が日本人名っぽいお名前ですね。かなり日本から専門家を招いているのかもしれません。
<基礎生物学研究所 植物環境応答研究部門の森田(寺尾) 美代 教授と西村 岳志 助教、中村 守貴 特任研究員、福建農林大学の古谷 将彦 教授、東京大学の平野 良憲 助教は、奈良先端科学技術大学院大学の箱嶋 敏雄 教授、基礎生物学研究所/生命創成探究センターの加藤 輝 特任助教、立命館大学の深尾 陽一郎 准教授らとの共同研究により、シロイヌナズナを用いて重力感受細胞において重力方向の情報伝達に関わる新しい因子RLDを発見しました。
植物の根は地中に向かって、茎は空に向かって成長します。これは植物が重力の方向を感じ取って行う重力屈性と呼ばれる反応です。重力の方向は根や茎の重力感受細胞と呼ばれる特別な細胞で感知されることや、重力方向に反応した植物の屈性がオーキシンの輸送の制御によって行われることなどが知られていますが、重力感受細胞内での重力方向の情報伝達の仕組みの詳細は不明でした>
(
共同発表:植物の根に重力方向を伝える新しい因子の発見~オーキシンを重力側へより多く分配する仕組み~より)
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