古市憲寿さんと落合陽一さんの話をまとめ。<斬新すぎる!「日本再興戦略」で落合陽一氏「士農工商を復活せよ」>、<ホワイトカラーは序列が低い・カースト制度も幸福に繋がると主張>、<学者なのに勉強不足…そもそも「士農工商」について誤解している?>などをまとめています。
その後、<古市憲寿と落合陽一「延命治療を打ち切って医療費削減」で炎上>、<共通点は差別思想?過去にブス差別・ハーフ差別・女性差別・身分差別>などを追記しました。
2023/02/28追記:
●経済学者の成田悠輔氏「高齢者は集団自決すればいい」繰り返す 【NEW】
●「老害は集団自決」と言いつつ老害批判ある麻生太郎氏は称賛 【NEW】
●「集団自決はたとえじゃない」→批判され「たとえだから」と弁解 【NEW】
●斬新すぎる!「日本再興戦略」で落合陽一氏「士農工商を復活せよ」
2018/12/09:落合陽一さんは、
Wikipediaによると、東京大学大学院学際情報学府 博士課程修了 (早期修了)で、筑波大学 図書館情報メディア系 准教授などをしています。日本の研究者、大学教員、博士(学際情報学)、メディアアーティスト、実業家とされていました。
「現代の魔法使い」という異名でも知られています。「魔法使い」はあまり良くない意味でも使われることがありますが、これは用法を見ていると良い意味での形容のようです。
ただ、個人的にはトンデモっぽい学者さんだなぁと、以前からちょっと気になっていた方。取り上げたことはなかったものの、今回知った「士農工商を復活せよ」という主張はさすがにすごいなと思ったので、1つ紹介しておくことに。
このことは多くのサイトの書評で取り上げられていますし、また批判的ではなく、すごい!という形での紹介が主流です。例えば、
【書評】落合陽一氏の日本再興戦略が良書すぎるのでレビュー。若い人は必ず読むべき2018年必読の書 | それのすけのそれがちな雑記道では、「一番おもしろいアイデア」として好意的に紹介されていました。
・士農工商のヒエラルキーな社会をもう一度
・百姓のように100の生業を持って多様な仕事を持つ生き方
●落合陽一定義では、現代の士農工商の士は政治家や官僚
別のサイトでによると、「士農工商という順序はよくできて」おり、「コンピュータ時代にも価値を持ちうるようなとてもいい並び」だとしていました。現代の士農工商は以下の通り。
士 政策決定者、産業創造者、官僚
農 一般生産、一般業務従事者
工 アーティストや専門家
商 金融商品や会計を扱うビジネスパーソン
「この士農工商のモデルは、これからの時代にも合っています。一周回って士農工商の考え方が時代の最先端になってきているのです」とのことでした。
(
落合陽一氏の『日本再興戦略」再読 現代版士農工商 : のとみいの日記より)
●ホワイトカラーは序列が低い・カースト制度も幸福に繋がると主張
士農工商だけでなく、カースト制度も評価しています。"なぜカーストが幸福につながるのかと言うと、カーストがあると職業選択の自由はない反面、ある意味の安定は得られるからです"と書いていたそうです。
(
落合陽一 「日本再興戦略」書評・感想 | ヤマダカワウソは人間ではないより)
ここでは、士農工商で最も低い地位にあるのが「商」であり、ホワイトカラーだとの説明も。なぜホワイトカラーの序列が低いのかと言うと、「商」は基本的に生産に関わらないからだとのこと。
"今のままでは士農工商の客の商工農士になってしまいます。商なんて本来価値を生み出していないと思った方がいいのです"とも、書籍にはあったようです。
●古市憲寿氏の理系版という好意的な評価
あと、検索していて笑っちゃったのが、古市憲寿氏の理系版という好意的な評価があったこと。古市憲寿さんって、胡散臭いトンデモ学者の代表例だと思うのですけど、二人を支持する層は重なりがあるのかもしれませんね。
<古市憲寿が理系になったような軽快な口調>
<面白いのは著者はテクノロジーなどの分野のエキスパートだと思っていたのですが、
社会学者のような視点を持ち合わせている点です。
古市憲寿さんのような軽快なテンポで日本社会について語ります>
(
【書評】落合陽一日本再興戦略(落合陽一/NewsPicks Book)より)
ここでは、"ものづくりにたいするリスペクトを取り戻すべき(中略)。そのためにも、江戸時代の身分制度「士農工商」を復活させたらよい"といった感じで、士農工商の話が出ていました。
利益を出すことを蔑んでいるのかもしれず、ひょっとしたらそれでも良いのかもしれませんけど、
日本の製造業は労働生産性の低い仕事ばかり 国も海外委託を推奨、工場国内回帰信仰は間違いだったで書いているように、従来型のものづくりは労働生産性が低く、先進国向きではありません。先進国で利益を確保するために、人件費を下げようとすると、今度はブラックになり、日本には向かない産業だと考えられます。
●カースト制度には、差別はあるけど良いところはある?
その他、本当に学者さんなの?という思うところがいくつか。例えば、カースト制度を信者さんらは「差別はあるけど良いところはある」という理解でしたが、差別がある時点で大問題。「差別はあるけど良いところはある」が通用するなら、多くの差別がOKになってしまいます。
カースト制度のデメリットも無視できないほど大きなものであり、「差別はあるけど良いところはある」というレベルではありません。中でも一番わかりやすそうなのが自殺問題。"現代インド、特に南部にて下級カースト出身者の自殺者数の増加要因になっている"とのことでした。
また、児童労働従事者やストリートチルドレンの大半は下級カースト出身者が圧倒的に多い一方、児童労働雇用者は上級カースト出身で、教育のある富裕層が大半である、と報告されるとのこと。児童買春も問題になっています。
これらの悲惨な被害に比べるといくぶんマシですけど、ヒンドゥー教徒の結婚は、未だに同じカーストか、近いカースト内での結婚が好ましいとされ、見合い結婚が多いという問題も。恋愛結婚・異カースト同士の結婚は増えつつあるとは言え、一部の大都市でしか未だ見ることができないそうです。
(
カースト - Wikipediaより)
●学者なのに勉強不足…そもそも「士農工商」について誤解している?
あと、最も変だなと思ったのが、「士農工商の復活」で使われた「士農工商」の理解。「復活」と言っているものの、「士農工商」はそもそも存在しなかった身分制度であるというのが定説になっているのです。明治時代の捏造、もしくは誤解だと現在ではわかっています。うちでは、
士農工商という身分制度はなかった 幕府は被差別部落を作ってないなどで書いています。
この話をすると、「江戸時代は差別がない理想的な時代だった」「被差別部落問題を存在しなかった」という主張だと、なぜか勘違いする人がいるんですけど、もちろんそういう意味ではありませんよ。(被差別部落問題の方は実際怪しいところがあるのですけど)
町人・農民らは士農工商などという身分制度を意識していなかったし、江戸幕府も武士もそのような理解はしていませんでした。公的な文書なども出していませんし、当時の人口統計を見ても士農工商のような区分はなし。武士が上という理解はあっても、農工商で分けたり、平民の中で階級付けしたりはしていなかったようなのです。
士農工商の理解というこの1点だけでも、落合陽一さんはもうあれですね…。
●古市憲寿と落合陽一「延命治療を打ち切って医療費削減」で炎上
2020/05/20:上記のように、落合陽一さんと古市憲寿さんという組み合わせは、信者的な方が好意的に似ている!としていたのを取り上げたものでした。しかし、このおふたりが対談していたと今頃知りました。対談するから近い考えとは限りないものの、近いところがあると思わせる話です。
また、この対談がこれまたトンデモだ!と批判されたものだったみたいですね。この件は、どこがまとまっているか?と見ると、リテラですが、
古市憲寿と落合陽一「高齢者の終末医療をうち切れ」論で曝け出した差別性と無知! 背後に財務省の入れ知恵が|LITERA/リテラ(2019.01.01 04:12)が丁寧でした。
<二人がとんでもない発言をして、批判を浴びているのをご存知だろうか。古市と落合は、「文學界」(文藝春秋)2019年1月号で「『平成』が終わり、『魔法元年』が始まる」と題する対談を行ったのだが、このなかで、終末期医療、特に最後の1カ月の医療は金の無駄だ、社会保障費削減のためにやめたほうがいい、と主張したのだ>
古市〈日本が民主主義国家である以上、社会保障費を大幅にカットできるかな。個人的にはかなり悲観的なんだけど〉
落合〈背に腹はかえられないから削ろうという動きは出てますよね。(中略)〉
古市〈財務省の友だちと、社会保障費について細かく検討したことがあるんだけど、別に高齢者の医療費を全部削る必要はないらしい。お金がかかっているのは終末期医療、特に最後の一ヶ月。だから、高齢者に「十年早く死んでくれ」と言うわけじゃなくて、「最後の一ヶ月間の延命治療はやめませんか?」と提案すればいい。(中略)順番を追って説明すれば大したことない話のはずなんだけど、なかなか話が前に進まない〉
落合〈終末期医療の延命治療を保険適用外にするだけで話が終わるような気もするんですけどね。たとえば、災害時のトリアージで、黒いタグをつけられると治療してもらえないでしょう。それと同じようにあといくばくかで死んでしまうほど重度の段階になった人も同様に考える、治療をしてもらえない――というのはさすがに問題なので、保険の対象外にすれば解決するんじゃないか。延命治療をして欲しい人は自分でお金を払えばいいし、子供世代が延命を望むなら子供世代が払えばいい。こういう議論はされてきましたよね〉
古市〈自費で払えない人は、もう治療してもらえないっていうことだ。それ、論理的にはわかるんだけど、この国で実現できると思う?〉
落合〈災害時に関してはもうご納得いただいているわけだから、国がそう決めてしまえば実現できそうな気もするけれど。今の政権は強そうだし〉
●さも詳しそうな口ぶりで話しているが…実はデタラメで事実と違う
古市さんは「最後の一ヶ月」としているものの、この余命1ヶ月の予想はかなり難しく非現実的でしょう。この古市さんの方がネットでは叩かれていましたが、「延命治療は全部金持ちだけ」という落合さんの方が実は過激かもしれません。記事では、トリアージ発言もひどすぎと言われていました。
<落合もひどい。「災害時のトリアージの黒タグと同じ」「災害時に関してはみんな納得しているから終末期医療の早期打ち切りも実現できる」などと言っているが、大事故・災害など多数の患者がいる現場で治療の優先度を選別するトリアージの黒タグが示すのは「すでに死亡」「気道確保をしても呼吸がない」など明らかに救命や蘇生が不可能な状態だ。それと、終末期の患者とをいっしょにするなんていうのは、頭がどうかしているとしか思えない>
なお、「お金がかかっているのは終末期医療、特に最後の一ケ月」という説がそもそも嘘くさいとのこと。「日本医事新報」2013年3月9日号「深層を読む・真相を解く(21)」で、日本福祉大学の二木立・前学長が死亡前医療費についての検証していますが、以下のようにかなり違う内容。他の論文を見ても否定できそうでした。
<論文によると、健康保険組合連合会「平成23年度 高額レセプト上位の概要」にある1000万円以上の月額医療費がかかった179件のうち、その月に死亡したケースはわずか15件(8.4%)。高額医療費の年齢分布も、もっとも多かったのは0~9歳の61件で、次は10~19歳の30件、未成年が全体の半数(50.8%)の91件を占め、60~74歳はわずか13件(7.3%)に過ぎなかったという>
●長谷川豊氏が大炎上した「人工透析患者は殺せ」発言と大差ない主張
このように言っていることが根拠がないデタラメであるがために、<ようするに、古市も落合も、えらそーなのは態度と口調だけで、語っている中身はペラッペラ><そこらへんのおっさんが居酒屋で語っている政治談義以下>と一刀両断されていました。これは否定できませんね。
また、記事では、長谷川豊さんが大炎上した「人工透析患者は殺せ」発言や、杉田水脈衆院議員の「生産性がない」発言、そして相模原障がい者殺傷事件の植松聖被告と、同根の発想ではないかともしていました。このうち最初のふたりは右派で、落合さんも「今の政権は強そう」と好意的でなおかつ安倍首相と近い幻冬舎から出版していたのが気になってしまいました。右派的な発想ですよね。
ここらへんで気になるのは、おふたりとも「財務省の友だちと検討した」「議員さんや官僚の方々とよく話している」などと自慢げに語っていたこと。過去に麻生太郎財務相が似た発言をしていたことも指摘されています。現政権と近くて、手駒としてうまく利用されている可能性についても記事では指摘していました。
●共通点は差別思想?過去にブス差別・ハーフ差別・女性差別・身分差別
あと、記事では、おふたりの差別性についてもかなり言及。古市さんは過去のブス差別発言やハーフ差別発言という例を挙げていました。もともと古市さんはかなり性格的にはひどいですよね。ただ、驚いたのが、落合さんが『日本再興戦略』で例の差別カースト制度肯定論以外にも、男女平等にケチをつけていたという話。知りませんでしたわ。
〈平等という点で、日本人に合わないのは「男女平等」です。日本ほど男女差別がある国は珍しいと思います。男女が合コンに行ったり、飲み会に行ったりすると、当たり前のように男性のほうが女性より多く払いますが、あれは性意識の平等感に反します。〉
〈日本人は、同じ仕事をしたら、公平にお金を払うということには敏感です。しかし、飲み会では男性が女性より多く払う。これは平等意識が低いからです〉
私も飲み会で男性の方が多く支払うというのは変だと思います。ただし、日本ではそもそも賃金の男女平等が全然実現していません。日本は男女の収入格差が大きい国であり、その圧倒的な賃金格差が先にある話ではないかと思われます。両方の問題を解決していこう!という話でしたら理解できるのですけど…。
●古市憲寿氏が税金の無駄遣いアベノマスクをエクストリーム擁護
2021/12/31追記:古市憲寿さんの方での追記。やっぱり右派なんだろうなという感じの、右派が大好きな安倍首相がやったアベノマスクへの擁護があったんですよ。発言時点でもうすでに無理がありすぎな擁護だったのですが、その後、アベノマスクの不良品率が驚異の15%であったことが判明して、追い打ちで説得力ゼロになっています。
<フジテレビ系「めざまし8」は28日放送で、新型コロナウイルス対策で昨年、政府が配布した“アベノマスク”が、8200万枚使われずに保管されており、その保管料に年間6億円かかっている問題を扱った。(中略)
SPキャスターとして出演した社会学者の古市憲寿氏は「マスクは備蓄できるもの。次のパンデミックがいつ起きるか分からない。当時、批判もあったけど結局、マスクはほしかった。だったら次のパンデミックのために一定数備蓄しておくのは必要じゃないかなと思う」とコメントした>
(古市憲寿氏 アベノマスク保管に6億円に「次のために一定数の備蓄は必要」 10/28(木) 9:30配信 デイリースポーツより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8766cdd1d169ea6e9cc242812cc81750cbbae6b4
はてなブックマークの人気コメント
<右発言してるアカウント見てると同じように「次の感染のための備蓄」だの「当時は啓蒙の意味があった」「マスクの価格を抑制させるため」みたいな歴史改竄後付けエクストリーム擁護が炸裂しまくりでクラクラする>
<無理筋の擁護って自分で思いつこうとすると結構頭使うから、誰かが書いた擁護文をあたかも自分が思いついたかのように投稿しちゃうし、みんな観測範囲狭いし被ってるから表現にバリエーションが生まれない>
<不織布のマスクやN95マスクならわからなくもないけど、あの感染防止性能の低い布マスクを備蓄しておく意味があるとはとても思えない>
<使えねえもの備蓄してどうすんだよ…相変わらず口先だけ。権力擁護って基本的にバックレたら済む強者なんで説得力は要らないんだよな。倉庫業者が保管料が異常に割高と指摘してたり、問題点は多々あるのだが>
ヤフーニュースのコメントでも1番人気は<当の自民議員たちですら全く使わない、自画自賛していた当時の総理すら見捨てて不織布マスクに浮気したような品を備蓄する必要性は全くありません>とのコメント。また、「またあのちっさいマスク配られても使わない人がほとんど」といったコメントがありました。
古市憲寿さんも「もうちょっと(サイズが)大きかったらよかった。もうちょっとデザインがステキとかね」と玉にキズ的にコメントしていたのですが、実を言うと、マスクの大きさというのはむしろ最優先に大事なことの一つ。サイズが合わないマスクだと効果が相当落ちるんですよ。セットで言っていたデザインとは比較できないほどの重要事項なのです。
マスクをものすごい推している研究者の人が、アベノマスクの一つについても検証していたのですが、サイズが小さすぎるためになんと100%ウイルスを通してしまうという無残な結果に。マスク推し推しの研究者ですら、おすすめできない検証結果になってしまいました。これを擁護するというのは相当難しいですね…。
●経済学者の成田悠輔氏「高齢者は集団自決すればいい」繰り返す
2023/02/28追記:古市憲寿さんの話でも落合陽一さんの話でもないのですが、学者だという人の「高齢者を殺せ」発言があったので追記。古市憲寿さんとはワイドナショー出演者という共通点も。ワイドナショーでは右派系御用学者で統一教会擁護の三浦瑠麗さんもいますし、番組出演学者に特定のカラーがあるんでしょうか。
今回話題になった学者さんは、イェール大助教授で経済学者だという成田悠輔さん(38)。
成田悠輔氏、物議醸す「高齢者は集団自決」発言は持論だった メタファーと説明も...「老害化」社会防ぐ「最強のクールジャパン政策」と直言: J-CAST ニュース(2023年01月12日)などの記事で取り上げられています。
21年12月のABEMA Prime
「僕はもう唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局高齢者の集団自決、集団切腹みたいなものではないかと...」
「やっぱり人間って引き際が重要だと思うんですよ。別に物理的な切腹だけでなくてもよくて、社会的な切腹でもよくて、過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤーで多すぎるというのが、この国の明らかな問題」
19年2月開催の「G1サミット2019」の社会保障改革に関するパネルディスカッション
「集団自決みたいなことをするのがいいんじゃないか。特に集団切腹みたいなものがするのがいいんじゃないか」
「『江戸中期にあって、もう華々しく戦場で死ぬこともできなくなった、サラリーマン化した武士たちに対して、死ぬに値する大義と目的をでっち上げてみたらどうか』という挑発だと捉えることもできるのではないか」
「ここにいらっしゃる皆さんのような傑出したエリート、リーダーの方が次々と切腹をするような日本社会になったら、ただの社会保障政策であるだけではなくて、最強のクールジャパン政策にもなるはずで、世界に再び日本のプレゼンスを発揮する良い方法なのではないか」
●「老害は集団自決」と言いつつ老害批判ある麻生太郎氏は称賛
こうした優生思想的な主張、高齢者は殺せ的は右派系に多いということは、過去の数々の発言から明らかです。とはいえ、成田悠輔さんはどういう人なのかわからないと思っていて読んでいたら、日本で最も「老害」と叩かれることが多い人の一人である麻生太郎さんを評価していて笑いました。ダブスタがわかりやすい方です。
22年1月NewsPicks(ニューズピックス)
「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」
「誰しも『周りに必要とされてない感』をガンガン出されると辛いものだと思うので、少し世代交代につながるのではないか」
「安楽死の解禁とか、将来的にあり得る話としては安楽死の強制みたいな話も議論に出てくると思う」
「そういう問題、今の日本社会は見て見ぬふりをし続けていて、それに簡単に言及できるのは麻生太郎さんみたいな、ちょっと宇宙人系の人だけ...という感じになっていると思う。そういうものを、もっと直接的に議論できるような状況、雰囲気を作ろう、というのが言いたい」
●「集団自決はたとえじゃない」→批判され「たとえだから」と弁解
発言に賛同する人も少なからずいるのですが、そういう人に残念なお知らせがあります。成田悠輔さんの発言がブレブレなんですよ。今回批判を受けて「メタファー(たとえ、比喩、隠喩)だから」と弁解しているのですが、以前、「集団自決はたとえじゃない」とカッコよく断言しており、信念もないことが確認できるのです。
・22年元旦に配信された2022年の元日、YouTubeチャンネル「日経テレ東経済学」での生配信
《(集団自決は)まったくメタファーではなくて、三島由紀夫とかリアルにそういうことをやって、しかもそれが日本人の死に様の1つの象徴みたいな感じで。国内外でも結構受け入れられていて、『カッコいい』ってことに三島由紀夫は今でもなっている訳じゃないですか。普通にファッションとして、『ハラキリ』は成立するんじゃないかと思っているんですよね》
・『ニューヨーク・タイムズ』に批判されて
<成田氏は『ニューヨーク・タイムズ』の取材に対して、(中略)
《『集団切腹』『集団自決』という表現は『抽象的な比喩』であるが、潜在的なネガティブな意味合いについて、もっと注意深くあるべきだった》とし、《反省して、昨年からこの言葉を使うのをやめた》と答えている>
https://news.infoseek.co.jp/article/jprime_26964/
なお、これを報じた記事は、<“集団自決”発言で世界で炎上中の成田悠輔氏を「今後も起用」制作側が使い続けたいウラ事情>(週刊女性PRIME / 2023年2月22日 11時30分)というタイトル。テレビ局としては、過激発言で話題になるので使い続けたいといった話でした。テレビに出る学者はこうやって逆選択が起きるんですよね…。
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