宝くじの話をまとめ。<日本の宝くじの売上額は減少中 賞金アップでも効果はイマイチ>、<1等賞金を減らせば宝くじが売れるようになる?奇策が提案される>、<研究結果を応用すると逆になる 対策は当選者をむしろ減らすこと?>などをまとめています。
2番めに追記
2022/08/30追記:
●宝くじは復活する?ジャンボくじの売上が前年より伸びた理由 【NEW】
●日本の宝くじの売上額は減少中 賞金アップでも効果はイマイチ
2012/1/27:2012年1月22日に、
宝くじ賞金引き上げへ!1等前後賞で10億円超えも( 06:00 スポーツニッポン)という記事が出ていました。
内容は、宝くじ1枚当たりの金額の100万倍までと定められている1等賞金の上限を250万倍に引き上げる方針を決めたため、年末ジャンボなど1枚300円のくじの場合は、上限が3億円から7億5000万円にアップすること、前後賞を合わせれば最高10億円を超える賞金が実現する可能性があることなどでした。
当時は準備期間が必要なので「“10億円”宝くじの発売は13年度以降になる見通し」とされていましたが、10億円へのアップは実際にはもっと後になりました。1等と前後賞合わせた賞金額が10億円に引き上げられたのは、2015年だったようです。
この10億円引き上げの話は、
年末ジャンボふるわず 宝くじ売上額、2年ぶり減 - 産経ニュース(2017.5.29 20:04)にありました。2015年度に「年末ジャンボ」の賞金をアップしたにも関わらず、2016年度の宝くじの売上額は7.7%減少の8452億円で、2年ぶりの減少と。最初の記事では、「売り上げは09年度以降、1兆円を割り込んでおり」とあったので、以前はもっともっと売れていたようです。
5種類あるジャンボくじ全体は、11・5%減の3746億円。このうち年末ジャンボの売上額が半分近くを占めているのですが、これが13・5%減と、ふるわなかったそうです。「年末ジャンボ」は前述の通り、10億円に引き上げたものだったのですが、担当者は「2年目で目新しさが薄れた」とみています。2015年は引き上げに反応したものの1年しか持たず、効果は限定的だったようです。
この記事は宝くじの売上減を残念そうに書いていたものの、後に
宝くじは貧乏人が自主的に払う税金・貧乏税 日本では本当に財源に)で書いたように、宝くじのようなものは貧しい人ほど買う上に控除率が高いので、貧しい人がさらに貧しくなる商品です。
また、
宝くじに当たった人のその後の話 ~身を滅ぼした人~という話をやっているように、宝くじを買ってトラブルになり、不幸になってしまうという事例も多くあります。なので、宝くじの売上増が望ましいとは、言いづらいところがあります。
●宝くじは復活する?ジャンボくじの売上が前年より伸びた理由
2022/08/30追記:間に最近の宝くじの売上の話を追記。
宝くじ21年度売上額0・3%減 「ロト7」が不振 | 共同通信 ニュース | 沖縄タイムス+プラス(2022年6月14日)ということで、2021年の宝くじの売上は微減で済みました。ただし、特殊事情があってのこの微減であり、実態はもっと悪そうだったんですよね…。
<宝くじの2021年度の売上額は、前年度比0・3%減の8133億円だったことが14日、総務省のまとめで分かった。5種類あるジャンボくじのうち「バレンタイン」「ドリーム」「ハロウィン」の3種類が伸びた一方、数字選択式の「ロト7」などが不振だった>
ロト7は、当せん者が出ず次回に繰り越す「キャリーオーバー」の回数が少なく、購入控えがあったとみられます。一方、主力であるジャンボくじの売上額は、5種類の合計が前年度比1・2%増の3079億円。新型コロナウイルス感染拡大で、窓口販売の停止などの影響があった20年度に比べ、販売環境が改善したといいます。
ということで、新型コロナウイルス問題による窓口販売停止があった前年からの反動があっても微減でした。実態はもっと悪いと考えられ、実質的には微減では済まない減り方だと考えられます。実際、ネットで検索した宝くじの販売推移を見ると、長期的にはっきりした減少傾向が見えました。まだまだ減りそうです。
●海外の宝くじから見ると10億円は大したことない
2012/1/27:2012年のスポーツニッポンの記事では、賞金アップを検討しているのは宝くじだけではないことも伝えていました。
まず、当時の数字。数字選択式宝くじ「ロト6」で最高4億円(キャリーオーバー発生時)、Jリーグの試合結果を予想する「ビッグ」で最高6億円(同)でした。このうち、「ロト6」の上限も200万倍から500万倍にする方針で、こちらも実現すれば最高10億円でした。
ただ、少しくらい増えたところで海外勢には全く歯が立たないというのも事実。記事では海外の宝くじも載っていました。
【世界の高額宝くじ】=レートは当時
▼317億円 6つの数字を選択する米国の「メガミリオンズ」で07年、ジョージア州のトラック運転手が3億9000万ドルをゲット。宝くじの当せん金としては世界最高とされる。この宝くじは昨年1月にも約315億円の大当たり。
▼170億円 09年、スペインのマドリードで販売された宝くじが欧州史上最高額の当せん金1億2600万ユーロを記録。7600万分の1の確率だった。
▼79億円 欧州9カ国で販売されている宝くじ「ユーロ・ミリオンズ」で、英グロスターシャーの40歳代カップルが10年、5600万ポンドを引き当てる。英国史上最高。2人とも仕事を辞め、子供3人と旅行に出た。
▼手違いで39億円 イタリアの数字選択式宝くじで、南部ナポリの雑貨店が誤って同じ番号を2回販売。この番号が約3590万ユーロの巨額当せんとなった。当せんは両方とも有効になった。
でも、先に書いたような宝くじの負の側面を知ってしまうと、宝くじの上限金額が大きいことが良いことだとは言えそうにありません。
●1等賞金を減らせば宝くじが売れるようになる?奇策が提案される
2018/08/02:
宝くじの売上げが減少。打開策は「1等賞金を減らすこと?」(2017.6.5)という記事がありました。2017年6月5日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」の「現場にアタック」では、以下のような声が出ていたとのこと。
「他に興味があるものが増えてきたのではないのか。昔の一攫千金みたいな魅力が、いまの人には無いのかも。大きい額を当てたいという人もいるけど、僕はもうちょっと下げてもいいと思う。一本100万円くらい。損しないみたいなイメージだったら広がるのでは?」
損しないはずがなく、損をするの間違いないで、「損しないみたいなイメージ」ってのはちょっと無理があるでしょう。ただ、一応発想としてはおもしろいかなと思います。
とりあえず、一般的には、当選金額が高いほど、売上が増えるはずです。研究がないかと検索しても見つからなかったものの、前述の通り、宝くじでも値上げしたときに一時的に上がりました。基本的には、上げた方が良いと思われます。
しかし、1等金額の上昇は法的な問題がある上に、BIGなど他の宝くじ的なものとの競争があり、難しいです。なので、棲み分けを狙って、違う魅力を出すというのはちょっとおもしろいですね。ニッチを狙う戦略です。
●研究結果を応用すると逆になる 対策は当選者をむしろ減らすこと?
ただし、記事では、2016年度からの取り組みで、普通のジャンボ宝くじに加えて、1等1000万円が1000本ある「年末ジャンボプチ」という宝くじを新たに始め、当選確率を上げるような工夫を行っていました。しかしそれでも、売り上げは増えていないのが現状だとのことです。
さっきの意見は実を言うとこの失敗を受けた提案で、さらに金額を下げて当選者を増やすというものでした。しかし、同じ方向性でうまくいっていないのに、さらに推し進めるというのは、ちょっと解せない考えですね。素直に考えると、「一本100万円くらい」が成功する可能性は低そうに見えます。
なお、意外なことに、豪華賞品のみが当たる懸賞と比べて、豪華賞品以外にも外れても副賞がつく懸賞の方が魅力が減るんだそうです。これはちゃんと研究で裏付けがありました。副賞がない場合、当選者数で見ると減るわけですけど、むしろそっちの方が応募者が多くなるんですね。ラジオで出ていた意見と全く逆方向の結果です。
(関連:
iPhoneが売れる理由?選択肢を与えないというアップルの売り方)
懸賞商品と宝くじでは異なっており、そのまま通用するかはわかりません。ただ、この研究結果を素直に応用するならば、1等以外のすべての賞、前後賞や少額当選をなくしてしまうといった売り方になりそうです。まあ、前述の通り、個人的には宝くじは売れない方が良いと思っているんですけど…。
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