<政治家だけが有名なロシアと企業だけが有名な日本…どっちがいい?>、<北方領土なんかいらない、ロシア人の本音 その考えの理由とは?>、<外国人嫌いの印象もあるロシア…実際には日本好き多い親日国?>などといった話をやっています。
●尖閣諸島や竹島と比べると日本人の関心が低い北方領土問題
2012/3/14:あるロシア人の北方領土に対する考え方が、こういう人もいるんだなぁとおもしろかったのですが、うちのブログでは紹介せずに後回ししていました。なぜかと言うと、尖閣諸島や竹島問題と比べると、北方領土問題って皆さんの関心がイマイチな気がするため。読まれないと思ったのです。
単に中国・韓国を叩きたいだけで領土問題に関心があるわけでないのか、ロシアには甘いのか、何なのかわからないんですけど、北方領土問題ってネットではあまり盛り上がらなくありませんか。北海道出身の私としては、北方領土問題だけ関心が低いのには不満がありますけどね。
とにかく、以上のような理由によってお蔵入りしていた話だったのですけど、この前プーチン大統領が北方領土に言及したせいでちょっと注目が集まり、出すなら今だ!と思いました。私がノロノロしていたので、結局そのプーチン大統領の発言からも時間経って旬を逃したんですけど…。
●政治家だけが有名なロシアと企業だけが有名な日本…どっちがいい?
さて、紹介したかった話ですが、
プーチン対メドベージェフはガチンコ勝負?! ロシアより愛をこめて3(要登録 日経ビジネスオンライン 2011年6月22日 田村耕太郎)にあったもの。記事タイトルは大統領に関するものですけど、実際にはプーチンさんがすんなり返り咲いており、ここはおもしろい話ではありません。
私がおもしろかったというのは、あるロシアの投資家の以下のような話。「政治家だけが有名なロシアと企業だけが有名な日本…どっちがいい?企業が知られてる方が良いでしょ?」という内容で、政治うんぬんよりも経済の方が大事だ!というものの見方です。
「ロシアのブランドを知っている人はいないが、ロシアの最高実力者(プーチン)の名前を知らない人は少ない。逆に日本の首相の名前を知っている人はいないが、日本のブランドを知らない人は世界にいない! そっち(日本)の方が断然いいよ! ほとんどの国民は日本をうらやましがっている」
●北方領土なんかいらない、ロシア人の本音 その考えの理由とは?
そして、「日本好き多い親日国?北方領土なんかいらない、ロシア人の本音 その考えの理由とは?」という全体タイトルにした「北方領土なんかいらない」という話も、同様に政治よりも経済が大事だろうという考え方です。この人は以下のようにおっしゃっていたといいます。
「政治は結果を出すことに関心がない。モスクワの我々にしてみれば、北方領土だって、日本に返してかまわない。あれを返すことで日本ともっとビジネスできるようになるならば、早く返した方がよい。アラスカを売って後悔している勢力はあるが、時代も重みも違う。ほどんどの人とお金が集まるモスクワの人間は北方領土問題を知らない。そもそも執着なんてない」
この話をしていた人は、資源ビジネスで儲けたお金を原資にプライベートエクイティファンドを立ち上げ、金融界で一旗揚げた人物。彼に招待されたモスクワでナンバーワンのクラブ兼レストランでは、最新ファッションが好きな作者が見るところ、“歩く数千万円”が何人もいて、NYより上海よりドバイより上だと思う空間での話でした。
なので、これは、職業柄、経済の方に関心が強いというためであり、ロシア人を代表する意見ではありません。ただ、多くの人が北方領土に興味ないというのもある程度本当ではないかとは思いました。北方領土にメドベージェフ大統領が訪問したことについて、「北方領土なんかロシア人はみんな知らない。騒いだせいで知名度が上がった。(引用者注:日本は)そっとしておくべきだった」と言っていました。
あと、ちょっとだけ付け加えておくと、プーチン大統領も北方領土問題はダシにするだけで、狙いはやはり経済的なところのようです。ただし、北方領土を返還して…ではなくて、棚上げして経済面だけやりましょうというのが本音で、おいしいところどりだという話です。これは紹介すると長くなるので、
ロシア高官が驚いた日本のナイーブさ 北方領土に関するプーチン発言の真意と日本の誤解(要登録 日経ビジネスオンライン 2012年3月8日 袴田茂樹)という記事だけ紹介しておきます。
●中国の政治家と違って、プーチン大統領などは結果を出していない
ところで、先程の方の発言には他にもおもしろいものがありました。「ロシア人は70年間、頑張っても頑張らなくても同じ儲けしか得られずにきた。この抑圧された人たちが、持つものを持った。見せびらかしたい気持ちは分かる」とした上で、以下のようにおっしゃっていたそうです。
「ロシア人は過去も今も、明日をも知れぬ毎日を生きている。恥ずかしいが、『今が良ければいい』としか思わない。ロシアにおいて、長期計画には意味がないのだ。だからこんな恥ずかしいお金の使い方をする。こんなものが続くわけがない。美しく生まれてきた女性も、かわいそうにお金のことしか考えない。不幸だね。後2年で店はたたむ覚悟だ」
「中国が専制政治で成功しているのは、実はトップが民衆を恐れているからだ。成長しないと国がバラバラになるとの危機感を持っている。ロシアは逆に民衆が危機感を持っている。政治に圧力かけすぎると国がバラバラになると民衆が思っていて、政治に圧力をかけない。だから政治が結果を出さない。リーダーは賄賂で金を貯めまくっている。ここで田村さん(引用者注:作者)が見ている豊かさは幻だ」
「この国は誰かを倒して上に行くか、誰かの靴をなめるか、どちらかしかない。皆で仲良くなんてことはない。だから皆が、いぶかしげにお互いを見て品定めをしているのだ。常に下剋上が起こっているので休むことができない。経済で成功しても、いつ賄賂目当ての役人にやられるか分からない。プーチンだって刺される可能性あるから強く出ているだけだ」
●外国人嫌いの印象もあるロシア…実際には日本好き多い親日国?
また、冒頭でも引用したように日本への関心は高いようです。ある女性弁護士は、「若いロシア人はロシア風でないものは全部好き。いちばん好きなのが和風、フランス風、イタリア風」として、ヨーロッパだけでなく日本が好きだとしていました。さらに、以下のように日本好きを強調しています。
「とにかく私たちは日本ファン。日本女性の髪質は最高。だから日本のシャンプーや化粧品を皆がネットで買っている。男性はもちろん、女性の間でも日本食の人気がイタリアンを抜いた! モスクワでは讃岐うどん、お好み焼きブームよ」(女性弁護士)
スーパーモデルが箸ですしをほおばり、店では深夜2時になると、クラブで踊っている皆にジャスミン香のおしぼりを出すと、皆が「OSIBORI」と叫ぶんだそうな。作者は、ロシア人は本当に日本にあこがれの気持ちを強く持っているとしていました。国のレベルでは色々あるが、個人のレベルで見れば、日本に好意を持つ人がこんなに多い国はそんなにないと思うとのこと。いわゆる「親日国」でしょうか。
ただし、日本に対するロシア人の片思いを、日本人が両思いにして、期待に応えないと、日本への思いも長続きしないと思うともしていました。経済的な関心はともかく、文化的な関心は意外ですね。ロシア人と言うと排他的で、スキンヘッドの若者が外国人狩りをやるイメージ(すいません、ひどい偏見で)で、とても日本人への好意なんかないと思っていました。
でも、異国文化に興味を示したり、融和的だったりするのは大抵、知識層ですとか、高所得者層です。ナショナリズム的で排他的な面を強く見せるのは、そうではない層が多いでしょう。なので、「みんなが日本好き」と考えるのではなく、一つの意見として理解しておくくらいの方が良いかもしれません。
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