2012/2/24:
●ゲームと犯罪に因果関係はある?研究者らによると…
●ゲーム規制は効果ある?暴力が減少したある意外な出来事
●ハーバード大が子どもに及ぼすゲームが影響を追跡調査した結果
●因果関係が逆?暴力的な人が暴力ゲームを好きなのは普通
●ゲームと犯罪に因果関係はある?研究者らによると…
2012/2/24:凶悪なあるいは猟奇的な犯罪が起きると、必ずと言っていいほど「暴力ゲーム」が槍玉に挙げられる…という中で、、イギリスのテレグラフ紙で「暴力ゲームは犯罪数を減少させる」というレポートに関する記事が掲載(オンライン版、2011年10月1日付)されたそうです。
このレポートは「暴力ゲームが暴力的犯罪に及ぼす影響の理解」というもの。欧州経済研究センターのベンジャミンさん、テキサスにあるベイラー大学のスコットさん、テキサス大学のミカエルさんらによって発表されたものみたいです。
彼らは「暴力ゲームと犯罪の間に関連性があるとは思えない」「ゲーマーたちは現実世界でそのような犯罪を起こすことよりプレイに忙しい」としていました。さらに以下のような話をしていました。
「現在までにおいて、暴力ゲームが人間に攻撃性をもたらすということは"研究室での実験"のなかでは立証されているものの、それらのゲームが(実際に)暴力や犯罪の原因になったという実証はない」
「" 研究室での実験"では、ゲームを長期間プレイした場合、つまり、プレーヤーがゲームをプレイすることに時間を費やし、(現実世界で)暴力的行為をおこなうような時間を失っている場合の調査ができていない以上、"研究室での実験"の結果で社会における暴力ゲームの影響を語るのは不充分なのではないか」
(
英紙「暴力ゲームは犯罪数を減少させる」というレポート結果を掲載2011年10月3日(月)19時10分配信 ニコニコニュース オリジナルより)
●ゲーム規制は効果ある?暴力が減少したある意外な出来事
「ゲームをプレイするのに忙しいため犯罪なんかやってられない」というのは、トンデモな説だと思うかもしれません。ただ、これ、現実に起こっていることなのかもしれないんですよ。
別記事であったアメリカのハーバード大学で実施されたという「ゲームと犯罪の関係」についての調査結果があります。これがより興味深いものでした。これは鈴木史朗アナウンサーの以下のような発言を取り上げたものです。
「アメリカでは、ゲームがはやったと同時に青少年の暴力や性犯罪が激減したんです。ゲームで消化できた、つまり代理できたんですね。現実には犯罪が減ったんですね。だからゲームのなかで戦うというのは、ものすごく解消しますよ」
ハーバード大学医学部の研究者は、1257人の子どもと500人の保護者に対するリサーチをもとに「暴力描写の多いゲームをやる子どもは暴力的になる」という世間の常識を否定する研究結果(『ゲームと犯罪と子どもたち』)を発表しており、どうもこのことを言っているようです。
(
「ゲームは犯罪を減少させる」 人気アナ鈴木史朗が説く「ゲームの効用」2011年1月9日(日)14時20分配信 ニコニコニュース オリジナルより)
●ハーバード大が子どもに及ぼすゲームが影響を追跡調査した結果
この
ゲームと犯罪と子どもたち ――ハーバード大学医学部の大規模調査より
は、アマゾンで以下のように紹介されています。
・米国政府から150万ドルの予算を受けて、ハーバード大学医学部の研究者たちが1257名の子ども、500名の保護者、数百名の業界関係者を科学的な手法で徹底調査。犯罪の原因をゲームに求めることで見のがしてしまう、多くの根源的な問題を浮き彫りにした。
・米国政府から150万ドルの予算措置を受け、多くの分野からハーバード大学医学部精神科に集められた研究者たちが、ゲームが子どもに及ぼす影響を2年にわたって詳細に検証。歪められたゲーム批判から、問題の本質を発掘する。「子どもの味方」をアピールしたい政治家、めざましい成果を発表して世論に迎合したい研究者、ドラマチックな見出しを求めるマスコミへの、実証的で痛烈な反論の書。
カスタマーレビューによると、本書では、「暴力的なゲーム・性的なゲームをするから暴力的になったり、性非行に走ったりするような単純な話ではない」と指摘しているとのこと。
また、センセーショナルな事件をことさらに取り上げ、相関関係を因果関係に誤解し、根拠なく反対・規制するのではなく、科学的にそれは本当か?ということを常に問い続ける姿勢が大事であると本書を通して学べたともしていました。
●因果関係が逆?暴力的な人が暴力ゲームを好きなのは普通
私が昔聞いたのは短期的な影響と、長期的な影響で違うという話でした。それはゲーム直後は興奮しているけど、長時間は持たないという話だったと思います。
一方で、繰り返し暴力的なゲームを続けることによっても影響を与える、学習するというものはありそうな気はしていました。とはいえ、上記の調査は2年見ていますから結構長いです。やはり因果関係はないと考えるのが妥当なのかもしれません。
また、重要だと思うのが、もともと暴力的なことが好きな人がそういうゲームを好むだろうということ。たとえば、銃を撃つのが嫌いな人が、銃で撃って倒すゲームを好んでするわけないでしょ?という話。そして、逆に銃を撃つのが特別好きな人が、そういうゲームを好きであることは意外でもなんでもなくそりゃそうだろうという話でもあるでしょう。
犯罪者が暴力ゲームをプレーしていた…というのは、この混同が一番多いのでは?と思います。また、もともと犯罪を犯しかねない人が暴力ゲームなどをプレーするからこそ、犯罪をする機会を奪って抑止効果があるという分析にもなるのだと思われます。
【関連投稿】
■
ゲームと現実の区別がつかない人「いつかリアルでも人殺しちまうぞ」 ■
ゲームのトラウマ ~スクウェア3大悪女~ ■
任天堂とマリオの豆知識 ■
PS次世代機の処理能力は1000倍は欲しい…と言っていたソニー ■
ドラクエはもはや国民的人気RPGではない ■
商品・サービス・技術についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|