宗教法人の課税問題の話をまとめ。<消費税増税より課税の見逃しが多すぎな巨大宗教法人への課税を!>、<宗教法人への税金は世界の恥、課税強化すれば天罰が下る!?>、<東日本大震災は政権への天罰だ!とデモ行進していた宗教団体>などをまとめています。
2022/07/19追記:
●お布施で信者家庭を壊すカルト宗教の存在が判明し、課税強化の声 【NEW】
●消費税増税より課税の見逃しが多すぎな巨大宗教法人への課税を!
2012/3/13:今回使う記事は、
宗教法人への課税は世界の恥――日本人よ、信仰心を取り戻せ(2012.03.03)というタイトル。宗教法人への課税が日本特有のものだと読める内容です。実際、冒頭でも、"最近、またぞろ「宗教法人への課税強化」を言う週刊誌等が散見される。現政権の増税路線の一環だろうが、宗教法人への課税とは、世界の恥であることを知らねばならない"としていました。
ここで抱えていた「宗教法人への課税強化」の記事は、私も最近読みました。たとえば、
宗教法人への課税 税務調査するだけで課税強化可能と専門家(週刊ポスト2012年3月2日号)なんかがそうです。週刊誌ですし、公開日が近いですし、最初の記事が怒っていたのは、まさにこの記事のことかもしれません。
<消費税をアップする前に旧態依然とした税体系の中で優遇されてきたものを見直すことが重要だ。その一つが、不平等税制の恩恵にあずかってきた宗教法人への見直しだ。
宗教法人はお布施や賽銭など宗教活動の収入は非課税で、不動産の固定資産税なども免除。保育園や墓地経営などの「非収益事業」も非課税、物品販売や飲食業、駐車場などの収益事業は課税対象だが、所得の2割が控除され、通常より低い法人税率が適用される。
浦野広明・立正大学法学部客員教授(引用者注:ちなみに立正大学は日蓮宗の大学)はこう指摘する。
「宗教法人への課税強化は難しいというが、実際には国税は、小さな寺の住職が檀家からお布施としてコメをもらったことを所得だとみなして課税したケースもある。一方で巨大宗教法人に関しては、所有する会館を選挙活動に貸し、明らかに課税事業の貸席業を行なっていたとしても調査をしない。法改正しなくても、きちんと税務調査するだけで課税強化はできる。それをしないことが行政の不公平です」>
●宗教法人への税金は世界の恥、課税強化すれば天罰が下る!?
では、最初の記事に戻って反論部分を読んでいます。記事では、 週刊誌等の論調の多くは、「宗教法人が公益法人と同じく税の優遇を受けているが、本当に公益活動なのか」と言うが、このような論調自体が世界の恥だとしていました。
「宗教とは何か」を考えると、宗教とは、「神仏の教えを伝える」ことであり、神仏の教えとは、「この世とあの世を貫く正しい人生観、世界観」だと記事ではいいます。なおかつこれは現在、学校教育でも家庭でも社会でも教えてくれないし、現代の科学でもあの世の解明はでず、唯一、宗教のみがこれを教えてくれるものだとしていました。
また、宗教は本来、葬式だけでなく慰霊・鎮魂をして亡くなった人々の魂を救うことを担ってきており、大震災などで亡くなった人々の霊をきちんとあの世に送ることは、宗教以外にできず、これが「宗教が公益」である理由だと主張していました。
さらに、宗教を信じる者にとっては、国家よりも神仏のほうが上であり、数々の税金を払った上で、お布施として自らの信仰心を差し出しており、宗教に課税するとは、「二重取り」であり、なおかつ、尊い信者の信仰心に「穢れ」を持ちこむことにほかならない、とも言っていました。極めつけに「日本人よ、信仰心を取り戻せ。宗教法人課税強化などすれば、天罰が下るだろう」とも書いています。すごいですね。
なお、この記事、冒頭では名前をわざと隠したのですが、ザ・リバティwebが書いた記事です。名前を出してもピンと来ない方が多いと思われますので、さらに補足というか「布教」しておくと、保守派宗教団体の幸福の科学・幸福実現党の広報ウェブなんですよ。天罰が下りますので、ちゃんと覚えておきましょうね。
●宗教じゃなくて金儲けでしょ?中国で摘発された宗教団体とは?
冒頭の課税批判の件ですが、幸福の科学では最近
幸福の科学出版の北京事務所を中国当局が摘発 (やや日刊カルト新聞 2012年3月1日)という話題もありました。
2012年1月末、中国・北京市にある幸福の科学出版の事務所が中国政府当局の立入調査を受け、閉鎖・解散に追い込まれました。当時、事務所にいた幸福の科学出版のスタッフは取り調べの際、「あなたがたは宗教団体なのか、出版社なのか」と問い詰められ、「次に来るときは一切の言い訳は聞かない」と言われたとのこと。
これは、「あなたがたは宗教団体なのか、出版社なのか」っていうのは、「あんた方宗教じゃなくて単なる金儲けしているんでしょ」という意味でしょうね。
考えすぎのような気がするのですけど、やや日刊カルト新聞は単純な脱法行為というよりは、政治的な問題の可能性も示唆していました。
幸福の科学はこれまで、大川総裁のイタコで、胡錦濤・国家主席、習近平・国家副主席、温家宝首相、毛沢東といった中国の要人や指導者の霊を呼び出して、中国が悪意に満ちた日本侵略を狙っているかのようなことを喋らせてくるなどしていました。
一方、大川総裁のイタコで孫文の霊は、「映画は中国では上映できない。海賊版を本体で出して海賊版のふりをして売る方法があるわな」とアドバイスしていたそうなので、海賊版のふりをして出版を続ける可能性もあります。
また、「大川総裁は、最初から最後まで上機嫌だった。“北京政府は私を怖がっている”と勝手に脳内変換しているのではないでしょうか」と現役信者が語るなど、むしろ今回の“摘発”を誇らしげだったといいます。
●東日本大震災は政権への天罰だ!とデモ行進していた宗教団体
不謹慎ですが、政治家や官僚だけに天罰が下るのでしたら賛成し、応援してくれる方も多いでしょう。中国に天罰が下るのもまた喜ぶ方がいるかもしれません。では、この天罰を幸福の科学では、どのようにお考えなのでしょう? やや日刊カルト新聞では、
「天罰だ!」「原発を止めるな!」幸福の科学がデモ(2011年5月15日)という記事もありました。
<中部電力が浜岡原子力発電所の全原子炉の停止を完了した5月14日、東京・渋谷では、宗教法人幸福の科学を母体とする幸福実現党が原発賛成と菅直人首相の退陣を求めるデモを行いました。主催者発表で約2000人の参加者が、代々木公園から渋谷、原宿にかけて練り歩き、「原発はクリーンエネルギーだ!」「
天変地異は現政権への天罰だ!」「(菅政権は)放射能漏れより有害だ!」とシュプレヒコールをあげました>
ということで、石原慎太郎都知事なんかと同じく、幸福の科学は2011年の東日本大震災は天罰の一つだとしているようです(幸福の科学は右派系の団体のため、民主党のことは特に嫌っているのかもしれません)。意見を述べることはもちろん自由なのですが、もう少し言葉選びには気をつけるべきでしょう。
●お布施で信者家庭を壊すカルト宗教の存在が判明し、課税強化の声
2022/07/19追記:安倍元首相殺害事件で右派系の宗教団体・統一教会(家庭連合、世界平和統一家庭連合)が多額のお布施で信者家庭を壊すカルト宗教だということが明らかになる報道がだいぶ出てきました。新興宗教団体の中でも最も問題が大きい団体であるにも関わらず、政治と結びつくことで問題が隠されてきた団体です。
この問題に絡んで、なぜか「これを機に宗教団体に課税すべき!」という声が多数あったのには驚き。課税強化の議論自体は反対しないものの、統一教会のお布施問題では有効な対策と言えません。家庭を壊すほど信者からお布施を奪うのですから、課税強化したら「今まで以上に稼がなきゃ」とますますお金を搾り取る可能性すら出てきます。
多額のお布施を防ぎたいのであれば、お布施の金額を収入の~%、資産の~%、上限を~万円にする…といった感じで、上限を設けることでしょうね。合わせて資金の流れの透明化をはかることも大事です。カルト宗教に協力してきた今の与党政治家たちが、こういう改革をするとは思いませんけど…。
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