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橋下徹大阪市長、維新の会の船中八策 相続税強化で遺産全額徴収、貯蓄税


 ひところに比べると全然読まれなくなった橋下徹さん関連の記事ですが、興味ある話題があったのでまた書きます。以前も批判的なことを書いたのですが、今回の遺産全額徴収、貯蓄税の方が皆さんの印象悪かったようで批判であふれています。

 以前橋下徹大阪市長の人気が終わるとき ~TPP、放射性物質震災がれき、公明党~というものを書きましたけど、遺産全額徴収なんかはターニングポイントになるかもしれません。


 で、その特に反発の強い遺産全額徴収から。


 大阪市の橋下徹市長率いる「大阪維新の会」が、事実上の次期衆院選公約「維新八策」で掲げる相続税強化策に関し、不動産を含む遺産の全額徴収を検討していることが分かった。「一生涯使い切り型人生モデル」を提唱、低迷する消費を促す税制に転換し、経済活性化を図る狙い。橋下流の大胆政策といえるが、内部に異論もあり、協議を継続する考えだ。

 相続税強化は8日の非公開会合でも議論され、所属議員が「遺産を100%徴収する趣旨か?」と質問。政策責任者は肯定する一方、法人による土地所有などは課税対象外との見解を示した。

 複数の議員から租税回避や地価下落などに懸念の声が上がったという。子孫に財産を残せないことで、勤労意欲が低下するとの指摘もある。

(中略)

 外交・防衛政策では日米同盟を基軸とし、沖縄の基地負担軽減に取り組む姿勢を強調する程度にとどまり、政府の目指す方向性と大きな違いはみられない。

 当初、「導入」としていたベーシックインカム(最低限所得保障)制度は「検討」に後退。歳出の急増や勤労意欲低下につながるとの批判に配慮したもようだ。

 (中略)現段階で数値目標はほとんど打ち出していないほか、実現可能性が疑われる項目もあり、24日開講の政治塾でも精査を続ける。


“橋下改革”ヤリスギ~遺産は全額徴収!(2012.03.10 ZAKZAK)

 これは私も狂気の沙汰だと思ったので、たまにマスコミがやる一部で出た意見をさも本格的に検討しているように見せかける誤報かと思ったのですが、「政策責任者は肯定する一方」という書き方からするとむしろ本流であるようです。


 「狂気の沙汰」と書きつつも、個人的には相続税は高くても良いなとは思います。

 所得格差を憎んでも仕方ない ~所得の不平等より税金の不平等が問題~で書いたように金持ちを妬んでもしようがないですし、何度も書いているように才能ある人にはお金をどんどん上げるべきだという考え方を持っているのですが、自分で儲けた人が対価を得るべきであって、その相続人は別にすごくも何ともないんですよね。

 皆さん嫌いみたいですし、ファンも少ないので出しやすいから出しますけど、鳩山由紀夫元首相(鳩山さん、本当ごめんなさい)などは最初から金持ちであって、別に本人がすごかったわけじゃないでしょ?(マカオで何十億と使い込んだ大王製紙前会長なんかもそうです)

 そういうお金の移動は、国にとって不幸なことだと思うのです。


 ただ、これは私が個人的にそう思うと言うだけで、政策としてやるべきか?というと、全く違ってきます。

 同じく所得格差を憎んでも仕方ない ~所得の不平等より税金の不平等が問題~で書いたように、必要なのは税の最大化、それも短期的ではなく長い目で見た最大化であり、遺産全額徴収なんかやってそれが達成できるとは思いません。

 本当、気が狂ったんじゃないかと思います。


 一方の貯蓄税ですが、こちらはそれなりに弁護するつもりです。


 「大阪維新の会」が発表した「維新版・船中八策」の中にある「資産課税の強化」が注目を集めている。大阪市の橋下徹市長は預貯金に課税する「貯蓄税」に言及。爪に火をともす思いでためた庶民の金から税金を取られるというのは泣けるが、エコノミストは「デフレ脱却の特効薬になる」と指摘しているのだ。

 「『ためていたら税金かけますよ』と、強制的にお金を使ってもらう仕組み作りも行政の役割だ」

 橋下氏は先週、朝日新聞のインタビューで貯蓄税に言及した。税率などは不明だが、預貯金を消費に回すことで、経済を活性化させる狙いがあるとみられる。


泣ける“橋下政策”…“預貯金”課税はイタタッ!(2012.02.16 ZAKZAK)

 これについては「他の国ではどこもやっていない理由を考えろ」といった批判があったのですが、私は貯蓄にかける税金がどこかであったという記事をちょうど最近読んだところだったので「あれ?」と思いました。

 しかし、これがいくら探しても見つからず。似たようなものはあるかなぁ?と探すと、富裕税というのがあり、どうも私が見たのもこれじゃないかと思います。

 ただ、ハイル、ハッシー!橋下徹 維新の会「貯金税」は庶民殺しだ!(2)基本理念は「弱肉強食」!(要登録 ダイヤモンド・オンライン)で森永卓郎さんは、

「日本でも1953年まで『富裕税』がありました。でも、なじまないということで廃止されました。『貯蓄税』というのは、世界初の試みになるのですが、橋下さんはいつも具体的なことを言わない。税率がどの程度なのか、貯蓄額に応じて累進課税にするのか何もわからない。たぶん、インフレ政策とセットで行うことを想定しているんだと思います。そうでないと、お金を使う人は現れません」

 として別のものとは捉えており、まあ、確かにイコールではないと思います。


 富裕税に関してはWikipediaから。

富裕税(ふゆうぜい)とは総資産から総負債を差し引いた純資産に対して課税する税金のこと。富裕者の純資産に対して毎年課税を行うことにより、冨の偏在を是正することを目ざしている。

この税を実施している国はフランス、スイス、オランダ、ノルウェー、インド等で、ヨーロッパが中心である。一方、この種の課税を廃止した国もあり、オーストリア、デンマーク、ドイツが1997年、スウェーデンが2007年、スペインが2008年に廃止している。

廃止を求める議論としては、資本の国外逃避や頭脳の流出が生じ、最終的に租税収入が減少すること等があげられている。なお、ドイツが廃止したのは、ドイツ連邦憲法裁判所が、その判決で、現状は不動産とそれ以外の資産で評価が公平でないため違憲状況にあり、また税率にも一定の限度があると判断した結果である。


日本の富裕税導入と廃止

戦後、所得税の最高税率が75%と高い水準にあった日本では、インフレ利得者等へ重課するためとして、1947年(昭和22年)に最高税率がさらに85%に増税されていた。1949年(昭和24年)年のシャウプ勧告は、このように高い税率は勤労意欲にマイナスがある等として、所得税の最高税率を下げ、それを補うための補完税として富裕税を導入するように勧告した。この結果、1950年(昭和25年)に所得税の最高税率が55%に抑えられ、同時に0.5~3%の累進税率で富裕税が導入された。

しかし、富裕税は税収総額が多くなく、資産の包括的把握の税務執行上の問題が浮上したため、1953年(昭和28年)に廃止され、代わりに所得税の最高税率が65%にされた。

 コメントなどを見るとほとんどの方は富裕税のことは全く頭にないようですが、探すと「富裕税は既にフランスで失敗した」と言及していた方もいました。ただ、そう判断した理由などは書いていないので何とも言えません。

 上を見ると、廃止した国があり、確かにうまく行っていない可能性がありそうです。(ドイツの場合、そういう理由じゃなさそうですけど)

 また、日本の廃止はWikipediaによれば、骨折り損のくたびれ儲けという理由であり、ここらへん私は歳入庁導入を勧めておきます。


 富裕税の概念的にはおそらく貯蓄だけでなく、不動産なども含めていると思われます。不動産にはもともと税金がありますので、そちらに行ってくれれば問題なく、貯蓄じゃなくて何かしら使ってくださいってことなんだと思います。

 でも、これは不動産にしたり、海外に移したりしなくても、逃げ道がいくらでもあります。

 たとえば、現金にするってのもそうですけど、預金でない金融資産でにも貯蓄税はかからないと思われ、キャッシュでは保持しきれいない人には現実的な選択肢です。(ちゃんと運用してくれれば、手数料や売買損益からなら税金を取れるので、一応こちらに逃げてもらっても貯蓄税の狙いから外れてはいませんが)


 で、こういったことを考えると、貯蓄税の積極的な推進者が怪しいんですよね。

 船中八策以前の貯蓄税でもっぱら名前が出るのは白川浩道さんで、先の記事でも登場しています。

 欧米には、富裕層の固定資産も含めた資産全体に課税する「富裕税」がある国もあるが、クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏は「富裕税は主に所得再分配のために行っており、貯蓄だけに課税して税収を上げるという発想で導入している国は過去にはない」とする一方で、「消費税率5%アップの増収分にも相当する税収が見込めるうえに、デフレ脱却の切り札になるかも」と力を込めた。

 白川氏の推計によれば、預貯金と国債の合計残高は854兆円。税率が1%なら約8・5兆円の税収増となるが、1000万円の貯金がある人は年間で10万円失うことになる。子どもの学費など将来のための預貯金が打撃を受けることにならないか。だが、白川氏は「累進制をつければ、庶民を直撃するとはかぎらない」といい、昨今騒がれている“世代間格差”を是正する機能も果たすという。

 「デフレ下では、貯蓄の価値が上がる。今の高齢者はその恩恵を大きく受け、もらいすぎた分をためている。それをちょうだいする唯一の手段といえる。所得税や消費税は若い世代に負担がかかる」

 夢のような話だが、なぜ誰もやらないのか。

 白川氏は「確かに、効果があり過ぎれば、資本が流出したり、バブルが発生するリスクもある。どんな政策にも副作用はある」と話した。

泣ける“橋下政策”…“預貯金”課税はイタタッ!(2012.02.16 ZAKZAK)

 大金持ちの人は貯蓄税がかかるからと言って、現金で持っているわけには行きません。では、どうするか?

「クレディ・スイスにお任せ下さい」

 というわけです。


 クレディ・スイスはプライベート・バンキングなど、富裕層向けビジネスが主体の会社です。あなたのお金を無駄にせず、有効に活用するお手伝いができるのです。


 まあ、そういう狙いがあると決めつけるわけには行きませんけど、利益を受けるのは間違いありません。

 たとえ否定してみても、自動車会社社長が「自動車の税金が安くしろ」と主張しながら「うちは車を売る気はない」と言い出すようなものに近く、まるで説得力がありません。


 他国の富裕税の状況次第ですけど、遺産全額徴収と比べると貯蓄税の方は、まだ現実味がある話だとは思います。

 富裕層だけ狙えば反発も減りますし、税率を低く抑えれば海外脱出分も減らせるかもしれません。

 ただ、そうなると今度は税金アップとしては魅力がない、消費拡大の寄与も僅かしかないとなり、やっぱり骨折り損のくたびれ儲けになりそうな気はします。


 新規分
  ■橋下徹大阪市長へナチス・ヒトラー独裁批判をした人たち ~渡辺恒雄、谷垣禎一など~

 関連
  ■橋下徹大阪市長の人気が終わるとき ~TPP、放射性物質震災がれき、公明党~
  ■所得格差を憎んでも仕方ない ~所得の不平等より税金の不平等が問題~
  ■既得権益改革とポピュリズム2 ~橋下徹大阪市長はポピュリスト?~
  ■橋下徹大阪市長の目安箱・内部告発制度への批判とオリンパス問題の共通点
  ■橋下徹大阪市長 労組事務所退去は適切か?
  ■橋下徹大阪市長への国政関与批判は的外れ 大阪都構想は当然国の問題でもある
  ■日本のリーダー人気1位橋下徹大阪市長、首相へ?
  ■橋下徹市長に対して悪意のある新聞の見出し と 公務員の身分保障
  ■橋下徹大阪市長関連 ~非協力なら不利益と脅す労組、ヤミ専従~
  ■その他の政治(時事)について書いた記事

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