Appendix

広告

Entries

東電が倒産しない一方で、電気料金値上げで倒産する企業が出る


 過去の記事のまとめ直しですので、また古い話でかつまとまりない話ですが、今日は日本でも世界でも嫌われている東電セットです。


 あっ、「世界でも」と書いたのにはちゃんと理由があります。これは再掲載じゃないですが、東京電力「世界最悪企業賞」最有力-原発事故でサムソンなどと争う(2012年1月13日 オルタナ)によると、以下のとおりです。

CSR(企業の社会的責任)や環境保全の観点から世界で最も無責任な企業を選ぶ「パブリック・アイ・アワード(the Public Eye Awards)」(通称:世界最悪企業賞)の候補に東京電力がノミネートされ、話題になっている。

スイスを拠点とするNGOベルン・デクラレーションとNGOグリーンピースが選出しているもので、ネット投票も受け付けている。

(中略)

「パブリック・アイ・アワード」は2000年の選考開始以来、環境汚染、情報隠ぺいや労働搾取など、企業の社会的責任の観点から「最も責任感に欠ける」行動をとった企業を選出してきた。

今年度の候補とノミネート理由は以下の通り。

◆東京電力(日本):リスクについての盲信が福島第一原発のメルトダウンを招いた。コストを削減するため、原発の構造的な安全問題を無視した。メルトダウンと放射能汚染は防げたかもしれない。情報開示も常に遅かったし、虚偽の情報もあった。東電社内には隠蔽とごまかしの体質がある。

 そんな世界的な東電の罪な話です。


 最近になって値上げの話が具体的になっていますが、まず昨年8月23日の話。

 東電、ひっそり値上げ(日経ビジネスオンライン 要登録)では、


 「東電の現行プラン『業務用季節別時間帯別電力2型』が廃止となり『業務用季節別時間帯別電力』に変更になりました」――。

 これは東京電力の営業マンが、ある中堅企業の総務担当者に送ったメールの抜粋だ。文書には、経営環境の悪化が理由との説明がある。この企業は、料金プランの変更により、月額で3%弱の電気料金の値上げとなった。

 ということがありました。

 しかし、

2型を廃止したわけではないのに、切り替えてもらうための理由づけとして冒頭のように「廃止」と説明しているケースもある。

 ということで、それは完全に詐欺ではないでしょうか?


 また、電気料金原価、6千億円高く見積もり 東電、10年間で(朝日新聞 2011/9/29)では、

"東京電力の電気料金算定のもとになる見積もり(燃料費などを除く)が、実際にかかった費用よりも、過去10年間で計約6千億円高いことが、政府の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」の調査でわかった"

" 自由化されていない家庭用の電気料金は、電力会社が今後1年間にかかる人件費や燃料費、修繕費などの原価を見積もり、一定の利益を上乗せして決める。

 報告書案によると、過去10年で計6186億円分、見積もりが実績を上回っていた。大きな原因として修繕費を挙げ、1割ほど過大とした。報告書案は「経営効率化によるものというよりも、そもそも届け出時の原価が適正ではなかったと推察される」と指摘した"

 ともあります。企業だから儲けを出すものですが、これも詐欺的な行いと言って良いものです。


 指摘されていないものの、私がここで気になったのは、今まで政府は承認していたのも問題では?ということです。

 とりあえず、当時は

"この書き方だとわかりませんが、10年より前は調べたんでしょうか?ここ10年以外もそうですし、東電以外にしても、上乗せしている可能性はあると思います"

 と書いて、他の記事も読んでみました。


 東京電力:経営調査委、料金構造の見直し表明 「コストに無駄」(毎日新聞 2011/9/7)という、朝日新聞より前の記事では、

"調査委は1998年以降の東電の料金の算出根拠を精査した結果、複数の費用の項目で、予測した価格を実際の価格が下回っている項目が見つかったという。下河辺委員長は会見で「こんなものまで原価に計上すべきか、というものも無いわけではない」と述べ、東電の料金が高止まりしている可能性を指摘。電力会社は、燃料費や人件費など発送電にかかる原価を料金に転嫁できる「総括原価方式」を採用しているが、コストに無駄があると見て、改善を促す"

 としており、こっちだと1998年以降って書いています。

 これって、その後どうなったんでしょうね?冒頭に書いたように、電気代は値上げという話になっています。


 電気料金については東電合理化策 着実な被害救済に役立てよ (読売新聞 2011.10.03)の記事もそうですが、読売新聞らしく、

"調査委は原発が再稼働せず、電力料金を据え置くと、東電が約2兆円の債務超過に陥るという試算も示した。東電に賠償を続けさせるためにも、安全性を確認できた原発の再稼働を急ぐべきだ"

 としています。

 さらに私が気になったのは、以下の部分。


"損害賠償の支払いで原子力損害賠償支援機構の公的援助を受ける以上、徹底した合理化努力は当然である。 とはいえ、民間企業である東電の財務体力には限界がある。

 調査委は当面必要な賠償額について約4・5兆円と見積もった。事故収束や原子炉の廃炉などの追加費用も見込まれる。自助努力だけで賄えないことは明らかだ。

 東電への公的資本注入などを含む、抜本的な経営強化策を検討する必要があろう"

"経産相は東電の取引銀行に債権放棄を求めるなど、厳しい姿勢が目立つ。認定の可否は厳正に判断すべきだが、賠償金の支払いに支障が出ないよう、十分留意してもらいたい"


 公的資金なら取り返すことも可能でしょうけど、本来なら潰れている会社。仕事があるだけマシなんだから、もっと削って良いと思います。

 私は何度か書いているように、電気代が上がる要素だらけであるのは事実ですので、それ自体は仕方ないと思います。ただ、それは東電の儲けを削った上での話です。

 東証一部の会社なんだからとか言ってる人もいますけど、それはもう過去の話であり、いろいろな面で一流の会社じゃないんですから、給料もそれに見合ったものにせねばなりません。


 で、残りは最初タイトルにしようと思った「海外からの賠償に備える東電倒産論」です。


 2011年9月2日の野田政権は東電破綻処理を急げ――このままでは日本は中国やロシアからの巨額賠償請求の餌食になる(要登録 ダイヤモンド・オンライン 岸 博幸)では、「海外からの巨額の損害賠償に国としてどう対処するか」という点に着目しており、間接的に国民の資産を海外に奪われる危険があるという指摘です。

 考えられる対処法の一つは、「東電にも国にも原発事故の責任はないとすること」だが、「特に原発事故で深刻な被害を受けている福島県民の心情を慮れば、いくら国を守るためとは言え、東電に事故の責任なしと政府が判断を翻すのは現実には困難」であるとしています。

 もう一つは、「東電を無理に延命させず、事実上債務超過なのだから淡々と破綻処理」し、「“事故の損害賠償”ではなく“被災者への支援”として政府が肩代わりして十分な金額を支払う」というわけで、これが海外からの賠償に備える東電倒産論となっています。


 同じような視点の記事に日経ビジネスオンラインの東電“延命”のコストとリスク(要登録 安西 巧 2011年10月13日)があります。

 まず、途中までは国内仕様の倒産論です。

 なぜ、そうまでして東電を擁護するのか。政府関係者などからは、東電を破綻処理すると「電力供給に支障が生じる」「日本の社債市場が混乱する」といった反対論が聞こえてくる。しかし、こうした主張にはまったく合理性が感じられない。

 まず、東電が会社更生法などに基づく法的処理をした場合、発送電がストップするのかというと、そんなことはない。裁判所が選任する管財人の下で、業務を継続できる。昨年1月に会社更生法の適用を申請した日本航空のように、資材調達などで政府保証を駆使すれば、日常業務は粛々と進むはずだ。一部には、会社更生法は期間が限定され、被害確定まで時間がかかる今回の東電の原発事故には使いづらいとの指摘があるが、既存法の適用が難しければ、改正するか、もしくは新たに「東電処理再生法」といった新法をつくればよい。この国難に際して既存法に難点があって使えないというのは説得力に乏しい。そこで議論が停滞するならば、何のために立法機関が存在するのか。手段がないから目的が達成できないというのは怠慢以外の何物でもない。

 社債市場については、すでに3月の大震災以降、電力債の起債は止まっている。確かに、「混乱している」といえるかもしれないが、それで産業界や日本経済に著しく悪影響を及ぼしているかというと、まったくそんなことはない。(中略)

 これとは別に、東電債が通常債権より返済を優先させる「一般担保付き債権」であり、東電を法的処理すると、「社債保有者への弁済が先になり、原発事故の被災者に賠償金を支払えなくなる」という反論もあった。なんのことはない、国が賠償責任を引き受ければ解決する話だ。(中略)

 社債市場や株式市場ではむしろ、事実上破綻している東電を生かしていることによる弊害の方が深刻な問題になりつつある。東電に対する「政府支援の仕組み」が明らかになった5月頃から、米ウォール・ストリート・ジャーナルなど海外メディアでは「支援機構は社会主義的政策」といった批判記事が掲載されている。自立能力を失い淘汰されるべき企業が政府の支援によって市場にとどまり、政治家の言動などで信用力が乱高下するような事態こそ、海外投資家にとっては不透明この上ないことは容易に想像できる。

 東電がつぶれているのかつぶれていないのか、わからない状況は解決を長引かせるだけでなく、事態を一段と悪化させる可能性も高い。例えば、第三者調査委の報告書でも言及された東電の企業年金削減問題。(中略)厚生労働省によると、資産超過など破綻が認定されない状況では、OBの年金を減らした事例はないという(10月8日付読売新聞朝刊)。東電が支援機構から資本注入を受け資産超過が続く限り、年金に手を付けられないとなると、国民負担で東電の年金制度を支えるというおかしな構図が出来上がってしまう。

 これはすっかり忘れていましたが、後に書いた

  ■アメリカン航空は計画倒産!?競争力向上には破産がおすすめ と 日本航空(JAL)への影響
  ■倒産して良かったJAL(日本航空)とANA(全日空)のウォルマート式LCC

 で出てきたストーリーです。やっぱり企業の更生に「倒産」は、効果抜群なようです。


 そして、後半に「海外からの賠償に備える東電倒産論」が来ます。

 法的処理を勧める理由はもうひとつある。日本は原発事故発生によって外国から損害賠償請求された場合の国際条約に加盟していない。条約があれば、賠償限度額の設定や裁判管轄権を自国に限定することで法外な賠償金支払いなどを防げる。福島第1原発からは放射性物質が拡散しており、海洋汚染や漁業被害で外国から訴訟を起こされる可能性は否定できない。万一、外国の裁判所で東電が巨額の賠償金支払いを命じられた場合、支援機構によって東電が延命していれば、その負担まで国民が負わされることになりかねない。

 株式会社の最大の利点は有限責任。株主は出資額を超えて責任を問われることはない。だが、東電に公的資金が注入されれば、放射性物質の拡散や節電で多大な迷惑を被っている国民自身が無理矢理さらなる負担を強いられる。東電を延命させるコストとリスクは、時間とともに膨らんでいく一方なのだ。


 これらの記事の時期から時間が経ち、幸い海外からの賠償の話はないものの、東電の倒産論もどっか行ってしまいました。

 そして、「東電 倒産」で真っ先に出てくる記事が、東京電力が料金値上げを強行 連鎖倒産の可能性も(リアルライブ 2012年01月19日 11時45分)です。

 東京電力・西沢俊夫社長が1月17日、会見を開き、4月から大口の事業者向け電気料金の値上げを強行することを発表した。値上げ幅は平均で約17%。電気料金は燃料価格が上昇すると、自動的に値上げされるが、単価を改定する本格的な値上げは、80年以来32年ぶり。この値上げに関しては、「人件費削減等の自助努力が足りない」等の意見も根強くある。

 東電では原発停止による電力需要の落ち込みを、火力発電の増加でカバーしており、天然ガス(LNG)の調達拡大で燃料費がアップしており、それを補うためというのが値上げの言い訳。

(中略)

 ここで気になるのは、我々の国民生活に直結するスーパーなどの中小事業者の電気料金値上げだ。スーパーではこれまでより、コスト増となり、当然経営に響いてくる。モノを作る側の大手メーカーが、価格に転嫁してくるケースも出てくるだろう。そうなれば、国民の負担増となる。

 また、スーパー側がコスト増の自己負担を避けるため、弱い立場の卸業者に負担を強いるケースも出てくるだろう。卸業者がさらに立場の弱い中小零細のメーカーに負担を強いるケースもあるだろう。そうなると、零細のメーカーや卸業者が立ち行かなくなる懸念もある。最悪、電気料金の値上げで、これらが連鎖倒産していく危惧もはらんでいるといえよう。

 これを読んで倒産する企業が間違っているだろうと思いましたが、きっとその感想には世界中の人が同意してくれることでしょう。


 関連
  ■アメリカン航空は計画倒産!?競争力向上には破産がおすすめ と 日本航空(JAL)への影響
  ■倒産して良かったJAL(日本航空)とANA(全日空)のウォルマート式LCC
  ■東京電力の夏と冬のボーナスの支給額 ~大王製紙、オリンパス、JALの場合は?~
  ■東電パーティ券購入議員上位10人 ~麻生太郎、石破茂、枝野幸男ら~
  ■東京電力株を持っている政治家ベスト10
  ■その他の企業などについて書いた記事

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由