Appendix

広告

Entries

スポティファイのビジネスモデルの収益性と違法コピー撲滅効果


 以前数記事読んだもので使っていなかったもの。今日はスポティファイのビジネスモデルの収益性と違法コピー撲滅効果に絞った内容です。

  ■iチューンズキラーSpotify(スポティファイ)とは? ~日本でのサービスはまだ~
  ■アップル、スポティファイ(spotify)の音楽クラウドサービス、日本では違法か合法か?
  ■スポティファイとアップルiTunesのサービスの決定的な違い


 まず、収益性。

 「さよならスポティファイ」で違法コピーが再び氾濫?音楽配信の無料サービス“半減”に不満続出(要登録 日経ビジネスオンライン大竹 剛 2011年4月27日)には、無料で聞ける時間が20時間から半分の10時間に減ったことを伝えた記事です。

 その中で、

 スポティファイは、この無料サービスを戦略上重視してきた。まずは無料でサービスを体験してもらえば、徐々に有料会員へと誘導できると期待していたからだ。しかし、多くのユーザーは無料サービスを使い続けている。

 というものがありました。

 しかし、多くの方が勘違いされていると思うものの、有料ユーザーは必ずしも多ければ良いというものではありません。

 と言うのも無料にしているのは客集めのためであり、興味が僅かな人にも興味を持ってもらい有料ユーザー獲得の機会をできる限り増やしたいからです。

 ですから、一見良いように見える有料ユーザーが100%に近いサービスというのは、実は「無料なら使いたい」というユーザーを集めることに失敗しているわけで、収益を最大化できていないと言えます。

 もちろん少なすぎてもダメなのは当然ですから、そのサービスごとに異なる最適な割合を目指すというのが正解です。


2/7追記:ちょっと論理が不十分かな?と思って、無料をやめる場合を追加します。

 無料サービスの負担が大きすぎる場合は、このモデルは向きません。サーバ代が高すぎる、スポティファイのケースだと著作権の支払いが大きすぎるといった場合です。

 これはそもそもコストが低くて済むサービスにしか使えない方法であり、リアルの世界ではなかなかお目にかかれないやり方です。

(試供品提供などは近い概念かな?回収方法が全然違いますが、無料提供して他で稼ぐやり方だと携帯電話などがあります。有料席の他に無料席がある見世物というのが、リアルの例では一番適切でしょうか?ただし、客席は無限でなく有限ですので、すべて有料にする方が儲かります。やはりスポティファイの概念とは少し異なるでしょう)

 あと、スポティファイスタイルをしていても、途中から無料をなくす場合があります。これは純粋に採算が合わなかった、最初は宣伝期間と位置づけていた、有料であることでプレミアム感を出すためなどを考えてみました。

 無料のものを何かうさんくさいと疑ってかかる人も多いですから、最後の理由は結構大事な気がします。


 さて、記事にあるスポティファイの場合ですが、

スポティファイ側としては、広告収入だけで著作権料の支払いを賄うことは難しく、依然として大きな赤字を垂れ流していると見られている。スポティファイは、楽曲データをユーザーがコピーできないクラウド型サービスである。

 とありますので、先に出てきた無料と有料のユーザーの割合が最適でないのか、もしくはそもそもビジネスモデルに無理があったかです。


 ただ、このサービス自体は間違いなく魅力的であり、ユーザーが強く求めているサービスであることは明らかだと言えそうです。

 これは以前のものを読んでいただければわかるのですが、前回も引用したものを少しだけ再度紹介します。

 プレミアム会員である記者自身の感覚に照らせば、確かに月間9.99ポンドは安くはない。それでも、パソコンだけではなく、iPhone(以前はノキアのスマートフォン)でもスポティファイを使いたいから、プレミアム会員を続けてきた。必ずしもヘビーユーザーではないため、クレジットカードの請求書を見て、「あぁ、今月はあまり使わなかったな」と少し悔しい思いをすることもある。

 ただ、確かに音楽を聞く時には非常に便利だ。「iTunesキラー」と呼ばれるだけあり、実際、パソコンやiPhoneでアップルのiTunesをほとんど使わなくなってしまった。その最大の理由は、スポティファイでは、iTunesのようにCDから音楽を取り込むという面倒な作業をしなくて済むことと、ダウンロードする場合も「1曲いくら」と気にすることなく、少しでも気になった曲を気楽に検索して聞けるようになったことだ。

 日々の使い方を振り返ると、通勤やランニングの時には、iPhoneにインストールしたスポティファイで音楽を聞いている。自宅では、そのiPhone をオーディオ機器に接続し、スポティファイで音楽を流している。「CDを買うほど興味はないが、もう1~2回聞いてみたい」、「テレビで最近よく見かけるあのアーチストは、ほかにどんな曲を歌っているのだろうか」と気になった時など、ふとしたきっかけであれこれ曲を検索して楽しんでいる。


 ところで、このスポティファイは「違法コピー撲滅効果」も強調されているようです。

スポティファイは、楽曲データをユーザーがコピーできないクラウド型サービスである。同社はこの点を強調し、広告収入に支えられた合法の無料サービスが普及すれば、不法コピーの撲滅にも効果があるとして、レコード会社を説得してきた経緯がある。

 ということで、スポティファイ自身もこの点を強調していました。

 また、ユーザーのコメントからも、以下のとおりそれを察することができます。

 「さようなら、スポティファイ。知り合えてよかった。また違法音楽コピーの世界に戻ることにするよ」
 「文句を言うのはやめろよ。タダで何でもゲットできるわけじゃないんだから」

 4月14日、欧州でクラウド型音楽配信サービスとして注目を集めてきた「スポティファイ」が、サービス内容の変更を発表した。それに対し、ユーザーの間で論争が巻き起こっている。ダニエル・エクCEO(最高経営責任者)が同社のブログに掲載した発表文には、6日間で約6000件(この記事の執筆時点)のコメントが寄せられた。その中身は賛否両論で、冒頭のコメントは発表直後に掲載されたものだ。

 だが、同社サイトに寄せられているコメントには、サービス内容変更に否定的な意見が多いように見える。その多くは、「無料だから使っていた」というものだ。現在も、インターネットには非合法に無料で音楽を楽しめる手段が氾濫している。こうした状況で、ユーザーに月額料金を払ってもらう音楽配信の事業モデルは、同社が当初想定した以上にハードルが高いのかもしれない。


 同様の指摘はポティファイとフェイスブックが提携してアップル社に対抗!?~クラウド型音楽サービスの近未来は?(2011年5月27日 ITmedia 山口哲一)にも見えます。

 この作者は「私は音楽プロデューサーとして、また日本音楽制作者連盟の理事としても、新しい時代の音楽ビジネスとなるクラウド型のストリーミングサービスを推進していきたいと思っています」と宣言していますが、違法コピーに関しては以下のように書いています。

●違法配信サイトやYouTubeでの音楽試聴に対抗できる

  音楽が、デジタルデータになってしまった時点で、違法配信を完全に無くすことは原理的に不可能です。音質は劣化せず、コピーも容易です。「わざわざ違法配信を使う必要が無い」サービスを提供するのが、一番の対抗策です。スポティファイは、違法配信サイト対策に効果を示しています。

  YouTubeでの利用も同様です。YouTubeそのものは、違法ではありませんが、音楽の権利者に対する報酬システムは不十分です。現実には検索すれば、多くの曲が聴けてしまいます。(後略)

 「わざわざ違法配信を使う必要が無い」とありましたが、違法コピーより極めて便利かつ簡単な合法サービスがあれば、ライトなユーザーはそちらを選びます。

 パソコンに詳しくてかつ無制限に無料で聞きたいという人の違法行為は防げないので、完全な撲滅とは行きませんけど、被害額を抑えるという効果があるというのは理にかなっています。


 上記の記事は作者が音楽プロデューサーであるゆえか、他にも優れた指摘があり、クラウド型の音楽ストリーミングサービスが広まることによる変化とメリットを以下のように挙げています。

 ●ユーザーに、変化に応じた音楽を楽しむ環境が提供できる

  スマートフォンやタブレットを持ち歩く人が増えて、ネットへの常時接続が当たり前になると、音楽の楽しみ方も変わります。音楽ファイルをダウンロードして「所有」する意味は無くなります。むしろ、ローカル(自分の所有のPCやスマートフォン)に、重いデータを持たされるのは、クラウド時代にはネガティブな行為です。

CD等のパッケージは、アーティストとのコミュニケーションの証し=「記念品」として、少なくとも日本では、かなりの期間で存続すると思います。

ダウンロードして音楽ファイルとしての所有は、二次創作に使う場合や特殊なデバイス向け(スマフォ以外の普通の携帯電話も含む)で再生するという特殊な用途に限定されていくでしょう。

普通に楽曲を聴いて楽しむという行為は、欲しい音楽がいつでも好きなだけ聴けるという「アクセスする権利を持つ」=クラウド型ストリーミングというサービスが主流になると思われます。


●新しい収益源とPR方法が期待できる

   スポティファイの月会費は欧州で1200 円です。(中略)日本でも、KDDIが同様のサービスを始めていますが、この月額会費でのクラウド型ストリーミングサービスが広がれば、レコード会社やアーティスト(事務所)等の権利者は、新たな収益源として期待できます。

(中略)

  また、スポティファイがFACEBOOKと緊密な関係を取り、本格的な提携も噂されるように、ソーシャルメディアと連携したサービスになれば、プレイリストの共有など、ユーザー相互のレコメンドの広がりなど、プロモーションについて、新たな手法が生まれることでしょう。アップルは既にPingでソーシャル的な動きを始めてます。


●楽曲権利者に再生回数に応じた透明な分配が可能

私は、今後の音楽業界は、原盤ビジネスをクラウド型ストリーミングサービスを中心に再構築すべきだと考えています。サービスでは楽曲の再生データが詳細に手に入りますの「聴かれた回数に応じて売上を分ける」ことが可能になります。この分野はJRC(ジャパンライツクリアランス)のノウハウが先行している印象ですが、JASRACやCPRA等、権利者団体もデジタル時代の徴収分配への準備は進んでいます。透明性の高い分配は、ユーザーからの支持を得るためにも必須です。

また、売れた枚数に応じての分配よりも、聴かれた回数の方が、ユーザーの支持が金銭に反映されていますせんか?(引用者注:ママ。「反映されていると思いませんか?」という問いかけか?)作品をつくった者としては、こちらの方が嬉しいですし、オリコンのシングルチャートよりもスポティファイの再生回数チャートの方が音楽の価値評価の指標としても、より正しい気がします。(後略)

 JASRACは非常に不公平感の強い配分だと言われますし、特に最後の指摘はおもしろいと思いました。


 こう考えると、本当スポティファイ型の音楽クラウドサービスは画期的ですね。

 まずユーザー側には、主に最初の方の記事で書いた「いつでも、どこでも」や、前回記事で書いた接する音楽の幅を広げる音楽ライフスタイルの大きな変化。

 そして、音楽の提供側であるレコード会社や楽曲権利者にとっても、新たな収益スタイルやユーザーとの接し方を提示されるわけです。


 関連
  ■スポティファイとアップルiTunesのサービスの決定的な違い
  ■iチューンズキラーSpotify(スポティファイ)とは? ~日本でのサービスはまだ~
  ■アップル、スポティファイ(spotify)の音楽クラウドサービス、日本では違法か合法か?
  ■スティーブ・ジョブズの名言、成功、優れた点
  ■スティーブ・ジョブズの性格1 社内編 ~偉大なる独裁者~
  ■スティーブ・ジョブズの「Stay foolish」の意味とヒッピー文化
  ■その他のインターネット、パソコンなどについて書いた記事

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

宝くじ高額当選者3000人のその後……10年後の彼らの生活は?
歴代首相の身長ランキング 背の高い、低い意外な総理大臣 野田佳彦・麻生太郎・鳩山由紀夫・小泉純一郎・安倍晋三など
日本で馴染みのある韓国系企業一覧
国別ノーベル賞受賞者数ランキング 日本は8位、上位はどこの国?
橋下徹大阪市長の出自 同和地区(被差別部落)と父・叔父と暴力団
意外に有名企業があるファブレス企業・メーカー 任天堂・ダイドードリンコ・やおきんなど
飛び降り自殺は意識を失うから痛みはない…は嘘 失敗した人の話
白元・鎌田真の経歴と派手な交友関係 神田うの,松本志のぶ,妻も美魔女など
楽天Edyはコンビニの公共料金の支払い(収納代行)に使える?
楽天Edyの使えるコンビニ・使えないコンビニ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
のれん代とのれん代の償却のわかりやすい説明
消滅可能性都市ランキングと一覧 1800市区町村中896自治体が危機
カルシウムの多い食材ランキングベスト20 牛乳以外に取れる食品
堀越二郎の妻は死んでないし菜穂子でもない モデルは堀辰雄の婚約者矢野綾子
創価学会、会長候補の正木正明氏左遷で谷川佳樹氏重用の理由は?
インチキで効果なし、活性水素水詐欺 誇大広告であるとして排除命令が出た商品も
高カロリー食品ランキングベスト20(100グラムあたり)
EPA、DHA(オメガ3脂肪酸)の魚油サプリ 効果なしどころか危険という説
リチウムイオン電池の寿命を長持ちさせるのは、使い切って満充電?継ぎ足し充電?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由