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小沢裁判の問題点 江川紹子の指摘と検察の正義


 小沢裁判の話を少しまとめ。

小沢裁判の問題点 江川紹子の指摘と検察の正義 2012/1/17
小沢裁判 ~陸山会事件は疑念だらけ~ 2012/3/5
小沢裁判 無罪と控訴がないことが確定 ただし、日刊ゲンダイの中で 2012/3/28
1審無罪の小沢裁判まさかの控訴 逆転有罪は望み薄なのに 2012/5/11


●小沢裁判の問題点 江川紹子の指摘と検察の正義 2012/1/17

 小沢一郎さんに肩入れする義理はないんですけど、もう一つ追加。

 またゲンダイネットですけど、なぜ小沢裁判は続くのか- ゲンダイネット(2012年1月16日10時00分)から。

 実はあんまり大した話は言っていなくて、政治評論家二人(山口朝雄、有馬晴海)は権力争いの話ばかり。

 マスコミの話で政治というと政策の話が全然出てきませんけど、小沢裁判に関しても周辺に目が行くようです。政治評論家って役に立たないなぁ……。


 同じ記事で唯一ちゃんと問題点を指摘していたのは、ジャーナリストの江川紹子さんです。

「裁判は事実を争うものです。ところが、検察官役の指定弁護士や裁判官は、倫理に関して意見を求めるケースが目立ちました。事実確認のやりとりは堂々巡りで、内容に乏しかった。裁判所は倫理観や価値観を問いただすところではありません。それは政治倫理審査会や記者会見ですべきことです。裁判の過程で、検察が抱える問題が明らかになったことは意味がありましたが、検察審査会という制度の欠陥は明らか。問題を洗い出し、運用を検討する必要があると思います」


 江川紹子さんは他に日本の論点PLUS 小沢一郎・元民主党代表 - ‎2012年1月11日にも少し話が載っていました。

 この記事は公判(1月10~11日、東京地裁)のポイントをきれいにまとめていますので、他のところも引用します。

質問は(1)収支報告書の虚偽記載は小沢被告の指示によるものか、それとも大久保隆規元秘書や石川知裕元秘書(衆院議員)らが無断で作成したものか、(2)小沢被告が立て替えた土地購入代金4億円の出所はどこか、水谷建設からの裏献金ではないのか、の2点に集中した。

 小沢被告は、これらの質問に対し、「すべては秘書任せだった」と虚偽記載への関与を否定、4億円の原資の細部については「よく覚えていない」と繰り返し述べた。2日間の公判における小沢被告の発言のポイントは以下のとおり。
・政治資金収支報告書を提出する前に、内容を確認したことは今までに一度もない。4億円を報告書に載せないよう秘書に指示したことはないし、報告を受けたこともない。
・東京都世田谷区の土地購入、4億円は手元にある個人資産を用立てた。
・4億円の原資は、両親から相続した東京・湯島の自宅を売却し、現在の自宅を購入した際の残金や、著書の印税、議員報酬などである。
・水谷建設からの裏金受領は、秘書も含めて絶対にないと確信していると、すでに東京地検特捜部に答えている。
・(「億単位の金を手元に置いておくのは想像できない」という質問に対して)現金を手元に置くというのはずっと以前からそうしていた。4 億から5億円の金がいつからあったか分からないが、かなり以前からあった。何か必要があるときにすぐ対応できる。感覚の違いというが、現金が手元にあるというのは安全でもあるし、私の感覚ではそれほど離れたことではない。(朝日新聞1月11日付、NHKニュース1月11日より)

 江川紹子さんの話はこれを受けての発言。

 2日間の公判が小沢被告の政治資金管理団体「陸山会」の土地取引事件解明の山場と見られていたが、小沢被告は「記憶にない」「知らない」を連発、新しい事実が出ることはなかった。初公判からずっと裁判の傍聴をしてきたジャーナリストの江川紹子氏は、その点を「指定弁護士からも、裁判官からも、倫理面についての質問が多く、これが刑事裁判なのかという印象だった。検察審査会の議決を受け、強制起訴するという制度を今後、見直すことも必要ではないかと思う」と語った。(NHKニュース1月11日)

 要登録で途中までしか読めませんが、「市民感覚」に予断と偏見はないか──検察審査会の議決に疑義あり(日本の論点PLUS)というもので、江川紹子さんはこの検察審査会の議決全般に問題を感じているようです。

 日本では、刑事事件について公訴を提起する権限は、原則として検察官だけに与えられている。そのわずかな例外の一つが検察審査会(検審)だ。
 検審は、一九四八年(昭和二三年)に誕生したが、実質的な権限は与えられず、長らく地味な存在だった。それが二〇〇九年(平成二一)五月、裁判員制度のスタートと同時に、「起訴相当」の議決が二回出されれば、強制的に起訴となる拘束力を持つようになって、がぜん注目されるようになった。
 新制度の下で、強制起訴第一号となったのは、〇一年に花火大会の見物客が歩道橋上で将棋倒しとなり一一人が死亡した事故当時の兵庫県警明石署副署長。当日現場の警備に当たっていた同署地域官や警備会社の責任者らが刑事責任を問われたが、遺族はそもそも警察の警備計画に問題があったとして、不起訴処分となっていた副署長らを検審に申し立てていた。
 続いて、〇五年のJR福知山線の事故で、神戸第一検審がJR西日本の歴代三社長に対して二度の「起訴相当」を議決。さらに那覇検審が未公開株の上場話をめぐる詐欺事件で、二度目の「起訴相当」を議決した。
 被害者サイドは、いずれも検察審査会の判断を歓迎しているが、専門家からは批判的な評価もある。とくに福知山線事故については、こうした事故に関して、「市民感覚」によって刑事責任を問うことになると、関係者が自己に不利益な事柄を語らなくなり、事故原因の早期解明に支障を来す可能性がある、という指摘がなされている。

 同じところに同じ形式あった合法を違法に仕立てる異常──特捜検察を民意の下に置く方途を論議せよ(魚住 昭 ジャーナリスト)も検察に批判的です。

 村木厚子・厚労省元局長の無罪判決と、大阪地検特捜部の前田恒彦・元主任検事による証拠改ざん事件の発覚、そして大坪弘道・前特捜部長ら二人の逮捕。二〇一〇年(平成二二年)九月から矢継ぎ早に起きた一連の出来事をどう位置づけたらいいのか。私は正直言って迷っている。
 これまで信じられていた「巨悪を摘発する最強の捜査機関」という「特捜神話」に風穴が開いたという意味では画期的なことである。だが、一連の出来事が検事個人の不祥事として片づけられ、特捜検察の構造的欠陥が是正されなければ元の木阿弥になる。
 私の予想ではそうなる可能性が大だ。なぜなら証拠改ざん事件を捜査しているのが最高検だからだ。そもそも村木元局長の逮捕・起訴にゴーサインを出したのは最高検である。彼らに前田元検事や大坪前特捜部長らの刑事責任を追及する資格はない。
 たぶん最高検は前田元検事や大坪前特捜部長らを説得してすべての責任を被らせ、大阪地検上層部や大阪高検、それに最高検まで累が及ぶのを阻止しようとするだろう。
 とすれば、私たちジャーナリズムに関わる者がやるべき作業は一つしかない。村木事件がでっち上げられ、証拠改ざんがおこなわれた組織全体の病理を明らかにすることだ。
 個人的なことを言わせてもらえば、私は一〇年ほど前まで「検察の正義」の信奉者だった。だが、さまざまな事件を取材するうちに宗旨替えせざるを得なくなった。特捜は事件の真相を追及するために捜査しているのではない。これと目をつけた標的を罪に陥れるために事件をつくっている、と気づいたからだ。

 ただ、同じく関連記事の検察審査会こそ、被害者の「なぜ」が法廷で究明できる正しい民主主義
(諸澤英道(常磐大学理事長))は違う方向性のようでした。

 マイケル・サンデル教授のハーバード大学における講座「Justice」は、我々が日々の生活で直面する道徳的難題を「正義」という視点で問い直す、非常に興味深い講義である。アリストテレス、ベンサム、カントたちの思想が現代社会においてどのような意味を持つのか。「正義」を定義するのは誰で、何を基準にするのかが改めて問われている。
「悪法も法なり」という古い法格言がある。議会で定めた法律に「悪法」があると言うのは、じつは議会制民主主義とは何かを問うているに等しい。民主主義とは名ばかりで、実際には為政者なるものがいて、民意に反する法律を制定することがあると考えれば、悪法を法律として認めない論理として「正義」という概念が必要になる。かつて正義は現実の社会を超越している概念として理解されることが多かったが、現在のわが国のように高度に民主化が進んだ社会では、「民意」こそが「正義」であると考えることができる。
「正義」という概念は、哲学者や法学者だけのものではない。その意味で、二〇〇九年(平成二一年)五月二一日にスタートした検察審査会の権限強化は、検察という強力な権力の判断を、国民を代表して選ばれた審査員によってチェックするもので、新しい形の民主主義でもある。この改正に対して、素人の国民が刑事司法に参加して検察官や裁判官に影響を与えるような制度は「民意の暴走だ」とする主張が一部にあるが、そのような考え方こそ危険な思想に思える。

 途中までしか読めないのであれですが、相当危ないこと言っていません、この方?

 民意が正義であれば、ハンセン病患者差別に満ちた藤本事件の死刑もまた問題なしとなるでしょう。

 死刑判決の後、再審無罪判決となった免田事件(参考:死刑判決を受けたが、誤判が認定された冤罪事件1 ~免田事件、松山事件~)も、その後も批判が続いたり、「ぜったいやってないわけないんだよね」と言われたり、地元では公共の場で冤罪であると発言することすらはばかられたりといった状態です。

 先程も書いたように途中までしか読めないものなのでわかりませんが、この人の真意はいったいどこにあるのだろう?と不思議です。


●小沢裁判 ~陸山会事件は疑念だらけ~ 2012/3/5

 あとは判決までに書くことないかな?と思っていた小沢裁判ですが、上杉隆さん関連で調べものをしていたときに出てきたWikipediaで「へー、そんなこともあったんだー」と発見しました。

 検索で出てきたというのは、西松建設事件のWikipediaでした。

小沢側は事件に対する検察の捜査が国策捜査に当たると非難した。民主党の原口一博衆議院議員はこれを否定する一方で捜査当局でしか知り得ない情報がメディアから流布されることを問題とし、国家公務員による秘密漏えいの疑いを指摘している。上杉隆によれば、週刊朝日をはじめとした一部のマスコミが、小沢よりも検察側に疑義があるとキャンペーンを張ったことで、小沢への批判は弱まったとしている。/td>

 上杉隆さんが出ていたのはここでした。

 おもしろいなと思ったのは、この後の小沢一郎さんと近い亀井静香さんの発言などです。


公設第一秘書らの起訴の際、東京地検の次席検事は記者会見において「国会議員の政治団体が、特定の建設業者から長年にわたり多額の金銭提供を受けてきた事実を、国民の目から覆い隠したもの。規正法の趣旨に照らして見過ごせない重大で悪質な事案と判断したと説明し、記者から「なぜ悪質といえるのか」「被告の認識は」との質問がなされていたが、特捜部長は刑事訴訟法第47条において公判前の書類開示は禁止されていることから、公判において明らかにすると回答した。また、収支報告書上に記載された献金についての立件については「寄付者の名義を変えてしまうことをどう評価するか。みなさんにご判断いただきたい」と答えている。これについて、国民新党の亀井静香代表代行は、「自民党は国民政治協会を通じて、小沢氏や民主党の何十倍もゼネコンから献金を受けている。この協会は全くダミーだ。検察はお構いなしなのか」「捜査がこれだけで終わるのであれば、なぜ今やったのかを国民に説明しないといけない」と述べた。

小沢と同様に西松建設から献金を受け取った議員のうち、二階を除く自民党議員(森、尾身など)に対し検察側が捜査の動きを見せていないことについて、『SAPIO』は、角福戦争以降歴史的に旧田中派と敵対して来た清和政策研究会の意向が検察の捜査に反映されていると指摘した(同誌は、小泉政権以降の自民党が検察に対して強い影響力を持つようになったことを指摘している)。また、陸山会が提出した政治資金収支報告書について、「公表義務の無い5万円以下の個人献金から西松の政治団体からの献金まで詳細に記載されており、透明性が高い」と指摘した上で、二階俊博による政治資金収支報告書では献金のほとんどが公表義務の無い5万円以下の個人献金であるかのように処理されている点を挙げて、検察による捜査の公平性について疑問を呈している。一方、「政治家側がダミー団体と認識していた明確な証拠がないだけ」とする報道もある。

 亀井静香さんの発言はあんまりまともに聞いちゃいけない気がしますけど、そうだ、すっかり忘れていました、自民党議員も貰っていたんでした。

 とりあえず、以前検察による政治介入の歴史で記事を紹介したように、自民党による民主党潰しという見方には私は賛同していません。

 また、検察はでかい相手の方が手柄になるわけですし、金額的にもでかいところを狙った方がおもしろいということも理解できます。

 検察側には一連の問題点を指摘していますけど、それをもって民主党潰し……にしちゃうのもまた乱暴だと思います。


 あと、小沢一郎裁判、産経新聞の報道も変節で一瞬小沢批判を弱めたものの相変わらずの産経新聞ですが、西松建設事件のときにはアンケートで苦しい回答を貰っていたようです。

『産経新聞』がFNNと合同でおこなった世論調査では、半数近くが「検察側の捜査は政治的に不公平」と回答し、「公平」とする回答を上回った(次期衆院選が近づく時期に国政に影響する捜査が不適切かという件については、「思わない」が「思う」を上回った)。

 まあ、でも、自分に都合の良い数字を取り上げたんだろうなと思ったのですが、やっぱりそうでした。

 とっくにリンク切れですが、はてなブックマークでその名残が見えます。


【産経FNN世論調査】西松献金問題、検察捜査は公平40.7% - MSN産経ニュース


 東京地検特捜部が民主党の小沢一郎代表の公設秘書を政治資金規正法違反の罪で起訴し、小沢氏サイドが「国策捜査」と反発していることについて、「検察側の捜査は政治的に公平に行われたと思うか」と質問したところ、46.1%が「思わない」と回答、「思う」の40.7%を上回った。

 有権者の小沢氏と民主党への不信感の高まりの一方で、捜査当局の対応に疑義を持っている有権者が少なくないことを浮き彫りにした。

 支持層別では、民主支持層の30.8%が「不公平」と回答し、「公平」の13.0%を上回った。自民支持層では「公平」が41....

 一応本文ではちゃんと数字を書いていますが、一番目立つタイトルで少ない方を強調するって不公正でしょ。
 
 橋下徹市長に対して悪意のある新聞の見出し と 公務員の身分保障の読売新聞も酷かったんですけど、産経新聞も負けてませんね。


 ついでなので、陸山会事件のWikipediaも。(どうでもいいんですけど、このWikipediaの文章やたら途切れずに長くて読みづらいですし、変な部分もあります)

9月26日に東京地方裁判所(登石郁朗裁判長)は大久保の2007年の7000万円の架空記載の事案については私設秘書との共謀については無罪としたが、それ以外については銀行口座記録と政治収支報告書の不一致から21億7000万円の虚偽記載を全て認定し、大久保は2007年の7000万円の架空記載以外の事案で会計責任者として陸山会の資金を総括する立場として一連の不動産取引に深く関わっていたと言う推定をもとに秘書2人との共謀を認定し、小沢一郎の秘書3人に対し有罪判決を言い渡した。判決理由で建設会社の証言や証拠から陸山会と小沢本人及び小沢系政治団体間における複雑な政治資金移動の虚偽記載の動機として土地購入の4億円の原資を隠蔽する意図があったことと小沢事務所が公共工事の談合を主導する目的と水谷建設からの闇献金が認定された。(中略)

なお、「推認される」「推認できる」「強く推認され」など推認という言葉が頻発する判決要旨内で「小沢事務所は談合を前提とする公共工事の本命業者の選定に強い影響力があり、影響力を背景に公共工事の受注を希望する企業に多額の献金を行わせていた」とされる等、一番の肝になった闇献金について、傍聴記録では、本裁判中で検察側が主張した、秘書が大久保に報告や確認を求めたFAX通信については、検察側自身が「送信記録を調べたかどうかわからない」と言い出す(第8回)ことや、ホテルや新幹線交通費の領収書が証拠提出された10月15日の水谷建設元社長の金銭授受の場所については、同行したとされる運転手が同行していない(第13回前半)ことや、闇献金を指示した元会長が方法・手順の詳細について「元社長が社のルールに従っていない」(第13回後半)ことなどの元社長と異なる証言をしている等、またその他の報道でも、水谷建設との2回目の金銭授受に立ち会ったとされた日本発破技研社長が「検事からヒントをもらって記憶がよみがえった」、「川村元社長に(金銭授受の場面に)呼ばれた理由は今も分からない」旨の不自然な公判証言をする等、解明されていない点が多々あること、検察側の用意した水谷建設元役員2名(尾納元専務、中村元常務)の公判中の証言も弁護側質問であっさり不安定になる、その他、検察の用意した証拠、証言の多くに公判中で立証不充分と思われる部分が見られるが、水谷建設幹部の交通領収書や2回目(4月中旬)の金銭授受現場に立ち会ったとされる前述の日本発破技研社長が東京地検特捜部に任意で提出した4/19付の領収書などの物証と証言から東京地裁により水谷建設の闇献金が認定された(中略)。ちなみに、判決要旨内の「小沢事務所は談合を前提とする公共工事の本命業者の選定に強い影響力があり、影響力を背景に公共工事の受注を希望する企業に多額の献金を行わせていた」についても、水谷建設が幹事会社になれなかったことと矛盾しているという指摘もある。

(中略)

石川議員女性秘書取調べ問題

週刊朝日は 2010年2月12日号で「子ども“人質”に女性秘書『恫喝』10時間」という記事が掲載された。それによると、1月26日に東京地検特捜部が石川の女性秘書を事情聴取に呼び出したが、10時間もの取調べに及んだことや幼い子供と連絡を取れないまま、圧迫質問を受け続けて難聴になったという内容になっている。
東京地検は事実無根として同誌の山口一臣編集長あてに抗議文を送ったことを明らかにした。検察当局が捜査関連記事で出版元に抗議するのは異例である。

 私が全部が全部を読めているわけじゃないとは言え、知らなかったおかしい点もたくさんあります。

 先の産経新聞の見出しなんかも見ていると、やっぱ主要メディアが熱心に報道しなかったせいかなぁ?と邪推してしまいます。


●小沢裁判 無罪と控訴がないことが確定 ただし、日刊ゲンダイの中で 2012/3/28

 日刊ゲンダイの中で、小沢一郎さんに関する裁判で無罪はもちろん、今後控訴がないことが確定したようです。


 来月26日、民主党の小沢元代表に下される判決は、誰の目から見ても「無罪」が確実視されている。気がかりなのは、検察官役の指定弁護士が判決を不服として控訴するのかどうかだ。
 仮に控訴審が開かれれば、小沢は再び不毛な裁判闘争に縛られてしまう。「判決確定」を条件とした無期限の党員資格停止処分も解除されない。検察官役の大室俊三弁護士は結審後の会見で「控訴審も指定弁護士を続けるか? 『やらざるを得ない』『もういいよ』の両方の気持ちがある」と語り、曖昧な態度に終始していた。
 1審判決後も、小沢は座敷牢に幽閉され続けるのか。
 刑事裁判に強い弁護士は「指定弁護士サイドは、とっくに控訴断念のシグナルを裁判所に送っていますよ」と、こう指摘する。
「カギを握るのは、元秘書3人の供述調書について大半が証拠採用を却下された後の対応です。元秘書たちが『報告・了承』を認めた供述調書は、小沢氏の関与を示す唯一の直接証拠でした。ところが、指定弁護士側は地裁の判断に『不当だ』とする異議を一切、申し立てていません。大善文男裁判長に『違法、不当な取り調べが組織的に行われた』とまで踏み込まれたにもかかわらず、です」
 控訴審に持ち込むには、「1審判決は裁判長の不当な判断で歪められた」と上級審に訴えるのが常套手段だ。
 その布石として、1審では裁判所のあらゆる決定に、公判中から「異議」を挟んでおくのが、刑事裁判の不文律である。
「元秘書3人の裁判では、東京地裁の登石郁朗裁判長が多くの供述調書の証拠採用を退けると、すかさず検察側は異議を申し立て、控訴審への布石を打っていました。今回の指定弁護士側の対応は、すでに“白旗”を揚げたも同然です。これ以上、新証拠を示して立証するのも困難だし、“もう、控訴はあきらめた”というサインなのです」(前出の弁護士)

小沢裁判「控訴ナシ」(日刊ゲンダイ 2012年3月15日)

 放射能問題の扇動や痛烈な政権批判なんかは耳に心地よいかもしれませんが、基本いい加減な日刊ゲンダイです。「刑事裁判に強い弁護士」ってのも本当なの?と思いますが、まあ、今回はそれなりに理由を用意してきました。

 今回以前の記事を探していたら、この日刊ゲンダイに朝日新聞がいい加減だと笑われていました。


 笑っちゃうのが、朝日新聞だ。小沢裁判の初公判の直前、昨年10月5日の紙面で、「共謀認定 調書の採用がカギ」と報じていた。それはそれで朝日風の理屈が通っていたが、その調書が採用されないことが決まった17日の夕刊でどう報じるのかと見ていたら、「調書以外の証拠 カギに」とやっていた。口をアングリだ。
 自分たちで「調書採用がカギ」と主張してきたのだから、少しはまともな新聞なら、「もう、こんな裁判続ける意味ナシ」と公訴棄却を語る見識があってもいいのに、めめしい。

おいおい大丈夫なのか朝日新聞(日刊ゲンダイ 2012年2月18日)

 以前、書きましたけど、朝日新聞は小沢憎しでは一貫性があったみたいで褒めなくちゃならないでしょうか?

 でも、まあ、日刊ゲンダイの言うとおり。わざわざ比較しやすいタイトルまで提供してくれていますし、感情は一貫性あっても論理がめちゃくちゃですね。

 この裁判はみんなめちゃくちゃで、もう一つ日刊ゲンダイで法廷でのウソも発覚! 小沢裁判 捏造検事「偽証罪」でも立件へ(日刊ゲンダイ 2012年3月15日)というものも。

 問題のウソは、田代検事が証人出廷した昨年12月の小沢裁判で飛び出した。弁護団から捜査報告書のデタラメを追及された田代検事は「石川議員の著書で言っていることが記憶にあり、混同して書いた」と証言。
 ところが、この発言にとんでもない矛盾があった。田代検事が報告書を作成したのは2010年5月。一方、記憶が混同したという「石川議員の著書」(2冊)が出版されたのは、その年の8月と12月。報告書を作成した時点では出版されていないため、記憶が混同するわけがないのだ。
 (中略)「田代検事が公判で供述する説明内容にも、深刻な疑いを生じさせるものと言わざるを得ない」と批判したのである。要するに“偽証”の疑いがあるということだ。
「田代検事は、市民団体から“虚偽有印公文書作成”の容疑で刑事告発されていますが、この先、偽証罪でも告発される可能性があります。裁判所も偽証の疑いに含みを持たせている以上、検察も無視はできないでしょう。何より、田代検事の証言がウソでないとするなら、今度は報告書の作成日が捏造されていたことになり、検察組織のダメージはさらに広がる。問題は、田代検事ひとりに罪をかぶせて、検察が組織ぐるみの関与を否定する可能性があることです。“虚偽有印公文書作成”に“偽証”も加えることで、法廷でウソをついた田代検事の個人犯罪にすり替えて、検察の捜査のやり方そのものへの批判をそらし、組織防衛を図るつもりじゃないか、とみられているのです」(司法ジャーナリスト)

 トカゲの尻尾切りですね。

 ただ、こうやって批判している日刊ゲンダイも小沢一郎裁判関連 西松建設事件でも虚偽のシナリオで紹介したとおり、小沢強制起訴“黒幕”は最高裁事務総局(2012年1月18日)では、小沢強制起訴を主導したのは検察ではなく最高裁だと決めつけて、「最高裁と検察が結託すれば、どんな人間でも塀の中に落とせてしまう」と言っていたんですから、どうかなぁ?とは思いますけどね。


●1審無罪の小沢裁判まさかの控訴 逆転有罪は望み薄なのに 2012/5/11


 私は小沢一郎さん本人に関しては容赦なくぼろっクソ書いていますけど、一連の裁判に関しては懐疑的でした。

 全部はリンクしませんけど、最近だと

  ■小沢裁判の問題点 江川紹子の指摘と検察の正義
  ■小沢一郎裁判関連 西松建設事件でも虚偽のシナリオ

 あたりで、古くは

  ■検察による政治介入の歴史(2009年05月31日、当時は一応別件で、秘書の問題が騒がれていたころ)

 が直接言及しなかったものの、検察が全部正しいと思うのは危険だよというメッセージのつもりでした。


 で、結局「無罪」の判決。

 これだけ書いてきたのだから一度言及した方が良いかな?と思ったのですけど、面倒くさくてかいていませんでした。

 しかし、まさかの控訴でもう一度触れておくことにしました。

小沢氏裁判 指定弁護士が控訴決定 5月9日 13時12分


みずからの政治資金を巡って強制的に起訴された民主党の小沢元代表に無罪の判決が言い渡されたことについて、検察官役の指定弁護士は、控訴することを決めました。
小沢元代表の裁判は2審の東京高等裁判所で改めて審理されることになります。

民主党の小沢一郎元代表(69)は、収支報告書にうその記載をしたとして、検察審査会の議決によって強制的に起訴され、東京地方裁判所は先月26日、無罪を言い渡しました。
判決について、検察官役を務めた指定弁護士3人は、これまで複数回にわたって協議を重ねてきましたが、「報告と了承があったと認めながら無罪にした理由があいまいで、納得がいかない」といった意見が出る一方で、「控訴した場合に有罪になる可能性があるのか、証拠に基づいて慎重に判断すべきだ」という意見もあり、9日まで控訴するかどうか結論は出ませんでした。
そして、9日、3人で改めて協議した結果、控訴することを決めたということです。
指定弁護士は午後2時から記者会見し、控訴を決めた理由として「1審判決には見過ごしがたい事実誤認があり、修正可能だという判断から控訴することにした」と述べました。
小沢元代表の裁判は今後も続き、2審で改めて審理されることになります。


弁護団の1人“非常に遺憾”

指定弁護士が控訴することを決めたことについて、小沢元代表の弁護団の1人は、「検察の捜査と1審の裁判の中で事実関係は明らかになっており、新しい証拠もないなかで控訴したことは、刑事裁判の趣旨に反していて、非常に遺憾だ」と話しています。

 しかし、検察幹部ですら以下のようなことを言っているようです。


検察幹部“有罪は難しいのでは”

指定弁護士が控訴することを決めたことについて、検察幹部の1人は「そもそも検察が起訴できないと判断した事件であるうえ、1審判決が重視される傾向にあるなかで、2審で有罪にすることは難しいだろう」と話しています。
また、別の幹部は「率直に言って驚いている。1審で認められなかった小沢元代表と元秘書との共謀が、2審で認められるには、よほど強い証拠が必要になるが、そうした証拠が新たに出る可能性がほとんどないことを考えると、逆転で有罪判決が出るのは難しいと思う」と話しています。

 これ以上、恥を上塗りしてどうするというのでしょう?


 ところで、小沢裁判 無罪と控訴がないことが確定 ただし、日刊ゲンダイの中でで控訴がないと断言していた日刊ゲンダイはどうしているのかと記事を探してみました。


<まだ続く小沢暗黒裁判の茶番>

 東京地裁が先月下旬、無罪判決を出した小沢一郎・元民主党代表の裁判があろうことか、継続になった。検察官役の指定弁護士が9日、控訴を決めたのである。
 無罪判決後の会見で、大室俊三指定弁護士は「無罪になった人を被告の立場にとどめることにためらいがある」とか何とか言っていた。それでも高裁での審議を選んだ。共謀を示すような証拠もなく、ましてやゼネコンからの裏金も認められていない。それでもまだ裁判を続けるというのだ。常軌を逸した判断である。
 こんなバカバカしい裁判をいつまでやるのか、政治空白をどれだけ長引かせれば気が済むのか。クラクラするような決定だ。
 何度も言うが、この裁判は無意味だ。事件そのものがデッチ上げの謀略である。それなのに、大メディアは戦争中の大本営発表のタレ流しのごとく、権力サイドのリークに乗った。魔女狩りのような報道の中で、政権交代の立役者・小沢一郎は、その政治的活動を完全に封じ込められたのである。
 この事件、裁判に意味があるとすれば、21世紀の日本でそれが起こったことだ。この事実に戦慄する。それでも裁判継続というのだから、暗黒社会だ。

<最初から有罪ありきの謀略捜査>

 小沢は3月19日、地裁での最終の意見陳述でこう語った。
〈東京地検特捜部による本件強制捜査は、政権交代を目前に、野党第1党の代表である私を政治的、社会的に抹殺することが目的であり、それによって政権交代を阻止するためのものだったと考えられる〉〈政治資金規正法の制定以来、今に至るまで、報告書に間違いや不適切な記載があっても実質的犯罪を伴わない限り、検察のいう虚偽記載も含めて、例外なくすべて、報告書を修正することで処理されてきた〉〈私のケースだけを強制捜査、立件したことは恣意的な法の執行だ〉〈前田元検事はこの法廷で『これは特捜部と小沢の全面戦争だ。小沢を挙げられなかったら特捜部の負けだ』と言われたと証言した〉〈推定無罪どころか最初から有罪ありきの捜査、立件だ〉
 その上で小沢は、この事件については検察が証拠裁判主義にのっとって、2度不起訴にしたこと。それなのに不当・違法な捜査で得た供述調書と報告書を東京第5検察審査会に提出、「起訴議決」へ強力に誘導したことを指摘した。
 被告の言い分をそのまま書くのか、と言われそうだが、小沢が指摘したことはすべて、事実だ。検察はグーの音も出ないはずだ。

控訴決定 小沢謀略裁判継続(2012年5月9日)

 日刊ゲンダイは嘘が多く、小沢さんにベタベタなんですけど、この件に関してはある程度同意します。

 社民党の福島党首ですら、

「この控訴は問題だ。日本では無罪判決が極めて少ない。1審で、日本では貴重な無罪判決が出たということは尊重されるべきだった」

 と述べ、疑問を呈しています。(社民・福島党首「この控訴は問題だ」(2012年5月10日09時22分 読売新聞)より)

 以前も書きましたけど、本来なら左派の人こそ小沢裁判に疑問を持たなくてはいけません。こんなおかしい裁判は最近じゃ珍しいですよ。


 関連
  ■死刑が執行されたが、冤罪、誤判の可能性がある事件 ~藤本事件~
  ■死刑判決を受けたが、誤判が認定された冤罪事件1 ~免田事件、松山事件~
  ■推定無罪とは
  ■小沢一郎は過去の人、影響力に陰り、報道する価値はない?
  ■小沢一郎裁判関連 西松建設事件でも虚偽のシナリオ
  ■その他の政治(時事)について書いた記事

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