<タタ自動車 タタ・ナノの次は燃費100キロのタタ・メガピクセル>、<実はナノも失敗していたタタ自動車、全然売れていない>、<タタ・モーターズはジャガー、ランドローバーを買収し日本でも販売>、<タタ自動車が巨額赤字、ジャガー・ランドローバー売却観測も>などの話をやっています。
冒頭に追記
2022/04/27追記:
●製鉄・自動車中心だったタタ財閥 打倒アマゾンを目指し多角化へ 【NEW】
●製鉄・自動車中心だったタタ財閥 打倒アマゾンを目指し多角化へ
2022/04/27追記:最近のタタ・モーターズ(タタ自動車)はどうかな?と検索。すると、
印タタ、鉄・車から裾野拡大 消費者向け統合アプリ開始: 日本経済新聞(2022年4月18日 22:10)という記事が出ていました。多角化するのかと思ったら、以前からいろいろやっていたみたいですね。
<インドの大手財閥であるタタ・グループが電子商取引(EC)サービスに本格参入する。7日に生活に身近なサービスを一括提供するスマートフォン向け「スーパーアプリ」を開始した。成長が確実視されるインドのEC市場を取り込み、主力の製鉄・自動車から裾野を広げる。今後は他社サービスにも対応を広げ、先行する米アマゾン・ドット・コムなどに挑む>
<同アプリではタタ傘下の企業が手がける食料品や家電のEC、航空券予約などのサービスを一括利用できる。14日までに220万回のダウンロードを記録したという。
1868年創業のタタ・グループはインドを代表する財閥で、2020年度の総売上高は1030億ドル(約13兆円)に達する。傘下にタタ自動車やタタ製鉄などの有力企業を抱え、1月には国営航空だったエア・インディアを子会社化したばかりだ。一方で、一般消費者向けのEC展開などでは後れを取ってきた>
インドのEC市場は長らく、米ウォルマート傘下のフリップカートとアマゾン・ドット・コムの2強体制が続いてきたそうです。一方、タタ・グループは19年に新会社としてタタ・デジタルを設立して、消費者向けのデジタルサービス拡大を画策。ただ、こういうのは後発企業は不利。うまく行かない可能性を感じちゃいました。
記事によると、21年には食料品ECのビッグバスケットに続き、オンライン薬局や遠隔医療を手がける1MGテクノロジーズなどの新興企業の買収を発表していたとのこと。こういう企業の買収の方が可能性がありそう。米スターバックスのインド事業や家電量販店など、実店舗を中心に消費者向けの事業も展開していたそうです。
先程「以前からいろいろやっていた」と書いたものの、後半で「タタ製鉄とタタ自動車だけで売り上げの半数を占める」という話が登場。結局、中身はほとんど昔ながらの産業でした。グループのIT(情報技術)大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)もあるものの、うまく変身を遂げられるかどうかは不透明です。
あと、本業の自動車などがうまく行っていないために多角化なのかな?と思ったのですが、記事では業績の話は一切なし。インド人が豊かになってきて、デジタル関連が伸びているから…という説明だけです。仮に本業の業績が悪化していた場合、余力がないということで転換はいっそう困難だと予想されます。
●タタ自動車、タタ・ナノの次は燃費100キロのタタ・メガピクセル
2012/3/12:ナノ(10億分の1)の次はメガ(100万倍)だそうです。世界最安車とされる小型乗用車「ナノ」が話題のインドの自動車大手、タタ自動車は、燃料1リットル当たり最大100キロの走行が可能となる電気自動車「タタ・メガピクセル」の試作車を発表しました。ラタン・タタ会長は、実用化まで「最低3年は必要だ」と話しています。
インドのタタ自動車、燃費100キロの試作車 実用化に「最低3年」(日経新聞 2012/3/7 7:06)によると、「タタ・メガピクセル」は4人乗り。リチウムイオン電池とガソリンエンジンを併用することで燃費の向上を図っています。
印タタ、インホイールモーター搭載の小型PHV「メガピクセル」を披露(Tech-On! 2012年3月9日掲載 日経Automotive Technology 清水直茂)は、上記よりあとの記事ですが、「コンセプト車であり、実用化の時期は未定」となっていました。
容量が13kWhのリチウムイオン電池を搭載し、EV走行できる距離は最大87km。単気筒で排気量0.325L、最大出力22kWのガソリンエンジンを使って発電機を動かした場合の航続距離は900kmになります。燃費は100km/Lに達し、CO2排出量は22g/kmと少ない。最高速度は110km/h。
YouTubeのオフィシャルサイトには宣伝動画もありました。(最初の方はいろいろやっていて、なかなか車が映りません)
●実はナノも失敗していたタタ自動車、全然売れていない
野心的な試みは応援したくなる質(たち)なのですけど、100km/Lとはでかく出ましたね。ナノの話もわくわくしましたが、やや大言壮語の感があり、
世界最安車「ナノ」の誤算 買っているのは高所得者 アジアTrend ムンバイ支局・黒沼勇史(要登録 日経新聞 2012/3/6 14:00)によると、失敗と言って良い状況のようです。
インド・タタ自動車の世界最安車「ナノ」は販売不振。ナノの2012年2月の販売台数は販促キャンペーンが支えとなり過去2番目に多い9217台へ伸びました。ただ、それでも損益分岐点(月2万台)の半分以下の水準にとどまるといいます。
ラタン・タタ会長は「(ナノを)貧者の車と売り込んだことはない」と言い出したものの、タタ氏は二輪車しか買えなかった家族に乗用車を与えたい、と“10万ルピー(約17万円)車”開発を推進した当事者であるので変な話。この発言のブレは、途上国での低所得者層を対象とした「BOP(ボトム・オブ・ピラミッド)ビジネス」の難しさを象徴しているとしていました。
販売責任者のスニル・カレさんは、「当初想定した“コモン・マン(普通の人)”は実際の購入者の1割。9割は高所得者か中間層です。あなたが買ってもおかしくありません」と勧めていました。思っていた層に売れていないみたいですね。
一方で、初めて車を買う人のエントリーカー(入門車)として高い人気を誇るスズキの「アルト」は、33万ルピー前後。ナノの3倍以上の車の方が入門車になっています。あるとは、インドで最も売れている車種でもあり、2月の販売台数は3万2909台で販売台数も価格と同じく3倍以上です。
コモン・マンというのは「サラリーマンや零細自営業者」(カレ氏)を指します。年収は20万ルピー(約33万円)前後から下の下位中間層や低所得者で、インドの全世帯数の85%を占める。タタ自が当初ナノの購買層と狙いを定めた“ボリュームゾーン”でした。
しかし、現実には高所得者や中間層が2台目、3台目の車として購入する例が目立つといい、コモン・マンによるナノブームは起きていなませんコモン・マンがアルトを買っているという意味でもなく、おそらくコモン・マンに自動車は10万ルピーでも高すぎるということなのでしょう。
●10万ルピー使うなら自動車ではなくバイクを買うのがインド人
インド二輪車最大手ヒーロー・モトコープの印西部プネの販売店で働くバーレさん(29)は以下のように分析します。
「(タタ氏が言及していた)家族数人で二輪車の前後にまたがる人は6万~8万ルピーの二輪車を買う。十数万ルピーのナノを買うゆとりはない」
「10万ルピーのバイクを買う人は乗り心地を楽しむ人で、ナノに乗り換えることはない」
タタ氏が潜在的な購入層として想定したコモン・マンに買ってもらうには、ローン金利負担を除いて考えても、ナノの車体価格を半額にする必要があるといいます。
戦略ミスってことでしょうか? ナノの天下が来なかったことは、スズキの頑張りが続いているということで日本人にとっては悪くない話なのですけど、気持ちは複雑です。環境性能という点から見れば、先進国にも需要がありそうな気がしますが、メガピクセルの方はうまく行くでしょうか?
●タタ・モーターズはジャガー、ランドローバーを買収し日本でも販売
2018/07/27:「メガピクセルの方はうまく行くでしょうか?」と書いていたのですけど、検索してもメガピクセルのその後の話はなし。失敗したようです。そもそもタタ・モーターズ(タタ自動車)がニュースで話題になるのを全然見かけなくなっていました。
ウィキペディアによると、最初の投稿と同じ2012年の10月時点で、ナノの売れ行き不振、めぼしい新型車が投入されないなどの事情により、同年後半よりタタは経営不振に陥っているとされていました。
あと、検索していて有名な自動車会社を買収しているという話を知ったのですけど、2012年よりさらに前の話でしたわ。フォードからジャガーとランドローバーを約23億ドルで買収と発表したのは、2008年3月のことでした。日本では、ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社というのがあり、そこで売られているようです。
●タタ自動車が巨額赤字、ジャガー・ランドローバー売却観測も
2019/10/05:タタはその後もさらにピンチという記事を見かけました。
タタ自動車が巨額赤字 19年3月期最終、ジャガー売却観測 (写真=ロイター) :日本経済新聞(2019/5/20 22:14)という記事です。日経新聞は、タタ・モーターズではなく、タタ自動車と書いているみたいですね。
記事によると、タタ自動車の2019年3月期の最終損益は、2882億ルピー(約4550億円)の大幅な赤字。前の期は898億ルピーの黒字でしたので、ずっと悪い時期が続いていたというわけではなさげ。最終赤字は金融危機で販売が大きく落ち込んだ09年3月期以来とされていたので、むしろずっと良かったみたいですね。突然の赤字転落に見えます。
この赤字転落の理由は、前述の英子会社ジャガー・ランドローバー(JLR)でした。中国での販売不振などを理由に約4340億円の減損損失を計上したことが響いたといいます。会社は否定していますが、ジャガー・ランドローバーの売却観測も浮上しているという状態です。
●赤字の本体タタを支えてきたジャガー、なぜ突如として不振に?
記事によれば、ジャガー・ランドローバーはむしろ今までは稼ぎどころでした。タタ自の100%子会社であるこの会社が、これまでグループ全体の利益を支えてきたとのこと。タタ自動車の本体が赤字の時期もグループ全体の利益を支えてきた孝行息子だったようです。
ところが、それがいきなり不振でピンチに。ジャガー・ランドローバーの中国の販売店はもともと地方都市に多く、最近の景気悪化の影響をもろに受けているとのこと。中国での販売不振ということで、トランプ大統領が始めた米中貿易戦争の影響もあるんでしょうかね。
中国では34%も販売が減った一方で、米英で8%増となるなど好調だった地域もあるとのこと。ところが、これまたアホな右派政治家の影響が出ているのかも。ジャガー・ランドローバーが本社を置く英国でも欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感があり、4月には英国内の工場を約1週間も操業停止するなど、先行きは一段と厳しさを増しているといいます。
なお、ジャガー・ランドローバーの買収候補としては、中国大手の長城汽車やプジョー・シトロエンで有名なフランスの多国籍企業グループPSAの名前が挙がっていました。中国企業がヨーロッパの有名企業を買収する例は多く、ジャガー・ランドローバーもその仲間入りを果たすかもしれません。
●50万円で買えるEVがバカ売れ!ただしインドのタタではなく…
2021/05/04:最も安いグレードだと約48万円で、50万円を切るという“超低価格”のEVが、売れているとのこと。当初書いていたナノの“10万ルピー(約17万円)車”から見るとずっと高いですが、本来なら50万円でも相当驚きですね。ただし、今回はタタ・モーターズの話でないだけでなく、インドの話でもありません。中国の話でした。
<50万円でクルマが買える? 中国EV市場で今、起きていること>(NHK 2021年4月30日 19時05分)によると、この車は2020年7月に中国で発売した格安の小型EV「宏光MINI EV」。中国としては少ない人口400万人の「田舎」中国南部、広西チワン族自治区柳州で売れているそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210430/k10013002641000.html
マーケティング担当者は年間で1万台を突破できればよいと考えていたそうですが、これがバカ売れ。販売台数は1年足らずで27万台を超え、世界最大のEVメーカー、テスラを抑えて、中国で2020年、EV販売でトップに立ちました。これは中国国内でのトップってことですが、検索すると世界でも2020年11月の2位だとしている記事があり、その多さがわかります。
記者がこの車に乗ってみると、若干がたつく感じもしたものの、あっという間に時速60キロを超え、坂道もスムーズに登り切るため、短時間なら許容範囲ではないかとのこと。日本の軽自動車よりもひと回り小さく、最高速度は時速100キロほどである一方、小回りがきき、狭い駐車スペースにも難なく止めることができたそうです。
●高い自動車メーカーより最先端?データ分析から生まれた超低価格EV
ところで、この低価格、私はてっきり中国政府の豊富な補助金のせいで安いのだと思ったのですが、違っていてびっくり! 政策変更で補助金の対象が走行距離の長いEVに絞り込まれ、補助金に頼らずに低価格を実現する必要に迫られて開発されたEVだとのこと。データ分析の結果開発されており、むしろ価格の高い日本メーカーより最先端の知識が生かして開発されている感じです。
<3000台の試乗車を無料で市民に提供し、9か月にわたって1日の走行距離や行き先などのデータを集めた。
その結果、通勤や子どもの送り迎え、日常の買い物といわゆる“街乗り”のための2台目の車のニーズが高いことがわかり、そのニーズを満たす機能に絞り込んで開発したのだ>
<最も安いグレードでは、走行距離を最大120キロに設定して搭載するバッテリーを少なくし、急速充電にも対応せず、冷房もない。また、エアバッグは運転席のみとするなど、装備も安全基準を満たす必要最小限にした>
また、車体や内装にアニメのキャラクターなどをデコレーションしたモデルをモーターショーに出展して話題に。価格が安い分、デコレーションにもお金をかけられるという“デコレーション戦略”を取ったも成功しました。ここらへんのマーケティングのうまさも、日本メーカーの方がむしろ学んだ方が良さそうなところです。
ただし、肝心な点は駄目でした。開発した五菱の最終利益は、格安EVが“予想外”のヒットを記録したにもかかわらず、前の年の10分の1以下に減少。格安EVは利幅が薄く、利益には大きく貢献していないそうです。EV以外に高級路線のSUVも作っており、これらの、研究開発費もかさんでいるとのこと。タタ・モーターズ同様にうまくいっているとは言えない感じでした。
●日本のホンダ超え!逆に徹底して顧客重視な高価格EVも一方で成功
なお、記事によると、中国では超低価格路線とは反対に「プレミアムブランド」を掲げて急成長を遂げている創業間もない新興EVメーカー「NIO」も成功。小規模メーカーとされていたのですが、時価総額に関して言えば、ホンダ(約5兆9000億円)、日産自動車(約2兆3000億円)を上回る世界有数のメーカーだといいます。
こちらの特徴は徹底した顧客重視であり、EV普及のハードルとされる充電時間の長さを解消するバッテリー交換式を採用。最短3分でバッテリーを交換する施設の他、従業員が車を取りに来てバッテリーの交換やメンテナンスを行ってくれるサービスもあります。年間19万円余りからのオプションサービスなのですが、これで人気に。中国はお金持ちも多いんでしょうね。
<車とバッテリーを切り離し、バッテリーをリースにするもので、購入者は月額で約1万6000円を支払えば、何度でも充電済みのバッテリーに交換できる。いわば“サブスクリプション方式”を導入したのだ。
そして、リースにすることで車体の販売価格からバッテリー分の価格110万円余りを割り引きする>
充電時間の長さがEVのデメリットだというのは専門家によると誤解だとされているものの、とりあえず、これにより成功。消費者の誤解だとしてもニーズがあれば対応することで成功しますからね。中国で今、普及が進む「バッテリー交換式」のEVをいち早く導入したことで知られるとも書かれていたので、中国では他の企業もやっているやり方のようです。
このやり方には、予想外なメリットもあります。1つの施設で1日最大330台のバッテリーを交換できるため、会社にとっては充電ステーションを整備して運用するよりも効率的だとのこと。さらに、使用を繰り返して性能が落ちたバッテリーは、小型の電動バイク用のバッテリーや、蓄電池として再利用する…といった工夫も行っているそうです。
いろいろ考えられていて感心したのですが、結局、こちらも利益は出ていない…というか、さらに悪い感じ。販売台数は前の年から倍増したのですが、それでも中国のEV市場でのシェアはまだ5%弱にとどまり、前年の決算も880億円余りの最終赤字となっていました。赤字続きでバカにされていたアマゾンのように、将来を見据えて成功する企業もあるがどうなるでしょうか…。
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