一流を知るというムーギー・キムさんが、小銭をかき集めて後ろの人をさんざん待たせるレジ精算者を「二流」だとしていました。これはまだわからんでもないところがあったものの、「少額決済でクレジットカードは二流」という主張もしていたため、多くの非難が集まっていました。
2021/09/12追記:
●ムーギー・キム氏「1ミリでもずれた会議資料を作る人は二流」
●一方、世界最高峰のグローバル企業グーグルの内部資料は…?
2022/08/27追記:
●一流の投票者と二流の投票者は違う!突然の政治的主張に驚き 【NEW】
●少額決済でクレジットカードは二流!一流を知るムーギー・キム氏が指摘
2017/3/12:ムーギー・キムさんというのは、『
一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる
』(ミセス・パンプキンとの共著)などで著書がある方。一流を知るというムーギー・キムさんにとっては、小銭で時間かかる人よりクレカの小額決済の方が許せないみたいですね。
「レジ」でバレる!二流の人の超ヤバい3欠点 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準(ムーギー・キム :『最強の働き方』『一流の育て方』著者 2017年02月22日)では、先の小銭エピソードの後に、<ひどい場合には、128円という少額のおかき1袋に対してクレジットカード決済を申し出る人さえいるのだから、開いた口がふさがらない>と書いています。
最初に書いたように、大反響だったのは、小銭で時間かかる人より、このクレカの小額決済。コメント欄(後に閉鎖)では、以下のようなコメントが出ていました。
<コンビニのレジ打ち経験があれば大体の話に共感できるけれど、おかきをクレカで購入するのは個人の自由だよww二流でも何でもない>
<128円をクレジットカードで支払うのはスマートだよ。現金でお釣りをもらうより早い>
<毎回一万円出すような客が増えたら店は両替のコストがヤバイし釣り銭も今より多く持たなければいけなくなる
これ書いた人は商売したこと無いんだろうな、経営したこと無い奴が一流とか二流とか笑える>
●一流は長財布…は日本の偏見 海外ではそういった傾向はない
では、ムーギー・キムさんの考える一流のレジはどういうものなんでしょうか。記事では、<これに対し、一流の人は、レジでの支払いもスマートだ。おカネは、きちんと整理された財布からピン札がさっと出てくるし、お釣りもすぐ小銭入れにしまうので、じゃらじゃらとやかましくない>と書いていました。
ここでは「ピン札」とあるので、長財布を想定しているものと思われます。よく言われる「一流は長財布」のイメージを踏襲しているのかもしれません。ただ、
金持ちはブランドもの長財布・二つ折りは出世できない…はステマ?でやったように、お金持ちが長財布といったイメージは根拠がない可能性があります。
また、
長財布が人気なのは日本だけ?使わない理由は不便だからではないでやったように、海外では長財布があまり使われません。その理由として大きいのは、そもそも海外では現金を使う機会が減っているからというもの。むしろ現金を使わない方が主流になってきているんですよ。コメント欄でも以下のようなツッコミがありました。
<カードでオカキの件は使えるんだから使って何が悪いって思います。
そんなん個人の自由だしそれで二流呼ばわりは…作者の感性が三流以下。
それに、恐らく作者のルーツであるだろう韓国や勉強なさったアメリカは日本よりも少額のカード決済が盛んだと思いますよ>
私は、そもそも一流、二流と分けること自体が、二流以下のやることだと思います。人間として美しいものではありません。ただ、そういったクラス分けは別として、おそらく現実には一流とみなされる人ほど現金以外を使う機会が多いんじゃないですかね? かなりへんてこな記事でした。
●ムーギー・キム氏「1ミリでもずれた会議資料を作る人は二流」
2021/09/12追記:他にムーギー・キムさんってどんなこと書いているのかな?と検索。
資料1枚でバレる「二流で終わる人」の3大特徴 | ムーギー・キムの「最強の働き方」 | 東洋経済オンラインという記事が出てきました。「プリントの紙の端がそろっていない! 読み手の気持ちを考えて、資料は紙をきちんとそろえてクリップでとめて!」と上司に怒られたことがあり、後になって正しいとわかったという話などが出てきます。
<実際、世界中の一流のプロフェッショナルが集まる業界では、驚くほど「資料の正確さ」「フォーマットの完璧さ」が求められ、フォントの大きさひとつ、カラーリングひとつ、ロゴの位置が1ミリずれているかどうかを巡っても大騒ぎする>
<「完璧な資料」と「単純ミスがひとつある資料」の間には、実はケアレスミスひとつにとどまらない、途方もなく「大きな違い」が存在する>
<私がさまざまな職場で働いてきて痛感するのが、会議やプレゼン、企画書といった、一見「小さな仕事」に見える「資料作り」において、細部の完璧さを究める者だけが一流の高みを目指せるということである>
ただ、
はてなブックマークでは、テンプレート・雛形を用意していない会社側の問題では?などと不評。お役所関係のお仕事だと見た目ばかり重視されるってのも「わかる」と思った話。中身がないから変なところで頑張るということで、
お酒が飲めない人の飲み会の盛り上げ方 イッキ飲みで漢気を見せろ!で書いた広告業界の話も思い出しました。
<しっかりした会社はプレゼン資料の雛形をちゃんと作りこんであって社員はそれを使うので会社のロゴが1mmズレてるなんて事態は起きない。つまり若手社員の責任ではなく会社の管理責任でしょ>
<本質ではないところにコストを過大にかけた資料を求めると、相手もそこに価値を見出して価値のないところに過剰品質なものを作るのが当たり前になる一例。エリート意識村で勝手にやってればいいけど競争力は落ちそう>
<会社のロゴがズレてるだけで怒るぐらいならちゃんとテンプレート用意せえや。会社が三流っちゅうオチか>
<いきなり細部の見た目の話でがっかり。そういうところを評価されて出世した上司は部下にも同じことを求める>
<基本東京の官需で回している業界ってこういう印象。書類の美しさに拘るのは近世以前の宮廷政治と同じ。誰がやっても同じ税金仕事をコネで回しているので書類を完璧にしてアリバイを作ろうとする>
<細部にこだわって本質を見ることができない人はいつまでも二流>
<自社に差別化できる優位性がないってことでは?レッドオーシャンを部下に押し付けるのではなく,戦略の見直しが経営陣,幹部の仕事ではないかと思う>
●一方、世界最高峰のグローバル企業グーグルの内部資料は…?
上記では紹介しなかったコメントに、<どうでもいいけど、ジョブズの威を借りるために彼が言ってもいないことを捏造するのは一流のやることなんですかね>というものがありました。これは、以下の部分を踏まえたもの。スティーブ・ジョブズさんは部下に難癖つけていじめていた人なので実際あったかもしれませんが、アップル自体は結構ひどい状態でサービスをリリースする企業でタイプも違いますね。
<これから資料をつくるたびに、隣にスティーブ・ジョブズがいると思って、彼の反応を想像しながら、「1枚、ひとことで要約できる資料づくり」を心がけようではないか。ジョブズの名言に「Stay hungry, stay foolish」というのがあるが、もうひとつ付け加えるとしたら「Stay Simple」なのである>
今回の話、大金をかけたコマーシャルなどならわからなくもないですが、内部資料などでこれだけの労力をかけるのは労働生産性を犠牲にして無駄な感じ。グーグルのスピード仕事術では、「手書きで汚くていいから」と絵を描かせていた…といった話も以前どこかで紹介しました。世界的な成功企業は見た目なんかよりむしろスピード重視なんですよ。
外部向けでさえもネット広告なんかでは、完璧さを求めずに、トライアンドエラーしつつ反応の良い広告を選んでいく…というやり方があります。ベータ版など未完成なサービスをリリースしちゃうというもよくありますよね。ムーギー・キムさんの理論だと、グーグルなど世界最高峰のグローバル企業の社員たちがことごとく「二流」と判定されてしまいそうです。
●一流の投票者と二流の投票者は違う!突然の政治的主張に驚き
2022/08/27追記:まだまだおもしろい話がありそうだな…と、ムーギー・キムさんの記事を読んでいると、突然、政治的思想がわかる話が出てきてびっくり。自民党を擁護したり持ち上げたり自民党を批判するマスコミを叩いたりする…ということをやっていました。どうもリベラル嫌いの右派系の人だったようです。
<「ま、ま、まさしくこれは、”今しかない解散”や~~‼」(引用者注:安倍首相の解散判断を褒めている)>
<選挙になっても「誰と誰が不倫した、一線を越えた」「一線の定義とは何か」など、どうでもいいことに全神経を注ぎ込む二流の投票者と三流のメディアたち>
(
総選挙でバレまくる!「残念な人」の3大欠点 | ムーギー・キムの「最強の働き方」 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース 2017/09/28より)
いつもと毛色が違うな…と思ったら、この記事は、「先日対談した某大物経済学者からの単なる受け売り」だとのこと。検索すると、書籍発売は記事の少し後ですが、竹中平蔵さんと対談書籍を出しているのを発見。竹中平蔵さんは自民党と密接で、パソナ会長として自民党から利益誘導も受けていましたし、彼のことですかね。
なお、このときの記事では、以下のように、今後国政で伸びるであろう都民ファーストの会系を含む「改革派保守政党」と組んで、安倍首相は悲願の「9条改正」を成し遂げるための解散であることを二流の人は知らない…と書いていました。ただ、都民ファーストの会系は、国政だと全然なんですよね。
<今回の選挙の理由は、翌年の自民党総裁選で3選するためには、衆院の3分の2の議席数を減らしても「直近の衆院選で過半数を維持した」という実績が必要だからである。
また、安倍首相が最も成し遂げたい「9条改正」を含む「改憲」については、与党が3分の2の議席数を失っても、票を取るのが小池氏率いる保守政党なら、政策単位で連携して「悲願の改憲が達成できる」という見込みがある。
さらに、今回は都議選で圧勝した「都民ファーストの会」の流れを受ける「改革派保守政党」が台頭しつつあるため、人選次第では以前「維新の党」がなしえなかった「既得権益層に縛られない改革派保守政党」を実現できるかもしれないのだ。
今後、この「改革派保守政党」の体制が整えば、自民党は大きく議席を減らすことになる。要するに、「改革派保守政党の体制が整う前に衆院選を乗り切って、来年の自民党内の総裁選3選につなげるため」の解散総選挙なのである。
残念ながら二流の投票者は、ここまでの理由がまったくわかっていないのだ>
ムーギー・キムさんが書いた2017年の選挙では、都民ファーストの会系である希望の党は公示前勢力を下回り敗退。翌年には早くも空中分解して党を解散しています。2021年には「ファーストの会」設立も、衆議院選で候補を擁立できず、前回以上の惨敗状態。翌年の参議院選挙でも当選者は出せませんでした。
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