質問1.「平野官房長官がネコババ」発言に裏付けはあるのか? 2010年06月29日、上杉隆氏はTBSキラキラで「平野官房長官という人に勝手に3億円ネコババされている」と発言しました。ネコババとは個人的に公金を着服することです。平野氏はTBSに抗議しました。11月20日、キラキラでは以下のように謝罪が放送されました。 (中略) 上杉隆氏自身も週刊ポスト(2011年1月14・21日合併号)でこう言っています。 (中略) 「たしかに『ネコババ』という言葉については、ネコババと疑われても仕方がない、というべきで、少し言い過ぎた可能性がある。妥協点として、ここは削除してもいい」 |
上杉:ネコババ発言の訂正は猫に対して申し訳ない、言い過ぎたというニュアンスだ。裏の取れていないことは言っていない。それは訂正してほしい。2009年、共産党塩川議員が趣意書を出している。答弁書には3億円あったが残ったのは5千万円。残り約3億円が主と不明金になっている。そこから取材を開始した。秘書をしていたので官邸に勤める官僚を良く知っている。チヒロさんが官房機密費に関して聴いている。他多数にあたっている。誰かは取材源秘匿の制限で言えない。官房長官の上司首相は貰っていない。政務官にも渡っていない。官房長官は渡したと言っている。貰ったことになっている人に聞いたところ貰っていないと証言した。まだ本は書いていない。続編は書くつもり。(中略) 上杉:ネコババに関して (一時中断あり) 上杉:未だに正しいと思っている。 (中略) 上杉:ネコババという言葉に抗議が来た。そのあと謝罪してもいいと言っている。その結果、ネコババしか謝罪していない。 時系列が違う。番組中にネコババは発言をした。ネコババ発言を訂正してもいい。 (中略) 町山:確認したい。平野氏は3億の着服があったという確信は上杉が持っているのか? 上杉:着服は町山が言っていること。着服は書いていない。 町山:ネコババと着服は同じじゃないか 上杉:状況証拠含め証拠はのっている。渡したいう人本人は否定している。民主党はすべての情報公開を公約にしていた。平野氏は説明すべき。説明していないのなら取ったという解釈を取る。説明責任は政治家にある。使った方が説明責任がある。平野氏から説明は無い。 町山:ネコババという表現を訂正してもいいと言っている。TBS番組はネコババという言葉が不正確であったと言っている。 上杉:ネコババを否定している訳じゃない。表現を変えてもいいといっただけ。しかしTBSは官房機密費自体を否定しているのではないか? 町山:いいえ、上杉の書いたことと同じ。(引用) 上杉:官房機密費の問題で番組を降板させた。裏の取れていない事を言ったから、これを元にというTBSが降板させたというロジックには矛盾があるのでは? 町山:これは私の間違いです。上杉がTBSの仕事を貰えなくなったのは週刊ポストの記事でTBSが私を潰そうとしていると書いたから。 上杉:じゃあ、訂正すればいいじゃないですか。私が町山にお願いしている事は1つ、訂正してほしい。 町山:訂正します。 上杉:馬鹿らしい。謝らなくてもてもいい。 |
質問2.上杉隆氏は「町山は官房機密費はない、と言っている」と言っていますが、それに該当する私の発言はどれですか? 上杉隆氏は、2012年2月22日、文化放送ソコトコにおいて、「町山は官房機密費の存在を否定した」と言っています。 (中略) 同様の発言を、彼は自分のメルマガや3月11日のニコ生出演時にも言っています。 |
上杉:(前略)元々の話しの中で、ある政治家が着服したという裏の取れていい無い(引用者注:裏の取れていない?)ことを言ったから、とツイートをした。これに関して1年間掛けて取材している。訂正をしてほしい。この件は自信がある。官房機密費について取材をしてたことはあるか? 町山:無い。ある訳無い。官房長官がネコババをしたという裏が取れていないと言い切れるのは上杉が言ったから。取材と裏を取ることは違う。取材した事を否定していない。官房機密費はあると思っている。QR(引用者注:文化放送のこと)で私が官房機密費が無いというようなことを言っているが、そのような事実は無い。 上杉:ネコババ発言の訂正は猫に対して申し訳ない、言い過ぎたというニュアンスだ。裏の取れていないことは言っていない。それは訂正してほしい。2009年、共産党塩川議員が趣意書を出している。答弁書には3億円あったが残ったのは5千万円。残り約3億円が主と不明金になっている。(以下略) |
質問3 キラキラ降板は震災前の3月4日に決定しており、3月15日の東電批判とは無関係ではないのか? 上杉隆のキラキラ降板については、東電は関係ないと考えます。 それは単純に時系列の問題です。 降板の直接の原因は「ネコババ」ですら、ないと思います。 その後の、週刊ポストの記事がいちばん問題だったからです。 先の週刊ポスト2011年1月14・21日合併号で上杉隆氏はTBSの謝罪を攻撃しています。 「それ(ネコババ)以外の部分については取材の裏付けのあるものだから、いっさい謝罪も訂正もする必要はない」 「一切我々は間違っていないし、譲ってはいけない」 さらに彼は「ネコババ発言を平野に知らせたのはTBSの政治部記者」「TBSは上杉を潰そうとしている」とTBSを激しく攻撃します。 「TBSは上杉を潰そうとしている」 放送局そのものを攻撃し始めた人を、出演させ続ける放送局は、やはり、ほとんどないだろうと思います。 (中略) また、最終回になった3月29日の放送で、以下のような会話があります(19分目)。 http://www.nicovideo.jp/watch/sm13998142 小島慶子 私は実はね、3月4日の時点で(上杉隆降板を)聞いてたんですね、プロデューサーから。ただね、人にあなたの出演終わりですよ、というのはプロデューサーの権限なので、私からは言えないので、上杉さんに「次の仕事のことも考えておいたら?」って薄っら言ってはおいたんですけど 上杉隆 (15日の通達の)一週間前に、そういう噂も入ったんです。いろんな形で |
上杉:(前略)降板理由は正式に言われた。通常の番組改編と言われた。3/15降板を言われた。3/22紙を貰った。納得できなかった。3/15の2週間前に番組プロデューサーに呼ばれた。来年度も契約をお願いしますと言われた。いいんですかと聴いたがお願いしますと言われた。3 /15に同じ人に降板を言い渡される。1週間前に3名に降板の話しをされた。もう1人は6月まで、もう1人は秋まで様子を見ると言われた。まさかそんなことはないと思った。6月かなと思った。次の週には何もなかった。その次には降板を申したされた。 |
上杉:おかしいといった。許可を得て全て録音している。当事者を含めて話し合っている。TBSが憎い訳ではない。 |
上杉:(前略)TBSを辞める事はやぶさかではなかった。こちらからも降板したほうがよいと言っていた。TBSにしがみつきたいという思いは無い。 |
そもそも、問題の3月15日の上杉隆氏の放送は、東電から圧力がかかるような内容だったのでしょうか? 2011年3月15日の放送内容↓ (中略) 要するに全部、東京電力のTEPCOのコマーシャル入ってるかなんか知らないけれど、誰一人質問しない、批判はしない。 それも東電と保安院の会見に入ってフリーランスとかがやっと質問し出してからなんですよ。 この程度です。 |
質問4 なぜ、答えが有料メルマガなのか? 以上のような疑問を私はツイッターで上杉隆氏にぶつけると、なぜか彼は自分の有料メールマガジンで「反論」します。 (中略) これと逆というか、似たような例というか、上杉隆氏は安倍元総理大臣から事実誤認について公開質問されたことがありました。 (中略) 相手が公開で質問したのに、なぜ公開で回答しないのですか? これは、上杉隆氏が求めている自由で開かれた報道という理念と矛盾しませんか? |
町山:1番あれ?と思ったのは、答えは有料メルマガでといった事。町山に対する問題なのに町山に答えていない。安倍元首相の時も同じ。公開の理念と反するのでは? 上杉:DMをいただければ。一部は公開している。お送りする予定です。安倍さんに関しては、安倍事務所から抗議は週刊文春へ。公開させないという決断された週刊文集と安倍事務所の合意。私は反対した。安倍さんが書いたのではなく辞めた秘書の方の文章。ただの1度も返事を貰っていない。中央ではなく端でした。これは私の間違い。wikiを根拠にしているのは疑問。取材している。wikiは抗議していない。 町山:世間に公開すべきだと思う。 上杉:週刊文春が決めたこと。文春に問い合わせてください。 町山:公開でやってほしい。私では無く世間にしてほしい 上杉:一部公開している。ただ有料。今後公開していく。 町山:根本的な質問。なぜ有料? 上杉:時間差をつけることは問題ない。 町山:世間に周知したいから取材している、お金に払った人しか見れないのは矛盾してないか? 上杉:公開しないと言っていない。無料のメディアは無い。私の収入モデルはメルマガ。応援していただいている人に先公開することは問題ない。 町山:最終的には公開する? 上杉:する。しないとは言っていない。 |
質問5 なぜ、「NHKの正社員だった」と言い続けるんですか? 2012年2月1日発行のメールマガジンVol.102に彼はこう書いています。 (町山智浩は)すでに決着している私のNHKやNYTの経歴について言及してきた それは、決着したはずの経歴疑惑を彼がまた、歪めているからです。 ところが、それから1年以上経った2009年7月15日の「ビジネスメディア誠」で、上杉隆氏は以下のように言うのです。 http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0907/15/news054.html 大学を卒業し、NHKに就職しました。 さらに1年後の2010年7月14日の岩上安身氏との対談で上杉隆氏はこう言っています。 http://sekainomaue.blogspot.com/2010/07/5ust20100714.html 上: そのあとNHKに入ったわけです。経歴詐称やりまして。 岩: バイト? 上: 違います。ちゃんとホントに内定してるんですよ。内定して・・・コレ話します? 岩: 話してください。正社員なの? 上: 正社員です。 |
町山:(前略)上杉は週刊ポストで今回の決着してるといっている(週刊現代)は「上杉隆経歴の崩壊」という記事を書いている。NHK入局に関しては入局したと思っている。NHKで働いているという記述は出版社の間違い。記者ではなかった。しかし岩上氏(2010年)との対談では正社員と言っている。この矛盾は何だ? 上杉:官邸崩壊の著者インタビューを依頼された。忙しかった。新潮社で出したが週刊現代で取材を受けた。しかし週刊現代を批判したという話しが出てインタビューの代わりにその記事を書かれた。ゲラもチェックしている。コメント(元NHK)が間違っているそれに対して反論した。その前に平沢勝栄氏の裁判時にその事を尋ねられた。その際内定書や銀行口座などを提出し認められた。取材者が間違っている。記者職で働いたと言ったことは一度もない。その場合は訂正を必ず求めている。その記事は編集者が誤ったリードをつけた。NHKに関しては自分では掲載しなくて良いと思っている。フジヤホテルの経歴を載せるよう依頼している。 町山:岩上氏のインタビューでは正社員ですねと確認したが?正社員ですと答えた。内定したの?と、質問の意図を取り「はい」と答えた。 集英社プレイボーイにてNHK広報からNHKの記者という事実は無いから訂正を求められたが? 上杉:それはNHKが集英社へ抗議された事は無い。集英社が勝手に書いたの。自分は言っていない。 そういった記事は海老沢会長だったころ、ISL?ジャパンソーシアム(民放NHKの合同企業)が電通の子会社だった。その件に関してNHKを取材した。その際NHK広報からお叱りを受けた。NHKから良い印象を持たれていない。たぶんその頃NHKから抗議があったと思う。 元々の話しの中で、ある政治家が着服したという裏の取れていい無いことを言ったから、とツイートをした。これに関して1年間掛けて取材している。訂正をしてほしい。この件は自信がある。官房機密費について取材をしてたことはあるか? |
質問6 NYタイムズの署名記事はなぜ見つからないのか? 「ビジネス・メディア誠」2009年7月15日のインタビューで上杉隆氏は以下のように言いました。 http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0907/15/news054_2.html ニューヨーク・タイムズを受けることに。すると支局長に「インターンをしながら3カ月間、働いてくれ」と言われた。その後、2つのスクープを取ったこともあり NYタイムズは1851年からの記事を総てアーカイヴ化しています。執筆者や取材協力者名だけでなく、記事の中に出てくる人名も検索の対象になります。 しかし、3月8日に僕が、Uesugi Takashi という2つのワーズで検索したところ、ひとつも記事は出てきませんでした。 |
町山:(前略)NYTで上杉の署名記事が無い。2つあったとされる上杉が掴んだといっているスキャンダルとは何か? 上杉:国家国旗に関する法案と総会屋の居場所について。 NYTの署名は編集長により書きかえれられた。署名記事は無い。署名の件は高校生への説明の際、例えに使った。 |
1を聞かれたら10答える 彼の弁論術を支える基本は、その言葉数の多さである。ごくごくシンプルな質問であっても、一見無関係なディテールから描き出し、質問の核心に触れることを巧妙に避けつつ、全体としてみればその質問に対する回答として推論可能な形に落としこむ手口は鮮やかの一言。(中略) 自分の意見は言わず相手に要約させる 上記戦術と並んで上杉氏の弁論術の根幹をなすのが「直接自分の意見をまとめることはせず、対論者に要約させる」ということ。(中略) 過去の発言の矛盾は要約者のミス 上記の相手に要約させるという戦術は過去の矛盾を指摘された時にその効力を最大限に発揮する。(中略) それは相手が意図を取り違えただけである。あるいはひょっとしたら意図的にそうしたのかもしれないが、というさりげないアピールも忘れない。 事実は深く追求しない (前略) 町山氏が労力を重ねて検証しほぼ確実であろう事実に行きあたっても、自らは深く追求しない事で別の可能性を残し続ける。ここにまさに上杉隆氏の弁論テクニックの粋を見た思いです。おそらく彼は周囲から矛盾を指摘されても今後もこのロジックを用い続けることでしょう。 私はジャーナリストとは「推論を元に仮説を打ちたて、その仮説を実証するために証拠を積み重ね事実を詳らかにする」科学的な職業であると考えています。その点で上杉隆氏が自らを「元ジャーナリスト」と名乗りジャーナリストの看板を降ろしていることはとても正しい態度であると認めています。彼の行なっていることは「推論を元に様々な仮説を打ちたて、それが事実であった場合に大々的に公表をする」といったもので、これは非常に伝統的なある職業の行動様式と一致します。予言者と呼ばれる人達ですね。予言者の言う言葉は常に正しく、それ故に毀誉褒貶ありながらも一定の人々から熱烈な支持を得ます。 |
『コンテイジョン』は新種の伝染病によるパニックを描いた映画ですが、ポスターのコピーはこうです。 「恐怖は、ウィルスより早く感染する」 この映画で最も恐ろしいものとして描かれているのは、病気そのものよりも、ジュード・ロウ扮するネット・ジャーナリストによる恐怖デマの拡散です。 彼は、最初にブログで「新種の伝染病が発生!」と書いたことで、人々から「政府が隠そうとしている恐ろしい事態を暴く、正義のブロガー」としてカリスマ化していきます。 彼は「政府やマスコミはみんなウソつきだ!信じるな!」と叫び続け、人々は恐怖のために彼を信じて、疫病と戦うプロたちの言うことを聞かなくなります。 災害時に人は不安のために、より恐ろしいことを信じるようになります。 そして、より恐ろしいことを語る人が、真実を暴く正義の人として救世主視されてしまうのです。 |
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