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シェールガス・シェールオイル埋蔵量、米国より日本・中国が多い?


 過去にたくさん書いていて、今は全然読まれていないシェールガス・シェールオイル関連の話をまとめ中。ただ、そのまんまだとまた全然読まれないでしょうから、最初にクイズを入れました。


 【クイズ】アメリカ・エネルギー省が2013年6月に発表した調査において、技術的に回収可能なシェールガス量が最も多い国は、以下のうちどこの国だったでしょう?

(1)アメリカ
(2)中国
(3)日本


●交渉が有利でも高値買い…なぜ日本のLNGだけ以上に高い価格なの?

2012/3/23:今までいくつかの投稿で「天然ガスの価格が上がり続けているのは事実」といった書き方をしていましたが、それは長いスケールで見たときの話で、今は違うといった記事も何度か見かけました。実際、私の見たグラフも最新のものではなかったはずで、一度見ておいた方が良いと思います。

 まず、LNGは高くないという記事ですが、たとえば、日本はLNGバカ高購入 日本の電力事情知るカタールがふっかけた(SAPIO2012年4月4日号)という記事が出ています。こちらによると、確かに日本では今高い価格のLNGを買っているものの、足元を見られただけで、本来はもっともっと安いものだとしていました。

<現在、日本の火力発電所は主に何を使用しているのか。LNG、液化天然ガスだ。確かに、天然ガスの価格も、大震災以降、上昇した。だが、そこにはカラクリがある。
 日本の電力会社は、近年、原発へのシフトを強めていた。ゆえに、天然ガスによる火力発電を重要視してこなかった。安定供給されればよいとの発想から、石油メジャー等としか取引せず、原油価準拠の価格設定をしていた。
 さらに大震災以後、原発停止に慌てた西日本の電力会社が、天然ガスの買い占めに走った。だから価格高騰が起きたのだ>

 例えば日本では、100万BTU(英熱量)あたり、16ドルで購入しているが、ヨーロッパでは平均8ドルと半分程度。アメリカでは2.5ドルだ(2011年の1年間の平均)とさらに安く、日本の購入価格だけ異常に高いとのこと。これは、世界最大の天然ガス産出国はカタールに「足下を見られた」ためとの説明です。

 カタールは4 年前から天然ガス採掘の大規模施設を建設しはじめ、ようやくそれが完成したところ。最大顧客は、アメリカ…のはずだったのですが、アメリカではシェールガスが取れまくるようになったため、売れなくなってしまいました。この売れなくなったものを日本がなぜか高値で買ってしまったんだそうです。

<カタールは、日本の電力不足事情を知った上で、ふっかけた。戦略も長期ヴィジョンも持たない日本の電力会社は、言い値で買ってしまったのだ。その価格は、最高値で100万BTUあたり17.8ドルだった(同時期にカタールは、イギリスに半値以下の8ドルで卸している)>

 価格に関しては調達力の問題があります。確かそれ自体は石油に関する指摘だったと思いましたが、日本は国としての使用量は大きいものの、結局いろんな会社がバラバラに買っているため、価格交渉力がないという理由です。これは一朝一夕には変えられませんし、おそらくそれ以外にも理由があるでしょう。

 ただ、カタールは「アメリカが買わなくなって売れるところがない」という大きなピンチの状態であり、本来なら日本が値切りやすい状況だったのに、むしろ異常な高価格で買ってしまった…というのは、2022年1月30日に読み直してみると不思議ですね。普通、こういうときは安く買えます。


●突然数倍!アメリカのLNG価格は安定していないが長期的に見ると…

 この投稿はもともと<LNG価格(価格)の推移とシェールガス革命>というタイトルで書いていた話。とりあえず、こうした地域間での価格の差は別として、同じ地域での価格の変化だけ見て、LNGの価格の動きを把握しておきたいです。こういう観点で良かったサイトは、世界の経済・統計 情報サイト。まず、アメリカは以下のような感じでした。

年度 アメリカ価格 [USドル/1000m3]
1992 79.66
1993 76.23
1994 60.71
1995 96.21
1996 137.32
1997 83.79
1998 61.98
1999 84.69
2000 320.89
2001 87.23
2002 170.91
2003 221.04
2004 236.95
2005 469.77
2006 242.26
2007 256.56
2008 210.1
2009 192.51
2010 152.85
2011 113.86

 思ったより上がり下がり激しいですね。突然数倍になっている年もあります。そういうイレギュラーな年を抜いた大雑把な傾向としては、2007年ごろまで上昇傾向と言えます。ところが、それ以降は一貫して低下中。先の記事によると、2010年がシェールガス革命の力が発揮された年だそうですので、まだ下がるかもしれません。


●言うほど日本のLNG価格は高くない?アメリカやヨーロッパと比較

 次に日本を見てみました。1992ごろはアメリカと同程度で、アメリカに比べると急激な上昇が少なく、むしろ全体に安いくらいでした。安く買えていた時期もあるんですね。傾向としては緩やかに上昇中といった感じでしたが、2011年になって激増。日本のLNG価格の問題は、最近になってのものみたいですね。

USドル/1000m3
年度 日本
1992 79.53
1993 67.54
1994 67.96
1995 72.59
1996 90.89
1997 77.01
1998 55.55
1999 93.21
2000 120.35
2001 77.43
2002 99.1
2003 106.04
2004 137.6
2005 149.17
2006 153.38
2007 216.08
2008 155.28
2009 192.73
2010 209.35
2011 370.3

 最後にヨーロッパ。私が以前見たのはヨーロッパのものでしたが、近年確かに上昇しており、2010年、2011年も同様。ヨーロッパは以前から割高でしたが、2011年につていも日本よりむしろ高い価格となっています。さっきの記事ではヨーロッパは日本の半分ということでしたが、ずいぶん調査結果が違いますね。

USドル/1000m3
年度 欧州
1992 84.6
1993 91.44
1994 87.84
1995 96.84
1996 105.84
1997 88.2
1998 68.76
1999 73.4
2000 141.48
2001 115.87
2002 101.29
2003 129.6
2004 156.24
2005 250.56
2006 311.4
2007 308.16
2008 576.72
2009 232.2
2010 314.28
2011 435.96

 グラフも貼れる便利機能つきでしたので、視覚的にも確かめてください。
 
[世] 国際商品価格の推移(年次:1980~2011年)(天然ガス価格(日本)、天然ガス価格(アメリカ)、天然ガス価格(欧州))


 Wikipediaを見ても「欧州でのシェールガス生産はまだ始まっていない」とあり、アメリカ以外の国がシェールガス革命の恩恵を受けるのはまだもう少しかかるというのが現在の認識としては正しそうです。アメリカのグラフからすると今後下がるのではないかと期待していますが、現状日本が高価格となっている原因は価格交渉力などみたいでしたので、こちらは引き続き取り組んでもらいたいと思います。


●シェールガス・シェールオイル埋蔵量、米国より日本・中国が多い?

2022/01/30追記:最初のクイズにした話、正解は「中国」でした。以前、アジアのシェールガス埋蔵量がすごいぞ!って話を聞いたので、日本にもシェールガスないんですかね?みたいなことを書いたのですが、普通に中国が大半だったみたいですね。日本がシェールガス大国という意外なことはなかったようです。


【クイズ】アメリカ・エネルギー省が2013年6月に発表した調査において、技術的に回収可能なシェールガス量が最も多い国は、以下のうちどこの国だったでしょう?

(1)アメリカ
(2)中国
(3)日本

【答え】(2)中国


 なお、2021/08/27には、中国で巨大シェールオイル、石油、天然ガスを発見|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイトというニュースも出ていました。中国で埋蔵量12億トンを超えるシェールオイルと埋蔵量10億トンの石油、天然ガスがそれぞれ別の油田で発見されたとのことです。

<国営中央テレビによりますと、中国の国有エネルギー企業は25日、東北部にある黒竜江省の油田で12億トン以上のシェールオイルを発見したと明らかにしました。
 別の国有企業も同じ日に西部の新疆ウイグル自治区で合わせて10億トンの石油と天然ガスを発見したと発表しました>


●コーヒー病・タバコ病・ワイン病…本当にある病名は?…他のクイズ


【クイズ】以下のうち、実際に存在したことがない地名はどれ?

(1)坂上田村麻呂が斬首した蝦夷の将の首が飛んだ鬼死骸村
(2)横溝正史の小説『八つ墓村』のモデルとなった八墓村(やつかむら)
(3)源義家の家臣が切り落とされた片手を洗ったとされる血洗島村

【答え】


【クイズ】コーヒー病・タバコ病・ワイン病…本当にある病名はどれ?

(1)紅茶病
(2)コーヒー病
(3)タバコ病

【答え】


【クイズ】2019年に台湾の中華職業棒球大聯盟所属のプロ野球チームを買収した日本企業はどれ?

(1)ソフトバンク
(2)楽天
(3)ロッテ

【答え】


【クイズ】朝、目が覚めたときに鼻詰まりが起きたり、くしゃみや鼻水が止まらなくなることをなんと言う?

(1)エンジェルミスチーフ 「天使のいたずら」
(2)モーニングアタック 「朝の攻撃」
(3)ワイルドモーニングコール 「野生の(自然の)目覚まし」

【答え】


【クイズ】麻婆豆腐に関する説明として正しいものはどれ?

(1)豆腐にこだわりを持ち、濃い味を好まない西日本では丸美屋「麻婆豆腐の素」がなかなか売れなかった。
(2)麻婆豆腐は、麻婆豆腐を発明した麻(マー)お婆さんにちなんでつけられた名前。
(3)丸美屋「麻婆豆腐の素」に豆腐が入っていないのは、中小企業を保護する法律で大手は豆腐を作れないため。

【答え】


【関連投稿】
  ■アメリカのシェールガス革命は失敗?長続きしない理由は石油の影響でわかる
  ■もう既に日本は資源大国 メタンハイドレートやレアアース以前の問題
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