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三毛別羆事件の教訓 ~熊被害を防ぐには?~


 以前の三毛別羆事件 ~クマは怖い動物~に今でも頻繁にクマが見られるという話を書きましたが、北海道民にとっては人ごとじゃない話でもあります。

 で、そういった観点からWikipediaに載っていた「教訓」というのは是非紹介しようと思っていたのですけど、すっかり遅くなってしまいました。


 これは「事件の分析」という項目のところにありますけど、まず「原因」が先に書かれています。

原因

事件は、冬眠に失敗したいわゆる「穴持たず」が、空腹に凶暴性を増し引き起こした例と思われていた。しかしその後、同じケースの事件は発生しておらず、近年ではこの説には多くの疑問が呈されている。むしろ江戸時代後期から続く、鰊粕(ニシンを茹でてから油を搾り出し、搾り滓を乾燥・醗酵させたもの。高級な肥料として珍重されていた)製造用に薪を得るための森林伐採と、明治以降の内陸部開拓が相まって、野生動物と人間の活動範囲が重なった結果が引き起こした事件とも言及されている。

 三毛別羆事件 Wikipediaの削除部というのも紹介しましたが、ひょっとするとここも書き換えられた部分かもしれません。

 私はこの「冬眠に失敗した」説の印象が強く残っていましたので、以前は本文に組み込まれていたのかもと思ったのです。


 まあ、そんな話はどうでも良いのですが、冬眠に失敗した説は現在では支持されていないようです。

 そして、「野生動物と人間の活動範囲が重なった結果」となっているのですが、これは正直防ぐことが難しいです。

 三毛別羆事件 ~クマは怖い動物~で札幌の住宅街に現れたという話を書きましたけど、単に人間が自然を壊して進出したからでは解決しません。

 そもそも人間の生活範囲と自然の境界って何?と考えると、その線の確定自体が困難だと思いますが、もし仮に境界があるとすれば、それは必ずどこかに出現するために防ぐことはできません。

 人間の生活範囲が広がったから……と言ってみても、逆にそれを狭めれば「自然」の方がこちらに寄ってくるのですから、根本的な解決にはなりません。

 難しい問題だと思います。


 ということで、余計大切になってくるのが、教訓の方です。

教訓

この事件を記録した木村盛武は、なぜこれほどの大惨事となったのか分析している。最初に出没した際に手負いのままヒグマを撃ちもらしたことや、一般の農民が用いることなどまずない銃の手入れ不足が招いた不発の連続なども要因ではあるが、ここではヒグマの行動について特に言及する。


火を恐れない

事件発生後、村民は火を焚いてヒグマを避けようとしており、明景家に避難した人々や分教場に退避する際にたくさんの焚火が燃やされたことを記している。これらの行動は一般に言われる「野生動物は火を怖がる」という風説を信じたものだが、実際は太田・明景両家の襲撃に見られるように、ヒグマは灯火や焚火などに拒否反応を示すことはない。


執着心が強い

事件はこの定説を裏付けている。トウモロコシを何度も狙っている点や、以前に複数の女性を食い殺したヒグマが三毛別でも女性の衣類などに異常な執着を示している点からも確認できる。また、阿部マユを食害した際に食べ残しを雪に隠したこと、太田家に何度も出没したことなども同じヒグマの特性による。その一方で馬への被害は皆無だった。


逃げるものを追う

明景ヤヨらが九死に一生を得た理由は、ヒグマが逃げるオドに気を取られたためである。このように、たとえ捕食中であってもヒグマは逃避するものを反射的に追ってしまう傾向にある。


死んだふりは無意味

明景家の惨劇において、気絶し無防備に横たわる明景ヒサノと、結果的には助からなかったが胎児はヒグマに攻撃されなかった。これは、ヒグマが動かないものを襲わないというわけではなく、その時にただ単に他に食べ物があっただけと考えられる。


一度人間の味を覚えた個体は危険

一般に熊は人を恐れ、人を襲うのは突然人間と出会いその恐怖心からと言われている。それを防ぐためには鈴などを鳴らして人間の存在を事前に知らせ鉢合わせする機会を減らせばよいとの教訓が一般であるが、人間の無力さと人肉の味を知った熊の個体は人間を求めて繰り返し襲うことになる。従って鈴などは相手に餌のありかを知らせるようなことになり、かえって危険である。


なお、「火を恐れない」「執着心が強い」「動くものを追う」などの習性は、後年発生した「石狩沼田幌新事件」「福岡大学パーティー遭難事件」の加害ヒグマの行動としても確認されている。

 途中まで読んでいて書こうかなと思ったのですが、Wikipediaでも最後に書いていたとおり、他のクマの事件と共通点が見られる教訓です。


 「執着心が強い」ですが、特に食べ物に対する執着心は強いです。飼い犬などを見ていても思いますが、一度自分のものだと認識すると、強く執着します。

 三毛別羆事件 ~クマは怖い動物~で書いたように、結局失敗したものの、「犠牲者の遺体を餌にヒグマをおびき寄せる」作戦を行ったのは、「ヒグマには獲物を取り戻そうとする習性がある」という理解があったためです。

 逆にこれを理解していなかったため、一度奪われた荷物を持ち帰ることで事態を悪化させたと思われる事例もあります。


 「逃げるものを追う」「動くものを追う」も飼い犬や飼い猫を見ていて感じるところで、多くの動物に当てはまるものかもしれません。

 他のクマの事件においても、必死に山中を逃げているところを追いかけられるということがありました。

 どこかに書いたと思いますけど、クマは人間より足が早いそうですし、山中での競走となると、よりクマに有利でしょう。さらに夜など暗い中となると、クマ側が圧倒的に有利になると思われます。


 じゃあ、どうすりゃいいの?って話なのですが、Wikipediaのクマに何かないかと見てみます。

近年における問題

20世紀以降の現在では、冬ごもりのための食料を獲る時期の秋口を中心に、クマが人里へ下りて人間に危害を加えたり、農作物を食い荒らすなどの被害が多く報告されている。特に、山間部にクマの多く生息する地方では、こうした事例は一種の社会問題となっており、危険・有害動物として猟友会らによる駆除が行われている。これは、農村の過疎化などによって里山を人間が利用しなくなった結果、クマなどの野生動物と人間との緩衝地帯が失われたことが、大きな原因であると言えるが、その一方で以下に述べる植林が森の生態系に大きな問題を投げ掛けている。以前は、人間が熊と出会う場所は里山という緩衝地帯であったが、現在では里山も失われて人間のテリトリーではなくなったため、クマと人間はいきなり人里で対面することになってしまったのである。ニホンザルやニホンカモシカからの被害においても、同様の原因が指摘されている。

人の目に付かない山奥の山域は、太平洋戦争後に営林局が独立採算制であった時代、スギ・ヒノキといった単一の針葉樹が密生する人工林として整備された箇所が多い。こうした人工林はクマやシカなどにとってエサとなる木の実が実らないため、エサの確保に困った野生動物たちが、食料を求め人里近くまで降りて来ざるを得ない遠因ともなっている。またこういった人工林は日本国内産の材木需要が減少した1980年代以降に放置され荒れるに任された結果、1990~2000年代に台風などにより土砂崩れを起こすケースも発生、これが周辺山林にも悪影響を及ぼしていると見る関係者もいる。平成3年(1991年)の台風19号で中国地方の山林に被害がでた際に近隣山村へのクマを含む野生動物の出没が翌年・翌々年と報告され、こういった台風による山林荒廃説を裏付けるものとして扱われ、台風被害の大きかった年やその翌年以降には、山林が回復するまでの期間に、警戒を要することも報じられている。

こういった様々な問題にも拠り、全体としては減少している日本のツキノワグマの“種の保全”と、人に対して危害を与えうる動物としてのクマへの対処としての駆除を、いかにして整合性を持たせるかについては、現在もさまざまな議論が交わされている。

人間が襲われるときは、クマも恐れている。不意に遭遇した人間を外敵として見て防衛のために先制攻撃に出るのであって、人間狩りをするのではない。襲われないようにするには、実包の発射音やラジカセなど大きな音を出しながら存在を早期にクマに知らせることである。ただし、クマ狩りをすると北海道のヒグマなどは気配を消し待ち伏せするなどすることがある。  

 里山の定義がよくわかりませんけど、「里山を人間が利用しなくなった結果」とありますから、手を入れてクマの住まない地域を間に設けるってことですよね。

 緩衝地帯を設けるという発想は私にはなかったので、なるほどなと思いました。


 一方、クマと出会ったときの対策としては、先の話と矛盾する「大きな音を出しながら」があります。

 三毛別羆事件の場合は「一度人間の味を覚えた個体」という限定でしたが、こちらにも「ヒグマなどは気配を消し待ち伏せするなどすることがある」とあり、やはり良い対策とは言い難いようです。

 頭が痛い話ですね。


 関連
  ■三毛別羆事件 ~クマは怖い動物~
  ■三毛別羆事件 Wikipediaの削除部
  ■本当は怖い「森のくまさん」
  ■共食いはよくあること
  ■多子問題を共食いで解決する動物たち
  ■その他の動物・生物について書いた記事

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