●岩手大で研究費不正 東淳樹講師が全額返還のため刑事告訴せず
2021/10/01:<岩手大学 農学部講師を研究費不正取得で停職処分>(09月30日 20時13分)によると、岩手大学は、岩手大学農学部の東淳樹講師(53)が、2020年度までの7年間にわたってカラ出張や架空の業務を通じて研究費160万円余りを不正に受け取っていたとして、30日付で停職6か月の懲戒処分としたと発表しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20210930/6040012187.html
大学によると、問題となったのは、研究室の学生に対して実態のない研究の補助業務や出張旅費を申請させた上で、みずからに研究費を還流させたほか、自身もカラ出張を行っていたこと。160万円の中には、国から大学を通じて支払われた科研費134万円も含まれていたともいいます。判明したのは、3月、監査室に内部通報が寄せられたことがきっかけだったそうです。
一方で、大学側は、刑事告訴はしないとしていました。東淳樹講師が研究費を全額返還する意思を示していることなどが理由だとのことです。また、大学の調べに対して東淳樹講師は「不正に受け取った研究費は研究室の運営にあてた」と述べ、私的流用についても否定。他の研究費不正で見られる、生活費に使ったなどの形跡もなかったのだと思われます。
●「差し歯」ではない…「サシバ」というタカについて講義
研究者詳細 - 東 淳樹を見ると、学歴や職歴などの経歴は2000年からで、それ以前は不明です。大学以外の仕事についていた期間が長かったのかもしれません。
- 2000年03月 東京大学 農学生命科学研究科 生産・環境生物学 博士課程 単位取得満期退学
2000年04月 - 2007年03月 岩手大学 岩手大学 農学部 助手 [兼務]
2007年04月 - 継続中 岩手大学 農学部 講師 [本務]
ここの研究者詳細では、「可能な出前講義」という項目があり、<里山で繁殖するタカ-サシバ-の生態と保全 [一般・高校生向け] >というのが、目につきました。サシバというと、「差し歯」しか思いつきませんでしたが、そういうタカがいるみたいですね。初めて知りましたわ…。
<サシバは南国で越冬し,春に日本の里山に渡ってきて繁殖します。岩手県と秋田県が繁殖の北限域となっています。なぜ,わざわざ北国まで渡ってくるのか?なぜ,里山で繁殖するのか?などについて,その生態と保全についてお話しします>
●サシバを食べる文化があった宮古島では捕獲禁止ポスターも
サシバ - Wikipediaによると、サシバは、タカ目タカ科サシバ属に分類される鳥。単独で属があるんですね。Wikipediaでも独立したページが用意されていました。漢字表記は、差羽、刺羽、鸇などで、別名は、大扇(おおおうぎ)。その他、以下のような説明がありました。
<中国北部、朝鮮半島、日本で繁殖し、秋には南西諸島を経由して東南アジアやニューギニアで冬を越す。一部は南西諸島で冬を越す。日本では4月ごろ夏鳥として本州、四国、九州に渡来し、標高1,000m以下の山地の林で繁殖する>
<本種は鷹の渡りをみせる代表的な鳥である。秋の渡りは9月初めに始まり、渡りの時には非常に大きな群れを作る。渥美半島の伊良湖岬、鹿児島県の佐多岬、沖縄県宮古列島の伊良部島ではサシバの大規模な渡りを見ることができる。なお春の渡りの際には秋ほど大規模な群れは作らない>
<サシバの渡り>
・本州の中部地方以北で繁殖したサシバは第1番目の集団渡来地、伊良湖岬を通り、別のサシバと合流して第2の渡来地、佐多岬に集結する。
・大陸の高気圧が南西諸島に張り出し、風向きが北寄りに変化したときに南下飛行を開始し、第3の渡来地宮古列島の伊良部島で休息する。一部には徳之島や、沖縄本島及びその周辺離島で休息する鳥もいる。南西諸島でのピークは10月12日から18日である。
・宮古列島からは2つのコースに分かれ、第4の渡来地台湾の満州郷、又は、第5の渡来地、フィリピンのバタン諸島で休息する。
・フィリピン、インドネシアまで広がって越冬する。
・平均時速は約40キロ、一日の平均距離は480km前後である。
・朝の飛び立ちは6時ころ、その日の18時まではすべて休息地に入る。
・ノンストップでは12時間飛び続ける。
・越冬する鷹もいる。宮古列島では「落ち鷹」という。
宮古島ではかつて渡りのサシバを捕らえて食べる文化があったそうです。夜、木に登り、樹上で眠っている本種の脚を握り、捕えるというやり方。また、子どものおもちゃとしても用いられることもあったとのこと。しかし、現在は法律で捕獲が禁止されているため、宮古列島においては、サシバが飛来する季節には、周知のためのポスターの掲示やパトロール班による見回りが行われるといいます。
【関連投稿】
■
研究費で購入してオークションで転売…久留米大学で研究費不正 ■
お金が必要だ…収賄持ちかけた鹿児島大・窪田力教授を逮捕 ■
東京医科歯科大学・石田宝義助教に研究費の不正・架空取引を認定 ■
名古屋工業大学で学生のためと研究費不正 セクハラやパワハラも ■
旭川医科大学が重大ではないとした教授の医師不正報酬、1億円以上の可能性 ■
研究不正疑惑についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|