最初の投稿時は<大麻、マリファナ 合法化で交通事故防止論とオランダでの規制強化>というタイトルで、麻薬・覚醒剤関係のニュースの詰め合わせだったページです。大麻先進国なイメージのオランダでは逆に規制強化の動きがある…という話が一番おもしろかったですね。
その後、メリットに関連するアメリカの事例として、<大麻で経済活性化だ!アメリカがで予想外の大麻合法化のメリット>、<アメリカの理論は通用しない…日本の大麻合法化では話が違う理由>を追加。また、キノコ系のドラッグである、マジックマッシュルームの話も今度いっしょにまとめたいと思っています。
●白い粉とストロー所持で逮捕も「覚醒剤じゃなかった」と謝罪
2012/1/24:まずは
白い粉、覚醒剤じゃなかった 福岡県警が誤認逮捕(朝日新聞 2012年1月18日2時32分)という妙ちくりんなニュースからどうぞ。逮捕した
<薬物銃器対策課によると、17日午前2時15分ごろ、北九州市小倉北区日明3丁目の国道199号で、センターライン近くに乗用車が止まっていると近くの交番に届け出があった。小倉北署員が調べると、男性が車内で寝ており、車内からチャック付きポリ袋に入った白い粉末0.6グラムが見つかった。
署員が試薬で簡易鑑定すると、陽性を示す青紫色に変化した。男性は「覚醒剤ではない」と訴えたが、車内からストロー片も見つかり、覚醒剤所持の疑いで現行犯逮捕した。だが、県警科学捜査研究所で正式な鑑定をしたところ、覚醒剤でないと分かった。県警は男性を同日午後1時ごろ釈放し、経緯を説明して謝罪したという>
不自然極まりないですね。ストローまであるなんて、捕まって騙すいたずら?それとも、あらかじめダミーを用意していたとか?妙な話ですね。
2017/04/23追記:今にして思うと、これ、危険ドラッグの走りみたいなものかもしれませんね。当初は合法ドラッグなどとも言われていて、非合法であるとはっきりと取り締まられていませんでした。そういえば、うちではこの後、
脱法ハーブ吸引後自動車事故の男性を逮捕…も釈放・謝罪 大麻と間違えたためという話も書いていましたわ。
●奇想天外な大麻合法化のメリット、交通事故防止説まで登場
2012/1/24:あとは古いもの。リンクも切れているユタ州バス事故、運転手の三国被告に有罪判決 (読売新聞、http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110806-OYT1T00278.htm)を読んだときに、三国さんは乗務の前にマリフアナを吸引していたとありました。はっきり書いていなかったんですが、それが事故を誘発したってことですかね?
それが気になっていたのですが、今パッと検索すると、マリファナの使用はアルコールと同じく交通事故の主要な原因となっているという主張もあった一方で、逆にほとんど影響ないという主張もありました。それどころか、
「マリファナを合法化すれば交通事故による死亡者が減る」って……ほんとですか!?(ロケットニュース 2011年12月8日)というのも今発見。
<くれぐれも誤解しないで頂きたいが、マリファナを吸ってハイになった状態で車を運転するのは最悪のアイデアだ。そう断った上で、この調査が主張するのは「酔っ払った状態で車を運転することは、マリファナでハイになった状態で運転するよりもずっと危険である」ということである。
経済学者ダニエル・リース氏とマーク・アンダーソン氏は医療用マリファナが合法化されている州における交通事故による死亡者数を調査したところ、マリファナを合法化した州では、合法化によって交通事故の死亡者数が約9パーセント低下したとのこと。
その理由について、ドラッグ使用と健康に関する研究結果など、数々の研究データを元に調査した後に至った結論は「マリファナはアルコールの代わりになるため、飲酒運転が減り、その結果飲酒運転による事故が減る」というものだ>
でも、まあ、飲酒運転したり、マリファナ吸って運転したりしようとする人自体を減らす方が、より根本的なような? 酒やマリファナ飲んで運転する人は、もうこれ以上減らせないってことなんですかね…。
●教祖に裏切られた!ドラッグ推進派の拠り所オランダでは規制強化へ
こういったドラッグはソフトなものとして、オランダでは容認されており、これは大麻合法派の推進力の一つになっていました。しかし、昨年
オランダで大麻規制強化、「コーヒーショップ」は困惑 (ロイター 2001年 10月 11日)というニュースが入ってきました。
<大麻などの「ソフトドラッグ」の規制が欧州で最も緩やかなオランダで、大麻の販売規制強化が発表されたことを受けて、大麻の売買場所として容認されている各「コーヒーショップ」が対応に追われている。
オランダ政府は7日、通称「スカンク(skunk)」などの向精神作用の強い大麻製品をヘロインやコカインと同じ「ハードドラッグ」として禁止する方針を発表。向精神作用があるとみられる物質「THC」を15%以上含む大麻の販売は違法行為として禁止される>
実はオランダにおいても、マリファナが良いものだと思われているわけではないようです。以前の
オランダの麻薬とカリギュラ効果で紹介したものでは、そんなのを吸う奴は「負け犬」だと書かれており、むしろ蔑まされた存在なのかもしれません。
オランダの薬物政策(Wikipedia)では以下のようにあり、麻薬を勧めるわけではなく、仕方なく…といった感じです。
これらは現実に即した実用主義的な政策だ、とオランダ政府は主張する。
大麻などのソフトドラッグ使用者が多いオランダでは、ソフトドラッグを完全追放できないと考える。これを禁止法で抑えつければ、ソフトドラッグがハードドラッグと同じ闇市場に出回る結果、ソフトドラッグ使用者がハードドラッグ使用に走る機会を増し、薬物による害を増やすことになる。
これよりは、行政がしっかり管理できる施設にのみ一定条件下でソフトドラッグ販売を許可し、ソフトドラッグ市場とハードドラッグ市場を完全に分離し、ハードドラッグが入ってこないようにソフトドラッグ市場を限定して厳格に管理したほうが薬物による害は少なくなる(ハーム・リダクション)、との考えである。
他国の大部分も、薬物は社会にとって有害であると考えるが、オランダとは反対に(ソフトドラッグを含め)薬物を追放する政策を取っている。従って、他国とオランダの薬物政策が異なるため、摩擦が生じている。特に近隣のフランスやドイツとの摩擦が顕著である。2004年現在で、隣国ベルギーでは、オランダモデルに近づいているように見受けられる。ならびに、少数のドイツ地方議員がオランダモデルに基づく試みを提唱している。スイスにおいて、オランダモデルに追従するか否かの議会の長く激しい討論が持たれたが、2004年にこれを行わないことが決定した。現在の所スイスにおいて、住民投票における質問が準備されている。 |
このやり方自体は、一つの選択肢としてアリかな?と思えます。しかし、ソフトドラッグという概念を作り出して、それに基づいた政策を進めてきたオランダが変化するってのは、大きいかもしれませんね。オランダの政策の前後の変化、その政策を取らない国で必ずハードドラッグの被害が深刻なのか?という点も気になります。
●大麻で経済活性化だ!アメリカがで予想外の大麻合法化のメリット
2017/04/23:別の大麻合法化のメリットについて、
ルポ・大麻を合法化したデンバーの今 WEDGE Infinity(ウェッジ)(2017年4月22日 土方細秩子 (ジャーナリスト))から。は2012年、大麻合法化の住民投票で賛成多数となった米コロラド州で、大麻ビジネスが盛んなデンバーを訪れています。
大麻を売っている人は、大麻ビジネスは州経済にどのような影響があるかと聞くと「州の税収が増え、学校や福祉などにも予算が回るようになった。非常に良い結果をもたらしている」と主張。税収ではなく売上の変化ですが、最初に大麻が合法化された2014年の売り上げは6億9920万ドル、15年は9億9620万ドル、そして昨年16年は13億1315万ドル、と順調に増加中です。
税率は1種類でないために計算ができないものの、最も多いのは15%の課税。これを単純に13億1315万ドルにかけた場合は、1億9700万ドルが税収。日本円にして214億円ですから確かにでかいです。
また、「なるほど、盲点だった」と思ったのが、合法とすることで大麻取り締まりのための司法費用がかからないということ。大麻取り調べのために警察を動員し、裁判費用、拘置費用などを費やすというのは費用が大きいため、非合法の州であっても罰金を簡易化する方向に進んでいるそうです。
それから、コロラドの場合、合法化によって大麻目的の観光客が増え、観光収入も増えているとのこと。ただ、これは他の州の動向によって左右されるものです。アメリカでは合法化の流れがありますし、他の州で合法化が増えるにつれて、観光客による経済活性化効果は次第に減っていくものと思われます。
記事では一応デメリットも触れていましたが、それほど大きくはないといった感じ。なので、ちょっと偏っていないだろうか?と不安になるところがありました。一番目を引くデメリットとしては、クッキーやキャンディの形態をした大麻製品を子供が誤食してしまい、病院に運ばれる、という騒ぎが特にコロラド州で頻繁に起きているということですね。
また、合法化することで、反社会的勢力がドラッグで稼ぐ機会を失わせる…といったことでもない模様。結局、合法化しても、闇の資金源となる可能性があるようです。他州から比較的安い大麻を大量に買い付け、非合法である州での地下ビジネスに繋げる向きがあることも指摘されているとのことでした。
●アメリカの理論は通用しない…日本の大麻合法化では話が違う理由
ところで、日本での大麻合法化は、他の国といっしょにならないところがあるのではないかと思います。日本では現在そもそも大麻を吸う人がほとんどおらず、アメリカやオランダなどで合法化の理由のひとつとなった、現状追認的に許可するという理由がないためです。
禁酒法に関して、非現実的だし、粗悪な違法アルコールが出回るから健康面でも危険みたいな批判があります。ところが、イスラム教の多い国では、お酒がマジでないって国が結構あるのです。おそらく最初からお酒の楽しみを知らずお酒に依存していない国であれば、別に禁酒法は非現実的なものではないのだと考えられます。
同様に大麻やその他の薬物にが普及していない日本で、無理して大麻を解禁する必要性は感じられません。アメリカなどであったメリットのひとつがないというだけでなく、せっかく海外と比べて大麻やその他の薬物に汚染されていない日本に、わざわざ大麻を普及させるきっかけを作るというのは余計なことのような気がします。
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