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家・マンションを買わない理由 高所得者でもマイホーム離れが進行中


 「年をとると収入が減るが、自宅ならお金がかからないから安心」など、家を買う理由を挙げていき、なおかつそれをすべて論破していた話を紹介、また、その他の家を買う理由・買わない理由も紹介していました。その後、<家・マンションを買わない理由 高所得者でもマイホーム離れが進行中>という話を追加しています。


●賃貸住宅じゃダメ!持ち家派が挙げる家を買うべき理由8つ

2012/2/29:まずは、"持ち家派が「買う理由」に挙げる代表的な意見はおおまかに以下の8通り"というものを。

【1】家賃を払っても賃貸住宅は自分のものにならない。
【2】年をとると収入が減るが、自宅ならお金がかからないから安心。
【3】年をとると賃貸住宅が見つけにくい。
【4】金利が低く不動産価格が下がっている今が買い時だと思う。
【5】何かあった時に売却してお金にできる。
【6】自宅の方が設備もいいし、自由にリフォームできる。
【7】賃貸住宅は世間体が悪い。
【8】自宅を持っている方が一人前に見える。


●自宅ならお金がかからない…の嘘 家を買った方がお得という誤解

 実を言うと上記は、「家を買う8つの理由」を『自宅を買うな』著者がすべて論破(週刊ポスト2012年3月2日号)からの引用。なので、当然この後に作者によってすべて否定されることになります。まず、最初の二つ。

【1】家賃を払っても賃貸住宅は自分のものにならない。
【2】年をとると収入が減るが、自宅ならお金がかからないから安心。

 家賃とローン支払い合計を比較して『あまり変わらないなら買った方が得』と結論付ける方が多いですが、そうではありません。これは、家賃と同じ返済額の住宅を購入しはいけない ローン返済地獄の罠でも書いています。

 今回の記事では、自宅を購入すると購入時にローン手数料や団体信用生命保険料などの諸費用のほか、ランニングコストとして火災保険料や固定資産税、さらにマンションの場合は管理費や修繕積立金なども別途かかってくるということが指摘されていました。そこまで考えたら、自宅ならお金がかからないとはとてもいえない…という話です。

 これは「【1】家賃を払っても賃貸住宅は自分のものにならない」の説明でしたが、「【2】年をとると収入が減るが、自宅ならお金がかからないから安心」にも共通していえるとのこと。賃貸であっても、火災保険に該当する家財保険への加入が必要とされることが多いと思われます。ただ、たぶん1戸建てと価格が全然違うんでしょうね。


●今が買いどき…を信じるのは危険!そもそもそれは家を買う理由ではない

 順番を変更して先に「【4】金利が低く不動産価格が下がっている今が買い時だと思う」をやっておきましょう。『今が買い時』というセールストークをよく耳にしますが、そもそも「安いから買う」というのは、きっかけであって家を買う理由ではないとの指摘。そうですね、「安いから買う」で買わなくちゃいけないのでしたら、あらゆるものを買わないといけなくなります。

 ただ、これはそもそも「今が買い時」というのが事実かどうかが怪しいところ。典型的なセールストークですよね。マンションの話ですが、マンション販売員 9月「消費税が上がる前に」→10月「今の方が得」でやったように、彼らは平気で嘘を言います。

 結局、買いどきを見極めるというのは、株などの投資の世界と同じで素人には難しいでしょう。うちでは、この投資関連の投稿で書いているように、投資を進める人はセールスのプロであり、投資のプロじゃありませんからね。彼らもガンガン損しています。


●高齢化社会でも高齢者の賃貸お断り…はあり得る?あり得ない?

 ここからは、理由が短めなのをまとめて。「【3】年をとると賃貸住宅が見つけにくい」について、作者は「はっきりいえばウソです」と断言。「高齢化社会になればサービスは一層充実していく」としていました。が、身寄りのない老人お断り…という話はまだ聞きますので、ここはもうちょっと証拠が必要かもしれません。

【5】何かあった時に売却してお金にできる。
【6】自宅の方が設備もいいし、自由にリフォームできる。

 【5】と【6】はほぼ同じ意味で、特に新築の場合は買った時が値段のピークになる可能性が高く、設備がいいのも買ったときだけとのこと。すぐ陳腐化が始まるし、リフォームするためにお金がかかることを忘れてはいけません…と書かれていました。

【7】賃貸住宅は世間体が悪い。
【8】自宅を持っている方が一人前に見える。

 「【4】金利が低く不動産価格が下がっている今が買い時だと思う」もそういったものでしたが、【7】【8】は自分の意見ではなく、他人に流されて…ってものですね。そもそも「人生で一番高い買い物」とされる家の購入をこういう曖昧な理由で決めてはいけません。自分が必要かどうかで決めましょう。


●「借りるより買った方がいい条件」で家を買えば良いとFPはオススメ

 賃貸派の意見ばかりだと偏るので、持ち家派の意見を探すと、同じ週刊ポスト2012年3月2日号にありました。マイホーム 「借りるより買った方がいい条件」をFPが指摘という記事です。ファイナンシャルプランナーの藤川太さん(家計の見直し相談センター)は「借りるより買った方がいい条件もある」と強調して、以下のように言っていました。

「不動産価格が下落する時は通常は金利が低いので、なおさら実質家賃(購入から売却までにかかった累積コストを居住期間で割ったもの)は下がる。つまり、家賃は下がりにくいが、不動産価格は下がりやすいという特徴を逆手にとって、値引き交渉などによって購入価格を下げることができれば、買った方が得という状況をつくることができるのです」

 これは要するに、相場を調べて割安な水準で買えば良いという話。ただ、これは結局、前述したように、株などの投資の世界と同じで素人には判断が難しいというのがあります。具体的には以下のような条件を藤川太さんは挙げていたのですが、「相場を調べる」ってのが素人にはまず難しそうな話です。

<たとえば購入を検討中、もしくは居住中の住宅を他人に貸すならいくらの家賃収入がありそうか、相場を調べる。仮に10万円だとすれば1年間で120万円。これを新築なら5%(0.05)で割ると2400万円、中古なら6%(0.06)で割って2000万円となる>


●平山洋介・神戸大学大学院教授「マイホーム購入の合理性はあまりない」

 もう一つ、家は買うべきか否か論争 「完済に辿りつけるか難しい時代」というものをニコニコニュースで見つけたのですが、これも元は「週刊ポスト」(2012年2月24日号)でした。住宅問題に詳しい神戸大学大学院教授の平山洋介さんは、そもそもマイホーム購入の合理性が減ったと指摘。バブル崩壊でデフレ経済に突入した現在では、買うべきではないという考えでした。

「デフレのもとで住宅ローンを背負うと、実質的な債務負担が重くなっていきます。給料は上がらず、雇用は不安定で、持ち家の資産価値は下がる。政府は適切な賃貸住宅を増やし、無理をして家を買う人を減らすようにする必要があるでしょう」

 また、消費者ローンに詳しい弁護士の瀧康暢さんも持ち家信仰に注意を促しています。前半でも出てきた価格の問題です。

「『家賃もローンも毎月の支払額は同じ』『賃貸はいつまでたっても持ち家にならない』というセールストークをよく聞きますが、完済までたどりつけるかどうかが難しい時代です。住宅ローンは向こう数十年間の家賃を前借りしていることになるので、そうしたリスクを覚悟のうえで家は買わなければなりません」

 最初の家を買う理由に、「【5】何かあった時に売却してお金にできる」というのがあったのですけど、そのときにローンが払い終わっていないという状態もあり得るんですよね。加えて本当にすぐ売れるかどうかも不明。新築志向が強い日本では、値下がりも早く、中古住宅はあまり高く売れないかもしれません。さらに最悪、買い手すらつかないということもありそうです。

 マンション建設は旺盛ですし、家は持っているだけでもお金かかってたいへんなので、無料でも良いから譲りたいという人すら多い状態。現在では、空き家問題なんかもよく言われていますよね。「いざとなれば売ればいい」は、かなり都合良く見ている夢のようなものかもしれません。


●転勤がある人にマイホームは危険すぎる!

2012/11/21追これに関していただいたコメントで、他のデメリットも挙げられていました。「マイホーム周辺が不便だったらどうするの?」というのと、「仕事で転勤になる場合があるでしょ?転勤になったらどうするの?」といったものです。

・マイホーム周辺が不便

 場所によるとは思いますが、「スーパーなど食料確保が不便」とのこと。 同じような感じで、周辺の交通事情が悪く、マイカーが必須となることも。都心の場合は、郊外になることが多いことを想定しての話でしょうね。仮にスーパーなどが少ない地域でしたら、競争がないため割高になるおそれがあります。安い住宅だと思ったら、不便な場所だった…という罠もありそうです。

・仕事で転勤になる場合がある

 職業によると思いますが、私のいた会社でも単身赴任は多く、マイホームを建てると転勤になるというジンクスすらありました。家を建てて早々に別居です。結局、賃貸物件も借りねばならないため、当然経済的にも苦しくなる…と悪いことづくしになっていました。でも、皆さん平気で家を買っちゃうんですよね。不思議です。


●家・マンションを買わない理由 高所得者でもマイホーム離れが進行中

2017/06/05:お金があるのにものを買わない人が増えているというのは、アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ ミレニアル世代の新しい価値観をやっています。そのときにも書いているように、これは日本人にも見られるものです。今回読んだ年収1000万円以上の高所得者があえて賃貸を選ぶ理由 | JBpress(日本ビジネスプレス)(2017.6.2(金) SHINOKEN WAYS)が、そういう記事でした。

 ただ、中身を読んでみると、だいぶ怪しい話。総務省の『平成20年住宅・土地統計調査』の東京都のデータでは、年収1000万円以上の世帯のうち、賃貸を選んでいるのは、21.5%でした。しかし、『平成25年住宅・土地統計調査』を見ると、22.4%と増加していた…というのが、根拠でした。これだけだと証拠不足ですよね。

 むしろ依然として不動産購入派が8割だと言えますし、何より増え方が微妙。これだけだと誤差の可能性があります。良くない記事でしたが、一応一般的なマンション購入のリスクは参考にできそうです。以下のようなところが挙げられていました。

・固定資産税や都市計画税の支払いが必要になる。
・マンション管理組合の理事になるなど、わずらわしいことがある。
・住み始めて隣人が面倒な人だったときに引っ越しという選択肢を取りづらい。

 私も最後の点は結構重要だと思っています。騒音でうつ病とか、トラブルで殺人とかになったら、シャレになりません。最近静かなのですが、以前やたらと怒鳴って因縁をつけている怖いおじさんがいたときは、いざとなれば引っ越そうと思っていました。隣人トラブルだけでなく、家賃をより節約したいというときにも、賃貸の方が融通がききます。住宅やマンションの購入が絶対ダメだとは言わないものの、欠点が多すぎて、おすすめできるものではありません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■家賃と同じ返済額の住宅を購入しはいけない ローン返済地獄の罠
  ■マンション販売員 9月「消費税が上がる前に」→10月「今の方が得」
  ■アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ ミレニアル世代の新しい価値観

【その他関連投稿】
  ■失敗しないマンション購入7つの法則 人気エリアや駅からのアクセスは重要?
  ■不動産物件の徒歩5分は、距離にして何メートル?決まりはあるの?
  ■不動産登記簿上の所有者が、本当の所有者じゃない場合がある!
  ■失敗するマンション購入 値下がりするマンションは広告でわかる
  ■人生で一番高い買い物は何?
  ■人生・生活についての投稿まとめ

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